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2013年12月

2013年12月28日 (土)

SWATシリーズのベアリングレイアウトについて。

Photo 上の図は、SWAT-300とSWAT-350の極軸ベアリングレイアウトの概念図です。ウォームホイールは同じでも極軸のベアリングはまったく異なります。SWAT-200は基本的にSWAT-300と同様のレイアウトですが、ホイール径がφ85mmになります。

極軸をガッチリ保持するには、小型のベアリングを2個以上用いて間隔を離した配置、すなわち小型ドイツ式赤道儀のような細くて長い極軸にするか、またはコストはかかってしまいますが、太くて短い極軸に大型のベアリングを間隔を狭めて配置するかの、どちらかの構造になります。SWATシリーズは非常に大きなベアリングを用いた後者の構造を採用しています。

SWAT-300/200のターンテーブルは、一般的な赤道儀の粗動回転と同じ構造でクランプを緩めるとスムーズに回せます。直径40mmの太い極軸に外形62mmの大きなベアリングを用い、極軸とターンテーブルをガッチリと支えています。SWAT-300の搭載可能重量は8kg、SWAT-200は5kgを達成しています。さらにウォームホイールの芯出し精度を向上させるためと、力学的に有利な三角形配置にするため、下側には高精度な小型ベアリングを用いています。この三角形配置は最近の高価な外国製赤道儀にも見られるようになりました。

SWAT-350のターンテーブルは外見からはわかりにくいですが、まったく独立した2個の大きなベアリングで支えています。この構造は30cm~80cmクラスの大型赤道儀と同様です。このため極軸やウォームホイールには搭載物の加重がかからず、搭載重量は15kgを達成しています。このように高い剛性を誇るSWAT-350は大きな鏡筒も搭載できる発展性の高いポータブル赤道儀です。搭載重量を活かすための頑丈な微動台座や脚、赤緯ユニットやパノラマ撮影テーブルなどを開発していく予定です。

搭載重量が増えるのに比例して、ウォームホイールに負担がかかる設計の他社製ポータブル赤道儀では、搭載重量が増すと追尾精度が悪くなったり、モーターのパワーが不足することがあります。SWATシリーズは、ウォームホイールにほとんど加重がかからない設計になっていますので、ある程度の荷重がかかっても追尾精度への影響を抑え込むことができました。この点がSWATシリーズの大きな魅力のひとつでもあります。

「ポータブル赤道儀は、そんなに頑丈な設計にする必要はない」とお考えになるユーザーも多いことと思います。しかし、ユニテックはポータブル赤道儀が簡易型でドイツ式赤道儀が本格型だとは考えていません。ポータブル赤道儀こそ写真撮影専用機として、精度と強度と利便性を徹底的に追求すべき機材と考えます。

なお、SWAT-300はSWAT-350と同じ筐体を採用しています。極軸回りのパーツを変更することでSWAT-350へのアップグレードが可能となります。より重量物を搭載したくなった場合などにお申し付けいただければ改造を承ります。詳しくは準備が整いましたら、ご案内させていただきます。

今後もSWAT製品をよろしくお願いします。

http://www.unitec.jp.net/

2013年12月22日 (日)

SWATシリーズのウォームホイール径とPモーションについて。

2 SWATシリーズのウォームホイールには、一般的な小型赤道儀よりもかなり大きなサイズのホイールを採用しています。ウォームホイールの直径と歯数はピリオディックモーションに直結する大切な要素となります。同じ加工精度なら、直径が大きく、かつ歯数が多いほど、Pモーションは向上していきます。サイズと歯数から、Pモーションを計算でも求められるほどです。

図の左は、一般的な小型赤道儀のウォームホイールで直径73mm、歯数144枚。真ん中がSWAT-200の直径85mm、歯数168枚です。右はSWAT-300/350用ですが、モジュール0.5、直径106mm、歯数210枚の大きなウォームホイールを使っています。

赤道儀の追尾精度は、機械加工の精度が同じであればウォームホイールの直径と歯数に比例して精度が良くなることは書きましたが、SWAT-300/350は歯数210枚のウォームホイールなので一般的な小型赤道儀の144枚に対して(あくまでも加工精度が同じ場合ですが)46%精度が向上し、弊社のSWAT-200に対して25%精度が向上する計算になります。

ウォームホイールが大きくなると、ウォームネジや伝達ギヤなどにかかるプレッシャーは反比例して軽減されるので、実際にはSWAT-300/350の追尾精度は、SWAT-200に対して30%以上も向上しています。SWAT-200はおよそ±10秒角程度のピリオディックモーション(ギヤの精度不良による周期的な追尾エラー)に対して±7秒角という大型赤道儀以上の極めて優秀な精度を実現しました。

ピリオディックモーションについては、ユーザーには測定が難しかった時代には「あり得ないような良いデータ」が発表されていたものです。現在でも「言った者勝ち」のように良いデータが喧伝される場合があるようですが、大手メーカーはピリオディックモーションのデータを公開しないようになっていますね。しかし、写真撮影用のポータブル赤道儀はデータを発表しないわけにもいきません。SWAT-200のピリオディックモーションは±10秒角前後、SWAT-300/350のピリオディックモーションは、一般的に300mm望遠レンズの許容範囲と言われる±7秒角前後を達成しています。また、個々の機種での偏りが少なくなるように入念なエイジング調整を施してから出荷しております。

※ウォームネジとウォームホイールのバックラッシュについてですが、ある程度のバックラッシュを設けた方が追尾精度が向上します。SWATシリーズは追尾精度最優先ですので、わずかですがバックラッシュを付ける方向で調整を行なっております。

■SWAT-350の生産について

SWAT-350の発売に際しては、製造上の予見できないリスクを避けるために初期ロット生産数を抑えたこともあって、発売日前にご予約で完売となってしまいました。発売を楽しみにされていたお客様には、大変なご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。現在、次ロットの生産に取りかかっており、完成は2月中旬を予定しておりますが、数量は少なめですので、早めに入手されたいお客様は、販売店様にご予約いただけると幸いです。なお、商品を潤沢に供給できるのは4月以降の予定です。今後ともSWATシリーズポータブル赤道儀をよろしくお願いいたします。

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2013年12月 4日 (水)

SWAT-350/300の製品概要

■SWAT-350

Swat350_main ■追尾精度と剛性を徹底的に追求したシリーズ最高峰。
 ポータブル赤道儀の頂点にふさわしい高性能です。
SWATシリーズの最高峰「SWAT-350」は、これまでの「お手軽」というポータブル赤道儀の概念を一新する高性能一軸赤道儀です。まず、高精度追尾を実現するためにウォームホイールを直径106mm、歯数は210枚まで大径化しました。SWAT-200に比べて25%大きく、モーメントも減少することから、ピリオディックモーションエラーは±7秒角前後まで向上させています。さらに剛性をアップするために、筐体を贅沢なアルミ削り出しとしたうえに、極軸保持方法に大型赤道儀と同様のベアリングレイアウトを採用して、耐荷重量約15kgを達成。赤緯軸を搭載した運用でも安心の高剛性を実現しています。モータードライブには最新のマイコン制御を採用し、多彩な速度切り替えを実現しました。また、オートガイダー(ST-4互換)にも対応し、長焦点での星野撮影に威力を発揮します。

Albody ■高剛性を実現する贅沢なアルミ削り出し筐体
アルミ合金削り出しの贅沢な筐体を採用しました。一般的な赤道儀では、筐体部分をアルミの鋳物やダイキャストで製作して、必要な部分を加工してから、極軸などの内部部品を組み込むことが通常の方法です。ユニテックでは圧倒的な加工精度が得られる無垢のアルミ合金(押し出し材)からマシニング加工により筐体を削り出しています。このような時間のかかる生産方法はコストがかかる上に効率が悪いため、通常は行われません。少ロット生産メーカーだからこそ可能な非常に贅沢な仕様になっています。もちろん、強度も高く、搭載可能重量は約15kg(ターンテーブル直付け位置)とポータブル赤道儀としては驚異の仕様となっています。組み立て後の製品の質量は約2.4kgです。

Led Swat350panel3 ■多彩な速度切り替えを実現した両半球対応のマイコン制御モータードライブ。オートガイドにも対応
SWAT-350に内蔵されたモータードライブには最新のマイコン制御のステッピングモーターを採用し、多彩な速度切り替えを実現しました。また、本体パネルにはオートガイダーにも対応したリモートコントロールの接続端子を装備しています。オートガイダーは長焦点での星野撮影に威力を発揮します。速度モードは、恒星時(キングスレート)のほか、太陽時、月時、2倍速、0.66倍速、0.5倍速、東西各16倍速を装備。0.66倍速、0.5倍速は「星景モード」として搭載しています。0.66倍速は、0.5倍速より星の動きに重点を置いていますので、地上より星の流れが目立つ0.5倍速より美しい星景写真が楽しめます。高速側は16倍速を採用しています。望遠鏡搭載時の天体導入に威力を発揮します。
SWAT-350で新たに採用されたのがモードインジケータです。電装基板には緑、黄、赤の3色に変わるLEDが装備され、点灯、点滅によって追尾の状態を表示するようになっています。「緑」は恒星時運転でのみ使用され、ユーザーはモードインジケータの「緑」をチェックするだけで、恒星時運転していることを確認できます。

Memorikan_2 ■時角目盛環を備えた大型ターンテーブルを採用
一般的なポータブル赤道儀と異なり、本機のターンテーブルは通常の赤道儀と同様にクランプによって、スムーズな粗動回転が可能です。ターンテーブル表面には、様々なアクセサリー群に対応するネジ穴があらかじめあけてありますので、ユーザーが自由にご利用いただけます。また、メインクランプは大型で使いやすい形状をしています。さらにSWAT-350の極軸には時角目盛環が装備されいます。赤緯軸に角度目盛り付きの「粗動付微動回転ユニット」を組み合わせることで、昔ながらの目盛環で天体を導入するユーザーには便利な機能です。

■上部左右と右下に配置された北極星覗き穴
上部の北極星覗き穴は、オプションの極軸望遠鏡取り付けネジと兼用になっています。利き目が左右どちらでも不便がないように左右の2箇所に視界約10度の覗き穴を、さらに視界約7度の覗き穴を右下に設けた親切設計です。(オレンジ色の矢印)この覗き穴の中心に北極星を入れるだけでも焦点距離100mmのレンズを3~4分追尾できる設置精度に極軸設置ができます。デジタル時代になって大幅に露出時間が短縮された現在。極軸の設置精度もそれにともなって緩くてすみます。フィルム時代の10分の1の露出なら極軸の設置精度も10分の1で構わないのです。

■タイムラプスムービー撮影に対応した背面カメラネジ
SWAT-350の背面には、本体を水平に設置してタイムラプス撮影用の回転台として使用するためのカメラネジ(太ネジ対応)が装備されいます。(背面の画像の緑の矢印)。左右合わせて16モードの回転速度を使い分けて、タイムラプスムービー撮影にチャレンジするユーザーには便利にお使いいただける装備です。

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■SWAT-300
Swat300_main_2 SWAT-300はシリーズ最高峰「SWAT-350」の設計思想をそのまま引き継ついだ高性能ポータブル赤道儀です。SWAT-350との違いは、極軸のベアリングレイアウトと目盛環などターンテーブル周りだけで、その他の構成パーツはすべて共通です。高精度追尾を実現するために直径105mm、歯数210枚まで大径化したウォームホイール、高剛性を実現する贅沢なアルミ削り出し筐体など、一切の妥協を排除し、耐荷重量約8kgを達成しました。そのため赤緯軸を搭載した運用でも安心の高剛性を実現しています。モータードライブには最新のマイコン制御を採用し、多彩な速度切り替えを実現。オートガイダー(ST-4互換)にも対応し、長焦点での星野撮影に威力を発揮します。 SWAT-350が必要なほどの機材を搭載しない場合に最適なモデルです。

Albody_2 ■高剛性を実現する贅沢なアルミ削り出し筐体
アルミ合金削り出しの贅沢な筐体を採用しました。一般的な赤道儀では、筐体部分をアルミの鋳物やダイキャストで製作して、必要な部分を加工してから、極軸などの内部部品を組み込むことが通常の方法です。ユニテックでは圧倒的な加工精度が得られる無垢のアルミ合金(押し出し材)からマシニング加工により筐体を削り出しています。のような時間のかかる生産方法はコストがかかる上に効率が悪いため、通常は行われません。少ロット生産メーカーだからこそ可能な非常に贅沢な仕様になっています。もちろん、強度も高く、搭載可能重量は約8kg(ターンテーブル直付け位置)とポータブル赤道儀としては驚異の仕様となっています。組み立て後の製品質量は約2.1kgです。

Led_3 ■多彩な速度切り替えを実現した両半球対応のマイコン制御モータードライブ。オートガイドにも対応
SWAT-300に内蔵されたモータードライブには最新のマイコン制御のステッピングモーターを採用し、多彩な速度切り替えを実現しました。また、本体パネルにはオートガイダーにも対応したリモートコントロールの接続端子を装備しています。オートガイダーは長焦点での星野撮影に威力を発揮します。速度モードは、恒星時(キングスレート)のほか、太陽時、月時、2倍速、0.66倍速、0.5倍速、東西各16倍速を装備。0.66倍速、0.5倍速は「星景モード」として搭載しています。0.66倍速は、0.5倍速より星の動きに重点を置いていますので、地上より星の流れが目立つ0.5倍速より美しい星景写真が楽しめます。高速側は16倍速を採用しています。望遠鏡搭載時の天体導入に威力を発揮します。
SWAT-300で新たに採用されたのがモードインジケータです。電装基板には緑、黄、赤の3色に変わるLEDが装備され、点灯、点滅によって追尾の状態を表示するようになっています。「緑」は恒星時運転でのみ使用され、ユーザーはモードインジケータの「緑」をチェックするだけで、恒星時運転していることを確認できます。

Tt300_3 ■多彩なアクセサリーを搭載できる大型ターンテーブルを採用
一般的なポータブル赤道儀の勘合部分は、カメラなどの荷重がかかると取付ネジを緩めてもスムーズに回転させることが困難な単なる勘合として設計されています。本機のターンテーブルは、通常の赤道儀と同様にクランプによってスムーズな粗動回転を可能にしています。ターンテーブル表面には、様々なアクセサリー群に対応するネジ穴があらかじめ開けてありますので、ユーザーが自由にご利用いただけます。また、メインクランプは真鍮削り出しクロームメッキ仕様の大型で使いやすい形状をしています。

■上部左右と右下に配置された北極星覗き穴
上部の北極星覗き穴は、オプションの極軸望遠鏡取り付けネジと兼用になっています。利き目が左右どちらでも不便がないように左右の2箇所に視界約10度の覗き穴を、さらに視界約7度の覗き穴を右下に設けた親切設計です。

Lups1 ■タイムラプスムービー撮影に対応した背面カメラネジ(画像はSWAT-350)
SWAT-350の背面には、本体を水平に設置してタイムラプス撮影用の回転台として使用するためのカメラネジ(太ネジ対応)が装備されいます。(背面の画像の緑の矢印)。左右合わせて16モードの回転速度を使い分けて、タイムラプスムービー撮影にチャレンジするユーザーには便利にお使いいただける装備です。

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●お問い合わせ、ご購入は下記の販売店様へ。

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●協栄産業大阪店
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2013年12月 3日 (火)

SWAT-300/350の価格が決まりました。

Swat300350image2 いよいよ、12月10日に発売が迫ってきましたSWAT-300/350ですが、いま組み立て調整作業に大忙しです。剛性を大幅アップさせて、これまでのポータブル赤道儀の概念を超える耐荷重を実現しています。いろいろ使い方も広がるでしょう。

さて、発売にあたり販売価格が決まりましたので、お知らせいたします。カラーは基本色のトワイライトブルーメタリックに加えて、発売記念限定カラーとしてオフホワイトを設定しました。さらに、魅力的なオプションとセットにした発売記念限定セットもご用意。限定数量はSWAT-300、350ともに各色4台ずつとなりますので、ぜひお見逃しなく。

■SWAT-300 オープンプライス 参考価格 123,900円(税込)
■SWTA-350 オープンプライス 参考価格 144,900円(税込)

Swat300a ■SWAT-300発売記念限定Aセット
SWAT-300本体、極軸微動ユニット、極軸望遠鏡ポラリエタイプ
通常販売価格合計(税込) 168,000円→発売記念特価 157,600円

Swat300b ■SWAT-300発売記念限定Bセット
SWAT-300本体、極軸微動ユニット、極軸望遠鏡ポラリエタイプ、ダブル雲台ベース
通常販売価格合計(税込) 177,450円→発売記念特価 163,000円

Swat300c ■SWAT-300発売記念限定Cセット
SWAT-300本体、極軸微動ユニット、極軸望遠鏡ポラリエタイプ、アリミゾキャッチャーLタイプ、ドイツ式赤緯ユニット、粗動回転ユニット
通常販売価格合計(税込) 214,200円→発売記念特価 187,000円

Swat350a ■SWAT-350発売記念限定Aセット
SWAT-350本体、極軸微動ユニット、極軸望遠鏡ポラリエタイプ
通常販売価格合計(税込) 186,900円→発売記念特価 178,000円

Swat350b ■SWAT-350発売記念限定Bセット
SWAT-350本体、極軸微動ユニット、極軸望遠鏡ポラリエタイプ、アリミゾキャッチャーLタイプ、ダブル雲台ベース
通常販売価格合計(税込) 212,100円→発売記念特価 197,000円

Swat350c ■SWAT-350発売記念限定Cセット
SWAT-350本体、極軸微動ユニット、極軸望遠鏡ポラリエタイプ、アリミゾキャッチャーLタイプ、ドイツ式赤緯ユニット、粗動付微動回転ユニット、追加ウェイト、追加ウェイトシャフト
通常販売価格合計(税込) 258,930円→発売記念特価 225,000円

※限定セット品の「極望ポラリエタイプ」は、12月4日ご予約受付分より12月末頃のお届けとなります。大変ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。

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●協栄産業東京店
●協栄産業大阪店
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