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2019年4月

2019年4月24日 (水)

ラッピングの効果。

このところ、ブログもサボりがちになっておりまして申し訳ありません。たいしたネタも無いのですが、赤道儀の追尾精度を上げるための手法をひとつご紹介します。年明け1月5日のブログで「Pモーション±7秒角前後を達成するために…」という記事を書きました。その中でラッピングについて触れていますが、具体的にどれくらいの効果があるのでしょうか…  Photo_4  
グラフは、ウォームギアをラッピング処理する前後のモーションを計測したものです。縦軸がモーションの幅、横軸は時間で、ウォームネジ一回転になります。グラフ(上)はラッピング前に±13″だったものがラッピング後に±7.5″と大幅に精度がアップし、SWATの合格ラインに到達した例です。Pモーションが半分くらいまで小さくなっていますが、ラッピングによって、すべてがこれほど改善するわけではなく、多くは20~30%アップにとどまります。 グラフ(下)がその一例で、±20″だったものが±15″程度まで改善しています。今回、試しに±20″のネジをラッピングしていますが、合格ラインの±7″まで改善することは99%ないので、普段はラッピングすることはありません。それから、滅多にないことですが、意に反して悪くなってしまうこともあります。結果は計算できるものではなくて、経験によってだいたいは想像できるのですが、最終的にはやってみないとわからないところが、おもしろいです。

ここでのラッピングとは、研磨剤を使ってウォームネジとウォームホイールを摺り合わせ、より滑らかな動作を得る目的で行わる処理です。接眼部などの摺動部にも使われたりしますが、分解洗浄やグリスの再塗布などとても手間のかかる作業なので、一部の高級機にしか採用されていない処理技法です。具体的な方法は各社の企業秘密で、研磨剤の種類や番手、潤滑剤、処理時間、負荷のかけ具合など、結果に大きく影響する要素は公表されていません。弊社でも独自の研磨手法を確立してラッピング処理を行っております。SWATが採用しているジュラルミン(一部は超々ジュラルミン)のウォームホイールと真鍮のウォームネジの組み合わせは、超高精度加工に適しているうえ、ラッピングの効果も出しやすく、±7″前後の高精度追尾を実現するのに最適な素材といえます。

さて、いよいよGWに突入ですね。新月期と重なるので、晴れたらどこも賑わいそうです。みなさん、家族サービスも大事ですが、ストレス解消にはSWATで天体撮影するのが一番です。私も星空撮影を楽しみたいと思っています。
 
https://www.unitec.jp.net/

2019年4月 2日 (火)

M51子持ち銀河。

 M51_1

●M51子持ち銀河
2019年3月9日2時07分~/2018年2月12日1時07分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 3分露出×57枚 Photoshopで画像処理 SWAT-350+M-GENによる1軸オートガイド 撮影地 千葉県大多喜町
 
3月8日の房総遠征で撮ったM51子持ち銀河です。春の銀河はどれも小さく、個々の天体をポータブル赤道儀で拡大して狙うのはとても厳しいのですが、撮影して絵になる対象がいくつかあります。その中のひとつがこのM51子持ち銀河です。20cmを超えるような大口径反射の作品とは比ぶべくもないですが、口径10cmクラス+ポタ赤でも、これくらいは写せるという参考になればと思い撮影してみました。このほかにも、しし座のトリオ銀河やM81M82など小口径でも狙える天体があります。焦点距離が長いとオートガイドしないと星像が流れてしまいます。ノータッチで撮るときは、高感度に設定して流れ具合を確認しながら30~60秒程度の露出で多枚数撮影し、それらをまとめてコンポジットすれば星像が点像で見栄えのする作品が作れます。ぜひチャレンジしてみてください。
 
https://www.unitec.jp.net/

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