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2017年10月29日 (日)

シグマ135mm Artによる魔女とオリオン。

横浜市にお住まいの蒼月様より、話題のシグマ 135mm F1.8 Artによる「魔女とオリオン」をお送りいただきましたのでご紹介します。追尾はSWAT-200です。
 Photo

●魔女とオリオン
2017年10月27日1時05分~4時00分 シグマ 135mm F1.8 DG HSM Art キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 F2.2 260秒露出×30枚+F2.8 90秒露出×18枚コンポジット+F2.8 15秒露出×18枚コンポジット(高輝度部分) SWAT-200(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 天城山登山口駐車場
 
■コメント
久々の好天候に恵まれた先日、平日ではありましたが、天城まで撮影に行きました。この夏は稀に見る天候不順に見舞われましたが、天城で一晩中快晴だったのは本当に久しぶりではないでしょうか。この好天候に誘われたのか、平日にもかかわらず、私の他に5組の天体写真バカさん(笑)達が集まり、皆さん久々の好条件に満足しておられたようでした。ただし、気温が低く、手元のデータで最低気温は -1.7℃まで下がりました。高地ではありますが、秋を通り越して一気に冬がやってきたようです。
さて、撮影レンズは、先日ついに購入した SIGMA 135mm Artです。この日がファーストライトでしたが、いきなりの本気撮りにチャレンジしました。オリオンの腰から下の部分です。赤い輝線星雲から白っぽい反射星雲まで、カラフルで非常に美しい領域ですね。天城の南天クラスの暗さであれば、もっと露光しても良かったと悔やんでいますが、思いっきり撮影できたのは久しぶりでしたし、まずまずの出来じゃないかと満足しています。画角センスの無さは相変わらずでして、魔女の横顔とオリオン座中心部の星雲を一緒に写したかったのですが、バーナードループが見切れる格好となり、ちょっと残念です。もう少し左に振ればまだマシだったかもしれませんが、ご容赦ください。
なお、SIGMA 135mm Artレンズはピント調整が非常にシビアで、手動で正確に合わせるのは至難の業ですが、このレンズには AFが付いていますので、BackyardEOS等のカメラ制御ソフトを通して PCからモーターを微動させ、ミクロン単位でピントを調整することができます。これは、同じクラスのレンズで天体写真ファンにも有名なアポゾナーではできないことで、大変なアドバンテージだと思います。最後に、この画像の高解像度版はこちらからご覧いただけます。針で突いたようなシャープな星像を是非一度オリジナルサイズでご覧になってください。
https://flic.kr/p/YLd6yo
 
■係より
26日夜の関東地方は久しぶりにオールナイトで快晴でしたね。私も房総半島へ出撃して撮影を楽しんできました。空の条件は伊豆にはかないませんが、房総は暖かくて、車載の温度計で9℃までしか下がらなかったです。それでも冬の装備が欲しくなる気温でした。さて、お送りいただいた作品は、気合いの入ったオリオン南部です。話題のシグマ135mm F1.8 Artを若干絞って、約3時間もの露出で得られた豊かな階調の元データを蒼月さんの抜群の画像処理でここまで美しい作品に仕上げています。いつもながらの見事な出来栄えです。赤いHα域とと青白い反射星雲が入り交じる淡い分子雲を丁寧に描出しています。短時間露出も合成して、オリオン大星雲の中心部や輝星の色飛びも抑えてパーフェクトな仕上がりではないでしょうか。ご投稿、ありがとうございました。ぜひまたお送りください。
 Beam_of_light

●シグマ 135mm F1.8 Artレンズ 各F値での周辺部の輝星の光芒
 
■コメント
開放で周辺部の輝星の光芒が2つに大きく割れる件(これ自体はこのレンズに限ったことではありません)に関して、1等星のリゲルを周辺部に位置させ、F値を変えて星像を比較しました。光芒の割れは F2.2でかなり改善されます。F2.8まで絞るとなお良好ですが、それだと光量が惜しいので、私は F2.2を常用F値とすることとしました。

■係より
シグマ 135mm F1.8 Artのフルサイズ最周辺に輝星を配したときのテスト画像です。光芒の形状がF2.2に絞ることで、ほぼ均一になるようです。このレンズ、ものすごくシャープな星像で話題となっていますが、輝星によるゴーストやフレアも抑えられていて、安心して使えますね。周辺光量も豊富ですし、歪曲も少なく、モザイク撮影にも適していそうです。参考になる検証、ありがとうございました。

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