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2013年2月

2013年2月22日 (金)

粗動回転ユニットの使用例。

Sku1 昨日ご案内した「粗動回転ユニット」の取り付け例をご紹介します。機能は説明するまでもないのですが、クランプを緩めるとターンテーブルが自由に回転します。クランプは写真の通り、真鍮削り出しクロームメッキのメインクランプと補助クランプの二つが付いています。主にポタ赤でカメラや軽量のガイド鏡を搭載することを想定して、回転フリクションはやや軽めに設定されています。特に使い方を限定するものではなく、ユーザーの皆さまの発想で使いこなしていただければと思っています。

Sku2 SWAT-200にアリミゾキャッチャーとアリミゾレールを取り付け、レールのサイドにテーパーキャッチャーを固定して、粗動回転ユニットを搭載した例。ドイツ式赤緯軸のように使用できます。

Sku3 この向きに取り付けると極軸の粗動回転と同じになりますけど、カメラとガイド鏡を載せて、ガイド星を探したりする時に便利かもしれません。

Sku4 他社製のポタ赤に応用した例、雲台取り付けステージにテーパーキャッチャーを固定して、そこへ粗動回転ユニットを取り付けます。これで、極軸の粗動回転が実現します。ポラリエやTOAST-proの雲台ステージは、一見回転しそうですが、単なる勘合のための構造で、カメラなどを搭載して荷重がかかると雲台ステージを回すことは困難です。粗動回転ユニットを使えば荷重がかかっても楽々と回転させることができて便利です。ただ、ちょっと仰々しい感じもしますので、もう少し長さを抑えた両モデル専用設計の回転システムも販売する予定です。

http://www.unitec.jp.net/

2013年2月21日 (木)

粗動回転ユニット、3月1日発売。

Sodo01 新製品の「粗動回転ユニット」が出来上がってきました。 昨年9月に試作品をご紹介しましたが、ほぼそのままの形状で製品化しました。取り付け部はテーパーキャッチャーに適合する形状になっていますので、併用していただくことでSWAT-200の他、他社製ポタ赤にもお使いいただけます。ターンテーブルの直径は65mm、高さは45mmと手のひらサイズで、重さは約360gとなります。360度どこを向けても、非常に滑らかで安定した回転が得られ、カメラをはじめ、小型のガイド鏡などを搭載するのに最適です。ターンテーブル上にはカメラネジの他、35ミリ間隔でM8とM6のネジ穴が十字に開けてありますので、適合する他社製の機器も搭載可能です。価格は9,450円(税込)、3月1日発売。

http://www.unitec.jp.net/

2013年2月11日 (月)

常識を覆す発明か…

 先日のカメラショーで、TOASTさんが「GPSを使って極軸を合わせる!」という機能を発明して、特許を取ったという発表があったそうです。果たして、どれくらいの精度で極軸が合わせられるのか非常に興味が沸いてきますね。

 ちょっとGPSについておさらいですが、GPS衛星には非常に正確な原子時計が搭載されていて、電波を発信しています。その電波が受信機に届く時間差を測って測位するのですが、受信機の時計は通常一般的な水晶発振のため精度が落ちますので、最低4個の衛星を使って補正しながら測位します。電波を受信できる衛星が、それ以上に増えると精度が増していきます。さらに、カーナビの受信機のように動いている場合は、衛星に近づいている時と離れている時で、ドップラー効果による周波数のズレが生じます。それを利用して速度を計算し、その水平速度から方位を0.1度の精度で求めることもできます。つまり走っていれば正確な方位が求められるわけですが、赤道儀に応用する場合はドップラー効果は使えませんので、GPS衛星を使って正確な方位を求めるには無理があります。なので今回の特許には何か別の画期的な方法があるのだと思われます。どんな仕組みなんでしょうね。極望不要のレベルという話なので、スマホの方位磁石アプリ並じゃないことは確かでしょう。

 それから北極星が見えない場所、たとえば、南向きのバルコニーなどでは、天頂から北側の衛星の電波が受信できません。受信可能な衛星が南側に見渡せる一部に偏ってしまい、誤差が生じやすくなります。さらに斜面や建造物、樹木などで囲まれているような場合は、マルチパスと呼ばれる電波の反射によっても誤差が生じます。特許を取得した技術によって、どれほどの精度が安定して出せるのか注目ですね。ただGPSを使っても極望で確認した方が安心なのかもしれません。どれくらいの精度が出てるのかも確認できますしね。

 他社さんの技術ですが、こういったチャレンジは天文業界を盛り上げるためにも大いに結構なことだと思います。SWATは、ただただ追尾精度を追い求めます。

 そうそう、話はそれますが、SWAT-200の極軸望遠鏡は極軸の中心に差し込む方式ではありません。筐体の裏面にステーで固定する方式ですが「精度は大丈夫?」という質問を時々耳にします。SWAT-200の筐体は金型のアルミダイキャストですし、内部ユニット、極望ステーとも旋盤、フライス盤で削り出されており、非常に正確な直角を出せるようになっています。加えて、極望パターンのセンターは精密な測定器で調整して出荷していますので、据え付け精度については、まったく心配ございません。安心してご使用ください。

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