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2013年3月

2013年3月28日 (木)

ちょっとだけ軽量化。

Bolt00 画像のローレットクランプネジは真鍮から削り出されたままのメッキ前の状態です。右はSWAT-200ターンテーブルのメインクランプ。左は微動ユニットの粗動軸用クランプになります。異なる点は握りの部分を大きく削り込んで軽量化しています。右が全長43mmで33g、左は全長56mmで24g。わずかに9gだけですが軽くなっています。微動ユニット自体が、それなりの重さになるので、ちょっとでも軽くしたいと思って、こだわってみました。

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2013年3月24日 (日)

ターンテーブルキットTOAST-pro近日発売

Ttkittp00 以前のブログでSWAT-200の粗動回転可能なターンテーブルをTOAST-proに移植するキットをユーザー様からのご要望でワンオフ製作したのですが、その後もTOAST-proユーザー様からの問い合わせ何件もあったため、思い切って製品化することにしました。取り付け部分に若干変更がありますが、ほぼそのままで発売します。TOAST-proの「脱着式カメラステージ」はテーパー式の勘合になっていて、もともと回転させる設計ではなく、カメラなどを搭載すると粗動回転できません。(荷重がかかってなければ回ります)やはりSWAT-200のようにスムーズに粗動回転できた方が使い勝手が大幅に向上しますね。またSWAT-200用に開発したアリミゾキャッチャーやレール、テーパーキャッチャーなどのパーツも使用可能になります。それから、このアダプターはTOAST-pro本体には何も手を加えず、ボルトオンで取り付けできますので、ユーザー様が簡単にオリジナルに戻せます。

Ttkittp01 キット内容は上の画像となります。センタースピンドル付きのターンテーブルはSWAT-200用を流用しています。中心にカメラネジ、M6とM8のネジ穴が35mm間隔で開けてあります。メインクランプと補助クランプは真鍮削りだしクロムメッキ仕上げ。取り付けは簡単ですが、以下に画像で説明します。

Ttkittp02 TOAST-proオリジナルの勘合部を取り外した状態です。取り外したパーツは大切に保管してください。メーカーの保証を受ける時に必要になります。

Ttkittp03 キットの真鍮削り出しのロアアダプターをM3皿ネジ3箇所で固定します。

Ttkittp04 中心にスピンドルを差し込む穴の開いたアッパーアダプターを側面のネジ穴からM3キャップスクリューで固定します。ロアアダプターのフランジ部分に付属のスペーサーリングをセットします。

Ttkittp05 ターンテーブルのセンタースピンドルにグリスをまんべんなく塗布してアッパーアダプターの穴に差し込みます。最後に側面のM4キャップスクリューをねじ込めば完成です。カメラを載せて回してみてください。スムーズに粗動回転できますよ。TOAST-proユーザーの皆さま、ぜひご検討いただければと思います。発売は来月中旬、販売価格は13,860円(税込)の予定です。工具は付属しません。組み立てにはプラスドライバーのほか、2.5mmと3mmの六角レンチが必要です。

TOAST-proといえばSWAT-200のライバル機ですが、先日の木曜日に開発担当のSHさんとお会いしてきました。TOAST-pro用のターンテーブルキットを発売するので、失礼がないようご挨拶させていただいたのですが、快く了承していただけました。ポータブル赤道儀のブームといわれてますが、このブームが一過性にならないよう、お互いユーザーの信頼を得られる製品作りをしていきましょう、という話しもさせていただきました。この業界はとても狭くて、実はSHさんともずいぶん以前からの知り合いなんです。これまでも時々お会いしてお茶したりしてたんですが、ポラリエを開発されたビクセンのDさんとも15年来の付き合いだし、なんだかライバルメーカーの皆さんがほとんど古い仲間なんです。小さい業界ですね。^^;

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2013年3月10日 (日)

「SUN/LAモード」で狙おう。

Panel  いま話題のパンスターズ彗星は、残念ながら期待の明るさには届かないようですが、それでも予想は2~3等級ですから彗星としては充分に明るい部類に入ります。今日、近日点を通過して、いよいよ北半球の私たちの前に姿を見せてくれます。ですが一番の見頃といえる今週は、日没30分後に西の空10度くらいの低空にいて、すぐに沈んでしまいます。薄明中の観察ですし、条件は良くないでしょう。でもガッカリしないでください。南半球では綺麗な尾が確認されていますので、ぜひ撮影にチャレンジしていただきたいと思います。

 そこでSWAT-200ユーザーの皆さまへのワンポイントアドバイスです。パンスターズ彗星撮影の時には、ぜひ「SUN/LAモード」を活用してください。「SUN/LAモード」は太陽の動き(太陽時駆動)ですが、実は東西のかなり低空の天体は、大気の屈折による浮き上がり現象で、ほぼ太陽時で日周運動をします。そのためSWAT-200では、低空(Low Angle)を略して「LA」として「SUN」と併記しています。SWAT-200は一軸なので赤緯方向の補正はできませんが、赤経は「SUN/LAモード」にすることで、低空の天体の動きに近づけることができるのです。数年に一度くらいしか使うことの無さそうな「SUN/LAモード」が、発売1年も経たず、早くも実用できるチャンスが訪れたというわけです。

 4月中旬くらいまでのパンスターズ彗星は、低空を這うように移動していきますので、ぜひ「SUN/LAモード」を活用していただいて、素敵な彗星写真をゲットしてください。

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2013年3月 4日 (月)

ウォームの当たり具合チェック。

Wheelcheck 画像は試作テスト中の微動付回転ユニットを分解して、歯の当たり具合をチェックしています。この試作ウォームホイールは、直径40mm幅8mm歯数50枚の真鍮製で、黒くなった部分がウォームネジと触れている部分。製品ではグリスを封入するので、こんなに黒くなることはありませんが、テストではあえてグリスを入れずにフィーリングを確かめます。ウォームネジと触れている部分の幅は約3mmです。本来、強度が保てればホイールの幅も、その程度で充分ということになります。ところでSWAT-200は、φ85mmの大径ホイールを採用していますが、無駄な重量アップを避けるために幅の薄いウォームホイールにしています。もちろんジュラルミン素材にして充分な強度を確保しています。
微動付回転ユニットは、これから量産に入りますが、若干の軽量化を狙ってウォームホイールはSWAT-200と同様、ジュラルミンに変更して、歯の幅は6mmにします。それから微動の動きが大きい50歯の仕様と、もう少し動きの小さい78歯の2タイプをご用意します。それから粗動を省いて微動のみにした廉価モデルも製作します。さらに両タイプとも新機構として、バックラッシュによる動きを完全になくすために、ウォームホイールを直接押さえるクランプを付けます。バックラッシュによる撮影の失敗をなくせるほか、極軸微動などにも応用できると思います。ただしクランプしたまま微動を回さないように充分注意してください。発売は夏頃を予定しています。どうぞご期待ください。

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