2024年12月24日 (火)

六角棒レンチの標準添付終了のお知らせ

弊社では日頃より製品価格の現状維持に努めております。ここ数年来の原材料費と加工費の大幅な値上がりもロット数や作業工程の見直しでコスト削減に取り組んでおりましたが、一部パーツで厳しくなって参りました。今回、値上げ抑制のため、「アリミゾキャッチャー」と「テーパーキャッチャー」に添付していた「M6六角穴付きボルト用(5mm)六角棒レンチ」の標準添付を終了いたします。(販売価格は現状維持)お買い求めのユーザー様におかれましては、たいへんご不便をおかけしますが、ご自身で5mmの六角棒レンチをご用意いただけますよう、お願い申し上げます。

※2024年12月24日出荷分より適用いたします。
※5mmの六角レンチはホームセンターやamazonなどで入手可能です。
※ご参考にKTC社のサイトはこちらです。
 
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2024年11月 6日 (水)

300mm望遠によるIC1396

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●IC1396
2024年11月3日20時31分~/2018年10月7日19時03分~ シグマ APO 300mm F2.8 DG HSM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 2分露出×73枚コンポジット(総露出2時間26分)+短時間露光をHDR合成 ステライメージ9、Photoshop、SXT、BXT(PI)で画像処理 SWAT-350V-specノータッチ追尾(2018年はM-GENによる一軸オートガイド) 撮影地 千葉県南房総市/千葉県大多喜町
 
11月3日は紫金山・アトラス彗星を撮影後、そのまま帰るにはあまりにも惜しい星空だったので、続けてIC1396を撮りました。過去に同じ機材で撮った画像があったので、構図をだいたい合わせて2分露出で21枚撮りました。多少のズレは仕方ありません。ズレた部分はトリミングです。デジタル時代ですから、6年前のデータを引っ張り出して新たに撮影したデータを加算できるという技?が使えます。そのうえ画像処理ソフトウェアの進歩のおかけで2018年版よりも大幅に画質が向上できました。フィルム時代を体験してきた私としては、まるで天国です。半分冗談ですが、あの頃はいったい何をやっていたのだろうと思います。(笑)

今回のIC1396もベガから目盛環で一発導入しています。
●ベガ  赤経: 18h 36m 56.3s 赤緯: +38°47' 01"
●IC1396 赤経: 21h 39m 06.0s 赤緯: +57°30' 00"
ざっと、東へ3h 北へ18.5°振っただけで導入できました。自動導入は確かに便利ですが、目盛環を使えば暗い天体も簡単に導入できます。ぜひご活用ください。
※SWAT-310は赤経恒星時目盛環ですから、常に正しい赤経座標を示しており、その場合、差分計算は必要なく、天体の座標に合わせるだけで導入できます。SWAT-350の目盛環は恒星時で回らないので、今回の導入のように基準星からの差分で導入するのが便利です。SWAT-350も一度正しい座標に赤経目盛りをセットし、その後の経過時間(時計の時間で実用上問題ない)を次の天体導入前に西に回してやれば、直後は恒星時目盛環と同様に使えます。ちょっと面倒くさい裏技ですかね。
 
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2024年11月 4日 (月)

まだ迫力ある11月3日の紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

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●紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年11月3日18時58分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 60秒露出×30枚コンポジット(彗星核基準) SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopで画像処理 撮影地 千葉県南房総市

もうすっかり下火になった紫金山・アトラス彗星を300mm望遠で撮影してみました。彗星は地球から遠ざかっても拡大すれば、充分に迫力ある姿で撮れるのが面白いです。今回は300mm望遠で60秒露出ですが、SWATの追尾性能ならオートガイドすることなく点像に写せます。お気軽撮影といえども、星が流れてしまっては気分もがっかりですよね。ぜひSWATの高性能でお気軽でも本格的な撮影をお楽しみください。
 
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上の画像は300mm望遠でベガを中心に入れて、目盛環を使って彗星を導入したときのズレです。一発でこれくらいの精度で導入できます。下の例のように座標をざっと引き算しただけですが、500mmクラスくらいまでならこれで充分な導入精度です。あとは微調整で構図を決めます。それぞれの座標は以下の通りです。

●ベガ
赤経: 18h 36m 56.3s 赤緯: +38°47' 01"
●C/2023A3 紫金山ATLAS彗星(11/3 19時頃)
赤経: 18h 09m 26.1s 赤緯: +03°48' 22"
※彗星は日々刻々と座標が変化しますので、星図ソフトなどでその日の位置を調べてください。

導入後に構図を調節するので細かい計算は必要なく、赤経は西へ27.5m、赤緯は南へ35°カメラを振って導入した結果です。自動導入がなくても天体の導入は意外と簡単です。ぜひご活用ください。
 
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シグマ 20mm F1.4 Art 絞りF2 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 10露出×10枚コンポジット 固定撮影
 
広角レンズで固定撮影した画像を恒星基準でコンポジットしました。周辺星像が流れてますが、固定撮影した画像(広角レンズは歪曲収差が大きい)を無理矢理合成したためです。一枚はずつはもっとずっとシャープな星像です。この日は自由雲台を忘れてしまったので、仕方なく固定撮影しましたが、赤道儀で追尾すれば周辺星像はこんなに流れません。
 
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2024年10月23日 (水)

21日撮影の紫金山アトラス彗星(C/2023 A3)

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●紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月21日18時26分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 60秒露出×29枚コンポジット(彗星核基準) SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopで画像処理 撮影地 長野県諏訪郡富士見町
 
前日の20日は雲に邪魔され、満足な撮影ができませんでした。翌21日も同じ場所でとも思いましたが、GPV予報で西方向の雲の状況を検討した結果、少し南下して八ヶ岳山麓の富士見町に変更しました。天候は前日より明らかに良好で、到着したときからずっと快晴。19時に雲がかかるまで何の問題もなく撮影できました。上の画像は薄明終了あたりから曇るまでの29分間の露出を彗星核基準で合成したものです。アンチテイルがはっきりと描出できました。充分に暗くなってからの撮影なので、恒星の数がこれまでの薄明中の撮影より圧倒的に多くなりました。彗星核基準でコンポジットしたため恒星が流れていますが、核の左に見えるふたつのもやっとしたものは球状星団です。左がM10で右がM12です。紫金山・アトラス彗星は、これからどんどん小さく、そして暗くなりますが、彗星の面白いのは小さくなった分、焦点距離を長くして撮ると意外と似たような迫力で撮れることがあります。そうなるとSWATの追尾精度がさらに活かせます。もうしばらくは楽しめます! 晴れたらぜひ狙ってみてください。今回は一泊して彗星三昧の撮影旅でした。仕事から離れてとても気分転換になりました。たまにはこういう撮影もいいものですね。

※SWATは超高精度で恒星時追尾しますが、地球に近い彗星は恒星時では正確に追尾できません。恒星と彗星の両方流れないように露出時間のバランスを取ることが大切です。21日の紫金山・アトラス彗星の見掛けの速度は恒星時より遅いので、追尾モードを太陽にして恒星とのバランスを調整するとより露出時間を延ばせる可能性があります。(その時の見掛けの速度は星図ソフトなどで調べてください)彗星は基本的に地球に近いと見掛けの動きが大きく、遠く離れると恒星に近くなります。また赤緯方向にも動くので何枚か試写してチェックするようにしてください。ちなみに21日は恒星時と彗星の見掛け速度のほぼ真ん中くらいが太陽時でした。
 
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ところで初心者の方から日没から暗くなってくる段階の彗星導入が難しいという話をよく耳します。肉眼彗星なら簡単ですけど、暗い彗星や天体は簡単には見つけられないものです。そんなときに頼りになるのが目盛環。実は今回の撮影でも最初は目盛環を使ってそこそこ明るいうちに導入を終わらせています。
上の星図は21日18時、諏訪の西の空です。左下に金星、真ん中上に紫金山アトラス彗星がいます。望遠レンズを使って撮影する場合は極軸の設置精度も大切です。まず、北極星が見えてきたタイミングで極軸合わせをして金星を導入します。そこから彗星との差分を目盛環を見ながら回せば導入できます。上の図でいえば、黒い経線が赤経赤緯の座標ですから、ざっくりと赤経は東に30分、赤緯は北に25°動かすだけです。これで試写すれば写野のどこかに入っているはずで、あとは微調整するだけ。広角や標準レンズ程度の画角があれば、極軸をだいたい北に向けただけでも写野のどこかに入っていることが多いです。今回はたまたま金星が近くにあったので、それを使って導入しましたが、もちろん他の星でもかまわないです。SWATは目盛環を装備していますから、ぜひ使ってみてください。探すのに時間を無駄にするのはもったいないです。
※500mmクラス以上の長焦点の場合は基準星との差分をもっと正確に出さないとズレが大きくなります。
 
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今回はポルシェ乗りの星仲間(SWATユーザー)とご一緒しました。
 
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私の撮影システム。SWAT-350にシンプルフォークDX2で赤緯体を構築、カウンターウェイトで東側荷重を維持して安定追尾を狙います。レンズはお気に入りのシグマ 105mm F1.4 Art、これは神レンズです。
 
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日没後のシルエット。撮影開始までしばしの休憩時間。
 
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2024年10月22日 (火)

20日撮影の紫金山アトラス彗星(C/2023 A3)

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●紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月20日18時12分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 20秒露出一枚撮り SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 Photoshopで画像処理 撮影地 長野県塩尻市
 
天気予報によると20日(日)と21日(月)は絶好の撮影日和になりそうとの予測で、両日とも晴れそうなエリアを物色して長野方面への遠征を決めました。安宿に一泊してのダブルヘッダーです。機材はお気楽にシグマ 105mm望遠とSWAT-350V-specのみのシステム。設置、撤収ともあっという間に終わります。それでいてSWATの追尾精度は大型赤道儀並みですから、105mm望遠のガイドは当然のようにノータッチです。

さて、初日(20日)は宿を取った岡谷から20分ほどで行ける諏訪湖西側の小高い山にある駐車場から狙いました。初めての撮影地なので、まずは Light polution map でだいたいの光害を調べたところ、諏訪や岡谷の影響はありますが、彗星のいる西側は大丈夫だろうと判断しました。現地到着後に機材を設置して暗くなるの待ちました。しかし残念なことに肝心の西側の空に雲が居座ってなかなか彗星が捕らえられません。薄明終了から月が昇るまでの18時30分~50分頃のゴールデンタムは逃しました。雲が取れて彗星が全貌を現したのは19時15分で、その時の地平高度は15°程度で、さらに低空の透明度はかなり悪く、良質な元画像はほとんど得られませんでした。残念な結果となりましたが、無理矢理コンポジットして処理した画像を下に掲載します。21日に撮影の分はこれから処理しますので、一両日中にはブログに掲載します。クリアーに撮影できたので、今回の画像より多少なりとも好結果を期待できそうです。
 
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●紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月20日19時15分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO800 30秒露出×11枚コンポジット(彗星核基準) SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopで画像処理 拡大トリミングあり 撮影地 長野県塩尻市
 
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西側にはずっと雲が居座って、スッキリとはいきませんでした。
 
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日没と撮影機材。
 
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今回のお気楽システム。自分でいうのもなんですけど、なかなか使い勝手がよくて、お気に入りの組み合わせです。
 
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2024年10月15日 (火)

伊豆大仁での紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

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●紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月14日18時10分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 4秒露出×26枚コンポジット(彗星核基準) SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 静岡県伊豆の国市大仁
 
昨日の関東付近の天気予報で晴れる可能性が高そうだったのが伊豆半島でした。実は別件でこの地へ行く用事があったので、そのついでといっては何ですが、せっかくなので晴れたら紫金山・アトラス彗星を撮るつもりで105mmレンズとカメラ、赤道儀関係を積み込みました。本当に久しぶりの撮影で一年以上撮ってなかったと思います。あまりに間隔が空いたので、何かやらかしそうで心配でしたが、無事に機材を組み上げてスタンバイ完了しました。仲間内からの情報で肉眼で見えるということでしたが、金星以外なかなか見えません。やきもきしているとアークトゥールスが見え始めました。金星とアークトゥールスの真ん中あたりと聞いていたので、そのあたりに目を凝らすとなにやら怪しい光芒を感じました。その付近にカメラを向けてシャッターを切ると見事な尾を引いた彗星が写っていました。時間の経過とともにはっきり尾を引く彗星が見えてきました。「こりゃ大彗星だわ」と思いながら撮影を始めました。

撮影中、彗星の方向に動きの遅い雲が出て、写野に居座ってしまいました。残念ですが仕方ないです。これだけ撮れれば充分です。上の画像は彗星核基準でコンポジットしたものです。地上部分は地上のみ数枚コンポジットしたものを最後のコマの地上に合わせて貼り付けました。それで流れてない画像になっています。彗星らしい姿は一枚でも見事に写せましたが、一枚ではまったく確認できないアンチテイルがコンポジット後に炙り出すことで描出できました。

今回、撮影しながら地元の方や同じホテルに宿泊の星好きなお客さんに声を掛けてもらって、彗星が沈むまでの小一時間、天文談義に花が咲きました。趣味を通してこういったコミュニケーションがとれるのも楽しいものですね。

SWATは終始安定していて無事に撮影終了。片付けも三脚ごとクルマの脇まで運び、バラしてトランクに詰め込み終わるまでわずか10分程度です。このお気軽さはポータブル赤道儀ならではですね。
 
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現地到着時に富士山を望む。いい天気です。
 
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こんな感じに組み上げて、極軸をだいたい北に向けただけです。105mm程度で短時間露光の場合、この程度のセッティングで充分です。
今回はアリミゾキャッチャーにアルカスイスアタッチメントを介してシンプルフォークDX2を装着して2軸運用としていますが、シグマ105mm Artは三脚座でレンズを回せるので3軸となります。赤経赤緯で彗星導入後にレンズを回して地上を水平にしました。

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)はまだまだ楽しめます。来週は薄明終了後の月明かりのない時間帯がチャンスです。露出をかけて尾の淡い部分まで写った壮大な彗星の姿をものにできるかも。私も狙います!
 
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色調整しただけのJPEG撮って出し。
  
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2024年10月10日 (木)

【新刊】成澤広幸氏の「星空撮影塾」完全保存版

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2024年10月17日に双葉社より成澤広幸さんの新刊「星空撮影塾-完全保存版-」が発売になります。著者の成澤さんはSWAT-350V-specをメイン機材のひとつしてご愛用中で、その追尾精度を活かした高品位な作品を多数発表されています。

さて本の内容はというと、固定撮影から星景写真、ポータブル赤道儀や一般赤道儀での追尾撮影など多岐にわたり、撮影機材から画像処理まで幅広く網羅されています。天体写真を始めたばかりの初心者にとってはバイブル的な一冊になるはずです。撮影のコツやヒントなどもコラムとしてまとめられていて、中級者にとっても自分の撮影技法を見直すことで上達への近道に導いてくれると思います。この秋おすすめの一冊です。

成澤さんのYouTubeページはこちら。SWAT-350V-spec開封の儀はこちら。(20:00くらいから)
 
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2024年8月19日 (月)

SWATで自動導入やディザリング撮影が可能に

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ほしぞloveログ」で有益な情報を発信中のSAMさんより、SWATを使った自動導入&ディザリング撮影に成功したとのメッセージをいただきました。自動導入は一年前のブログで実現していたのですが、今回は上級者の必須テクニック「ディザリング撮影」まで実現したとのことです。
SAMさんのこのシステムは、追尾精度が異様に高いけど自動導入できないSWATと安価で自動導入できるけれど追尾精度が劣るAZ-GTiを組み合わせて、両方のいいとこ取りをしようという発想で生まれたシステムです。SAMさんは愛着を込めて SWAgTi (gは発音せず、スワッティ)と呼んでいます。このシステムの何が便利かというと、目的天体を自動導入できて、SWATのグレードにもよりますが、焦点距離300mm(露出時間を調節すれば500mmクラスでも)くらいまでなら、なにかと面倒くさくて失敗の原因にもなりがちなオートガイドをしなくても安定して星を点像に写せることです。今回ディザリングまで可能になったことで、上級者の高度な撮影テクニックにも対応できるようになり、SWAgTi 単体でのお気軽な撮影はもちろん、サブ機としてのほったらかし撮影でもものすごい高品位な元画像を得られるので貴重な晴れの時間を無駄にしないですみます。
ディザリングは任意の枚数を撮影した後、構図をわずかにずらしながら撮影を継続する方法で、カメラに固有の様々なノイズを低減する効果があり、上級者の必須テクニックになっています。ノイズの低減効果は劇的でダーク減算を省いても問題ないほど。忌まわしいシマシマノイズともおさらばです。
興味のある方はSAMさんのブログをぜひご覧ください。こちらで→ https://hoshizolove.blog.jp/archives/52348766.html

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SAMさんがSWAgTiでテスト撮影したM27亜鈴星雲。FS-60CB、3分露出×40枚(2時間露光)
ダーク補正、バイアス補正を省いてもノイズ感がないこの結果を得られました。光学系によってはフラット補正も必要ないかもしれません。(上の画像もフラット補正してない)

以下、SAMさんのブログよりまとめのコメントです。
「ここまで使えるようになると、このSWAgTiで色々試したいことが出てきます。軽くて、コンパクトで、設置も楽。精度も出るし、機能的にも十分。5kg以下の機材は全てSWAgTiまかせにしてよさそうです。CGX-LもしくはCGEM IIとSWAgTiの2台体制でも、時間的にも精神的にも十分余裕が出そうです。使用頻度が大幅に増える予感しかありません。」

SAMさんのご厚意により、9月15日に京都で開催の「星をもとめて2024」でデモ予定です。
(ユニテックは今年の胎内星まつりには参加しません)

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2024年7月16日 (火)

【修正版】大気差グラフ



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ひとつの天体を長時間撮影すると構図が徐々にズレてくることがあります。それには複数の要因が絡んでくるのですが、大気差もそのひとつしてよく知られています。赤道儀がどんなに高精度に一定速で回っても、星の動きが微妙に変化しているのですから、長時間にわたって完璧に追尾するのは不可能なのです。
大気差とは大気の屈折で星が実際の位置より上に浮き上がって見える現象で、低空ほど大きく、天頂に近づくほど影響が小さくなります。その時の気圧や気温、湿度なども影響してくるので、簡単には表せません。また東西南北それぞれの星の軌跡が微妙に浮き上がることを考えると頭が混乱してしてしまいますね。

さて、今回天体写真愛好家のなかでも有名人揃いの星沼会で活動されているだいこもん様より、新たに計算しなおした大気差グラフをお送りいただきました。上がその最新グラフになります。再計算にあたっては国立天文台の沖田博文先生とも議論を重ねたとのことで、これまで知られていた大気差グラフよりかなり正確になったとのことです。だいこもん様もご自身のブログに掲載されてますので、ぜひこちらもご覧ください。
https://snct-astro.hatenadiary.jp/entry/2024/07/16/152714

グラフは北緯40°の地点での星の見掛けの速度になります。縦軸は極軸一回転の時間(秒)、横軸が天体の時角(方位)で0hが子午線(南中)、マイナスが東方向、プラスが西方向、6hが真西、12hが真北、18hと-6hでつながります。描かれた曲線が各赤緯値による見掛けの速度になります。以前、SWATブログに掲載した大気差グラフとはそこそこ違いがあり、天頂付近の天体の速度は恒星時でしたが、今回再計算された値はキングスレートとほぼ合致する速度で恒星時より遅いとう結果になっています。恒星時よりも見掛けの速度が速くなるのは赤緯50°以上の天体が北極星の下側を通過する場合のみとうことも示されています。ちょっと面白いのは赤緯+80°と赤緯0°の天体の南中の地平高度はどちらも50°(北緯40°)ですが、見掛けの速度が100秒以上も違っていたり、周極星の下方経過はけっこう速いこともわかります。いろいろ新発見があって新鮮な驚きでした。
実際の星座をざっくりとグラフにあてはめてみますとグレー破線(赤緯0°)はオリオン座、紫破線(赤緯-30°)がさそり座、黄実線(赤緯+40°)がこと座、黒実線(赤緯60°)がカシオペヤ座、緑実線(赤緯80°)がケフェウス座のとがった先端(γ星エライ)付近です。

再計算の結果をみても、いかにキングスレートが天体撮影に適した値かということがよくわかる結果となっています。SWATの駆動速度はキングスレートを採用しています。
 
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2024年5月29日 (水)

星の村天文台☆星まつり2024に参加します!

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6月7日(金)~9日(日)に福島県のあぶくま洞のすぐ隣で開催される「第12回 星の村天文台☆星まつり2024」に出展します。今回も昨年同様、電気関係でお世話になっている外山電子さんと一緒のブースでこぢんまりと展示します。安価な中国製アルカスイスパーツなども販売します。イベントの詳細はこちらをご覧ください。

今年のイベント出展は、この「星の村天文台☆星まつり」と秋に京都で開催される「星をもとめて」の2箇所を予定しています。有名な胎内星まつりには毎年参加していましたが、40℃近い灼熱地獄の中での二日間は体力的に非常に厳しく、昨年は熱中症と思われる症状で回復に数日かかってしまいました。猛烈な酷暑の中、逃げ場がなくて命の危険を感じるイベントでした。(笑)昔は夜はそこそこ涼しくなったんですが、ここ数年は夜も蒸し暑くてたまらないです。これも温暖化の影響なんでしょうかね。 そんなわけで胎内は個人として遊びに行くかもしれませんが、メーカーとしてのブース出展は見合わせます。どうぞよろしくお願いします。

2024年5月 2日 (木)

アルカスイスアタッチメント、新発売!

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アルカスイスアタッチメントアリミゾキャッチャーにアルカスイス規格のレール(長さ65m以上に対応)を装着するためのアタッチメントです。7.5mm厚のアルミ無垢材から削り出してアルマイト処理を施し、高い剛性と耐久性を確保しています。使い方はアリミゾキャッチャーの爪に引っかけるだけの簡単装着。普段はアリミゾキャッチャーで運用していて、ときどきアルカスイスのパーツも使いたいという方にとても便利なパーツとなります。SWAT用のオプションションではシンプルフォークDX2アルカスイスレールなどの装着に適合します。サイズはとなります。
※本体側の爪はアルカスイス規格の角度と合いませんが問題なく固定可能です。
※装着するアルカスイスレールは嵌合溝の長さが65mm以上あるものをご使用ください。

■アルカスイスアタッチメント 5月10日発売
アルミ削り出し、アルマイト仕上げ
希望小売価格 2,500円 (税別)
※中国製につき、小傷がございます
※サイズ 62.3mm×36mm×7.5mm、重さ19g
 
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アルカスイスレールLを装着した参考例。
 
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2024年4月29日 (月)

極軸微動ユニット2、新発売!

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極軸微動ユニット2は従来製品をベースに改良を施し、剛性を大幅にアップした新製品です。今回のアップグレードでは弓状のゴニオプレートの幅を広くして東西方向の剛性を大幅に高めました。弊社の測定ではおよそ3倍に向上しています。これにより、撮影中に風に煽られたときの失敗カットの低減が期待できます。そのほかの改善ポイントとしては上下の微動を従来の±8°から±12°まで調整範囲を広げています。さらにトッププレートのねじ穴を増やして他社製を含めて様々な搭載機材に柔軟に対応します。
このところの原材料費や加工費の高騰でどうしても値上げせざるを得ない状況ですが、従来品に装備されていた水準器、方位磁石、高度目盛りを省略することで販売価格を極力抑えました。

■極軸微動ユニット2 5月10日新発売
テーパーキャッチャー付き
希望小売価格 28,000円 (税別)
※高さ82.5mm、幅132mm、重さ約1050g(テーパーキャッチャー含む)
 
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●従来モデル(左)との比較
可動部のゴニオプレートの幅を広げて、東西方向の剛性を約3倍に高めています。また、トッププレートには複数の35mm間隔M6ねじ穴を用意していますので、付属のテーパーキャッチャーの他、アリミゾキャッチャーや他社製のキャッチャー類にも対応します。中心からオフセットした取り付けも可能です。
 
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極軸微動ユニット2はアリミゾキャッチャーによる取り付けも可能にしました。上の画像のように中心からオフセットした取り付けもできます。別売のアリミゾレールSはSWAT-350の幅に合わせてありますので、SWAT本体の底面に取り付けることでスマートに装着可能です。アリミゾキャッチャーはレバータイプをご使用ください。ローレットネジタイプの場合は取り付け位置によってネジ根元のテーパー部分が本体に干渉する恐れがございます。その場合は1mm厚のワッシャーを追加することでご使用になれます。
 
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SWAT-350本体底面に取り付けて、アリミゾキャッチャーを介して極軸微動ユニット2にワンタッチで装着するためのアリミゾレールです。35mm間隔のM6用ねじ穴を複数用意していますので、他社製機材の搭載にもご利用になれます。
 
■アリミゾレールS 5月10日新発売
M6六角穴付きボルト2本付き
希望小売価格 4,800円 (税別)
※中国製につき、小傷がございます
※幅50mm、長さ115mm、厚さ12mm、重さ144g

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2023年9月23日 (土)

星をもとめて2023に参加しました。

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17日に京都るり渓で開催された「星をもとめて2023」に参加しました。当日は午後イチからのスタートでしたが、胎内と変わらないと感じるほど気温が高くて夏バテ気味の身体にはとても厳しく、隣接する温泉施設でしばし鋭気を養って、夕方から参加しました。日が暮れてからは胎内とは打って変わってとても涼しくて快適でした。早くにご来訪いただいた皆様にはたいへんご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。というわけで画像は暗くなってからとなります。今年は天候にも恵まれて、大いに盛り上がりました。
 
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ご来場のお客様もとても多くて活気のあるイベントになりました。
天文ファンなら誰もがお世話になる「天体写真の世界」の吉田隆行さんや関西の名手桐村正則さんともお会いできて有意義な時間が過ごせました。
 
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ユニテックブースではSWATユーザーのSamさんがAZ-Gtiを併用した自動導入とSWATの追尾精度を活かしたノータッチ撮影を実演。多少のセッティングトラブルはありましたが、焦点距離370mmを2分ノータッチ追尾に無事成功しました。上はその証拠写真。極軸設定をさらに追い込めば3分露出でも点像を確保できるほどの追尾精度をご自宅にて確認していますが、会場では少し流れました。ただし流れた方向が赤緯方向だったので、追尾精度は3分でも問題ないことになります。このときのSamさんのブログはこちらからどうぞ。Samさん、どうもありがとうございました。

というわけでユニテックの今年の星まつりへの参加はこれで最後となります。
ご来場のお客様、運営スタッフの皆様、お疲れさまでした。素晴らしいイベントでした。
また来年もよろしくお願いします。
 
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2023年9月15日 (金)

星をもとめて2023に参加します。

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今週末17日(日)に京都南丹市で開催される関西最大の天文イベント「星をもとめて2023」に出展いたします。ユニテックブースでは例年通り中国製アルカスイスパーツの販売と胎内星まつりで好評だったSWAT-350+Sky‐Watcher AZ-GTiによるお気軽自動導入仕様のデモを「ほしぞloveログ」で有名なSamさんが実演予定です。今年は天気予報に雨マークがないので期待できそうです。関西方面のみなさま、ぜひぜひご来場ください。

■協栄産業さんの特設ページはこちら。→ https://www.kyoei-osaka.jp/hpgen/HPB/entries/465.html
■星をもとめて公式ページはこちら。→ http://www.hoshimoto.jp/festival/

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2023年8月21日 (月)

胎内星まつり2023に参加しました。

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「胎内星まつり2023」に参加しました。4年ぶりの開催とあって会場は熱気に包まれました。ただ日中は焼けたアスファルトの上ということもあり、人間が行動できる気温の範囲外といった感じで、ちょっとオーバーにいうと命の危険を感じるほどの灼熱地獄でした。ご挨拶にいらした天リフ山口さんの目は暑さで完全に逝ってましたし、お隣のQHY CCDの李さんは初日に熱中症になり、二日目は具合が悪くて会場に来られずホテルで寝込んだそうです。例年、夜になると気温も下がって過ごしやすくなるのですが、今年は夜になっても蒸し暑いままで、コロナ禍になってから冷房の効いた室内で過ごすことが多くなった身体にはとても厳しい星まつりとなりました。温暖化で猛暑が続くことを前提に、これからは何らかの対策しないと予期せぬ事故が起こりそうでとても心配です。還暦過ぎた私も正直体力的に限界で、第2回(1985年)から参加(途中欠席あり)してますが、いつまで来られるかふと頭をよぎりました。とにかく来年以降、暑さ対策を万全にしてご来場ください。そんな中ですが、胎内星まつりは大いに盛り上がりました。
さて、ユニテックブースの今年の目玉はなんといってもSamさんの「SWAgTi(スワッティ)」ライブ観測。これは超高精度追尾のSWATにお手軽自動導入のAZ-GTiを搭載しての「いいとこ取り」をSamさん自身が実演するコーナーです。以下、写真を交えたレポートです。
 
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日中はスワッティをブース前に展示。訪れたお客様も興味津々です。
 
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夕暮れが迫り、機材の準備に余念がないSamさん。
 
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美しいスワッティのシルエット。
 
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セッティングを終えるとモニターの前にはお客様が集まり始めました。

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暗くなったところで、こぎつね座のM27亜鈴星雲を自動導入して撮影開始。あいにく常時薄雲が広がっていて理想的とは行きませんでしたが、なんとか撮影できました。
 
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会場で撮影したM27亜鈴星雲。タカハシFS-60CB+マルチフラットナー(f370mm、F6.2)、ノータッチ30秒露出×約70枚(総露出約35分)のスタック、トリミングあり。星まつり会場でこれだけの撮影が出来るのもビックリです。本来3分露出を完璧にこなせるスペック(実証済み)なのですが、この日は極軸設定を手抜きして誤差が大きかったため、30秒に切り詰めました。

ご来場の皆様、ご協力いただいたSamさん、運営スタッフの皆様、猛暑の中どうもありがとうございました。また来年もパワーアップして戻ってきたいと思います。なお来月開催の「星をもとめて2023」にもSamさんとともに参加予定です。関西の皆様にも同様のデモをご覧いただく予定です。ご期待ください!
 
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2023年8月16日 (水)

胎内星まつりSWATブースににSamさんご登場予定。

ほしぞloveログ」で有名なSamさんが、SWAT-350とSky‐WatcherのAZ-GTiを組み合わせた自動導入仕様を引っさげて胎内星まつりにご来場予定です。いらっしゃるのは8月19日(土)。SWATブース前に展示していただけるようです。興味のある方はぜひいらしてください。SWATとは関係ないですが、DEEPな画像処理のお話も聞けるかもしれません。ぜひご期待ください!
 
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この画期的な組み合わせで自動導入が可能になります。
 
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2023年8月14日 (月)

胎内星まつり2023に参加します。

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胎内星まつり2023は今週末18日(金)から4年ぶりのリアル開催。ユニテックも出展予定です。どうぞご期待ください。
 
胎内星まつり限定特価販売のお知らせ
SWAT販売店の協栄産業様ブースにて、SWAT本体のB品を数量限定で特価販売いたします。B品といっても筐体にわずかな傷があるだけの未使用新品です。SWAT-350V-specとSWAT-330を各2台ご用意していますので、この機会をお見逃しなく!
ユニテックブースで確かめて、協栄産業さんのブースでゲットしてください。

●協栄産業さんの特設ページはこちら
 
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ユニテックブースでは例年通り、弊社中国ルートから入手した中国製ノーブランドアルカスイス互換パーツ群を販売いたします。アルカキャッチャー1,200円、50mmレール400円、70mmレール600円、200mmレール1,200円、300mmレール2,000円、汎用L型ブラケット1,200円、粗動回転付きアルカキャッチャー2800円、キャッチャー付き140mmレール2,300円、キャッチャー付き200mmレール2,600円。その他、モバイルバッテリーUSB 5VからSWAT対応の9Vに変換する昇圧電源ケーブルが500円、1/4インチカメラネジや1/4インチ変換アダプターなどの小物も安価にご用意しています。ぜひユニテックブースへお越しください。

※価格は税込みです。
※中国製アルカスイス互換パーツは、すべて新品ですが、小傷、汚れがございます。
※アルカスイス互換パーツはメーカーにより若干寸法が異なり、うまく適合しない場合がございます。ご了承ください。
 
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2023年7月31日 (月)

SWATユーザー丹羽雅彦さんの個展のご紹介。

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表参道で開催中の丹羽雅彦さんの個展「時空を超えた贈り物」へ行ってきました。当日は、サイトロンの中川さん、外山電子の外山さんと会場で合流して、露出200時間オーバーのハイスペック画像を堪能しました。偶然、星ナビ編集部の川口さんと藤田さんもお見えになっていて、天体写真の今昔物語で盛り上がりました。
※個展会場は8月4日までお休みで、8月5日(土)から再開されます。開催日と時間にご注意ください。

丹羽雅彦さんの個展「時空を超えた贈り物」についてはこちらhttps://dvp.co.jp/masahikoniwa-exhibition/
丹羽雅彦さんのブログはこちらhttps://masahiko.me/
サイトロン中川さんの当日のブログはこちらhttp://nakagawa-opticslab.blog.jp/archives/32918816.html
星ナビ編集長のツイートはこちらhttps://twitter.com/Hoshinavi/status/1685539309154426880
 
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左から星ナビ編集長川口さん、本日の主役丹羽さん、サイトロン中川さん、人生をモーターと共に歩んだ外山さん、私(加曽利)、星ナビ編集部の藤田さん。画像は星ナビさんご提供。
 
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おまけ画像は個展会場隣の作品でくつろぐ星ナビ編集長。暑さでやられたようです。(笑)
 
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2023年6月30日 (金)

SWATで自動導入!? これは画期的アイデア!

ほしぞloveログ」でいつも有意義な情報を発信中のSAMさんは、SWAT生産でご協力いただいている陣馬写真工業代表の土生さんの後輩でSWAT-200のユーザーさんでもあります。先日の福島のイベントでお会いした際に、ひょんなことからいろいろ遊べるSWAT-350をご購入いただきました。このSWATはデモや貸し出しで長期間使用した中古品でしたが、きっちり再整備してPremiumとしての性能を確保したものです。

そのSAMさんから「面白い使い方を思いついたのでお楽しみに」と連絡あり、ブログをのぞいてみると、なんとSWATとSky‐WatcherのAZ-GTiを組み合わせて、お気軽自動導入という高度?な使い方を発見してしまったという記事でした。これは素晴らしい! SWATは2軸ではないので、自動導入は無理なのですが、安価なAZ-GTiと組み合わせれば、簡単に自動導入が可能になるという夢のある内容でした。
※AZ-GTiは2023年6月末現在、協栄産業東京店様大阪店様シュミット様にて特価33,800円(税込)で販売しています。

SAMさんのブログはこちらから→ http://hoshizolove.blog.jp/archives/49459659.html
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SAMさんの「ほしぞloveログ」をぜひご覧ください。
 
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SWAT-350にAZ-GTiを組み合わせたときの外観。ジャストフィットといった感じですね。
 
SAMさんのブログの最後の方に「今回の撮影の失敗点ですが、ノータッチガイドだけありどうしてもわずかなドリフトが出てしまい、数時間という露光時間のオーダーだとゆっくり画角が一方向に流れていきました。これが結果として、縞ノイズとなって出てしまいました。」とあるのは、3分露出の星像が流れたということではなくて、一枚一枚の星像は点像ですが、極軸誤差や大気差、機材の撓みなどの影響で、2時間にわたる撮影時間中に星の位置が一方向に少しずつ動いていくということです。そのときのセッティングによりますが、30分くらいの連続露出を位置合わせしないで比較明合成すると明らかに星像が流れていると思います。星の動きは一定のように思えますが、実際には空の位置によって見かけの移動速度が変わるうえ赤緯方向の成分を含むこともあるので、どんなに精密に一定速度で駆動しても完全に追尾することはできません。大気差の影響についてはこちらをご覧ください。
縞ノイズは画像の背景ノイズが星の移動の分だけ一定方向に流れたように現れる現象で、画像処理で星雲を強度に炙り出す場合はその対処に苦労させられます。縞ノイズを防ぐにはディザリング(赤経赤緯を少しずつずらしながらノイズと星の位置関係を微妙に変えて撮る方法)が効果的ですが、撮影のコマ間に赤経赤緯を微動させる方法は、ギアのかみ合いの安定性が損なわれて撮影結果に悪影響(バックラッシュ内でフラつく)を及ぼすことも考えられるので注意が必要です。
それからAZ-GTiで自動導入後、恒星時運転をSWATに切り替える際に電源を投入するとイニシャル動作で位置がずれてしまいます。SWATもあらかじめ電源を入れてイニシャル動作を終わらせた後に駆動セレクタを「DEC」モードにすれば停止します。AZ-GTiで自動導入後に「STAR」モードにすれば、ズレは最小限に抑えられます。
 
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2023年6月 8日 (木)

星の村天文台☆星まつり2023に出展しました。

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6月2日に福島で開催された「星の村天文台☆星まつり2023」に出展しました。初日はあいにくの雨となりましたが、翌日は雨も上がって上々の天気といいたいところですが、夕方まで強風が吹き荒れてしまい、なかなか厳しい状況でした。風も収まった夕方からはいつも通りの賑わいで、久しぶりにお会いする方々も多く、話が弾みました。
  
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ユニテックはひっそりと目立たぬようにSWAT-350ハイブリッドモーター仕様試作品を展示。外観はこれまでと一緒ですが、中身はかなり変わっています。16倍速だった早送りが1280倍速に高速化されています。発売までにはまだ越える山がいくつかあるので、来年以降になりますが、徐々に進めています。
 
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今年はキッチンカーもお目見えして、カレーやパスタ、ホットサンドなどを販売していました。2日目の夕方までにはすべて完売してしまって、晩ご飯にしようと思っていたのですが、残念ながらありつけませんでした。

次は8月18日から4年ぶりに開催の「胎内星まつり2023」に参加予定です。
  
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2023年5月21日 (日)

星の村天文台☆星まつり2023に出展します。

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6月2日(金)~4日(日)に福島県のあぶくま洞のすぐ隣で開催される「星の村天文台☆星まつり2023」に出展します。今回も昨年同様、電気関係でお世話になっている富山電子さんと一緒のブースでこぢんまりと展示させていただきます。詳しくはこちらをご覧ください。

●タハカシNJP 極上品を処分
陣馬写真工業さんが、精度の高いNJP-Temma2を中古委託品として販売します。
オリジナルはJP赤道儀ですが、高橋製作所によりNJP Temma2相当にアップデートされています。ピリオディックモーションが±3.18″角とPEC機能のない可搬型赤道儀の中では特筆すべき精度。いままで計測したJP&NJPの中でも最高のアタリ品です。予定価格は税込み55万円だそうです。当日、販売担当の土生さんと価格交渉してみてください。お安くなるかも。詳細はこちらをご覧ください。
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2023年5月20日 (土)

名著「光学機器大全」復刻版発売!

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天文ガイドの誠文堂新光社から、5月10日に「光学機器大全」復刻版が発売されました。天文ファンには望遠鏡光学(屈折編・反射編)でおなじみの吉田正太郎先生が光学知識を基礎から学べるようにやさしく解説した内容になっています。ユニテックは2000年に発刊された初版の制作に関わっていて、今回の復刻版にあたっても本文全ページのデータをご提供しました。2000年当時から図版やテキストはデジタル化して制作していたため、過去のHDDに保存してあったファイルがそのまま活かせました。制作時はWindows98だったため、現在のWindoows10環境で、うまくデータが書き出せるか心配でしたが、互換性がとれない一部フォントを入れ替えることで、体裁を崩さずにほぼそのままの形でデータになりました。こうして復刻されると嬉しいものですね。ちょっとお高い本ですが、ぜひご購入いただければと思います。

●光学機器大全についてはこちらから
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/science/79158/
●立ち読み見本ページはこちらから
https://seibundo.tameshiyo.me/9784416623206
 
誠文堂新光社
天文ガイドアーカイブ
光学機器大全
著者: 吉田 正太郎
定価(税込)
16,500円
発売日
2023年05月10日
ISBN
978-4-416-62320-6
 
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2023年4月16日 (日)

±3.8″を保証! V-specの追尾精度が15%向上します。

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荷重方向限定スペシャルモードの追尾精度が従来の±4.5″から±3.8″へ約15%向上。
これまでV-specの精度検査は実際の星を追尾して最終確認しておりましたが、室内光学測定の精度が向上し、実写測定との乖離が極めて小さくなったことから、V-specの公称精度を保証できると判断し、実写測定は行わないことにいたしました。生産効率が上がることから、スペシャルモードの保証精度を±4.5″から±3.8″前後に約15%向上させて、価格は据え置きといたします。
なお、2022年4月以降に出荷したV-specは、すべて新基準(±3.8″)をクリアしております。保証期間内(2022年4月以降にご購入)の製品で万一±3.8″に達していない個体があった場合は無償で精度アップいたします。保証期間外の製品で新基準をクリアしてない場合は、調整費3,800円+送料700円(税別)のみで±3.8″以内に精度アップいたします。

精度アップサービスについて
※お手元のV-specの追尾精度は下記ページをご参照のうえ、ご自身で測定をお願いします。
追尾精度を測ってみよう。→ https://unitec.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-7899.html
※ご自身で精度測定されずにお申し込みいただくことも可能ですが、新基準内に収まる性能だった場合でも、測定費用2500円+送料700円(税別)を申し受けます。測定結果はお知らせいたします。
※上記の精度アップサービスは、2023年7月申し込み分までとさせていただきます。8月以降は15,000円(税別)にて承ります。
※スペシャルモードの精度アップに伴い、ノーマルモードの追尾精度も向上する可能性が高いです。悪化することはありません。
※精度アップサービスのお預かり期間は通常一週間程度です。室内測定ですので天気に関係なく対応いたします。
※V-spec改造の製品も対象といたします。
※お申し込み、お問い合わせはメールにてお願いいたします。

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2023年2月23日 (木)

CP+2023開幕! ユニテック×サイトロンにご期待ください。

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CP+2023が本日23日より開催されます。
サイトロンジャパン社のブースではユニテックと共同開発中の新ポータブル赤道儀(機能試験機)を展示しています。ユニテックは駆動部分を担当し、得意のPEC技術を投入して驚異の追尾精度を実現。このプロトタイプ仕様でノータッチ追尾撮影した作例も展示しています。会場へお越しの際は、ぜひサイトロンジャパンのブースへお立ち寄りください。以下、サイトロンジャパン社の公式発表です。

■UNITEC社SWATの技術と融合することにより、驚くべき高精度追尾性能を実現。
その類い稀なる高精度追尾性能で「ポータブル赤道儀の最高傑作」ともいわれるユニテック社の「SWAT」シリーズ。その驚くべき高精度を誇る「SWAT」のPEC(ピリオディックエラー補正)技術をSJ-M経緯台の回転装置に搭載した機能試作品を製作しました。個別のギア精度のばらつきを測定し、電気的に補正することで高い追尾精度を実現しています。
下にご紹介する3枚の作例は、この試作品により撮影されたものです。焦点距離の長い作品は、180mm F2.8レンズをF3.5まで絞り、キヤノンEOS 6D(IR改造)で1分露出、121枚撮影したものをコンポジットして仕上げています。
撮影開始から2時間10分間、正常にガイド(追尾)できており、少々無理をして180mmで撮影した結果がこれですので、中望遠なら問題なく追尾できるでしょう。
今後 サイトロンジャパンとユニテック社で共同開発を進め、2023年内には製品化の予定です。

サイトロンジャパンとユニテックのコラボレーションにぜひご期待ください!
※ユニテックの担当(加曽利)は24日午後に会場におります。
 
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●オリオン座中心部
2023年1月20日19時57分~ シグマ APO マクロ 180mm F2.8 絞りF3.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 60秒露出×121枚コンポジット(高輝度部に短時間露光をHDR合成) サイトロン 新型ポータブル赤道儀プロトタイプ仕様(ユニテック PEC仕様)によるノータッチ追尾 撮影地千葉県大多喜町

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ちなみに撮影した約2時間(121枚)をピクセル等倍で切り出してGIF動画にしたものです。明るくなるところが撮影開始。左右が赤経方向です。撮影開始直後に機材各部が落ち着くまで、やや動きがありますが、点像は確保してます。安定してからはほとんど静止していて、追尾精度の高さ(オリオン座は赤道上なので精度をみるのに最適)を感じさせます。追尾速度はキングスレートで合致しており、赤緯方向はまったく動いてないので、極軸設置は良好でした。
   
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●バラ星雲付近
2023年1月20日22時21分~ シグマ APO マクロ 180mm F2.8 絞りF3.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 60秒露出×113枚コンポジット サイトロン 新型ポータブル赤道儀プロトタイプ仕様(ユニテック PEC仕様)によるノータッチ追尾 撮影地千葉県大多喜町
 
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●エンゼルフィッシュ星雲
2023年1月20日22時59分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 60秒露出×56枚コンポジット サイトロン 新型ポータブル赤道儀プロトタイプ仕様(ユニテック PEC仕様)によるノータッチ追尾 撮影地千葉県大多喜町
 
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ボーグ107FLで504分露出のクリスマスツリー星団付近。

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●クリスマスツリー星団付近
2023年2月21日18時58分~/2019年1月3日19時47分~/2018年2月11日18時56分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 3分露出×168枚 ステライメージ9、Photoshop(StarXTerminator等 )、PixInsight(BlurXTerminator)、FlatAideProで画像処理  SWAT-350V-spec+M-GENによる1軸(2018年/2019年)/2軸オートガイド(2023年) 撮影地 千葉県大多喜町/山梨県大月市

21日の東京は風が強く、超望遠撮影は厳しそうな感じでしたが、SCWでは山梨方面の風は弱い予想でしたので、最近よく行くようになった大月の桂川ウェルネスパークへ出かけました。撮影は23時過ぎで終えましたが、その間終始無風快晴の好条件で、650mmの超望遠撮影も問題なしでした。大月の空の暗さは房総より劣りますが、クルマで1時間半かからないのは房総とともにお気楽な撮影地としてとても貴重です。これからも利用していきたいと思います。
さて画像は季節外れのクリスマスツリー星団付近です。今シーズン最後と思い撮影してみました。過去に撮りためたデータに加算して総露出504分(8時間24分)として再処理しました。F6でもこれくらいの露出があればかなり高画質な天体写真が得られます。もう少し空の暗いところだとさらによいのですが、贅沢は言えませんね。
本日(2月23日)から、久しぶりのCP+が開催されます。SWATはサイトロン様のブースに展示していますので、お時間のある方は、ぜひ足をお運びいただければと思います。加曽利は24日の午後に会場に行く予定です。よろしくお願いします。
 
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クリスマスツリーに見えるように逆さ(北を下)にして拡大してみました。どうでしょうか?
 
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この日は2軸オートガイド(648mm)と1軸ノータッチ追尾(300mm)の3台のSWAT-350で撮影に臨みました。
  
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2023年2月21日 (火)

ボーグ107FLで402分露出の馬頭星雲付近。

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●馬頭星雲付近
2023年2月17日19時14分~/2018年11月15日0時37分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 3分露出×134枚コンポジット 総露出402分(ハイライト部分に短時間露光をHDR合成) ステライメージ9、Photoshop(StarXTerminator等 )、PixInsight(BlurXTerminator)、FlatAideProで画像処理  SWAT-350V-spec+M-GENによる1軸オートガイド 撮影地 千葉県大多喜町
 
2月17日の房総半島は無風快晴で絶好の天体撮影日和になりました。C/2022 E3 ZTF彗星の撮影に平行して、主砲のボーグ107FLで今シーズン最終盤の馬頭星雲を撮りました。前回、大月ではリモコンを忘れるというポカをやらかしたので、今回はそのリベンジでもあります。久しぶりにM-GENを接続して1軸オートガイドとし、3分露出を敢行しました。収穫は2時間42分(54枚)の露出です。2018年撮影の4時間に加算して、トータル6時間42分(402分)として仕上げました。話題のStarXTerminatorBlurXTerminatorなどを導入して、効率よく画像処理できるようになりました。過去画像に加算すれば、より処理耐性のある高画質な元画像になり、最新のソフトウェアで再処理することで、見違えるようか結果が得られることもあります。
 
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星消し画像から馬頭星雲部分を拡大トリミングしてモクモク感を強調しました。
 
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2023年2月19日 (日)

アルデバランとC/2022 E3 ZTF彗星。

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●アルデバランとC/2022 E3 ZTF彗星
2023年2月17日19時24分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP4改造) ISO1600 90秒露出×40枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopにて処理 トリミングあり SWAT-350V-specにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
2月17日のC/2022 E3 ZTF彗星です。もうこれで最後の撮影かと思い、房総半島へ出かけました。小さくなってきましたが、望遠ならまだまだ立派な姿で写ります。今回は焦点距離300mmで一時間露光しています。右上の明るい星がアルデバランで、これからゆっくり南に下がっていきます。もうしばらく楽しめそうです。この夜の房総半島は無風快晴で気温も5℃くらいあって、大月に比べるとはるかに快適でした。この日は2台体制で、他にも馬頭星雲付近を撮影してますので、処理が終わったら掲載します。お楽しみに。
 
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2023年2月18日 (土)

648mmノータッチ追尾のシーズン最終盤オリオン大星雲。

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●M42オリオン大星雲
2023年2月15日19時12分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造)ISO3200 1分露出×73枚コンポジット SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 山梨県大月市
 
ヒヤデス星団をかすめたZTF彗星を撮影しに行ったついでに、シーズン最終盤を迎えたオリオン大星雲を撮影しました。光学系は主砲のボーグ107FLで、フラットナー1.08×を追加して焦点距離648mm F6.1になります。当初3分露出を予定して機材を積み込んだつもりだったのですが、オートガイダーをつなぐリモコンを忘れてしまいました。そんなときもV-specなら慌てなくて大丈夫。露出を短くすればノータッチ追尾でも点像に写せます。今回は安全をみて1分露出とすることで、73枚の完全な点像を画像を得ることができました。実際には107枚撮ったのですが、風にあおられて大きく乱れたのが5枚、雲に邪魔されたのが29枚、合わせて34枚がボツになりました。歩留まり68%ですが、雲に邪魔されなければ95%になります。SWATの最大の敵は風です。小型軽量なため、機材全体に襲いかかる風には弱いです。特に焦点距離が長いときは注意が必要です。
さて、オリオン大星雲はこれまでにも撮りためていて、5年前にブログ掲載した画像と同じ構図で撮ったので、簡単に加算処理できます。今回のも加算して総露出574分になった画像も下に掲載します。

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●M42オリオン大星雲
2023年2月15日19時12分~/2018年12月15日23時06分~/2017年12月22日21時31分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造)ISO3200 露出1分×73枚  3分露出×81枚 ISO1600 3分露出×86枚 総露出574分  高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-310/350/v-specによるノータッチ追尾(1分露出)、M-genオートガイド(3分露出) ステライメージ9、Photoshop(StarXTerminator等 )、PixInsight(BlurXTerminator)、
FlatAideProで画像処理 撮影地 山梨県大月市/ 千葉県大多喜町/山梨県上野原町 ※下は拡大トリミング
 
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2023年2月16日 (木)

C/2022 E3 ZTF彗星とヒヤデス星団。

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●C/2022 E3 ZTF彗星とヒヤデス星団
2023年2月15日19時08分~ シグマ APOマクロ 180mm F2.8 絞り F3.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×26枚コンポジット ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopにて処理 下はピクセル等倍切り出し SWAT-350V-specにてノータッチ追尾 撮影地 山梨県大月市
 
2月も中旬となりましたが、まだZTF(C/2022 E3)彗星は写せそうということで、また近場に出かけることにしました。昨日(2月15日)の
東京近郊の天気は南に行くほど雲が広がる予想で、そのためホームの房総はやめて、前回と同じ大月の桂川ウェルネスパークへ行くことにしました。到着時はよく晴れていましたが、薄明も終わって本格的に撮影に入ろうとした頃には、次第に南西から北東方向にの次々と雲が流れてきて、5~6分程度しか連続撮影できない状況が続きました。断続的に撮影した中から使えそうなコマを26枚集めて作例に仕上げました。スタックに使った最後のコマは21時30分ですから、およそ2時間半にわたる撮影で尾の詳細はまったく期待できませんが、もわっとしたダストテイルがなんとか見られるレベルになりました。そんな事情で彗星像と恒星を分けて処理しましたので、どちらも止まっている画像としました。彗星は現在、ヒヤデス星団の近くにいますので、この週末に狙ってみてはいかがでしょうか。ご覧のように200mmクラスの望遠レンズでも充分に迫力ある姿を捉えられます。
ちょっと不運な遠征でしたが、夕方に出発しても、東京から1時間半程度の距離なので楽チンです。帰りは22時には撤収して23時過ぎに帰宅。通常通りの生活が送れました。
 
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2023年1月29日 (日)

C/2022 E3 ZTF彗星。

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●C/2022 E3 ZTF彗星
2023年1月29日2時26分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×26枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopにて処理 トリミングあり SWAT-350V-specにてノータッチ追尾 撮影地 山梨県大月市
 
久しぶりのブログ更新です。昨夜は話題のZTFを撮りに大月の桂川ウェルネスパーク駐車場へ行ってきました。北の空の条件と交通の便がよいところはこのあたりになります。彗星だけ撮って帰ってくるというお気楽な遠征で、自宅22時出発、途中首都高の工事渋滞で20分くらいロスしましたが、23時半過ぎに現地到着しました。車載の温度計は-3.5℃と表示されています。朝霧に行ったSWATユーザーさんの情報では-9℃だったそうなので、寒がりの私はこっちにしてよかったと思いました(笑) 現地は私を含めて5名の天文ファンが集結して、なかなか賑やかなZTF彗星撮影会となりました。
さて今回ZTF彗星の導入には目盛環を使いました。事前にミザールから赤緯を21°北に振ればよいことを調べておきましたので、ミザールでピント合わせして、赤緯を北に21°振って試写したところ、一発で捕らえられました。彗星の導入は目盛環が本当に便利です。ぜひ有効に活用していただければと思います。この日は-5℃近くまで下がりましたが、SWATは粗動回転が多少重たくなった程度で、終始まったく問題なく動作しました。
いろいろやることがあって、ブログ更新もサボってましたが、今年もよろしくお願いします。
 
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色調補正しただけのJPEG撮って出し。

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最近はやりの彗星と恒星をどちらも流れないように処理したパターン。

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30枚をパラパラ動画にしてみました。
 
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2022年10月19日 (水)

カシオペヤ座とペルセウス座。

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●カシオペヤ座
2019年9月26日22時36分~ シグマ 40mm F1.4 Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 120秒露出×61枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350(V-spec β版)によるノータッチ追尾 ステライメージ7、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopによる画像処理 撮影地千葉県大多喜町
 
2019年に撮影した「カシオペヤ座」の再処理です。Starnet++で赤い散光星雲をより強調し、FlatAideProのソフトフィルター効果で輝星を強調して星座の形をわかりやすくしてみました。IC1396とクエスチョンマーク星雲の間にある多数の散光星雲は、もう少し露出を稼げばよりきれに描出できそうです。
 
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●ペルセウス座
2017年9月19日0時14分~ シグマ 50mm F1.4 DG Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改) ISO1600 90秒露出×21枚コンポジット SWAT-200でノータッチ追尾 ステライメージ7、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopによる画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
こちらは2017年に撮影した「ペルセウス座」の再処理です。以前の処理より背景の暗黒帯をつぶさないように気をつけましたが、分子雲を強調するには露出が足りないようです。撮り増しして画質アップしたいところですが、40mmレンズだとすばるまで構図に取り込めそうなので、それで取り直した方がよいかなぁなんて別の欲も出てきました。明日は晴れそうなので、都合がつけば近場に撮影に行きたいと思います。
 
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2022年10月17日 (月)

クエスチョンマーク星雲。

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●クエスチョンマーク星雲
2018年11月14日21時15分~ シグマ APO 300mm F2.8 DG HSM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP4改造) ISO1600 2分露出×49枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ9、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-310によるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
今回も2018年に撮影した過去画像の再処理です。Starnet++で星と背景を分離して星雲の淡い部分や暗黒帯の描出を丁寧に行いました。またFlatAideProでより正確なカブリ補正と星像のシャープ処理も加えています。F2.8で総露出1時間半程度ですが、暗部の微妙な濃淡を表現するにはさらにさらに倍の露出を加えて、トータル3時間くらい欲しいところです。この秋に追加撮影できれば、さらに画質アップしたいと思います。

このときの撮影はSWAT-310による2分露出のノータッチ追尾です。SWATは300mmクラスの超望遠レンズでも数分露出なら充分に追尾可能な精度があります。SWAT-300/350発売前の話ですが、開発スタッフには「カメラレンズ(300mmくらいまで)の形をしたものはノータッチ追尾で気軽に撮りたい!」という目標がありました。フィルム時代でしたら、ピリオディックモーション±10″ほどの精度があれば満足な星像が得られたのですが、デジタル時代になって解像度が上がったこともあり、より厳しい±7″程度を目指しました。そして製品化したのがSWAT-300/350です。当時のポータブル赤道儀の多くは、超望遠レンズで数分のノータッチ撮影に挑んでも、強度的、精度的に星を完全な点像に写すのは難しく、数十秒の短時間多枚数撮影が基本とならざるを得ませんでした。もっとも当時の市場ではポタ赤は広角から標準レンズまでカバーすればよく、望遠レンズで点像を確保するほどの精度は求めてられていないというのが共通認識でした。SWATはそんな状況に一石を投じるべく、超望遠撮影にも対応できる高精度を、全品、実測によって保証するという販売方針をとってデビューしました。現在は各モデルに荷重方向を限定したスペシャルモードを追加搭載して、さらに追尾精度を上げ、撮像素子の高解像化に対応しております。かげさまで多くのユーザー様にご支持をいただき、「ホントに追尾精度が出てる!」「星が流れない!」という驚きの声も多くいただいたいております。追尾精度と剛性の高さがSWATの真髄です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
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2022年10月15日 (土)

ケフェウス座(再処理)。

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●ケフェウス座
2017年9月18日21時53分~ シグマ 50mm F1.4 DG Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改) ISO1600 90秒露出×20枚コンポジット(総露出30分) SWAT-200でノータッチ追尾 ステライメージ、Starnet++FlatAidePro、、Photoshopで画像処理 千葉県大多喜町
 
2017年に撮ったケフェウス座を再処理してみました。今はStarnet++で恒星を消したスターレス画像を短時間で容易に作成できるようになったことで、背景に埋もれるHα星雲の強調処理がとても楽になりました。しかもなかなか高精度なスターレス画像(デフォルトでも)なので、それを流用すれば、FlatAideProでフラット(周辺減光やカブリ)補正の精度も上がり、2017年当時と比べるとトータルでかなり画質を高められたと思います。しかし総露出30分では淡い星雲を強調するには物足りないため、そのうちに追加撮影してみたいと思います。

さて、ケフェウス座付近は赤い散光星雲が豊富で、なんといってもガーネットスター付近に大きく広がるIC1396クエスチョンマーク星雲は大型ですから200mmクラスの望遠レンズでも迫力ある姿で写せます。IC1396の右上(北西約3°の位置)にSh2-129という散光星雲があります。これも大型ですが、IC1396に比べるとかなり暗いので F2.8クラス以上の明るい望遠レンズでたっぷり露出をかけたいです。300mmクラスともなると青く美しいアイリス星雲もお勧めです。M52のすぐ近くも赤い星雲(バブル星雲)が広がっていて、これも望遠レンズで狙いたい対象です。

 
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JPEG撮って出し。左が地上、右が天頂方向。この時、ケフェウス座は北の空、北極星と天頂の中間付近(IC1396は67°付近)にあって、撮影には好条件なのですが、東京方向の光害のため大きな傾斜カブリが見られます。この条件では、たっぷり露出時間を確保して画像処理でカバーしないと厳しいです。ちなみにケフェウス座の5角形は北極星の近くをまわっているため、北緯約32°以北なら一年中沈みません。カシオペヤのWは北緯約34°、北斗七星は約41°以北で沈まなくなります。一年中沈まない星を周極星といいます。北海道の宗谷岬でははくちょう座のデネブが周極星になります。北の空の条件がよいところでは、北極星の下方通過を狙うのも面白いかもしれません。
  
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2022年10月13日 (木)

秋に狙いたい天の川沿いの天体。

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●秋の天の川
2017年9月18日23時30分~ シグマ 20mm F1.4 DG Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改) ISO1600 90秒露出×21枚(総露出31分30秒)コンポジット SWAT-200でノータッチ追尾 ステライメージ9、StarNet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 千葉県大多喜町
 
5年前に撮影した「秋の天の川」のコンポジット終了後のデータを再処理してみました。Starnet++やFlatAideProなど、当時使ってなかったソフトウェアの処理も加えて、より見栄えのする天の川を目指しました。過去のデータを今の自分の画像処理技術で復活させると、果たしてどこまで画質アップできるのでしょうか。仕上がりを比べてみると、そこそこ違っていて、赤い星雲がより強調され、天の川の階調が豊富になりました。バックグラウンドの黒をやや明るくすることで天の川の暗黒帯も強調できた思います。トータル30分露出なので、あまり無理はできません。自分としては、これで満足です。右上隅の真っ黒くつぶれた部分は低空の樹木が入り込んでしまったためで、前回はトリミングしてましたが、今回はそのまま掲載します。
 
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秋の天の川沿いにある有名な天体です。四角い枠はフルサイズ200mm望遠で撮ったときのだいたいの画角です。ピッタリの天体もあれば、M33などはもう少し長い焦点距離が欲しいですね。どうぞ参考にしてみてください。
 
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2022年10月11日 (火)

ボーグ71FLによるカリフォルニア星雲。

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●カリフォルニア星雲
2022年10月2日0時43分~ ボーグ 71FL+レデューサー 焦点距離288mm F4 HEUIB-IIフィルター キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 120秒露出×83枚(総露出2時間46分) ステライメージ9、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec ノータッチ追尾 千葉県南房総市
 
前回ブログのIC1396に続いて撮影したのがカリフォルニア星雲です。この星雲も巨大なので、フルサイズ300mmの視野に大きく広がって迫力があります。まわりには分子雲もありますので、充分な露出を確保して、ぜひ炙り出してみたいところです。このカリフォルニア星雲から12°ほど南にすばるが位置しています。フルサイズに85mm105mmレンズで両方をバランスよく配置できますので、中望遠をお持ち方はぜひ狙ってみてください。さて、今回の遠征で2台のSWAT-350V-specを持ち込んで、それぞれ2天体ずつ撮影しました。ここまでブログで紹介してきた3天体は追尾エラーなしのパーフェクト撮影だったのですが、このカリフォルニア星雲で1枚だけ流れたカットがあり、完全試合を逃してしまいました。それでも歩留まり98.8%なので文句なしです。(笑)

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JPG撮って出しピクセル等倍切り出しです。左が合格の星像、83枚すべて同じくらいです。右が唯一ガイドラーのボツカット。
 
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2022年10月 9日 (日)

ボーグ71FLによるIC1396。

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●IC1396
2022年10月1日20時24分~ ボーグ 71FL+レデューサー 焦点距離288mm F4 HEUIB-IIフィルター キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 120秒露出×101枚(総露出3時間22分) ステライメージ9、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec ノータッチ追尾 千葉県南房総市
 
10月1日の南房総遠征でSWAT-350V-specの2号機に搭載したのはボーグ71FL+レデューサー(焦点距離288mm F4)です。最初に狙ったのがケフェウス座μ星(ガーネットスター)付近に広がるIC1396です。大型の散光星雲なので、焦点距離300mmもあれば、このように画角ピッタリに収まり、ちょうどいい感じです。今回、白浜の海岸沿いにある駐車場での撮影ですが、思いのほか暗く、F4の光学系でも3時間半程度の露出で、なかなかコントラストのよい画像が得られました。さらに露出をかければ暗部のノイズを減らせそうです。この日はSWAT-350V-spec 1号機と同様に2号機の調子もよく、試写を含めて全101コマ、ガイドエラーなしのパーフェクトでした。V-specなら300mmクラスの2分露出でも充分ノータッチ可能です。秋から初冬にかけて、焦点距離300mmくらいに適した対象も数多く、今回のIC1396ほか、思いつくだけでも、北アメリカ星雲、クエスチョンマーク星雲、ハート&ソウル星雲、アンドロメダ銀河、曲玉星雲、カリフォルニア星雲、すばるなど、一晩ですべて撮影するのは難しいかもしれません。薄明前にはすっかり一等星だらけの冬の星空に変わっています。夜も長くなってきましたし、たっぷり星空を楽しめるよい季節です。夜はかなり冷え込むようになってきましたので、防寒対策を忘れずに。
 
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試写を除いた100コマのピクセル等倍連続動画。上が北です。撮影開始から30枚(1時間)は光学極望で設置したままですが、少しずつ南に流れて行くので、極軸を目分量で少し(5′くらい)西に振って継続撮影。星が左に大きく動いたところが極軸を微調整した位置です。ピョンと小さく動くのはピント確認や電池交換で触った位置です。微恒星をご覧いただけるとすべて点像に写っていることがわかります。
 
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2022年10月 7日 (金)

ボーグ55FLによるぎょしゃ座の星雲星団。

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●ぎょしゃ座の星雲星団
2022年10月2日0時57分~ ボーグ 55FL+レデューサー×0.8 焦点距離200mm F3.6 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 120秒露出×78枚(総露出2時間36分) ステライメージ9、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec ノータッチ追尾 千葉県南房総市 ※写真星図はPixInsightで作成

1日夜、北アメリカ星雲付近を撮り終えた後、東の空にぎょしゃ座が高くなっていたので、狙ってみました。ぎょしゃ座は将棋の駒の形をしてますが、その中の下(南)半分は星雲星団の宝庫です。有名なIC405(曲玉星雲)、IC410など大型の散光星雲やM36、M38などの美しい散開星団があって、200~300mmクラス望遠レンズの写野はとても華やかに彩られます。構図をもう少し左へ振ると散開星団M37も取り込めますが、曲玉が周辺減光ゾーンに入ってしまうので、この構図にしました。右下方向にある二つの暗黒星雲は、上がLDN1512、下がLDN1523、左上のひときわ明るい小さな散光星雲はSh2-235です。前回の北アメリカ星雲付近に続いて、今回も試写含めて78枚ガイドエラーなしのパーフェクト撮影でした。
 
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JPEG撮って出し(カラー調整のみ)
 
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2022年10月 5日 (水)

天リフ超会議「ポタ赤で撮る天体写真」講演のご紹介。

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今週末、10月8日(土)、9日(日)のそれぞれ20時から、天文リフレクションズさん主催の天リフ超会議拡大版「ガチ天2022」が開催されます。SWATをご愛用いただいている講師の先生も多数いらっしゃいまして、私の得ている情報では、「基調講演」吉田隆行様、「ポタ赤で撮る天体写真」中村誠様、「すごいを民主化する」丹羽雅彦様、「特別講演」飯島裕様が現役のSWATユーザーさんです。天リフ編集長の山口さんもSWATご愛用中です。他の先生の中にもひょっとしたら使われている方もいるかもしれません。ガチ天2022とは関係ないですが、天文ガイドの西條善弘様やKAGAYA StudioのKAGAYA様、写真家・動画クリエイターの成澤広幸様もご使用中。こういったプロフェッショナルやベテラン愛好家の皆様のメイン機材、あるいはサブ機材として、SWATがなぜ絶大な信頼を得ているのか。プロが使うSWAT。今回の講演でその魅力に触れていただけるかどうかは不明ですが(笑)、ぜひご覧いただけたらと思います。きっと役に立つ情報が得られるでしょう。詳しくはこちらから。どうぞお楽しみに。
 
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2022年10月 3日 (月)

ボーグ55FLによる北アメリカ星雲付近。

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●北アメリカ星雲付近
2022年10月1日20時30分~ ボーグ 55FL+レデューサー×0.8 焦点距離200mm F3.6 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 120秒露出×91枚(総露出3時間02分) ステライメージ9、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec ノータッチ追尾 千葉県南房総市
 
先週末は天体撮影に絶好の快晴予報でした。ずいぶん撮影に出かけてなかったこともあり、感覚を取り戻すために房総半島へ出かけました。といってもいつもの房総半島内部は夜半から低い雲が湧く予報でしたので、今回は思い切って白浜の海岸沿いをチョイスしました。これが大当たりで、一晩中、陸方向から弱い風が吹いていたおかげで、湿った海風の影響もなく、薄明開始まで透明度の高い快晴が続いてくれました。
今回も2台のSWAT-350を持ち込んでのノータッチ追尾です。最初の撮影はボーグ55FL+レデューサー(200mm)で北アメリカ星雲付近を狙いました。ピント合わせをして2分露出で試写。問題なかったので、その後30枚(1時間)ワンクールで途中ピント確認をしながら3セット撮影して、試写を含めた91枚すべて成功というパーフェクト撮影でした。この日は、気温の変化が少なくフローライトの55FLでも途中でピント合わせをし直す必要はありませんでした。
昼間はけっこう気温が上がりますが、夜はそこそこ冷え込むようになってきたので、そろそろ防寒着を持って行った方がいいです。まだ虫もいるので虫除けも必要でしょう。
 
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JPG撮って出し(カラー調整のみ)
 
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2022年9月28日 (水)

成澤広幸氏 SWAT-350V-spec+TAMRON 150-500mm。

プロ写真家でSWATユーザーの成澤広幸様が撮影したタムロン公式150-500mm F5-6.7ズームによる紹介動画が公開されました。SWAT-350V-specにシンプルフォークDX2を組み合わせた機能的なシステムです。素晴らしい作例集をぜひご覧ください。
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動画はこちらhttps://www.youtube.com/watch?v=rQtt3DWI_M8

SWAT-350とシンプルフォークDX2の組み合わせでしたら、焦点距離200mm F2.8程度の望遠レンズまで安心して搭載可能です。スペシャルモードなら2~3分のノータッチ撮影にも充分対応可能です。
 
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2022年9月14日 (水)

星をもとめて2022に参加します。

 2022

今週末18日に京都南丹市で開催される関西最大の天文イベント「星をもとめて2022」に出展いたします。コロナは収束傾向でよかったのですが、今年もまた天気がイマイチの予報です。しかし、星を気にせずにイベントを楽しめるメリットがあります。ぜひご来場いただければと思います。この状況下なので、静かに盛り上がりましょう。ユニテックでは追尾精度の高さで絶大な人気のSWAT-350V-specを展示します。外山電子さんも参加予定です。関西方面のみなさま、会場でお待ちしております。
 
■協栄産業さんの特設ページはこちら。→ https://www.kyoei-osaka.jp/hpgen/HPB/entries/445.html
■星をもとめて公式ページはこちら。→ http://www.hoshimoto.jp/festival2022/

●9月16日追記 「出展見合わせのお知らせ」
イベント終了後に荒天が予想され、交通規制で足止めされる懸念があることから、今回の出展は見合わせることにいたしました。3年ぶりのリアル開催でとても楽しみしておりましたが、今年も皆様にお目にかかれず、とても残念です。たいへん心苦しいのですが、ご理解いただけますと幸いです。来年、お会いできることを楽しみにしております。なお、イベント自体は通常通り開催されますので、天候に注意してお出かけください。(16日10時現在)
●9月17日追記
事務局からの最新情報ではイベントは18日のみの開催となるようです。(19日は撤収作業)最新の開催予定はこちらから。
 

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2022年6月15日 (水)

シグマ 105mm Artで撮るバンビの横顔付近。

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●バンビの横顔付近
2022年5月29日23時58分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×31枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 Photoshopにて画像処理 撮影地千葉県大多喜町
 
さそり座尾部を撮り終えた後、バンビの横顔を狙いました。105mmレンズ縦構図だと、バンビの横顔を中心に配置すれば南にM8干潟星雲、M20三裂星雲、北にM16わし星雲、M17オメガ星雲がバランスよく収まります。M8の左には大型球状星団M22が105mmレンズでも明らかに球状星団とわかる姿で写ります。さそり座尾部に比べて、地平高度も高くなり、かなり撮りやすいエリアですので、ぜひ狙っていただければと思います。SWATなら焦点距離105mmを余裕でノータッチできます!
  
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PixInsightで写真星図を作成。
 
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2022年6月13日 (月)

300mmノータッチ追尾によるさそり座のカラフルタウン。

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●アンタレス周辺
2022年5月29日22時34分~/2019年3月9日02時08分~/2018年5月10日23時32分~ シグマ APO 300mm F2.8  絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 120秒露出×130枚 ISO3200 60秒露出×145枚+短時間露光をHDR合成 Photoshopで画像処理 SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
  
さそり座の一等星アンタレス付近はいつの頃からは知らないですが、「カラフルタウン」と呼ばれるようになりました。その名の通り、赤、黄、青のとても美しい星雲と暗黒帯、おまけに巨大球状星団のM4と、いくつもの天体が構図いっぱいにひろがり、まるでネオン街のような感じです。画像は毎年少しずつ撮影枚数を稼いで、トータルの総露出は6時間45分となりました。最初の頃の作例(総露出約3時間)と比べると淡い部分の描出が優れていることがわかります。同じ対象(構図)を同じ光学系で撮り増していけば、楽な加算合成で画質の向上が見込めます。このように少しずつ画質を高めていく楽しみができるのもデジタルの恩恵ですね。SWAT-350なら300mmクラスのノータッチ撮影が可能です。オートガイドの煩わしさから解放されて、星空を楽しみながらのお気軽な撮影でも、高品位な天体写真をものにできます。
 
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2022年6月11日 (土)

シグマ105mm F1.4 Artで撮るさそり座尾部。

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●さそり座頭部
2022年5月29日22時56分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×31枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 Photoshopにて画像処理 撮影地千葉県大多喜町
 
先日ブログにアップしたさそり座頭部に続いて撮影したさそり座の尾部です。さそりの尻尾付近は南の空にとても低く、構図下辺の南中時の地平高度(撮影地)はわずか10°ほどしかありません。しかも比較的好条件で撮影できるのは南中前後1時間半のせいぜい3時間ほどしかなく、街の光害が落ち着く午後10時以降に撮影したいとなればチャンスはおのずと少なくなります。ぜひ春先から狙いを定めて好条件を逃さないようにしたい対象です。さて、画像に華を添える赤い散光星雲は中央上が彼岸花星雲、その下が出目金星雲、ちょっと右に下がってえび星雲です。天の川の暗黒帯が複雑に入り交じったなかなか撮り甲斐のあるエリアです。天の川を配置した広角から、超望遠による個々の天体のクローズアップまで、様々な焦点距離で楽しめますので、ぜひレンズを向けていただければと思います。
 
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PixInsightで天体名を入れてみました。設定はデフォルトのままですが、なかなかいい感じの写真星図になりました。
 
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2022年6月 5日 (日)

第10回「星の村天文台☆星まつり」に参加しました。

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6月3日から5日に福島県で開催された「星の村天文台☆星まつり」に初参加しました。好天に恵まれ、夜は二晩ともほぼ快晴。私がいつも撮影している房総よりもひとクラスうえの星空を堪能できました。ここ数年、台風やらコロナやらで、開催できませんでしたが、今年は多くのお客様が集まって活気あふれるイベントになりました。ユニテックとしては初参加でしたが、来年からはもう少し気合いを入れて、展示していきたいと思います。さて、上は開会式の様子です。田村市長さんや大野台長さんのご挨拶でイベントが始まりました。
 
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多くの天文ファンが集結。隣接した駐車場は満車状態でした。
 
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ユニテックは外山電子さんのブースを間借りして、SWAT-350V-specを展示。

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夜には快晴になって、素晴らしい星空が広がりました。

ご来場のお客様、スタッフの皆様、どうもお疲れ様でした。楽しいイベントでした。また来年もお会いしましょう。
今年は各地のイベントが無事に開催できるといいですね。ユニテックは「胎内星まつり」(2022年8月26日~28日予定)とるり渓の「星をもとめて」(2022年9月18日~19日予定)に参加予定です。開催が決まれば、ブログでご案内します。
 
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2022年6月 2日 (木)

シグマ APO 300mm F2.8で撮る青い馬星雲。

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●青い馬星雲
2022年5月29日20時50分~ シグマ APO 300mm F2.8  絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 2分露出×39枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 Photoshopで画像処理 SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
5月29日の房総遠征で、もう一台のSWATに搭載したのがシグマ APO 300mm F2.8望遠レンズ。露出2分でV-specスペシャルモードでノータッチ追尾としました。対象はさそり座のIC4592「青い馬星雲」です。前回ブログの上の方に写っている星雲で、青い光芒がとても美しい反射星雲です。画像は北を上にしてますが、逆さにすると馬の横顔が想像できると思います。さそり座は低空のため透明度がイマイチなうえ、星雲自体も淡いので、なかなか難しい対象です。光害の少ない場所で、なるべく明るいレンズを使って露出もたっぷりと稼ぎたいところです。今回F2.8で80分弱の総露出ですが、無理に炙って描出したので、かなり荒れてしまいました。もっと撮り増しして画質を高めていきたいと思います。
 
BeforeAfter
上のGIF動画は光学極望で極軸設置直後と微調整後の比較です。JPEG撮って出しをピクセル等倍で切り出しました。上方向が北です。左が最初に撮った10枚ですが、星が南に下がっていきます。ちょっと極軸ズレが大きかったようで、焦点距離300mm 2分露出でも星像が赤緯方向に少し流れてしまいました。ピリオディックモーションならば東西(上のGIFでは左右方向にわずかに確認できます)に行ったり来たりします。今回は星像の流れが主に赤緯方向の一定の動きなので、極軸の設置誤差が強く疑われます。このように星像の流れの方向はエラーの原因究明の判断材料になりますので重要です。また東西の一方向に少しずつ動いていくのは、大気差や極軸の高度誤差で追尾速度が合っていないことが考えられます。そこでドリフト法に則って極軸微動ユニットの水平微動を使って適当に西に振ってから撮り直したのたが右です。まだ補正が足りませんが、明らかに流れが少なくなって星像も良好になりました。ちょっとした技ですが、成功率を高められます。余談ですが、さらに極軸の高度を微調整する(赤道より南のさそり座付近なら極軸を少し下げる)と見かけの追尾速度が遅くなって、赤経方向もより一致させることができます。わざと極軸をずらすこの方法は同じ撮影方向の天体だけを撮るなら有効ですが、撮影エリアを大きく変えたときに合わなくなりますので要注意です。一番手っ取り早いのは、単に露出時間を短くすることです。今回は120秒露出ですが、90秒にすれば、最初のセッティングでも点像になったと思います。ちなみに作例画像には少し流れたコマを含めて、すべてコンポジットに使いました。
 
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色調と露光量を調整しただけの撮って出し画像です。馬の横顔は鼻っ面が心の目で見るとなんとかわかる?程度です。これだけ淡い対象は、やはりそれなりの総露出時間が必要ですね。

■イベントのご案内
 
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3日から福島で開催される「星の村天文台☆星まつり」に参加します。外山電子さん、陣馬写真工業さんと一緒のブースで、追尾精度測定サービスを実施する予定です。赤道儀をお持ちいただければその場で計測いたします。ぜひ遊びにいらしてください。
※悪天候の場合は精度測定を実施しない可能性がございます。※5日(日)は参加しません。
 
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2022年6月 1日 (水)

シグマ105mm F1.4 Artで撮るさそり座頭部。

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●さそり座頭部
2022年5月29日21時20分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×51枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 Photoshopにて画像処理 撮影地千葉県大多喜町

5月29日の遠征では、シグマ 300mm F2.8と 105mm F1.4 Artを2台のSWATでノータッチ撮影しました。まず、105mm Artで撮影したのが「さそり座頭部」です。縦構図の画角の上部に青い馬星雲、中央左にカラフルタウンと呼ばれるアンタレス付近を配置してみました。ちょっと構図的に中途半場ですが、いずれアンタレスの左側を撮り増ししてモザイクで広げたいと思います。今回は試し撮りを含めて51枚撮影しましたが、流れたカットはなしで、すべてコンポジットに使えました。連続撮影した50カットをGIF動画にして掲載します。
 
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JPEG撮って出しピクセル等倍切り出しをGIF動画にしました。インターバル時間を含めて約1時間18分、すべて点像で歩留まり100%です。低空のため見かけの星の動きが遅いのと極軸設置誤差(光学極望にてセッティング)で徐々に南東(左下)方向に動いています。Premiumは低空追尾モードがあるのですが、あるのをすっかり忘れてました。(笑) バックグラウンドの明るさが変化しているのは、夜が更けるにつれて光害の条件がよくなっているためです。地平高度もやや高くなっているからかもしれません。
 
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PixInsightで座標と天体名を入れてみました。ちょっとした写真製図になります。
 
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今回の撮影エリアは赤い枠で囲った部分です。さそり座は地平高度が低いため、好条件で撮影できるチャンスは少ないです。梅雨入り前までの晴れた日に、ぜひ撮っておきたいエリアです。
 
今週末は、福島で開催される「星の村天文台☆星まつり」に参加します。初めての参加なので、まずはどんなイベントなのか様子伺いということで、外山電子さんと陣馬写真工業さんとご一緒させていただく予定です。ブースでは追尾精度測定サービスを実施する予定ですので、ご自分の赤道儀がどれくらいの追尾精度なのか測りたい方は、お持ちいただければその場で計測いたします。ぜひ遊びにいらしてください。
※悪天候の場合は精度測定を実施しない可能性がございます。
 
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2022年5月30日 (月)

シグマ 14mm F1.8 Artによる薄雲越しの天の川。

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●夏の天の川
2022年5月30日01時09分~ シグマ 14mm F1.8 Art  絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改) ISO1600 60秒露出×9枚コンポジット SWAT-350V-spec Premiumでノータッチ追尾 Photoshopで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
昨夜は夜半過ぎまでよく晴れる予報で、これが梅雨入り前最後のチャンスになるかと思い、久しぶりに房総半島へ出かけました。前回の撮影は正月明けにレナード彗星を撮りに行って以来ですから、ほぼ5ヶ月のブランクとなります。こういうときは、なにか重大な忘れ物をしがちなので、機材を入念にチェックしてトランクに積み込みました。午後6時半に東京を出発、現地着が午後8時過ぎでした。さすがに梅雨入り前のラストチャンスかもしれないため、日曜の夜にもかかわらず、すでに多くの天文ファンが集っていました。迷惑にならない場所を見つけてSWATを2台設置。ポタ赤の省スペース性が活かされます。今回はカメラレンズしか持ってこなかったため、面倒なオートガイドの設定も必要なく、極軸合わせも光学極望のみ(14mmレンズだけなら北極星のぞき穴設置で充分)で、とても気楽なノータッチ撮影となりました。日付が変わったあたりから薄雲が出始め、そろそろ撮影終了のようです。撤収作業に取りかかる間際に撮影した1分露出×9枚コンポジットの天の川をご覧ください。
 
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撮って出しJPEG全9枚(カラーのみ調整)をGIF動画にしてみました。こんなにひどい元画像ですが、コンポジットして画像処理すると、上の画像くらいには仕上げられます。
 
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2022年5月15日 (日)

SWAT-330レビュー動画のご紹介。

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SWAT-350V-spec Premiumの紹介ビデオを制作いただいた蒼月様に、今回はSWAT-330のレビュー動画を作っていただきました。意外なほどの高性能と評価いただいております。SWATを選択する上での参考になると思いますので、ご購入を検討されている方はぜひご覧いただければと思います。動画はこちらからどうぞ。(https://www.youtube.com/watch?v=mLfxG3Hh4mk
 
■動画のコメントより
今回は、ユニテック製ポータブル赤道儀 SWAT-330 のレビューです。SWATシリーズのエントリーモデルと言える機種ですが、使ってみると予想以上に高い性能であることがわかり、驚かされました。ポ○リエやスカ○メモでは性能的に不十分だけど Premium ほど高価で高性能なモデルはちょっと…という方や、これからポータブル赤道儀を買いたいけどどの製品にしようか迷っている方など、是非ご覧ください。

※お詫びと訂正
傾斜ブロックについての説明で、
16:58頃に角度を示している部分がありますが、図で示された部分の角度なら 90°-35°=55°です。お詫びして訂正いたします。

■本動画の主な内容は次の通り
0:00 op
1:36 今回のお話の内容
1:57 Chap.1 SWAT-330とは
8:19 Chap.2 開封の儀
9:26 Chap.3 撮影システム例 ①電源周り
11:10 Chap.3 撮影システム例 ②架台部
14:36 Chap.3 撮影システム例 ③搭載システム
18:04 Chap.4 撮影画像と精度検証 ①ノーマルモード精度検証
19:55 Chap.4 撮影画像と精度検証 ②東側偏荷重SPモードの精度
21:27 Chap.4 撮影画像と精度検証 ③SWAT-330を一言で言うと
22:46 Chap.4 撮影画像と精度検証 ④東側偏荷重SPモードでの作例
24:17 Chap.4 撮影画像と精度検証 ⑤2軸オートガイドでの作例
25:27 Chap.5 結局どんな人におすすめか

■ SWAT-330
https://www.unitec.jp.net/products.htm#SW33
 
Sh273
SWAT-330東側偏荷重スペシャルモードで撮影した Sh2-73。焦点距離288mm、EOS 6D、4分露出×28枚、ノータッチ。 詳細はこちらをご覧ください。
 
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2022年1月 5日 (水)

ありがとうC/2021A1 Leonard彗星。

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●C/2021A1 Leonard彗星
2022年1月4日17時47分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 5秒露出×54枚コンポジット 
ステライメージ9、FlatAidPro、Photoshop、DeNoise AIにて処理 地上のシルエットは合成 トリミングあり(下はピクセル等倍) SWAT-350V-specPremiumにてノータッチ追尾 撮影地 山梨県上野原市
 
新年最初の撮影は、おおいに盛り上がったレナード彗星にしました。ネットの情報ではまだ立派な尾があるはずだったのですが、残念ながらショボい姿しか捉えられませんでした。でもこの数週間、その勇姿とともに存分に楽しませてもらいました。感謝を込めて、タイトルに「ありがとう」と入れました。今回の反省点は、彗星が沈む位置をちゃんと計算しておかなかったことです。前々回(12月28日)の撮影では、富士山の側面に沈んだので、今回も同じような感じで撮れると勝手に思っていたのですが、実際には左の山の右斜面の中腹に沈みました。せっかくの好条件だったのに
露出を10分くらい逃してしまいました。とはいえ、楽しい初撮影でした。これにてLeonard彗星の撮影は終了とします。
 
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撮って出し。彗星はとってもショボい写りです。どこにいるかわかりますか(笑)
 
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撮影前のワンカット。夕焼け空の細い月と富士が、なんともいえず美しかったです。
 
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今回は撮影地に近い陣馬写真工業の土生さんとご一緒しました。キヤノンの最新300mm F2.8です。
 
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私の機材はお気に入りのシグマ 105mm F1.4。撮影は思うように行かなくても、星空の下に出かけるだけで気持ちがいいです。ですが、寒さは半端ないので、コロナ対策に加えて防寒対策もぬかりなく!
   
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2021年12月31日 (金)

大晦日のC/2021A1 Leonard彗星。

Lonard
●C/2021A1 Leonard彗星
2021年12月31日17時55分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 20秒露出×19枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、FlatAidPro、Photoshopにて処理 地上のシルエットは合成 トリミングあり SWAT-350V-specPremiumにてノータッチ追尾 撮影地 山梨県上野原市
 
コロナ禍でいろいろ制限された一年でしたが、みなさま無事にお過ごしになれたでしょうか。幸い天体撮影は三密とは無縁の趣味なので、比較的安全に楽しめるメリットはありますが、さすがに今年は遠征の回数が減ってしまいました。年末になって感染者もかなり落ち着いたので、遠慮なく撮影に出かけましたが、ここに来てオミクロン株がジワジワときてる感じで、来年もまた自粛と思うとなんともうんざりしてしまいます。来年はなんとか平穏な生活に戻りたいですね。
さて、大晦日の本日、飽きもせずにレナード彗星の撮影に行ってきました。日中から雲が多く、かなり厳しい感じでしたが、上野原付近のGPV予想は快晴。それを信じて出撃しました。結果は上の画像の通りで、雲に邪魔されてしまい、あえなく撃沈。それでもなんとか放置撮影したなかから使えそうな19枚(6分20秒)をコンポジットして、イメージ重視で仕上げました。本当は長い尾を撮りたかったんですが、天気には勝てません。
というわけで、今年も一年ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。
 
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撮って出し。
  
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2021年12月30日 (木)

C/2021A1 Leonard彗星を撮ろう。

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●C/2021A1 Leonard彗星
2021年12月28日17時51分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO800 3秒露出×99枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、Photoshopにて処理 地上のシルエットは合成  トリミングあり SWAT-350V-specPremiumにてノータッチ追尾 撮影地 山梨県上野原市
 
300mm望遠とは別に105mmでも撮影しました。こちらは富士山に沈むレナード彗星を狙いました。もう少し長く伸びた尾を強調したかったのですが、私の画像処理スキルでは難しく、思い切ってイメージ重視で仕上げてみました。地上のシルエットは別撮りしたもを画像処理で合成してます。下に富士山の稜線に沈むレナード彗星のGIF動画を掲載します。地上を止めた動画にするなら本来は固定撮影すべきですが、追尾してたので、位置合わせは手動でやりました。16枚だったのでたいして手間じゃなかったですが、自動でやる方法を知らないので、こんど勉強したいと思います。タイムラプス動画も面白いのですが、なぜか一度やったら満足してやめちゃう人が多いですね。そんなに魅力的ではないかもしれないですが、作った動作を家族や友人に披露しても楽しめるかもしれません。SWAT-310/350は背面にもカメラネジを用意しています。ターンテーブルを真上に向けて、低速で回しながら撮影すると背景が微妙に動きながらの動画が作れます。まったくの固定撮影より、構図に変化があって面白いです。余裕のあるときにぜひチャレンジしてみてください。
  
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富士に沈むレナード彗星。シグマ 105mm シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO200 20秒露出×16枚 トリミングあり SWAT-350V-specPremiumにてノータッチ追尾
  
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駐車スペースから富士山を望む。
 
Seizu
30日17時半(東京)でのレナード彗星の位置。地平高度9°弱。まだしばらくな同じような位置にいます。これくらい低いと太陽時追尾の方がマッチすると思います。SWATに搭載されていますので、ご活用ください。
   
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2021年12月29日 (水)

C/2021A1 Leonard彗星が面白い。

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●C/2021A1 Leonard彗星
2021年12月28日17時56分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 15秒露出×45枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、Photoshopにて処理 トリミングあり SWAT-350V-specPremiumにてノータッチ追尾 撮影地 山梨県上野原市
 
昨日の夕方もよく晴れて彗星の撮影に絶好の日和となりました。前回、市川市から撮影したレナード彗星が意外とよく写ったので、俄然やる気が出てきました。で、今回はもう少し条件のよい山梨県の上野原へプチ遠征することにしました。空の条件は房総より2ランクぐらい劣りますが、西が大きく開けていることと、自宅から至近距離なので、移動が楽なのが魅力です。それでも市川よりは何倍もよい空です。(笑) 画像は市川のときと同じレンズとカメラです。条件がよくなったので、露出を大幅に伸ばせましたが、それでもトータル11分ちょっとですので、充分とはいえません。無理を承知であぶり出しました。かなり荒れ気味ですが、尾の迫力を少しは出せたかと思います。
 
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撮って出し。
  
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シグマの300mmと105mmの2台体制で挑みました。彗星が沈むまでわずかな時間しかなく、手際よくやらないと露出が確保できません。まだしばらく楽しめますので、ぜひ撮影してみてください。
 
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2021年12月26日 (日)

まだ撮れるC/2021A1 Leonard彗星。

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●C/2021A1 Leonard彗星
2021年12月26日17時58分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 3秒露出×99枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、Photoshopにて処理 トリミングあり SWAT-310V-specにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県市川市
 
西に回ったレナード彗星を撮影してみました。今回は千葉県市川市からなので東京越しに低空の彗星を撮ることになりますが、強風のせいか、透明度が抜群で意外に写りました。ただ尾を描出するために強烈に画像処理したので、やや破綻気味ですが、ご容赦ください。北を上にしてますので、右下が地上です。東京のビル群の明かりが迫っています。まだしばらく撮れますので、ぜひ狙ってみてください。
 
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撮って出し。
 
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2021年12月27日17時半(東京)のレナード彗星の位置。
 
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2021年12月13日 (月)

撮り増しの効果、M31アンドロメダ銀河。

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●M31アンドロメダ銀河
2021年12月4日18時46分~/2019年9月26日22時07分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞りF2.8 開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造/HKIR改造 ) ISO1600 120秒露出×61枚/180秒露出×52(総露出4時間38分) 高輝度部分に短時間露出をHDR合成 ステライメージ9、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 トリミングあり SWAT-350V-spec Premium/ SWAT-350V-specにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
前回ブログの過去データに加算した馬頭星雲付近に気をよくして、今回は12月7日にブログアップしたM31アンドロメダ銀河に、2019年に同じ光学系で撮影したデータを加算して再処理しました。 F2.8で総露出4時間38分となって、低ノイズ化と炙り耐性が向上し、淡い部分も滑らかな階調で描出できました。焦点距離300mm望遠+フルサイズでの撮影ですが、かなりトリミングして、500mmくらいの画角になってます。それでも細部が荒れずにすみました。馬頭星雲付近のような分子雲が広がるエリアの方が加算効果が高いですが、こういった銀河も淡い部分がそれなりに出てくるで、見栄えが増してきますね。
時間はかかりますが、高画質化を目指すには長時間露光が必要です。ノータッチの気軽な撮影でも高画質を目指せるのがSWATの魅力です。この冬の撮影にSWATを一台いかがでしょうか? メイン機材としてはもちろん、複数台運用のサブ機としてもおすすめです。
 
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左が2021年、右が2019年撮影。それぞれの総露出時間に大きな差はないのですが、仕上げには大きな差が出てしまいました。最近は恒星を抑えるように処理するようになったので、そのあたりの違いだと思います。
 
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2021年12月10日 (金)

SWAT-330+ボーグ71FLノータッチで馬頭星雲付近。

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●馬頭星雲付近
2021年12月4日22時23分~/2017年10月27日1時49分~ ボーグ 71FL+レデューサー0.72× 合成焦点距離 288mm/F4.1 IDAS HEUIB-IIフィルター キヤノン EOS 6D(HKIR改) ISO3200 90秒露出×158枚/120秒露出×66枚コンポジット(総露出6時間9分) SWAT-330にてノータッチ追尾(2021年)/SWAT-350+M-GENにて一軸オートガイド(2017年) ステライメージ9、Photoshopで画像処理 千葉県大多喜町
 
4日の遠征で、もう一台の方のSWAT-330にはボーグ71FL+レデューサーを搭載。これでも、3年前に同じ構成で撮った「馬頭星雲付近」を撮り増しして、さらに高画質を目指しました。比較すると暗部のノイズ低減と分子雲描出に効果てきめんなのがわかります。炙り出し耐性がアップするので、かなり強引な処理でも破綻せずに処理できます。今回の撮影は、SWATの末弟「SWAT-330」です。SWAT-350より若干追尾精度は劣ります。それでも露出を90秒に抑えたことで、160枚撮影してロスは2枚でした。
 
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約4時間にわたる撮影の最終盤(撮影終了20分前)に荷重移行が起きました。自分のブログでは、撮影終了予定時間まで「東側偏荷重が維持されていることを確認」なんて書いておきながら、このときは適当にバランスを崩して撮影してました。左右方向が赤経で左が東です。途中、左(東)方向にピョンと飛んでます。東側偏荷重だったのが、極軸の回転に伴って、徐々にバランスが合い、ついには西側偏荷重に移行する瞬間です。ですので、ウォームギアの反対の面に向かってスッと動いて、レンズがバックラッシュの量だけ、西に向いたわけです。流れているのは2コマですから、1コマ1.5分露出なので、今回は2~3分程度(ロスタイム?)で荷重移行が完了してます。移行時間は赤道儀のそのときのコンディションによって異なります。長いときは10~20分にわたって安定しないこともありますので、やはり撮影前に東側偏荷重が維持されていることを確認してから撮影に入る方がいいです。ちなみに荷重移行が起きた時間は2時20分。このときのオリオン座は南中を約2時間経過してます。小刻みに左右に動いているがピリオディックモーションです。今回はちょっとしたテストのためPECを効かせてないので、素のギアの精度が出てます。東側偏荷重の時が±9″、西側偏荷重で±14″です。この精度でもSWAT-330の公称値(±14″前後)をクリアしてますが、製品は東西偏荷重の差が少なくなるようにプログラムされています。一般的に赤道儀は東西偏荷重時で追尾精度が異なります。通常は東側偏荷重を重視して作られています。お持ちの赤道儀がどちらが精度がよいか調べてみるのも面白いかもしれません。メーカーとしては東側偏荷重でのご使用を推奨しております。
 
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SWAT-330/350にはボーグ71FLのような6~8cmクラスの短焦点鏡筒がベストマッチです。
 
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11日5時(東京)薄明開始直前のレナード彗星の位置。地平高度10°ですから、真東の低空が開けた場所が条件です。薄明開始後でも充分撮影は可能です。ぜひ狙ってください。
※当初掲載した天体情報の座標に誤りがあったため、10日14時50分に更新しました。申し訳ありませんでした。星図内の位置表示は正しいです。
  
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2021年12月 9日 (木)

300mmノータッチ追尾でM78とLND1622。

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●M78とLND1622
2021年12月4日21時47分~/2020年11月21日22時57分~  シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 120秒露出×189枚コンポジット(総露出6時間18分)+短時間露光をHDR合成 ステライメージ9、Photoshopにて画像処理 SWAT-350V-spec Premiumにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
4日の夜、アンドロメダ銀河の次にレンズを向けたのは、オリオン座の三つ星の上(北)にあるM78星雲付近です。バーナードループの上の方の両岸に対峙するように暗黒星雲のLND1622があります。焦点距離300mmで狙うとちょうどいい構図になるため、人気のある対象です。昨年11月21日に撮った同構図同機材の画像も加算して仕上げました。F2.8でトータル6時間半に迫る総露出で、よりノイズが減り、分子雲もいい感じになってきました。過去のデータに加算して、より高画質を目指すのも楽しい作業です。デジタル時代ならではの面白さです。
 
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左が今回撮影、右が2020年に同機材で撮影した同エリア。これを加算合成してさらに炙り出しました。
 
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10日4時半(東京)のレナード彗星の位置。11日は5時で地平高度10°くらい。最後のチャンスか。夕方に回っても南西の空で地平高度(5°程度)が上がらないため好条件での撮影は難しそうです。超低空の撮影では「太陽時」のほうがマッチする場合があります。
   
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2021年12月 7日 (火)

300mmノータッチ追尾でM31アンドロメダ銀河。

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●M31アンドロメダ銀河
2021年12月4日18時46分~ シグマAPO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 120秒露出×61枚コンポジット 短時間露光をHDR合成 ステライメージ9、Photoshop、FlatAideProにて処理 SWAT-350V-spec Premiumにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
4日は久しぶりの新月期の快晴で、薄明終了から開始まで11時間もあります。光害の影響は午後10時くらいには落ち着いてきますが、限られた時間ですから、薄明終了直後からの時間も有効に活用したいです。天頂付近は低空に比べて光害の影響が少ないので、まず最初は天頂近くまで昇っていたM31アンドロメダ銀河を狙いました。このときの地平高度は80°です。レンズは300mm F2.8と明るいので、短時間でもよく写ります。露出は2分にセットして試写し、追尾が良好なことを確認してから60枚撮影しました。追尾はSWAT-350V-spec Premium、当然ノータッチ追尾です。試写を含めて、全コマ良好のパーフェクト達成です。このあたりはPremium仕様の面目躍如といったところです。
さて、M31アンドロメダ銀河は超巨大銀河で、視直径は満月5~6個並べたサイズです。上の画像は周辺部を若干トリミングしてますが、焦点距離300mmでもご覧の迫力で写せます。撮影好機は逃しましたが、滑り込みセーフで作品に出来ました。
 
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最初(左)と最後(右)のコマのピクセル等倍画像。撮影時間は約2時間ですが、撮影途中でピントチェックしなかったので、気温の低下でピント位置がずれました。クルマから出して短時間で撮影を始めたため、余計にズレが大きくなっています。特にEDレンズやフローライトレンズは外気温に充分なじませてから、撮影を開始しましょう。撮影中も徐々に気温が下がっているときは、ピントチェックが必要です。
 
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この日も一軸2台体制です。2軸で精密オートガイドもできます。一軸でも2軸でも高性能なのが、SWATの魅力のひとつです。
 
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2021年12月 5日 (日)

C/2021A1 Leonard彗星。

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●C/2021A1 Leonard彗星
2021年12月5日03時27分~  シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 90秒露出×10枚(彗星核基準でコンポジット) Photoshop、FlatAideProにて処理。SWAT-350V-spec Premiumにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
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●C/2021A1 Leonard彗星
2021年12月5日03時47分~  シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO3200 60秒露出×30枚(彗星核基準でコンポジット) Deep Sky Stacker、Photoshopにて処理。SWAT-350V-spec Premiumにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
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●C/2021A1 Leonard彗星 30分間の動き
2021年12月5日04時32分~  シグマ 105mm Art F1.4 絞りF2 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 60秒露出×30枚 Photoshopにて画像処理 SWAT-350V-spec Premiumにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
昨夜は貴重な快晴の週末、しかも新月期。この組み合わせは滅多に重ならないですよね。(笑) このチャンスを逃すわけにもいかず、話題のレナード彗星の撮影にいつもの房総へ出かけてきました。久しぶりにオールナイトで楽しみましたが、還暦を迎えた身体にはだんだん厳しくなってきました。気温は5℃とそんなに下がらなかったのですが、日付が変わる頃から風が強くなってきて、体感温度はかなり下がりました。そんな中でも、なんとか焦点距離300mmのノータッチ追尾は成功しました。ササッと仕上げて速報としてブログアップします。
 
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今回、導入は目盛環を使いました。まず、基準星におおぐま座η(アルカイド)を入れて、目盛環の指標を回してアルカイドの座標に合わせます。合わせた直後は、恒星時目盛環と同じように使えますので、その時点のレナード彗星の座標に向ければ、簡単に導入できます。赤経は10分、赤緯は1°きざみ程度のかなりザックリした合わせ方です。上の画像は、目盛環導入して確認のための一発目の試写です。焦点距離300mmでもこれくらいのズレで導入できます。SWAT-350/310をお使いの方は、ぜひご活用ください。
 
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2021年12月 4日 (土)

ボーグ55FLによるすばる。

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●すばる
2021年11月28日18時20分~ ボーグ 55FL+レデューサー×0.8 焦点距離200mm F3.6 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 180秒露出×98枚(総露出4時間54分) 短時間露光をHDR合成 FlatAide、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾 千葉県大多喜町
 
28日の遠征で、もう一台のSWAT-350(こちらはデモ機をV-spec Premium相当にチューニング)には、ボーグ55FL+レデューサー付きを搭載。焦点距離200mm、F3.6なので、V-spec Premiumなら余裕のノータッチ圏内です。薄明終了20分後から、3分露出で、撮影開始。気温の変化に応じて、時々ピントチェックを挟み、0時ころまで放置撮影しました。パーフェクトといきたかったのですが、残念ながら流れたコマが5枚ありました。撮り始めやピントの合わせ直し、電池交換などで触った後に、しばらく不安定になるのは仕方がないところです。撮影成功の98枚をコンポジットしました。総露出5時間近いですが、前半はまだ充分に暗くなってないため、バックグランドがかなり明るく、コンポジット時にウェイトを下げたため、実質3時間露出くらいの感じです。もう少し分子雲を炙り出せるといいのですが、すでに破綻気味なので、いずれ撮り増して、炙り出したいと思います。
今夜(12月4日)の関東一円は、一晩中快晴予報です。新月期で週末ですから、どこも賑わいそうですね。私も、今年最後になるかもしれないで、遠征するつもりです。予報では、やや風があるようなので、短焦点メインで考えています。結果はブログで。寒さが厳しくなってきましたから、防寒対策をしっかりして出かけましょう。
 
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ボーグ55FLは軽量コンパクトで、シンプルフォークに搭載するのにピッタリです。東側偏荷重を維持するため、カウンターウェイトを取り付けてバランス調整しました。
 
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左が19時、右が23時半頃のJPEG撮って出し。まったく同じ露出ですが、こんなに違います。

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12月5日3時のレナード彗星の位置(東京)です。(軌道要素は天文ガイド12月号より)
  
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2021年12月 2日 (木)

ボーグ71FLによる曲玉星雲付近。

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●曲玉星雲付近
2021年11月28日21時30分~ ボーグ 71FL+レデューサー×0.72 + HEUIB-IIフィルター 焦点距離288mm F4 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 120秒露出×54枚(総露出1時間48分) 短時間露光をHDR合成 FlatAide、Photoshopで画像処理 SWAT-350ノータッチ追尾 千葉県大多喜町

28日の遠征で、ボーグ71FLで撮った二つ目の対象は「曲玉星雲付近」です。将棋のコマの形をしたぎょしゃ座の下半分に大きく広がる赤い散光星雲と左上の散開星団M38が印象的です。前回のカリフォルニア星雲と同様、これらの対象も巨大なので、焦点距離200mmから300mmくらいで充分に迫力ある姿で写せます。
このボーグ71FLを搭載したSWAT-350はデモ用に組み立てたものですが、追尾精度は±7″程度です。撮影したコマの3分の1は、ピクセルを拡大すると、わずかに流れていましたので、300mmクラスで2分間ノータッチするには、もう少し追尾精度が欲しいと感じました。1分露出にして枚数を稼いだ方が良かったかもしれないです。フィルム時代なら点像になる追尾精度でしたが、画素ピッチが細かくなった今のデジカメでは、さすがに厳しくなってしまいました。それでもノーマルのSWAT-350でも、ここまでは撮れるという実証試験としては、まずまずの成果と思います。
 
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JPEC撮って出し。23時を過ぎて、空の条件は最高になりました。
 
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焦点距離288mm、2分露出、ノータッチ追尾のピクセル等倍画像。左はガイド良好ですが、撮影全コマの3分の1に右くらいの流れがありました。運悪く、ピリオディックモーションのちょうど山から谷、またはその逆になったときには、追尾精度が足りてないということです。これくらいなら許容してもよいですが、より点像を求めるなら、露出時間を少し短縮すれば大幅に改善します。
 
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ダム湖のほとりで、SWAT-350とボーグ兄弟のシルエット。北方向ですが、東京の光害が天頂に迫るほど広がっています。北の空を撮るのは房総では厳しいです。
 
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2021年11月30日 (火)

久しぶりの天体撮影。

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●カリフォルニア星雲
2021年11月28日18時54分~ ボーグ 71FL+レデューサー×0.72 + HEUIB-IIフィルター 焦点距離288mm F4 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 120秒露出×41枚(総露出1時間22分) 短時間露光をHDR合成 FlatAide、Photoshopで画像処理 SWAT-350ノータッチ追尾 千葉県大多喜町
 
28日は超久しぶりの天体撮影に出かけました。2月16日以来ですから、なんと9ヶ月ぶりです。この日の房総は高気圧に覆われて、朝から最高の天気で、雲も風もなく、しかも透明度も良くて、最高の撮影日和でした。薄明終了は18時ころですが、前回撮影からあまりにも間隔が開いたので、なにかミスをやらかしそうなため、ちょっと早めの16時に撮影地に入り、機材を準備しました。面倒なオートガイドなどは最初からする予定はなくて、ノータッチに決めてました。用意したSWATは2台。2軸にするではなく、1軸2台体制で臨みます。焦点距離は288mmと200mm。月が顔を出すのが12時15分ころなので、それまでのお楽しみです。厳密には「月の薄明」があるため、それより少し早く影響があります。特に大きい月の時は。
さて、まず撮影したのが、東の空のちょうどいい位置に昇っていた「カリフォルニア星雲」です。赤い星雲なのでフィルター改造したEOS 6Dで撮りました。まだ光害が残る中、F4で1時間半足らずの総露出なので、無理なあぶり出しをせずに、サクッと仕上げました。とても大きい天体なので、焦点距離300mm程度の望遠レンズでも迫力満点で写せます。85mmか105mmでしたら、縦構図ですばると一緒にちょうど良く写せます。
久しぶりに満天の星空の下に出かけると、なんだかわくわくした気持ちになり、やっぱり自分は星好きなんだなぁとつくづく思いました。
 
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BORG 71FLと55FLの兄弟鏡筒で挑みます。はじめからノータッチ撮影と決めてきたので、とてもお気楽。極軸も光学極望で合わせただけの簡単セッティングです。あとはSWATの追尾精度で点像を確保です!

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2021年11月17日 (水)

SWAT-350V-spec Premiumレビュー動画のご紹介。

Youtube
SWAT-200からのユーザーであり、「天体画像処理入門」でPixInsightの連載を執筆していただいた蒼月様渾身のSWAT-350V-spec Premiumレビュー動画が完成しました。ハイレベルなユーザー様の視点で、SWAT-350V-spec Premiumの良いところはもちろん、イマイチな部分も正直に語っていただきました。お使いになるときのコツにも触れていますので、お時間のあるときにぜひご覧いただければと思います。動画はこちらからどうぞ。(https://www.youtube.com/watch?v=Se3USw5viFU

■動画のコメントより
長年SWATユーザだった私から見た Premium の印象のほか、高い追尾精度を最大限に発揮させるための注意点や、追尾精度の検証、改善要望など、この製品に関する様々なことを話しています。情報満載なので、これから Premium を導入しようか迷っている方はもちろん、既に Premium をお持ちの方も是非ご覧ください。

■本動画の主な内容は次の通り
0:00 op
1:42 今回のお話の内容
2:22 Chapter1 ちょっとひと言
5:32 Chapter2 開封の儀
8:10 アクセサリーについて
9:50 Chapter3 主な仕様・特徴
12:46 駆動モードが11種類
16:01 Chapter4 使用方法概要
18:21 荷重方向限定スペシャルモードの選択方法
21:03 追尾性能を最大限に発揮させるために
26:16 Chapter5 追尾精度検証
33:12 Chapter6 雑感あれこれ
36:12 改善要望
41:26 精度検証用の画像を処理してみた
 
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SWAT-350V-spec Premiumでテスト撮影したすばる。焦点距離560mm、2分露出ノータッチ。蒼月様のコメントはこちらをどうぞ。
 
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2021年10月29日 (金)

オークション等でSWATを入手された皆さまへ。

ユニテックでは、SWATの中古品をオークションや販売店様で入手された場合も通常通りのメンテナンスサービスを行います。ガタが大きかったり、追尾精度に不安がある製品は、オーバーホールを含めて、最適なメンテナンスをご提案いたしまので、メールからお問合せください。微動ユニットなどのパーツ類の中古品も同様に整備します。

SWATはユーズド品でもフルに性能を発揮していただけるよう、万全の整備体制を整えております。オークション等で入手されても安心です。
Vspec
ユーズド品でも最適なメンテナンスサービスで追尾精度を保証します。SWAT-3xx系(赤色筐体機種を除く)はアップグレードにも対応しますので、お気軽にメールでお問い合わせください。
 
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2021年8月17日 (火)

SWAT-350V-specPremiumモニターレポート。

久しぶりのブログ更新です。今回はSWAT-350V-specPremiumモニターユーザーのKY様より作例を含めて使用レポートをお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
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●はくちょう座 北アメリカ星雲
コーワ プロミナー 焦点距離 350mm キヤノン EOS 6D(IR改造) SWAT-350V-specPremiumによるノータッチガイドで撮影

●SWAT-350 V-spec Premiumを選んだ理由
これまで様々なスタイルの赤道儀を使ってきましたが、満足いく星像を出すにはオートガイドが必要であったりそれなりの労力が必要で持ち出すのが億劫になっていました。そこで可能な限り気楽に撮影できるシステムを目指してSWAT-350 V-spec Premiumを選ばせて頂きました。
決め手になったのは下記の通り。
・ノータッチガイドで6D+350mm(1ピクセルあたりの画角FOVpp=3.84")を追尾する精度がある。
・剛性が高く、多少重い機材でも載せられる。
・フォーク式にすれば子午線越えを気にすることなく撮影できる。
 
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アリミゾレールをL型に組み合わせてフォーク式に組み、コーワ プロミナーを搭載しています。
 
●機材構成
アリミゾレール2を2本L字に結合し、フォーク式としました。少し長めのアリミゾレール2でフォークとしたことで、EOS 6D + プロミナーを載せた際に北極まで干渉なくフリーに構図をとれます。(※アリミゾレール2をAS補強ブラケットでL字につなぐ際は1mmの隙間が出来るのでスペーサが必要になります。ワッシャーで可)なぜ北極まで向けるようにしているかというと、DPPA(Digital Photographic Polar Alignment)で極軸合わせをするためです。DPPAとは望遠鏡を極軸方向に向けて赤道儀を高速駆動させながら撮影して、撮影した画像から赤道儀の軸と極軸のズレを測って補正するものです。極望で極軸合わせをするだけでは6D+350mm(FOVpp=3.84")をガイドするには極軸精度が不十分であり、満足のいく星像を得ることが出来ませんでした。さらに極軸精度を上げるならPoleMasterを使うのが一般的だと思いますが、PCレスで運用できるようにしたかったため、DPPAでの極軸追い込みを採用しました。

●感想
何度かテスト撮影を重ねた結果、3分程度の露光であれば問題なく点像を保つことが出来るようになりました。1分露光で安定運用できればいいだろうと想定していたので、大満足の結果でした。スペシャルモードで追尾していれば、6D+350mm(FOVpp=3.84")の単写ではピリオディックモーションによる星像の伸びが気になることはありませんでした。
 
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↑のような写真を撮影して、赤道儀の極軸がどこを向いているか確認して、極軸を補正しています。
 
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↑透明な下敷きに真の北極付近の星を書いたスケールを作って、極軸合わせの補助に使っています。
 
●要望事項
①アリミゾレール2とAS補強ブラケットをスペーサ無しで組めるようにしてほしい。僅か1mmだけ隙間ができて組めないというなんともむずがゆい作りだったため、できれば改善してほしいと思いました。
②アリミゾキャッチャーの噛みこみを改善してほしい。東側偏荷重を作るためのバランス取りの際にアリミゾキャッチャーが噛みこんで外れなくなることがあったので、スムーズに外れるようにしておいてほしかった。アリミゾの噛みこみを外すためにせっかく合わせた極軸がズレてしまうことがしばしばありました。
 
■係より
このたびは、モニターレポートをお送りいただきまして、誠にありがとうございました。SWAT-350V-specPremiumは、スペシャルモードの追尾精度が±2.8″という、市販赤道儀で最高クラスの性能を持ったポータブル赤道儀です。天体撮影用に人気のキヤノンEOS 6D(画素サイズ6.5μm)と組み合わせた場合、赤道付近の天体で2ピクセルまでのズレを許容すると焦点距離480mmまで追尾できる精度です。ただし極軸設置誤差(極軸望遠鏡の設置精度は10′ほどなので、3分露出で約5″程度のズレが生じる )、大気差、機材の剛性などを考慮しない理論的な値ですので、実際には2~3分が実用範囲と思います。フィルム時代は±7″で300mmは余裕だったのですが、デジカメになってその精度ではまったく歯が立たなくなりました。作例画像は北アメリカ星雲ですが、完璧な星像でPremium仕様の性能を引き出した見事な作品になっています。
要望事項のアリミゾレール2を2枚、ASブラケットで組み合わせたときの隙間は次回ロットで改善いたします。(現仕様で組み合わせるときは1mm厚のワッシャー等のスペーサーをご使用ください。)なお、アリミゾレール2にアルカスイスレールLを組み合わせるときはピッタリ適合します。アリミゾキャッチャーで機材を搭載したままスライドさせてバランスを微調整すのは、軽量機材でしたらそこそこ機能しますが、重たくなるとなかなかスムーズにいかないです。だいたいの位置でしっかり固定して、支柱になるレールにカウンターウェイトを取り付け、それでバランス調整するのがストレスがなくおすすめです。運搬機材が重たくなって心苦しい限りですが、ご検討いただければ幸いです。
今後もPremium仕様の追尾精度を活かして、素晴らしい作品をものにしてください。よろしければ、作例コーナーにお送りください。お待ちしております。
 
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2021年5月25日 (火)

SWAT-330モニターレポート。

SWAT-330ユーザーのSH様よりモニターレポートを送りいただきましたのでご紹介します。ご購入の際の参考にしていただければと思います。
 
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●さそり座 カラフルタウン
2021年3月14日 SWAT-330ノータッチガイド BORG71FL+レデューサー Canon EOS 6D-HKIR ISO4000、120秒×60コマ 下は撮影中に流星が飛び込んだ記念のひとコマです。
 
■SWAT-330モニターレポート
SWAT-330、想像以上に高性能で使いやすくとても満足しています。モニターレポートと言って良いかどうかのレベルかと思いますが、それらしいものを纏めましたので送らせていたきます。写真は初心者レベルのものですが、初めて追尾撮影に挑戦してみたい方々には参考になるかもしれません。

●第一印象
初めて現物を目にして、インターネットなどで眺めた画像から想像していたよりも、一回り大きく&そして重いことに驚きました。無垢削り出しならではの剛性感と高品質感に性能への期待も高まります。全体の質感が高い中で唯一気になるのがプラスチッキーな極軸クランプです。あと本体にテーパーアダプターを取り付ける際、金属同士が触れ合うので美しいSWATに傷がつかないかなと心配になり養生用のテープを貼り付けて使っています。飾りにもなりそうなほど、工業製品としての美しさを兼ね備えているのでそう思ってしまいます。(笑)

●操作系について
シンプルで誤操作の起きにくいものだと思います。欲を言えばスペシャルモード起動の方法が小さく記載されていれば久しぶりに使う時に思い出せるので良いのでは。(説明書を忘れて一瞬不安になったので。)

●電源に関して
乾電池ボックスが付属されていますが、現代主流の電源はモバイルバッテリーだと思うので、以前紹介されていた5V-USB→12V-昇圧電源コードが標準付属またはオプションだったら良いかも。また、本体背面にモバイルバッテリー用ホルダーなどのオプションが欲しいです。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08J2NN73P/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_6SG80CPXV5YWCW3S077T

●私のシステム構成について
ビクセンの APP-TL130三脚にアダプターを介して直付。極軸ターンテーブルにスコープテック製ゼロ経緯台を装着。フリーストップのフォーク式赤道儀として実戦投入してみました。耐荷重15kgということで観望用に大きめな望遠鏡を載せることもできますが、撮影には小さめな望遠鏡の方が、ゆとりがある分だけ安心や信頼性につながります。三脚の脚の長さで極軸の調整はできますがやりづらく、やはり極軸微動ユニットは必須アイテムだと感じました。ぜひ追加購入したいです。
今回極軸ターンテーブルの1/4カメラネジに3/8インチカメラネジアダプターを介してゼロ経緯台を取り付けましたが、たった一本の細いネジで経緯台&鏡筒&カメラを支えていると思うと、とても不安です。色々なアダプターを介するほど高さ方向のモーメント荷重が増えてしまうので、出来ればターンテーブルが簡単に脱着できて取り付けネジが1/4インチと3/8インチを付け替えられるようになっていると嬉しいです。

●実際に使用して
今回は焦点距離265mmの直焦点ということでもちろん東側偏荷重スペシャルモードの使用です。剛性感があるので、構図の決定やピントの調整などもやりやすいです。追尾精度に関しては、添付のさそり座一枚もの写真にあるように星はほぼ点像でガイドエラーの確率も少なく、ノータッチ撮影に十分な精度を有していると思います。
 
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●SWAT330の存在意義
初めて手にする高性能ポータブル赤道儀ということであれば、性能&満足度の観点から、無理してでもSWAT-350、出来ればV-specが欲しいと思います。今までいろいろなポータブル赤道儀を使ってきました。(ナノトラッカー、初代ポラリエ、初代ポラリエ+テレスコ工作工房EQ3、スカイメモT、スカイメモNS、Jilva-170)それぞれに、軽くて小さいけど耐久性&信頼性が無かったり、充分に頑丈だけれど形状が使いづらかったり&極軸微動雲台周りの強度が不足したり、ハイテクだけれど機械的工作精度の悪さを感じたり、古くて頑丈で重かったりなど... 一長一短がありました。その中でJilva170をドイツ式へ改造し、極軸にはポールマスター、SWATのリモートコントローラーを使って赤経オートガイドなど、考えられるいろいろな改良を行いましたが、三脚や各軸等のたわみや大気差、極軸設定のズレなどにより高精度追尾をする究極的手段は2軸オートガイドとの結論に至り、SS-Oneで2軸駆動改造して使っていました。ふと、気づいたこと…、それでは普通の赤道儀と何ら変わらないかも(笑)また、パソコンも必要でフィッティング調整にかなりの手間暇がかかります。
そこで〜 SWAT-330! オートガイドをするには当然、星が出ている必要があり、昨今の地球温暖化による曇りがちの天気では常にオートガイドができるというものでもありません。であるならば、2分程度の短時間露光&多枚数コンポジットを前提に必要十分な精度の赤道儀でノータッチ放置ガイド撮影をして、出来たゆとり時間にのんびりと星空を楽しみたい。或いは星景写真にも取り組めます。
そういった観点で捉えれば、強度と耐荷重が高く、必要にして十分なノーマルモードでの追尾精度といざという時には東側偏心荷重スペシャルモードを備えた SWAT-330は「価格と性能のバランスが取れたとても良い選択肢」であると感じています。

どっぷり浸かって本気の撮影も楽しいですが、「のんびりお気軽に美しい星空写真撮影&リアル星見」。多様化の時代、そんなスタンスで楽しめるポータブル赤道儀としてオススメです。
 
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●おとめ座銀河団
2021年2月14日 SWAT-330ノータッチガイド BORG71FL+レデューサー Canon EOS 6D-HKIR ISO1600、120秒×16コマ
 
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●オリオン座 中心部
2021年2月14日 SWAT-330ノータッチガイド BORG71FL+レデューサー Canon EOS 6D-HKIR ISO1600、120秒×16コマ

●参考写真について
撮影した写真の編集になかなか時間をかけられないので、フラットやダーク、サブスクリプションの Lightroom を使わない「簡単手抜き処理」をテーマに画像編集を行っています。具体的にはsequatorでコンポジットの後、スマホのアプリPhotoshop & Lightroom の無料で使用できる機能の範囲で編集しています。ちょっと昔の天体写真みたいで、インスタ映えするような派手さはないですが...(笑) 画像処理も「時間を掛けず、お金も掛けず、お気軽に!」がテーマです。
 
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春の天の川とホワイトデー大火球
2021年3月14日 SONY α7c 固定撮影 名匠光学 11 mm f3.5位 ISO5000、20秒×30コマ
ボーグ71FL+SWAT-330でさそり座カラフルタウンをノータッチ撮影中に飛び込んできた流星は、広角固定撮影でも捉えていました。
 
■係より
このたびは、SWAT-330のモニターレポートお送りいただきまして、ありがとうございました。SWAT-330は性能的に充分ご満足いただけるレベルを確保して、価格をできる限り抑えたSWATのエントリークラスに位置するモデルです。必要に応じて上級機と同等性能へのアップグレード改造も可能にしています。今回のレポートでもスペシャルモード(東側偏荷重限定で±6.5″)を駆使してボーグ71FL+レデューサー(焦点距離265mm)の直焦点をノータッチ追尾で2分露出されていますが、ほとんどロスもなく上出来だったとのことです。レポートにもありますが、現行のSWATシリーズはすべてアルミ削り出し筐体に大型ベアリグを複数採用してるので、本体重量が2.5kg近くにもなってしまいます。気軽にカバンに入れてというわけにはいかないですが、重さも性能のうちということで、たいへん心苦しいですが辛抱していただければと思います。また撮影されましたら、作例コーナー用にぜひお送りください。お待ちしております。
 
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2021年5月10日 (月)

SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾テスト。

No_touch_test
神奈川県にお住いの丹羽雅彦様から、SWAT-350V-spec Premiumのノータッチ追尾テスト結果をお送りいただきました。
撮影システムは焦点距離288mmのレンズに、センサーのピッチサイズが2.315μmのCMOSカメラ。1ピクセルの画角が1.66″です。この画角は、キヤノン EOS 6Dだと焦点距離およそ800mmの超望遠レンズで撮影したことに相当します。上の実写画像はノータッチで撮影したもので、上段左が180秒露出、右が300秒露出、左右が赤経方向です。180秒では、ほぼパーフェクトな追尾ですが、300秒だと若干楕円になりました。これだけカメラが高画素化して、レンズも高解像になってくると「焦点距離〇〇mmまでノータッチ可能」というようなこれまで表現では、不都合が生じてきますね。EOS 6Dなら300秒露出でも点像だっと思います。画像下はPHD2のガイドグラフです。赤経の振れ(ピリオディックモーション)は±2″程度で、Premiumの公称値±2.8″前後を軽くクリアしています。ちなみにPモーション±2″だと、4秒角のズレですから、この撮影システムだと、計算上、SWAT-350のウォームギア一周期(約7分)で3ピクセルほどのズレになります。1ピクセルも流さない撮影はなかなか難しいですが、Premiumの性能を使いこなして、素晴らしい写真をものにしていただけると、開発者としてはこの上もない喜びです。
 
●SWAT-350/310のPremium改造特価20%OFF(2021年5月末までのお申込み)
SWAT-350/330/310(V-Spec/スタンダード)をPremium相当にアップグレードする改造は、2021年5月末までのお申込みに限り、特価20%引きにて承ります。ご予約のお申し込みはメールにてお申し込みください。メールはタイトルを「Premium改造」としたうえで、こちらからお願いします。
●SWAT-350/310V-Spec(V-spec改造含む) 48,000円(税込52,800円)→ 38,400円(税込42,240円)
●SWAT-350/310スタンダード 90,000円(税込99,000円)→ 72,000円(税込79,200円)
●SWAT-330 110,000円(税込121,000円)→ 88,000円(税込96,800円)
※V-spec(V-spec改造含む)からのPremiumアップグレード改造の追尾精度は、スペシャルモードは東西いずれの偏荷重とも±2.8″前後ですが、ノーマルモードは改造前と同じか若干良くなる程度です。
※スタンダードからのPremiumアップグレード改造の追尾精度は、スペシャルモードは東西いずれの偏荷重とも±2.8″前後、ノーマルモードは東側偏荷重が±5.5″前後、西側偏荷重が±6.5″前後です。
※南半球回転につきましては、スペシャルモードが±4.5″前後、ノーマルが±6″前後です。
※側面パネルのロゴカラーはホワイトになります。
※追加モードのセレクタスイッチパネル表示はシール貼付です。
 
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2021年4月26日 (月)

SWAT-350V-spec Premium、5月1日新発売。

Swat350vpimage
Frontpanel
Swat350vp
■スペシャルモード±2.8″ 、驚異の超高精度。複数の恒星時モードを搭載したPremium仕様です。

SWAT-350V-spec Premiumは高精度追尾で人気のV-specを極限までチューニングしたプレミアムモデルです。東西両偏荷重に対応したユニテック独自のPEC( Periodic Error Correctionの略 )を搭載し、荷重方向限定スペシャルモードの追尾精度はなんと驚愕の±2.8″前後を実現。ノーマルモードもV-specのスペシャルモードと同等の±4.5″前後を達成しました。SWAT-350V-spec PremiumはSWATシリーズのフラッグシップにふさわしい超高性能プレミアムモデルです。
SWAT-350V-spec Premiumは素材段階からこだわった製造方法を採用しています。まず、ウォームネジは研削後のエンコーダによる事前測定で、東西偏荷重時のモーション差が特に小さい優秀なウォームネジを選別。さらに長年培った匠の技ともいえる歯面研磨を一本一本丁寧に施して追尾精度を極限まで高めています。このようにPremium仕様のウォームネジは数十本に一本の割合でしか得られない貴重なものです。東西偏荷重の差が極めて小さいことは、通常起動(ノーマルモード)したときの追尾精度を高められます。そのため、Premium仕様のノーマルモードはV-specのスペシャルモードと同等の追尾精度(±4.5″前後)を保証しています。また荷重方向限定のスペシャルモードでは、実際の星での実写測定を行い、その結果をモーション補正にフィードバックする独自の手法を取り入れ、±2.8″前後という大型高級赤道儀並みの驚異の追尾精度を実現しています。
新機能としては、従来の「キングスレート」に加えて、天頂付近の追尾に適した「恒星時」と、キングスレートよりさらに遅くして低空の追尾に合わせた「低空モード」を搭載。より正確な日周運動の追尾とPremium仕様の超高精度によって、新たな次元の高品位天体撮影が可能になります。Premium仕様はクラフトマンシップにこだわったハンドメイドのスペシャルバージョンです。
 
SWAT-350V-Spec Premium 5月1日発売
追尾精度±4.5″前後、偏荷重方向限定スペシャルモード±2.8″前後、赤経目盛環搭載、耐荷重量約15kg
希望小売価格 218,000 円(税込239,800円)
※南半球回転につきましてV-specと同等の追尾精度となります。
※超高精度につき生産効率が上がらず、月産数台レベルでしか生産できないため、ご購入前に納期をご確認ください。
※詳細な仕様につきましては、こちらをご覧ください。
 
SWAT-350V-Spec Premium モニターユーザー募集のお知らせ
※モニターユーザーの募集は終了しました。どうもありがとうございました。
SWAT-350V-Spec Premiumをお得なモニター価格でご購入いただけるモニターユーザーを3名様募集いたします。お使いいただいたご感想やご要望などをメールにてお送りください。お送りいただいた内容はブログ等に掲載する場合がございます。(個人情報は掲載しません) モニター機については即納いたします。モニターご希望の方はメールにてお申し込みください。メールはこちらからどうぞ。
モニター価格 180,000 円(税込198,000円
 
従来モデルからPremium仕様相当への改造について
SWAT-350/330/310、V-Spec/スタンダードをPremium相当に改造するアップグレードサービスも受け付けます。価格は以下の通りです。なお、2021年5月末までに改造ご予約いただいた場合は、特価20%引きにて承ります。ご予約のお申し込みはメールにてお申し込みください。メールはタイトルを「Premium改造」としたうえで、こちらからお願いします。
●SWAT-350/310V-Spec(V-spec改造含む) 48,000円(税込52,800円)
●SWAT-350/310スタンダード 90,000円(税込99,000円)
●SWAT-330 110,000円(税込121,000円)
※V-spec(V-spec改造含む)からのPremiumアップグレード改造の追尾精度は、スペシャルモードは東西偏荷重とも±2.8″前後ですが、ノーマルモードは改造前と同じか若干良くなる程度です。
※スタンダードからのPremiumアップグレード改造の追尾精度は、スペシャルモードは東西偏荷重とも±2.8″前後、ノーマルモードは東側偏荷重が±5.5″前後、西側偏荷重が±6.5″前後です。
※南半球回転につきましては、スペシャルモードが±4.5″前後、ノーマルが±6″前後です。
※側面パネルのロゴカラーはホワイトになります。
※追加モードのセレクタスイッチパネル表示はシール貼付です。
  
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2021年4月25日 (日)

Premium仕様に搭載される新たな駆動モード。

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天体の日周運動は大気差によって常に変化していて一定ではありません。上のグラフは北緯40°の場所での天体の見かけの速度を表したもので、40年以上前に海外で発表されたデータを元に当時の天文ガイド誌が記事にしたもののトレースです。その肝心の元記事が見つからず、正確な見方がよくわかりませんが、だいたいは想像がつきますので、ちょっと解説してみます。縦軸は極軸一回転の所要時間でひとキザミが60秒です。ちなみに恒星時は86164秒です。横軸は天体が東から昇って地平高度15°に達した時点から西の空15°に傾くまでの所要時間で、ひとキザミは2時間です。曲線はそれぞれの赤緯値にある天体の見かけの速度の変化です。(元記事を読んでないので、解釈を間違っている可能性があります。正確な見方をご存じの方はぜひ教えていただければと思います。)
さて、この曲線は星の見かけの速度の変化を表していますが、一定の速度(横一直線になる)で日周運動する天体なんて、どこにもないことが分かります。しいていえば、赤緯0°~+40°くらいの天体の南中前後1時間くらいがほぼ一定といえるかもしれません。それどころか常に変動しているのです。ですから、恒星時にしろキングスレートにしろ、固定されたひとつの駆動速度だけでは、天空のどの星も正確に追尾するのは無理なことがご理解いだけると思います。SWATはこれまで、キングスレートと呼ばれる恒星時より極軸一回転で26秒遅い値を採用しています。このキングスレートはこのグラフでもわかるように、北緯40°の場所で赤緯0°の天体が南中したときの速度に合わせています。地平高度がそこそこ高くなった天体の平均的な速度ですから、とても汎用性が高く、通常のご使用にピッタリな速度になっています。近日発売のPremium仕様には、このキングスレート(極軸一回転86190秒)に加えて、理論的な恒星時(86164秒)と低空モード(86230秒)が追加されます。それぞれの速度に適したエリアは上のグラフの通りですが、恒星時は天頂付近の天体の速度にマッチします。具体的には、おおぐま座、はくちょう座、ぎょしゃ座、カシオペヤ座、アンドロメダ銀河などの子午線通過前後3時間程度に適合します。低空モードはアンタレスやさそりの尻尾付近、いて座などの天の川の低い領域やちょうこくしつ座、M83などの南中高度の低い対象に向いています。他にも東西で地平高度が低い対象にもマッチします。地平高度10°以下の昇りはじめや沈む直前は太陽時の方がさらに適しています。グラフを参考にして、それぞれのモードを使いこないしていただければ、より長焦点、長時間でのノータッチ撮影の成功率を高めることが可能です。SWATは長焦点長時間撮影でより完璧な追尾を目指すためのオートガイド(ST-4準拠)にも対応しています。
 
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2021年4月16日 (金)

SWAT-350V-spec Premium 312mm 5分ノータッチ撮影。

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●テスト撮影(アンタレス付近)
ビクセンFL55SS(焦点距離312mm) ニコン D810A 5分露出 SWAT-350V-Spec Premium β仕様 ノータッチ追尾 拡大トリミング
 
Premium仕様のβテストをお願いしている吉田隆行様より実写結果をお送りいただきました。ビクセンFL55SS(焦点距離312mm)に高精細なニコンD810Aを組み合わせて、テスト的に5分露出×10枚のノータッチ追尾を行ったところ、全コマほぼ真円を保ったとのご報告をいただきました。追尾精度的(±2.8″前後)には1~2ピクセルほどのズレになると思いますが、実際にはシーイングの揺らぎなどもあって、実用上充分な星像が得られることが多いです。
今回はPremium仕様の新機能「低空モード」のテストもかねています。低空モードはアンタレスやM8干潟星雲、M83、などの南天低い天体に合わせた追尾速度で、恒星時より極軸一回転で約1分遅い速度になっています。上の画像は撮って出しの中心部を拡大トリミングしたもので、微恒星も点像を保っておりほぼ完璧に追尾できています。吉田さんをはじめとする超ベテランの方は大型メイン機材での撮影に集中しながらも、サブ機も稼働させることが多く、SWAT-350V-spec Premiumのような超高精度な赤道儀であれば、ノータッチほったらかし追尾でも高品位な元画像が得られるので、とても重宝していただけます。追尾精度が高いということは、焦点距離や露出時間を長くできるメリットがありますので、F値の暗いレンズでも性能を引き出せますし、高感度短時間露出で使えば歩留まりが格段に向上します。つまり撮影手法が広がることを意味します。
SWAT-350V-spec Premiumはもう少しテストを重ねて発売したいと思います。近日中にこのブログでモニターを数名募集しますので、興味のある方はよろしくお願いします。

●吉田隆行様のPremiumについてのブログ記事はこちらhttp://blog.ryutao.main.jp/?eid=1040134
  
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吉田さんの撮影システム。とてもスッキリしたお手軽セットですが、鏡筒、赤道儀とも秘めた性能は一級品です。
 
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2021年3月 9日 (火)

アリミゾキャッチャーローレットクランプ仕様に六角穴追加。

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アリミゾキャッチャー(ローレットクランプ仕様)のクランプ部に六角穴を追加しました。手でいっぱいまで締めて、さらに付属の六角レンチで軽く増し締めすると緩む心配はありません。寒い日に手袋をしたまま組み立てるときなど、クランプにトルクをかけにくい場合に便利です。六角レンチでの増し締めは軽く締める程度で充分です。思い切り締めると、樹脂ワッシャーが破損したり、思わぬトラブルのもとになりますのでご注意ください。価格は据え置き、現在販売中の製品はすべて六角穴付の仕様に変更されてます。六角穴付ローレットクランプのみ1,000円(税別)で別売します。
 
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2021年2月18日 (木)

天リフのお題「魔女の横顔星雲」を撮る。

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●魔女の横顔星雲
2021年2月16日19時35分48秒~ キヤノン EF300mm F2.8L IS II USM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 1分露出×78枚コンポジット ステライメージ9、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium βによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
16日の房総半島は風が強くて厳しい感じでしたが、内陸部は21時から0時くらいまでは収まる予報でした。それを信じて出撃しました。18時半前に現地に到着、月没が12時半ですから、それまでは諸々の実験をするつもりで、機材の組み立てに入りました。時々強い風が吹くもののピタッとやむこともあって、もう少し収まればそこそこいけそうな感じでした。最初は天文リフレクションズさんのお題「魔女の横顔星雲」から撮影を開始。月があるので、それなりに仕上がればいいかなぁという程度で挑みました。当初、300mmで5分露出を予定してましたが、時々強い風に煽られるため、1分露出、高感度多枚数撮影に切り替えました。結果90枚撮って12枚がボツ。90%近い歩留まり確保でまずまずの結果でした。こんな日は「高感度短時間露出多枚数撮影法」が一番です。
月も沈み、「さぁこれからだぞ~」という期待がグンと高まってきました。ところが風が収まる気配がありません。それどころか突風混じりに変わってきて、周辺の森がゴーゴー唸っています。試しにトリオ銀河を30枚撮ってみましたが、使えるのは半分程度。なんだかやる気がなくなって、帰りたくなってきました。一応、風が収まらないことを想定して、40mmレンズも準備してましたが、すっかり意気消沈したので早く帰ってとっとと寝ることにしました。この日は強風のため、私が通過した後でアクアラインが通行止めになったようです。早々に切り上げてラッキーでした。 おしまい。(笑)
 
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●トリオ銀河
2021年2月16日21時50分20秒~ キヤノン EF300mm F2.8L IS II USM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 1分露出×14枚コンポジット ステライメージ9、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium βによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
コンポジットなどの初期処理用のソフトをステライメージ7から9にアップグレードしました。8も購入していたのですが7とほとんど変わってなくて、まったく使わず、内心忸怩たる思い(笑)でした。9はファイル表示やコンポジットがかなり高速化されていて快適です。私のように8で悔しい思いをした方も、9のスピードアップには納得できると思います。
※一部機能はアップデートを適用しないと遅いままらしいので、最新版をダウンロードしてください。
 
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2021年2月11日 (木)

600mm4分露出ノータッチ追尾によるかもめ星雲。

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●かもめ星雲
2020年2月9日20時55分40秒~ シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | C 600mm 絞りF6.3開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 240秒露出×25枚コンポジット ステライメージ9、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
9日は平日でしたが、Premium仕様の動作確認など、もろもろ試したいことがあったので、近場の房総へ出かけました。 V-Spec Premiumのノータッチ撮影は前回420mm、4分露出(こちらこちら)でしたが、今回、600mm、4分露出にハードルを上げてチャレンジしました。対象は「かもめ星雲」。焦点距離600mmともなると迫力も増してきます。V-Spec Premiumのピリオディックモーションは、±2.5″前後と超高性能ですが、極軸設置誤差、大気差などを考えると、ノータッチ撮影もこのあたりで限界がみえくるようです。もちろん星像の流れをどこまで許容するかや、高感度短時間露出多枚数撮影などで限界も変わってきます。参考に今回撮影のピクセル等倍画像を掲載します。
 
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600mm 4分露出のピクセル等倍画像、横が赤経方向です。25枚中、左が追尾良好なコマ、右が標準的なコマです。EOS 6Dに600mmだと、1ピクセル2.25″になります。左の良好なコマが1ピクセルのズレ、右の標準的なコマが2ピクセルのズレです。V-Spec PremiumのPモーション(1周期約6分50秒)は±2.5″前後ですから、4分露出でこの結果は性能通りということになります。左は合格としても右はどうでしょうか。ちょっと流れすぎと感じる場合は、高感度短時間露出やオートガイドが必要になってきますね。2~3分露出ならほぼ1ピクセル以内のズレに入ると思います。焦点距離600mmのノータッチでこここまで露出ができるポタ赤はSWAT以外にないと思います。

ガイドエラーの原因にはPモーション以外にも極軸設置誤差や機材の剛性不足、大気差、風、軟弱な地盤などいろいろあります。極軸設置については、南中前後の南天の星を撮影して徐々に赤緯方向にズレていくときは極軸の方位誤差が疑われます。赤経方向では、一定速度で東か西にズレていくときは、追尾速度が合ってないか、極軸の高度誤差が考えらえます。たとえばこのかもめ星雲を導入して試写したときは、星が徐々に東にズレいきました。追尾がちょっと速いのですが、赤道より南の天体が南中前後にいるなら、極軸が少し上を向きすぎている状態です。このときは少しだけ極軸を下げてピッタリ追尾することを確認しました。電子極望で合わせたとしても、若干の誤差はあります。長焦点でノータッチ撮影するときには注意が必要です。
 
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焦点距離600mmでノータッチ4分露出のテスト撮影をしていた23時35分過ぎ頃に、流星が飛び込んで来ました。600mmの視野にこれだけ大きな流星が写ったのは初めてです。このとき、クルマの中にいたのですが、サイドミラーがパッと明るくなったので、どなたかのヘッドライトが差し込んだのかと思ったのですが、通過車両もなく、流星だったのかもと思いそのまま忘れてしまいました。翌朝、撮影した画像をチェックしていたら、ドバッと光跡が横切るカットがあったので、最初は派手な飛行機だなぁと思ったんですが、真っ白けの元画像を軽く処理したら、流星でした。まさかあの時のフラッシュが写っていたとは。何かいいことありそうです。(笑)

平塚市博物館の藤井大地さんのTwitterに同じ時刻の火球の情報がありました。
https://twitter.com/dfuji1/status/1359160739244756994
 
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2021年2月 1日 (月)

SWAT-350/310スタンダードモデルにスペシャルモード(PEC)搭載。

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SWAT-350/310スタンダードモデルの追尾精度が20%以上向上!
ピリオディックモーション±7″前後を誇るSWAT-350/310のスタンダードモデルに追尾精度をさらに向上させるスペシャルモード(PEC)を搭載します。ユニテックではV-Specで培ったPEC補正技術をSWAT-350/310のスタンダードモデルにも惜しみなく投入。東側偏荷重時のモーションを不揮発メモリに記憶して、その逆位相で駆動を制御するパーマネントPECによって、Pモーションを20%以上向上させます。その結果、追尾精度はなんと±5.5″前後を達成。ノータッチ撮影の幅が大きく広がります。上のグラフはその一例で約4周期分(約30分間)が記録されています。ノーマルモード(青ライン)では±7″程度ですが、スペシャルモード(緑ライン)では±5″以下まで改善しています。最終追尾試験を室内測定とすることで、検査コストが下げられたため、価格は据え置きです。
※スペシャルモードは北半球の東側偏荷重限定です。南半球ではノーマルモードでご使用ください。

■SWAT-350/310スタンダードモデルへのスペシャルモード追加改造について
SWAT-350/310にスペシャルモード(PEC)を追加するサービスを承ります。改造費は以下の通りです。お申し込みは、タイトルを「スペシャルモード改造」としてメールでお願いします。ユニテックWEBサイト、トップページ右上のお問合せからも送れます。
(1)SWAT-350(DEC搭載モデル) 12,000円(税別)
(2)SWAT-350/310(2018年後期モデル~) 18,000円(税別)
(3)SWAT-350/310(2013年~2018年前期モデル) 28,000円(税別)
(4)SWAT-300(2013年~2017年) 28,000円(税別)
※2013~2018年前期モデルは、側面パネルのモードLEDが四角です。2018年後期モデルからは、モードLEDが丸いです。
※2021年1月にSWAT-350/310スタンダードモデルをお買い求めのユーザー様は特価6,000円(税別)にてアップグレード対応します。お買い求めの日付がわかる領収書または納品書(コピー可)をご提示ください。
※(3)2013年~2018年前期モデルと(4)SWAT-300はオーバーホールを含みます。異常が見つかった場合はご連絡します。
※SWAT-300につきましては、筐体が青(アルマイトまたは塗装)のモデルに限ります。赤いモデルは対象外です。
※お預かり期間は約1週間です。

■V-spec改造との違い
V-spec改造はスペシャルモードの追尾精度がさらに高精度な±4.5″前後で、東西両偏荷重に対応したPECデータを搭載します。ノーマルモード(東側偏荷重時)も±5.5″前後と高性能です。また南半球回転も考慮した設定を施します。改造費は49,000円(税別)です。
 
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2021年1月17日 (日)

撮影画像からPモーションを計測してみよう。

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購入した赤道儀がどれくらいの追尾性能を持っているかは、だれでも気になりますよね。でも、わざわざピリオディックモーション(Pモーション)を測定するのは面倒だという方は、すでに撮影した画像から計測してみてはいかがでしょうか。上の画像は、手もとにあったSWAT-350のデモ機にボーグ72FL+レデューサー(288mm)を載せてノータッチ撮影した画像です。露出は90秒です。(GIFが動かないときはクリックしてみてください)撮影したのはIC2177かもめ星雲ですが、本来は南中前後の赤道付近がいいです。それを外れると結果が甘くなったり、大気差で正確性が落ちることがあります。ま、あまり細かいことは気にせずにやりましょう。ウォーム一回転分の時間の連続して撮影した画像を用意します。恒星時で極軸一回転分の時間(86164秒、キングスレートでは86190秒)をウォームホイールの歯数で割ります。144歯なら10分間分、SWAT-350は210歯なので、6分50秒分が必要です。今回用意したのは90秒露出で4枚、トータル6分間の画像ですが、インターバルが約4秒×3で12秒あるので6分12秒間分です。少し足りてませんが、だいたいの計測なのでこれで進めます。4枚を位置合わせしないでそのまま比較明合成したのが下の画像です。赤経方向は左右です。青いラインを引いてみましたが、2ピクセルのズレがあります。次に1ピクセルの画角を求めます。求め方はこちらのブログに書いてありますのでご覧ください。で、1ピクセルは4.7″になります。2ピクセルのズレでトータル9.4″ですから、Pモーションは±5″くらいと計算できます。露出が若干足りてないことと、赤道から外れていますので、実際にはもう少し悪くて、±6″くらいと思います。そのほか、極軸設置誤差、大気差、機材の剛性不足による撓みなどが複合して影響してきますので、Pモーションがすべてではないですが、数周期分連続撮影して赤経方向に行ったり来たりしてる成分はPモーションとみて間違いないといえましょう。撮影途中にピント確認などで一時的に機材に触ると少しズレるので、精度測定の時には気をつけましょう。30分以上放置撮影した後半が安定してて良いと思います。この冬、赤道付近の馬頭星雲やオリオン大星雲を撮影した方は、その画像から計測してみてはいかがでしょうか。
 
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2021年1月10日 (日)

SWAT-330、1月22日新発売!

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Swat330
■抜群のコストパフォーマンス、SWAT-330新発売。スペシャルモードで±6.5″を実現。
SWAT-330は絶大な人気を誇るSWAT-350をベースに、コストパフォーマンスを徹底追求したお求めやすいモデルです。これまでのSWATシリーズは最終的に実際の星を使ってピリオディックモーションを計測して精度保証していましたが、SWAT-330では新開発のPモーション室内測定システムで効率のよい精度確認が可能になりました。それにより検査コストを抑え、魅力的な価格を実現しました。肝心の追尾精度はV-specで培ったユニテック独自のPEC( Periodic Error Correctionの略 )技術を投入。ノーマルモードで±14秒角前後と中望遠レンズをノータッチ撮影できる追尾精度を確保しました。さらに東側偏荷重限定で±6.5秒角前後まで向上させるスペシャルモードを搭載し、焦点距離300mmクラスのノータッチ撮影も可能にしています。もちろん、PEC設定は出荷前にメーカーにて行いますので、ユーザーはPECを意識することなくお使いいただけます。 赤緯(DEC)モードも標準で装備していますので、すでにSWAT-350をお持ちのユーザーの赤緯用としても最適です。超高精度なポータブル赤道儀SWATがより身近になりました。

SWAT-330 1月22日発売
追尾精度±14″前後、東側偏荷重限定スペシャルモード±6.5″前後、赤経目盛環搭載、耐荷重量約15kg
希望小売価格 108,000 円(税別)
※V-spec相当へのアップグレード改造も可能です。価格69,000円(税別)

SWAT-330 モニターユーザー募集のお知らせ
※モニターユーザーの募集は終了しました。どうもありがとうございました。
SWAT-330をお得なモニター価格でご購入いただけるモニターユーザーを3名様募集いたします。お使いいただいたご感想やご要望などをメールにてお送りください。お送りいただいた内容はブログ等に掲載する場合がございます。(個人情報は掲載しません) モニター機については即納いたします。モニターご希望の方はメールにてお申し込みください。メールはこちらからどうぞ。
モニター価格 89,000 円(税別)
 
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2021年1月 8日 (金)

天文ガイド2021年2月号にSWAT-350V-spec Premiumが登場。

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現在発売中の天文ガイド2月号にSWAT-350V-spec Premium(βバージョン)が掲載されました。タカハシEM200や往年の名機160JP、ビクセンのフラッグシップAXD2など、実際に計測された追尾精度とともに詳しい記事になっています。SWAT-350V-spec PremiumはV-specの精度をさらに高めた特別仕様で、現在開発最終段階です。並み居るライバル(?)機に勝るとも劣らない追尾精度で誌面を飾っています。執筆は中西昭雄さん、SWAT開発にも関わる陣馬写真工業の土生祐介さんも協力しています。お近くの書店で立ち読みではなく、ぜひお買い求めください。(笑) 通販でもお求めいただけます。
ご自身の赤道儀の追尾精度が気になる方は、陣馬写真工業さんで測定サービスを始めるそうなので、こちらから問い合わせてみてください。

■天文ガイド 2021年2月号
特集は「はやぶさ2の帰還」「エラスムス彗星」「火球流星自動観測システム」「ナローバンドフィルターで天体写真を光害地撮る」などなど、盛りだくさんの内容です。いちばん注目の記事はもちろん中西さんのです!(笑)

●誠文堂新光社のホームページはこちらhttps://www.seibundo-shinkosha.net/
●天文ガイドのサイトはこちらhttps://www.seibundo-shinkosha.net/tenmon/

 

2020年12月26日 (土)

420mm4分露出ノータッチ追尾によるM45すばる。

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●すばる
2020年12月17日20時45分30秒~ キヤノン EF300mm F2.8L IS II USM+EXTENDER EF1.4×III 焦点距離420mm F4 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 4分露出×25枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium βによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
前回の馬頭星雲に続いてSWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾の作例です。焦点距離420mm、露出4分です。26枚撮影して、ボツは1枚だけでした。ノータッチ追尾でもかなりの歩留まりを確保できます。メイン機材としてはもちろんですが、ベテランの方のサブ機として、放置撮影でも良質な元画像が得られます。次回は理論恒星時(天頂付近)と低空モードでのノータッチ追尾テストを行いたいと思います。
Premium仕様は、焦点距離500mmクラスで5分露出のノータッチ撮影ができる精度を目指していますが、それくらいの性能があれば、焦点距離300mm以下の2~3分露出は安心して任せられます。オートガイドの煩わしさもないので、現地でサッと組み立て、チャッと撮影して、パッと片付けられます。それでもハイクォリティの画像が撮れる。これがPremiumの魅力です。
 
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2020年12月21日 (月)

420mm4分露出ノータッチ追尾による馬頭星雲。

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●馬頭星雲付近
2020年12月17日23時23分05秒~ キヤノン EF300mm F2.8L IS II USM+EXTENDER EF1.4×III 焦点距離420mm F4 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 4分露出×30枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium βによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町 ※下は拡大トリミング
 
SWAT-350V-spec Premium追尾テスト画像の第2弾です。焦点距離420mm、前回の3分露出からさらに延ばして4分露出ノータッチです。対象はピリオディックモーションの影響が一番大きい赤道付近の馬頭星雲です。追尾は概ね良好で、若干流れたカットもありましたが、撮影した30枚をすべて使って処理しました。下にピクセル等倍のGIFを掲載してますので、星像をご覧ください。SWATの恒星時(キングスレート)は赤道の天体が南中したときの見かけのスピードですので、この付近の天体の南中前後はほぼ完璧に追尾できます。ピリオディックモーションが大きいと、遅くなったり速くなったりを繰り返しますので、赤経方向に流れますが、V-spec Premiumなら±2.5″前後ですので、焦点距離420mmで4分露出でも作例画像の通り、ほぼ点像で写せます。
 
420mm25014
焦点距離420mm、4分露出、14枚連続撮影した画像を位置合わせずにピクセル等倍で切り出してパラパラ動画にしました。キングスレートでほぼ合致していますが、下(南)方向にズレていきますので、極軸が少し東向きになっているようです。このような時は、ピント確認などで撮影を中断したときに微調整してやるとより完璧な追尾ができます。私は方位微動ネジを適当にほんのちょっと回して調整してますが、何回かやるとだいたい合います。当然ですが、調整した分、構図もズレます。ただ極わずかですから無視してそのまま撮ってます。
 
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2020年12月19日 (土)

420mm3分露出ノータッチ追尾によるアンドロメダ銀河。

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●M31アンドロメダ銀河
2020年12月17日19時19分00秒~ キヤノン EF300mm F2.8L IS II USM+EXTENDER EF1.4×III 焦点距離420mm F4 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 3分露出×5枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium βによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町 ※下は拡大トリミング
 
SWAT-350V-spec Premiumの実証追尾テスト中です。以前、恒星時速度の最適化を行うことを書きましたが、キングスレート(86190秒)は汎用性が高く、絶対に外せない基本的なスピードですので、追尾速度を追加する方向で検討しています。おそらく、キングズレートより速い理論恒星時(86164秒)と少し遅いアンタレスや干潟星雲付近の見かけのスピードを追加することになると思います。恒星時の追尾速度は3つから選べることになり、守備範囲が大幅に広がります。500mmクラスで5分のノータッチ撮影を目指していますが、なかなか難しいです。素直にオートガイドすればいいのですが、ここは意地になって究めたいと思います。
画像はキヤノンのサンニッパに1.4×リアコンをつけて420mmでノータッチ撮影したアンドロメダ銀河です。3分露出ですが、星像は許容範囲に収まっています。この日の薄明終了直後の天気は、房総半島の南半分に雲が多く、スッキリした快晴とはいきませんでしたが、そのまま、アンドロメダ銀河を20枚近く連続撮影しました。やはり、流れてくる雲に邪魔されて、多くがボツになりました。クリアーに撮れたのはわずかに5枚(15分間)。それをコンポジットして仕上げました。15分露光にしてはまずまず写ったかなぁと思います。
 
420mm4070
焦点距離420mm、3分露出、13枚連続撮影した画像を位置合わせせずにピクセル等倍で切り出してパラパラ動画にしました。撮影時のアンドロメダ銀河は地平高度70°付近です。星が西に動いて行きますので、キングスレートだと若干追尾が遅いです。理論恒星時がマッチしそうです。下(南)方向のズレは極軸誤差と思われます。
 
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2020年12月 4日 (金)

シグマ APO 300mm F2.8によるクリスマスツリー星団付近。

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●クリスマスツリー星団付近
2020年11月22日3時01分55秒~ シグマ APO 300mm F2.8  絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 2分露出×37枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
21日の遠征で最後に撮影したクリスマスツリー星団付近です。赤青黄色と華やかなエリアで、焦点距離300mmフルサイズが画面一杯になります。これも構図がイマイチで、左の散光星雲が切れてしまいました。もう少し左に向ければよかったです。この日はこれまで無風快晴の好条件でしたが、薄明が始まる1時間くらい前から雲が広がり始め、最後に狙っていたエラスムス彗星は撮れませんでした。それでも1軸2台体制で、Premiumバージョンの追尾テストもかねて、そこそこの収穫があったのでよしとしましょう。
ほかにも収穫がありました。もう一台のSWAT-350では600mmでノータッチ撮影していましたが、これまで600mmクラスはオートガイドばかりで本格的にノータッチ撮影したのは初めてでした。今回の撮影では、搭載しているキングズレート(極軸一回転86190秒)では、追尾がやや速く、太陽時(86400秒)の方がマッチしていて、その結果、ピリオディックモーションは必要精度に充分収まっているにもかかわらず、駆動速度で露出限界が決まってしまうということになりました。星の動きは、同じ地平座標でも、観測地の標高、気象条件、極軸の設置精度などで微妙に変化するといわているため、一定の速度で完璧に追尾するのは無理で、オートガイドが理想的ですが、せっかくの高精度をノータッチ撮影で活かすために、できるかぎり適合する値を見つけて、次回は微調整した追尾速度でさらなる長時間露出のテストを行いたいと思います。Premiumバージョンには最終的に複数の恒星時モードを搭載することになるかもしれません。
 
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2020年11月29日 (日)

シグマ APO 300mm F2.8によるM78付近。

M78
●M78付近
2020年11月21日22時57分03秒~ シグマ APO 300mm F2.8  絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 2分露出×54枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町

バーナードループを挟んでM78(右下)とLDN1622(左上)暗黒星雲、その下のバーナードループと重なった黄色い星の散開星団がNGC2112です。3年前に縦構図で撮影してますが、今回は横構図にしてみました。さまざなま焦点距離で楽しめるとてもカラフルで美しいエリアです。前回ブログに掲載した三つ星付近と一部重なるので、2パネルモザイク合成してみました。下に掲載します。
 
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周辺を撮影して広げてみたくなりますね。オリオン大星雲や魔女の横顔星雲、エンゼルフィッシュなどが加わると、面白そうです。
 
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2020年11月27日 (金)

シグマ APO 300mm F2.8によるオリオン座三つ星周辺。

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●オリオン座三つ星周辺
2020年11月22日1時11分58秒~ シグマ APO 300mm F2.8  絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 2分露出×44枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
シグマ 150-600mm F5-6.3 コンテンポラリーズームでの撮影と平行して、もう一台のSWAT-350V-spec Premium β仕様にシグマ APO 300mm F2.8を搭載して、撮り頃を迎えたオリオン座の三つ星付近を狙いました。F2.8と明るいため、1時間半程度の総露出でもそこそこ分子雲を炙り出せました。ですが、縞々のノイズがひどくて出来は良くないです。この縞々ノイズ、何が原因なのかつかめてないですが、フラットの枚数が不足してるのかもしれません。それと輝星のゴーストが出てます。すでに生産終了の古いレンズですが、コーティングがイマイチのようです。後期型はコーティングが改良されているらしいので、ゴーストが解消している可能性があります。そして最悪なのが構図。光量損失の少ない中心部で三つ星を撮ろうとしたため、オリオン大星雲が中途半端に入り込んでしまいました。これなら、もう少し下に向けて、オリオン大星雲を取り込んだ方がよかったです。センスの無さが悲しいです。そんな中でもV-spec Premiumの追尾は良好で、45枚中、失敗カットは1枚だけでした。その失敗カットを下に掲載します
 
Img_5469
失敗カットのJPEG撮って出し。45枚撮って一枚だけこんなに酷いのがありました。輝星を見ると大きく暴れていることがわかります。また赤緯方向に跳ねて、二重星のようになってます。突風に煽られても似たような結果になりますが、当日はほとんど無風に近かったので、おそらく三脚かどこかに触ってしまったことが原因と思われます。
 
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2020年11月25日 (水)

シグマ150-600 F5-6.3コンテンポラリーによるバラ星雲。

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●バラ星雲
2020年11月22日2時15分37秒~ シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | C 600mm 絞り F6.3 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 120秒露出×60枚コンポジット 短時間露出をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
SWAT-350V-spec Premiumのテスト撮影に挑んだ21日の夜、月没後にオリオン大星雲から撮影を始めて、続いて選んだのがバラ星雲。2分露出で60枚のノータッチ連続撮影ですが、流れたカットはゼロ。すべてコンポジットに使えました。やはりノータッチ撮影は楽チンですね。F6.3で2時間の総露出では、星雲を炙り出すにはまだまだ足りません。暗部が荒れてしまってますが、迫力優先ということで細かいところは見て見ぬふりをしましょう。(笑) 新規導入したシグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM コンテンポラリーズームは10cm近い大口径の割りにリーズナブルなお値段でなかなかの高性能です。下にJPEG撮って出しの中心と周辺のピクセル等倍切り出し画像を掲載します。
 
Sigma150600c_qc

キヤノンEOS 6D(HKIR)で撮ったシグマ150-600mm F5-6.3 C/600mm F6.3 絞り開放のピクセル等倍画像。開放でも充分に使えます。周辺減光はソフトウェアの簡易補正でも、かなりフラットにできました。上のバラ星雲も前回ブログのオリオン大星雲もフラット補正はステライメージ7の簡易補正です。

 
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2020年11月23日 (月)

シグマ150-600 F5-6.3コンテンポラリーによるM42オリオン大星雲。

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●M42オリオン大星雲
2020年11月21日23時11分28秒~ シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | C 600mm 絞り F6.3 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 180秒露出×54枚コンポジット 短時間露出をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
好天に恵まれた14日に続いて、昨日も無風快晴予報で、絶好の撮影日和となりました。今年はなかなかチャンスがなかったのですが、ここにきて二週連続で好条件となり、これを逃すとまたいつになるかわからないので、頑張って出かけてきました。といっても東京からわずか1.5時間の房総半島です。気軽な近場でこれだけの撮影ができる魅力は捨てがたいです。さて、今回はシグマ150-600mm F5-6.3コンテンポラリーズームを600mm(F6.3)にセットして、SWAT-350V-spec Premium βにて3分間のノータッチ撮影を行いました。54枚連続で撮影(途中ピント確認の中断あり)して、若干流れたコマもありましたが、コンポジットには問題なしと判断して、すべて使いました。F6.3で2.5時間程度の総露出ですから、炙るには露出不足です。それでも強引に処理して、そこそこ迫力ある姿に仕上げてみました。ステライメージ7でコンポジットするときに加算平均σクリッッピングで2を指定しましたが、人工衛星の軌跡が残りました。もっと小さい値にしたほうがよさそうですね。V-spec Premiumのβテストも大きな問題は出てませんが、焦点距離600mmで数分のノータッチをすると、撮影エリアにもよりますが、キングスレート(キングさんが提唱した恒星時よりやや遅い速度)でもまだ速く、だんだんズレが出てきます。キングスレートは40年ほど前に標高1,100mの八ケ岳観測所で外山電子の外山さんや平林さんが検証して問題ないとした値なので、もっと低地だとそれよりさらに遅い方がマッチするかもしれません。全天をひとつの速度でカバーするのは無理なのですが、SWATで長焦点撮影した時に星が東方向に流れるときは、駆動セレクタを太陽時にセットしてみてください。太陽時は大気差を考慮してませんので、キングスレートよりほんのわずかに遅いだけです。その方が、より正確に追尾できる可能性があります。ぜひお試しください。ちなみに、上のオリオン大星雲は太陽時でノータッチ追尾しました。今後、実証テストを重ねて駆動速度をより使いやすい速度に微調整して、500mmクラスで5分程度のノータッチ撮影を可能にしたいと思います。
 
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2020年11月21日 (土)

FUJI X-T4によるオリオン座中心部。

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●オリオン座中心部(2パネルモザイク)
・上部 2020年11月14日23時49分44秒~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞り F2 富士フイルム X-T4 ISO400 120秒露出×30枚コンポジット Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium β ノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
・下部 2020年11月14日22時32分29秒~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞り F2 富士フイルム X-T4 ISO400 120秒露出×30枚コンポジット Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium β ノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
赤い星雲が無改造でもよく写る富士のX-T4による作例第2弾です。カリフォルニア星雲とすばるを撮影した後、オリオン座にレンズを向けました。上下2パネルモザイクにしましたが、どうも構図が中途半端で、イマイチでした。横構図で3パネルにすれば、リゲルや魔女の横顔星雲、バーナードループも取り込めたかもしれませんね。X-T4はAPS-Cでちょっと狭い画角なので、フルサイズだとまた違った感じになるかもしれません。さて、この日はC/2020 M3アトラス彗星がγ星(ベラトリクス)付近を移動中で、そのエメラルドグリーンの美しい光芒が華を添えてくれました。撮影は天体用として定評のあるシグマ105mm Art。上部、下部ともSWAT-350V-spec Premium βにて、2分露出×30枚のノータッチ連続撮影です。結果はロスレスで歩留まり100%でした。焦点距離105mmなら楽勝ですね。今回もそれぞれ単独の画像とJPEC撮って出しも掲載します。
 
Photo_20201120162601
●上部
 
Photo_20201120162701
●下部
 
Jpg
●JPEG撮って出し
 
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2020年11月18日 (水)

FUJI X-T4によるカリフォルニア星雲~すばる。

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●カリフォルニア星雲~すばる(2パネルモザイク)
・カリフォルニア星雲 2020年11月14日19時52分30秒~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞り F2 富士フイルム X-T4 ISO400 120秒露出×29枚コンポジット Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium β ノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
・すばる 2020年11月14日21時5分16秒~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞り F2 富士フイルム X-T4 ISO400 120秒露出×30枚コンポジット Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium β ノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
先週末の14日は、V-spec Premiumのテストを兼ねて房総まで遠征しました。SWATを2台並べての撮影でした。一台はシグマの150-600mmコンテンポラリーズームのファーストライト。こちらは富士フイルムX-T4(ノーマル)での赤い星雲の写りのチェックということで、いろいろ慣れないこともあって、問題も発生し、スムーズにはいきませんでした。当初、X-T4には300mm F2.8をつけて撮影の予定が、マウントアダプターとの相性が悪く、エラーが出たり出なかったりを繰り返すため、本番撮影には至らず。レンズを105mm F1.4 Artに変えたら、エラーが出なくなったので、ようやく撮影を開始しました。X-T4は作例の通り、ノーマルでも赤い星雲が写ります。これは大きなアドバンテージです。また、リモコンがなくてもインターバル撮影ができて、とても便利です。ただミラーレス機は電池の消耗が速い傾向があるので、オプションの電池グリップを使用して撮影しました。これなら電池は一晩安心です。さて作品ですが、300mmで大迫力の北アメリカでも撮ろうかと思っていたのですが、レンズのトラブルで時間を浪費してる間に光害の中に傾いてしまったので、対象を変更。東に昇ってきたカリフォルニア星雲とすばるのモザイク合成を前提に構図を決めて、1時間の連続撮影としました。うわさ通りにノーマル機でも赤い星雲が写ります。これは嬉しいですね。すばるの青もきれいですし、房総の空でも1時間露出で分子雲も写りました。これ以上炙るにはもう少し露出が欲しいところです。V-spec Premiumのテストとしては焦点距離105mmでは短かすぎますが、久しぶりの天体撮影でミスもしたくないので、これでよしとしましょう。
 
Xt4
富士フイルムX-T4。オプションのバッテリーグリップで一晩安心。(機材提供 外山電子/富士フイルムイメージングシステムズ株式会社)
改善希望点はタイムの露出が倍刻み(1分、2分、4分、8分…)なので、細かい露出時間の設定ができず、露出開始時間設定も短い側が0か1分単位で、秒単位の設定ができない点。以前S社のカメラをテストしたことがありますが、赤い星雲が写る点で富士の方が圧倒的にお勧めできます。
 
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撮影風景。当初300mm F2.8で撮影を予定してましたが、レンズエラーが頻発して諦めました。こんなときは電気接点をセロテープなどでマスクすれば、使える可能性もあります。システムはシンプルフォークDX2にカウンターウェイトをつけてシステムを組みました。ただシンプルフォークDX2のアルカスイス回転ユニットでは300mm F2.8はちょっと荷が重いです。200mm F4くらいまでがお勧めです。※画像の本体は社内試験機で製品とは外観が異なります。

モザイク合成する前の単品画像も掲載します。
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●カリフォルニア星雲
 
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●すばる
 
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2020年11月16日 (月)

C/2020 M3 アトラス彗星。

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●C/2020 M3 アトラス彗星
2020年11月15日1時10分43秒~ シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | C 500mm 絞り F6.3 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 120秒露出×10枚コンポジット Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町 ※下は彗星核基準コンポジット、トリミング
 
先週末の土曜日は、超久しぶりの新月期の週末の一晩中の快晴! これだけ「の」が揃ったら遠征しないわけにはいきません。撮影自体も久しぶりなので、こんなときはミスをしがちです。そこで、新規導入したシグマの150-600mm コンテンポラリーズームに機材を絞り、赤道儀はSWAT-350V-spec Premium β版でテストを兼ねてのノータッチお気軽追尾としました。撮影は焦点距離500mm F6.3、2分露出ですが、10枚連続で追尾エラーなし。上々の結果でした。画像はオリオン座を移動中のアトラス彗星。先日のネオワイズ彗星と比べてはいけませんが、尾もないし、やっぱりショボく感じちゃいます。でもまぁ、普通の彗星はこんなもんです。
この日は、SWAT-350V-spec Premium βをもう一台持って行きまして、そちらは富士フイルムのX-T4で撮りました。結果は後日ブログで紹介します。
 
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V-spec Premiumのノータッチ追尾テスト用に新規導入したシグマ 150-600 F5-6.3 コンテンポラリー。価格も実売10万円ちょっとでリーズナブルです。しばらく使ってみて、よさそうならブログでお勧めしようと思います。
 
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撮影風景。マルチ赤緯ブラケットアルカスイスキャッチャー、新発売のアルカスイスレールLでしっかり固定しています。
 
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2020年10月17日 (土)

V-spec Premiun 開発中。

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赤道儀の性能を表す指標のひとつが追尾精度(ピリオディックモーション)で、誤差が角度で表されます。ユニテックではSWATをシリーズ発売当初より、このピリオディックモーションに徹底的にこだわりをもって開発に取り組んできました。2013年に発売したSWAT-300/350は±7″前後という超高精度を保証して評価をいただいてますが、昨年、さらに高性能なV-specを発売して、ポータブル赤道儀としては孤高の±4.5″(スペシャルモード)を実現。上級天文ファンも驚く高性能で評価を高めています。ユニテックではさらなる高みを目指して技術開発を続け、この秋、驚愕の追尾精度±2.5″(スペシャルモード)を達成することに成功しました。

上の画像は開発中の2台の「V-spec Premium」のピリオディックモーションを測定したものです。焦点距離1200mmで2周期ちょっと(約15分間)撮影しています。一周期(約7分)がわかりやすいように階段状に撮影しました。測定結果(Pモーション)はなんと±2″前後! 驚異的な追尾精度となりまた。この精度は市販赤道儀で最高クラスの追尾精度になります。画像の通り、1200mmで撮影しても赤経方向(写真の上下方向)の動きはわずかですから、一周期(約7分間)の露出でもほとんど流れないことを表しています。2周期目も直線ですからつなげて考えるともっと露出しても流れはわずかです。実際には、極軸の設置精度や大気差によるズレ、搭載機材の撓みなどで流れてしまいますが、500mmクラスで5分露出程度までは充分に使える精度と思います。
基本的な技術開発は終了しており、これから社内試作機で実証試験やβユーザー様やモニターユーサー様によるテストで検証して、問題がなければ来年中には発売できる見込みです。ただし、ものすごく手間がかかるので、生産台数は月数台が精一杯です。受注生産のような形を取らざるを得ないかもしれません。 どうぞご期待ください!
 
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上はV-spec Premiumのテストをお願いしている吉田様のブログです。初回撮影は無事にうまくいったようです。ブログには焦点距離500mmで5分間ノータッチ追尾したM31アンドロメダ銀河が掲載されていますので、ぜひこちらをご覧ください。高精細なニコンD810Aで撮影されたピクセル等倍画像も掲載されています。完璧な追尾です。
 
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2020年10月11日 (日)

AS回転ユニット、新発売。

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アルカスイスレールに対応したキャッチャー付きの粗動回転ユニットです。取付は3/8インチカメラ太ネジ、太ネジアダプターで1/4インチカメラネジに対応。付属のアダプターによって、アルカスイスキャッチャーにも適合します。強度的に広角から200mm望遠程度までがお勧めです。外径には2°刻みの目盛りが刻まれていますので、赤緯用として便利です。

※中国製に付き、目盛りの間隔が一定ではありません。正確性が求められる場合はご注意ください。。
※付属のアルカスイスキャッチャーに勘合するアダプターをご使用の場合、抜け止め機構がありませんので、誤ってクランプを緩めると機材が落下する恐れがございます。充分にご注意ください。取付はカメラネジがお勧めです。

■AS回転ユニット 10月20日新発売
ステンレス製太ネジアダプター付き
希望小売価格 5,800円 (税別)
※中国製につき、小傷がございます。
※直径60mm(クランプ部除く)、重さ約198g

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前回ブログに掲載したが画像ですが、2軸目と3軸目にAS回転ユニットを使用しています。このような3軸撮影システムもアルカスイスレールとAS回転ユニットを使えば、いとも簡単に構築できますので、ぜひお役立てください。
 
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2020年10月 9日 (金)

アルカスイスレール、新発売。

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●アルカスイスレールL
 

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●アルカスイスレールS
 
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●AS補強ブラケット
 
シンプルフォークDX2に使用しているアルカスイス互換レールを単品販売いたします。贅沢な12mm厚のアルミ無垢材から削り出していますので、組み合わせて使用しても充分な剛性を確保できます。
 
■アルカスイスレールL 10月20日新発売
12mm厚アルミ合金削り出し、1/4インチカメラネジ2本付
希望小売価格 5,800円 (税別)
※中国製につき、小傷がございます。
※長さ200mm、幅38mm、厚み12mm、重さ約214g。

12mm厚のアルミ無垢材から削り出した長さ200mmの高剛性アルカスイス互換レールです。その強度はシンプルフォークDX2で実証済みです。下の組み合わせ参考画像のようにレールをL字型に組んで、3軸構成のシステムも簡単に構築できます。アリミゾレール2にも直付けで取り付けることもできます。35mm間隔で配された複数のM6ねじ穴や付属の1/4インチカメラネジ用の長穴も用意されていますので、テーパーキャッチャーはじめ、アルカスイスキャッチャー、カメラネジ対応の機材も自在に搭載可能です。付属の1/4インチカメラネジは一般的な5mmの六角レンチ対応です。
 
■アルカスイスレールS 10月20日新発売
12mm厚アルミ合金削り出し
希望小売価格 2,800円 (税別)
※中国製につき、小傷がございます。
※長さ112mm、幅38mm、厚み12mm、重さ約112g。

アルカスイスレールLと組み合わせてL字型を構築するためレールです。アルカスイスキャッチャーに勘合する側面の溝とSWATのターンテーブルに直接ネジ止めするためのザグリ穴があります。このプレートは接続用で機材の搭載はできません。
 
■AS補強ブラケット 10月20日新発売
希望小売価格 2,800円 (税別)
※中国製につき、小傷がございます。
※長さ30mm、幅37.5mm、厚み5mm、重さ約26g。

アルカスイスレールLやアルカスイスレールSをL字型に組み合わせるときに使用する5mm厚の補強用ブラケットです。剛性が一段とアップし、撓みにくくなります。

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参考画像のシステム構築例は、アルカスイスレールとAS回転ユニットを使用して3軸にしたものです。カウンターウェイトを取り付け、機材のバランスを調整することで、操作性を高めています。3軸撮影の例として、3軸目の回転軸を天の川の極の方向(かみのけ座)に向けると、天の川のパノラマモザイク作品を効率よく撮影することができて便利です。こういった、広角から中望遠程度までのモザイク撮影にうってつけのシステムを簡単に構築できます。
一番下の画像は、アリミゾレール2にアルカスイスレールLを直接ネジ止めした一例です。アルカスイスキャッチャーに比べてより頑強に固定できるアリミゾキャッチャーが使えるため、一段と剛性がアップするほか、スライド幅に余裕があるのでバランス調整にも有利です。
 
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2020年10月 5日 (月)

シンプルフォークDX2、新発売。

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シンプルフォークDX2は、従来のシンプルフォークDXの機能を継承した軽量で扱いやすい赤緯ユニットです。板厚はこれまでの8mmから50%増した12mm無垢材を使用。高い剛性を確保し、さらにアーム部を延長して、使い勝手を大幅に向上させました。赤緯回転部にはアルカスイス準拠のキャッチャーを備えた粗動回転ユニットを装備しています。アルカスイス互換のL型カメラブラケットを使用すれば、縦構図と横構図を切り替えることができます。目盛りは赤緯体として使いやすい2°刻みですので、赤経目盛環と合わせた天体導入もスムーズです。シンプルフォークDX2は、焦点距離200mm程度のまでの望遠レンズでのご利用に最適です。

シンプルフォークユニットDX2は、アルカスイスキャッチャーにワンタッチで簡単に取り付けできます。付属のM6キャップボルトを使えば、SWATのターンテーブルに直接取り付けることもできます。その他、アーム部分に、35mm間隔のM6ねじ穴を5箇所開けてあります。カウンターウェイトやテーパーキャッチャー、アルカスイスキャッチャーなどを取り付けて、便利にお使いいただけます。さらにアルカスイス互換のレール溝が設けてありますので、他社製互換パーツもご使用いただけます。
このように ユーザー様のアイデア次第で、様々な用途に対応できます。なお、フォーク式はカメラのファインダーがのぞきにくい天空が生じるので、カメラはバリアングル液晶を備えたカメラボディがお勧めです。 使いこなしは、ユーザーのみなさまのアイデア次第です。ぜひご活用ください。

■シンプルフォークDX2 10月15日新発売
中国製アルカスイス準拠粗動回転機構、70mmレール付き
希望小売価格 17,000円 (税別)
※高さ230mm、幅70mm、重さ約623g。
※中国製につき、小傷がございます。
 
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上のサンプル画像は重量級のシグマ135mm F1.8 Art/シグマ 105mm F1.4 Artを搭載しています。カウンターウェイトを使用することで、重量級望遠レンズでも安定した操作が可能です。アーム部に装着したキャッチャー類は、取付の参考のためです。また上部の回転ユニット以外はオプションです。なお、シンプルフォークDX2に使わていれる12mm厚無垢材削り出しアルカスイス互換レールも近日中に単品販売の予定です。
 
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2020年10月 3日 (土)

アリミゾレール2、新発売。

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アリミゾレール2は従来のアリミゾレールを一回り大きくし、板厚も12mmと厚くなって、より強化された仕様になりました。従来通り、アリミゾキャッチャーでワンタッチ取り付けできるほか、ザグリ穴で直接ターンテーブルに固定することもできます。

機材の取り付けについては、回しやすいピンハンドル付きのカメラネジが2本付属しますので、雲台やカメラの固定に便利にお使いいただけます。ネジ穴は、35mm間隔でM8とM6を複数ご用意しました。 画像のように横面にも35mm間隔のM6が開けてあります。これらをご利用いただくことで、テーパーキャッチャーやアルカスイスキャッチャーなどを自由に配置して便利にお使いいただけます。キャッチャー類には、テーパーアダプター、回転ユニット、アルカスイス互換のレール類など、様々なパーツが装着できます。 使いこなしは、ユーザーのみなさまのアイデア次第です。ぜひご活用ください。

■アリミゾレール2 10月10日新発売
ピンハンドル付きT型カメラネジ2本付
希望小売価格 9,800円(税別)
※サイズ240×50×12(mm)、重さ約356g。
※中国製につき、小傷がございます。
 
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画像の通り、組み合わせはさまざまです。ユーザー様が使いやすいように自由な発送でご活用ください。アルカスイス互換の新型シンプルフォークDX2(近日発売予定)との親和性も高く、アルカスイスキャッチャーのほか、キャップボルトでも直接固定できます。シンプルフォークDX2に使われるアルカスイス互換のレール類も、12mm厚のアルミ材を削り出したもので、剛性は抜群。これらのレールや補強ブラケットも別売を予定していますので、ぜひご利用ください。
 
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2020年10月 2日 (金)

中秋の名月。

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■撮影データ
2020年10月1日23時32分~ ボーグ 107FL+ケンコー2×テレプラス (合成焦点距離/1200mm F11.2) キヤノン EOS 6D ISO200 1/250秒×13枚コンポジット RegiStax6 Photoshopで画像処理 SWAT-350にて自動追尾 撮影地 東京都目黒
 
このところブログも完全にサボってしまって、申しわけありません。たまには更新しないと忘れられそうなので、中秋の名月を超久しぶりに撮ってみました。月の撮影は昨年1月以来で、なんと2年近く撮ってませんでした。すっかり手順を忘れて、いろいろ難儀しました。(笑) さて、この夏は、ピリオディックモーション補正のさらなる向上を目指して、かなり根を詰めて取り組んでました。おかげさまである程度の目途が立ちましたので、近いうちにお知らせできると思います。今後ともよろしくお願いします。

10月9日から福島のあぶくま洞で「スターライトフェスティバル2020」が開催されるようです。コロナのため、今年のイベントは軒並み中止でしたので、これが唯一の開催となりそうです。ユニテックは出展しませんが、天気がよければ個人的に遊びに行こうかと思っています。外山電子さんは出展するそうなので、おそらくその近所でうろうろしてますので、SWATのことでご質問がありましたら、お気軽にお声をおかけください。なお、またコロナが終息したわけではありませんので、個々で感染防止対策の徹底をお願いします。
 
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2020年8月10日 (月)

2軸対応リモコン、RC-02新発売。

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2軸オートガイド撮影に対応するリモートコントローラーRC-02を発売します。リモコンの接続は付属の専用ケーブルで赤経赤緯各本体のリモート端子とリモコンのインプット端子を繋ぐだけで完了。サイズは122×60×28(mm)の握りやすい形状です。パネル上には赤経赤緯で独立した速度切り替えスイッチにより、赤経は「ノーマル」モードの2倍速/停止、「ハイスピード」モードの順行16倍速/逆行16倍速、赤緯は「ノーマル」モードの恒星時で南/北、「ハイスピード」モードの南北各16倍速をお手元で切り替えられるので、目的天体の視野中心への導入や構図の変更などに役立ちます。また、SWAT-350の追尾性能を極限まで高めるオートガイダー用モジュラー端子も装備しています。このモジュラー端子は、世界標準SBIG社ST-4タイプを採用しています。
 
■2軸対応リモコン RC-02 8月12日新発売
専用4極ケーブル2本付き
希望小売価格 12,000円(税別)

※一軸でのご利用にも対応します。
※ケーブルのジャックは根元までしっかり差し込んでください。
※リモコン装着時の本体プッシュスイッチの動作はリモコンの速度切り替えスイッチに準じます。ノーマルだと、本体スイッチも2倍速/停止になりますので、ご注意ください。
※オートガイダー使用時は必ず「ノーマル」モードでご使用ください。
  
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2020年8月 8日 (土)

赤緯(DEC)対応SWAT-350新発売。

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超高性能ポータブル赤道儀SWAT-350に赤緯(DEC)モードが追加されます。上の写真のようにマルチ赤緯ブラケットで2台のSWAT-350を組み合わせることで、簡単に2軸赤道儀にアップグレードできます。一軸よりも精密なオートガイド追尾や多枚数コンポジット時のノイズを大幅に抑えるディザリング撮影が可能です。一軸2台体制で使うもよし、2軸で究極を目指すのもよし、2台のSWAT-350を使いこなすのは、あなた次第です。

SWAT-350V-spec DEC対応 価格162,000円(税別)
SWAT-350 DEC対応 価格129,000円(税別)
※SWAT-350V-specはすべて赤緯(DEC)モード搭載になります。
※SWAT-350はDECなしの仕様(税別価格125,000円)も併売しますが、部材がなくなり次第DEC機能付きのみとなります。

赤緯(DEC)モード追加改造について
SWAT-350(V-spec含む)にDEC機能を追加するサービスを承ります。改造費は以下の通りです。お申し込みは、タイトルを「DEC改造」としてメールでお願いします。ユニテックWEBサイト、トップページ右上のお問合せからも送れます。
(1)SWAT-350(2018年後期モデル~)/ SWAT-350V-spec 9,000円(税別)
(2)SWAT-350(2013年~2018年前期モデル) 21,000円(税別)
※2013~2018年前期モデルは、側面パネルのモードLEDが四角です。2018年後期モデルからは、モードLEDが丸いです。
※(1)はセレクタスイッチおよび基板交換、DEC対応プログラムに書き換え。(2)は(1)に加えて駆動回路自体も交換します。
※フロントパネルは流用しますので、 DECポジション表示(印刷)はありません。セレクタスイッチを「0.5×」よりさらに右に回した位置になります。
※DEC改造には、グリスアップと基本動作チェックを含みます。異常が見つかった場合はご連絡します。
※SWAT-300、SWAT-310は極軸の構造が異なり、ターンテーブルが下向きになることを想定してないため、DEC改造はできません。SWAT-350への改造と合わせてのDEC改造は承ります。改造費はSWAT-300とSWAT-310の2013~2018年前期モデルまでが51,000円(税別)、2018年後期モデルからは39,000円(税別)です。イヤーモデルの見分け方はSWAT-350と同じです。
 
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■天文ガイド2020年9月号に2軸SWAT登場!
天文ガイド9月号に2軸SWATの特集記事が掲載されています。執筆は信頼性抜群の記事で有名な西條善弘さんです。ちょっと問題も発生してしまったようですが、基本的に良好な追尾をしてくれたようです。ぜひお近くの書店でお買い求めください。通販でも購入できます。

●誠文堂新光社のホームページはこちらhttps://www.seibundo-shinkosha.net/
●天文ガイドのサイトはこちらhttps://www.seibundo-shinkosha.net/tenmon/
 
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2020年7月27日 (月)

惨敗…。

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昨日の日中は晴れたり曇ったりのよくわからない天気でした。晴れればネオワイズ彗星のラストチャンスかと思い、衛星写真やGPVとにらめっこしながら、天候の様子をうかがっていました。午後4時ころの予測では九十九里浜付近の21時前後は晴れとなっていて、可能性はあると判断。クルマで1時間半ですから、ダメモトで出かけることにしました。上の写真は到着時の様子。雲もありますが、青空も大きく広がっていて期待が膨らみます。
 
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ところが、西の空では雷雲がどんどん湧いてきます。稲妻が走り始め、かなり怪しい状況に…。
 
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ソーシャルディスタンスを確保しながら恨めしく空を見上げる人々。ちなみに左は陣馬写真工業の土生さん、右は外山電子の外山さん、真ん中がわたくし加曽利です。この芸術的なシルエット作品を撮ったのはSWATヘビーユーザーの上村さん。土生さんと外山さんは堂々としてるのに、意気消沈して双眼鏡片手に猫背な私が対照的です。(笑) この堂々としたお二人はSWAT V-specを開発するうえで重要な仕事をしていただいてます。陣馬写真工業さんにはPICマイコンのプログラムやこの夏から稼働するピリオディックモーション計測プログラムの開発でお世話になっています。土生さんはプログラミングも得意ですが、もともと画像処理、画像解析の専門家です。それからご存知の方も多いと思いますが、外山電子の外山さんは日本電産コパル電子を勤め上げて定年退職し、今は夢(?)の年金生活者(羨)ですが、モーター制御についてはプロ中のプロで、ポタ赤から据え付け型の大型機まで複数の天体望遠鏡メーカーの駆動装置開発にもかかわった実績があります。SWATではPEC部分の技術的サポートをお願いしてます。この二人なくしてSWATは成り立たないほどの重要な存在です。

これで終わると寂しいブログになってしますので、土生さん渾身の固定撮影を二題どうぞ。
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ネオワイズ彗星です! 決して諦めない土生さんの姿勢が、この奇跡的な作品を生み出しました。(笑) あの状況で、彗星が写ったのは本当に奇跡です。おそらく関東で撮影できたのは土生さん以外いない(確証はないですが)のではないでしょうか。ただし、土生さん自身、作品の出来に納得できないとのことで、著作権は放棄するということです。ということで、昨日の惨敗の遠征レポートでした。
 
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2020年7月20日 (月)

霞ヶ浦で撮るC/2020 F3 ネオワイズ彗星。

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●C/2020 F3 ネオワイズ彗星
2020年7月19日20時41分17秒~ シグマ 40mm F1.4 Art 絞り F2 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO400 15秒露出×21枚 Photoshopで画像処理 SWAT-350ノータッチ追尾 撮影地 茨城県行方市
  
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●C/2020 F3 ネオワイズ彗星
2020年7月19日20時53分33秒~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞り F2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 15秒露出×87枚 Photoshopで画像処理 SWAT-350V-specノータッチ追尾 撮影地 茨城県行方市
 
北半球では久々の大彗星がまさに見頃(ちょっと過ぎちゃいましたが)を迎えていますが、生憎の梅雨空でまったく見ることができませんでした。昨夜は関東近郊でも晴れ間が広がり、ようやく話題のネオワイズ彗星を捉えることができました。残念ながらすべて薄雲越しの撮影で、本来の性能は発揮できませんでしたが、素晴らしく尾を引いた大彗星の片鱗を捉えることができました。いちばん上の画像は21枚コンポジットですから、そのままでは地上部分がぶれてしまいますが、水平線が平行になった一枚から地上部分を切り出して重ねました。梅雨明けしたら、もっとクリアーな空で撮影したいと思います。
 
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湖岸の駐車場には20人くらいの天文ファンが集いました。これからの季節、虫除けスプレーは必須です。
 
話しは変わりまして、SWAT-350V-specの生産状況です。梅雨入り前に20台ほどご用意しましたが、天文ガイドの記事で紹介された効果と思われるご注文が殺到して、あっという間に売り切れてしまいました。現在、バックオーダーとなっております。梅雨の間に10台ほど組み上げまして、梅雨明け後に実際の星で追尾テストしてから出荷します。順調にいけば8月上旬にはお渡しできる見込みです。店頭在庫していただいてる場合もございますので、お急ぎの方は各販売店様にお問い合わせください。
 
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2020年7月 3日 (金)

これは楽しい60mmマクストフカセグレン。

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ユニテックとは何の関係もないですが、ちょっと面白い「おもちゃ」を見つけたので、ご紹介します。画像がそれで、口径60mmのマクストフカセグレンです。鏡筒のカバーがパカッと開いて中の構造がよくわかります。アイピースも側面が開いて逆ケルナー型?のレンズ構成なのがわかります。それだけならただの「おもちゃ」なんですが、それでいてけっこうよく見えるんですよ。付属の天頂プリズムはダハなので、正立像で楽しめますし、スマホ撮影用のアダプターも付いてますから、月や金星などの明るい天体撮影が充分に楽しめます。SWATに載せれば惑星撮影もできそうで楽しさらさに倍です。詳しくはこちらをご覧ください。
 
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