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2013年11月10日 (日)

アイソン彗星の撮影法

話題のアイソン彗星。当初「一生に一度しか見られない超巨大彗星」になるとの期待がありましたが、最近の新聞記事によると次のように書かれています。
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 期待とは裏腹になかなか明るくならず、ファンをやきもきさせている。1カ月後の11月29日午前4時過ぎ、太陽に最接近するが、それまでに消え去る可能性を指摘する研究者もいる。
 アイソン彗星はいま9等星ほどの明るさ。大きな望遠鏡ならすでに見える。だが「満月級のマイナス10等かも」と言われた成長ペースよりは暗く、このままだと太陽の間近に来ても宵の明星(金星)ほどのマイナス6等にとどまりそうだ。
 11月29日ごろは太陽に近すぎて見えにくい。明け方の空に見えるのは、その前後数日で、3~4等星ほどの明るさの可能性がある。朝焼けの明るさに埋もれて、見つけるのは難しそうだ。
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もちろん、彗星の明るさの予想は難しく、太陽に接近して突然大彗星に変身することは、過去の例をさかのぼってもあり得ることです。それは置いておいて、ここでは新聞記事のように3~4等星と仮定して撮影法を考えてみます。

彗星は太陽から離れるにしたがい急速に光度が落ちてゆきます。アイソン彗星を眼視で見るなら、11月29日の太陽接近後に薄明中の東の空の超低空に見えはじめる12月5日から10日くらいが「旬」といえます。地平線から同じくらいの高度で南側に土星があるので、アイソン彗星を捜すときの位置の目安になります。アイソン彗星の上の方にヘルクレス座のM13球状星団(約4等)が見えるので、アイソン彗星の明るさの目安になります。

肉眼では少しの薄明は気になりませんが、写真撮影の場合は薄明は大敵で。少し露出するとバックが青空のように写ってしまいます。それと月明かりも大敵です。したがって、写真撮影の「旬」は、薄明前にアイソン彗星の地平高度がモヤの影響の少ない10度以上になる12月12日以降で、西側に明るい月が現われる12月16日以前になるでしょう。

東京の場合、12月12日05時に彗星の地平高度は約10度になり、薄明が始まるまで約10分間あるので、このチャンスに素早く撮影する必要があります。アイソン彗星が最新の予報通りの光度ならば望遠レンズで撮影すべきです。

アイソン彗星がもっと地平線に近い時間帯の場合は大気の浮き上がり現象を受けるので、SWAT-200の追尾速度を「SUN/LA」にした方が正しく追尾します。また、このころのアイソン彗星は1日に約2度移動します。したがって、200mm望遠レンズで5分以上露出するとアイソン彗星は移動方向にブレて写ってしまいます。
12月12日の場合は、05時少し前に撮影を始めれば、薄明直前まで5分以下の露出で4~5カット写すことができます。撮影後にコンポジット合成してアイソン彗星が明瞭に見えるように仕上げれば良いと思います。

このように、彗星の撮影条件は厳しいものです。それが醍醐味ともいえますね。

12_12 プラネタリウムソフトSUPERSTARⅣで表示した12月12日明け方薄明中のアイソン彗星。

http://www.unitec.jp.net/

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