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2016年6月27日 (月)

追尾精度お気軽チェック!

赤道儀の追尾精度を現すのにピリオディックモーションの値が使われますが、ご自身で測定するとなると、ちょっと面倒ですよね。簡易的な方法として、お使いの赤道儀で撮影したい焦点距離のレンズがノータッチガイドできるかを知るための、簡単な方法がありますのでご紹介します。ご自宅のベランダでもできますので、ぜひお試しください。
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まず、機材をセッティングしますが、このとき極軸は合わせません。だいたい北に向けて設置します。ですから北極星が見えない南向きのベランダでも大丈夫です。あまりズレが大きいと撮影したときの星の軌跡が長く伸びますので、そんなときは適宜調整してください。そして、恒星時駆動させたまま真南の天の赤道付近を撮影します。東京での地平高度は55度くらい。上の画像のような角度にセットすればOKです。天の赤道から上下にズレると、その分結果が甘く出ます。
撮影に使いたいレンズで、明るい星でピント合わせをしてから、真南の天の赤道付近に向けて撮影します。このとき、向けた方向に星が見えなくても撮影すると何かしら星が写ります。写らなかったら、少し向きを変えてやり直しましょう。露出時間は10分から15分くらいでよいでしょう。これでウォームネジ1~2回転分くらいは記録できます。露出時間が長いので、光害があるとカブってきますが、あまり絞ると極限等級が下がるので、そんな時は下の参考画像のように短時間露出を繰り返し、比較明で合成しましょう。
 Sample_4
参考画像は、私が普段愛用しているSWAT-350を使って、ユニテックのある目黒区で撮影しました。このSWAT-350の追尾精度は以前測定して±7秒角前後を確認した個体です。カメラはキヤノンEOS6D。さすがに光害がひどいので、絞りはF4開放ですが、ISO100で3分露出を4秒間隔で5回繰り返して、トータル15分間を比較明で合成しました。撮影した焦点距離のレンズでノータッチガイド可能なら、星の軌跡は直線になります。ピリオディックモーション±7秒角は、フィルム時代なら300mm程度までノータッチ可能な精度とされていましたが、最近はデジタル時代で許容値がやや厳しくなってきた感があります。なので、200mm程度はノータッチ可能とした方がいいかもしれません。さて、上の画像の左は100mmの時の軌跡です。ほぼ直線です。まったく問題なくノータッチ可能な精度と判断できます。右は200mmの時の軌跡です。15分間ですから、およそウォームネジ2回転分のピリオディックモーションが左右の振れとなってわずかに現れています。ピクセル等倍で確認すると2ピクセル分になります。ただ、これくらいの量は、シンチレーションや長時間露出の星の滲みで、ほとんど問題にならないものです。ちなみに6Dの場合、200mmの時の1ピクセルあたりの角度はおよそ6.7秒です。トータル2ピクセルのズレは、13.4秒になりますので、±7秒程度の精度と計算できますが、それなりに正確には測るには1,000mm以上の焦点距離が欲しいです。ここでは、±7秒角の精度があれば、焦点距離200mmで右くらいの軌跡になるということを理解していただければと思います。もしギザギザがひどかったり、大きく波打っていたら相当精度が悪い赤道儀です。軌跡が長くなるとフレがわかりにくいので、気をつけましょう。

こんな簡単な方法ですが、ちゃんと直線に写るかで、お手持ちの赤道儀の追尾精度がある程度判断できます。自分が使いたい焦点距離のレンズで調べて、直線に写れば、ノータッチOKです。ピリオディックエラーのフレが出ても、それが滑らかな曲線であれば、撮影時間を調整して星を点像に写すことができます。ちょっと補足ですが、極軸の高度を正しくして東西をわざと狂わすと、星の軌跡が作例のように正しく南北に流れます。高度も大きく狂っていると、星の軌跡が斜めに流れて検証精度が落ちますが、まぁ堅いことは言わずに「このレンズがノータッチで使えるかな?」くらいの確認のつもりでやってみるのもありです。自分の赤道儀が、どれくらいの焦点距離まで対応できるか、ぜひ試してみてください。

株式会社輝星のブログに高槻さんが書いた関連情報はこちら

http://www.unitec.jp.net/

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