SWATのステッピングモーターについて。
SWATシリーズ赤道儀は、定格6~12Vの超小型高精度ステッピングモーターを採用しています。画像は最近のロットのSWAT-350の内部ですが、このようにモーター自体は非常にコンパクトです。ステッピングモーターは小型ほど高回転で回せるメリットがあり、ギヤ比を高めることができることから、結果的に本格的な赤道儀でも確実に駆動できるパワーが得られます。「モーターは大きいほうがパワーが出る」ことは間違いありませんが、赤道儀の駆動に関しては当てはまりません。さらに、このモーターには既存の赤道儀用PM型ステッピングモーターよりも、はるかに上等なギヤヘッド(減速比1/72)が装着されており、そのためギアヘッド由来のモーションが非常に小さく、高い追尾精度に寄与しています。SWATの優れた追尾性能は、高精度に研削されたウォームギヤユニットとこの超小型ステッピングモーターの組み合わせで実現できたのです。
さて、駆動時の電圧についてですが、SWATシリーズは6~12Vと幅広い電圧域で動作します。6Vではトルクは小さくなりますが、静かで消費電力も小さいため電池での駆動時間も延びます。逆に12Vではトルクは大幅にアップしますが、モーターの動作音が大きくなり、モーターもかなり発熱することから消費電力も大きく、電池の消耗も激しくなります。6V駆動ですと極端にバランスが崩れた場合などにパワー不足になる可能性があるため、安全をみて単3形乾電池6本で9Vの電池ボックスを標準装備としています。エネループ電池6本の7.2Vでも充分にハイパワーですのでお勧めです。12Vでのご使用も可能ですが、モーターの発熱が大きいので、9Vに降圧した方が良いかもしれません。一般的なカーバッテリーは12Vですが、充電直後などには出力が15V近くになることがあり、そのままでは電子回路を破損する危険があるので、絶対に直結しないでください。ご使用に際しては必ず指定電圧範囲まで降圧してください。なお、付属の電池ボックス以外でのご使用は自己責任となります。電圧と極性に充分ご注意ください。
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