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2015年3月15日 (日)

SWATで春の銀河をお気軽に!

春は遠い銀河を狙うのに絶好の季節です。おとめ座、かみのけ座、しし座、おおぐま座などの星座は、私たちが住む天の川銀河から離れているため、天の川を構成する星やガスに邪魔されずに遠くまで見通せます。これらの星座に向けて適当にシャッターを切っても、何かしらの銀河が写っていると思います。大口径で個々の銀河の高解像なクローズアップを撮るのもいいですが、小口径短焦点でも魅力ある銀河団を写せます。ぜひ、SWATで狙ってみてください。さて、先日ラブジョイ彗星の撮影に行ったついでに、しし座からおとめ座にかけてのエリアを撮影してきました。早めに帰宅したかったので、まだ地平高度が低いうちに撮影しました。それでも多くの銀河を写せたのでご紹介します。

●共通撮影データ タカハシFS-60CB+レデューサー(255mm F4.2) キヤノン EOS6D SWAT-350によるノータッチガイド 千葉県君津市

M9596

M95961c

●M95、96、105
2015年3月12日19時50分~ キヤノン EOS6D ISO1600 120秒×8枚コンポジット

M6566

M65661c

●M65、66
2015年3月12日20時16分~ キヤノン EOS6D ISO1600 90秒×11枚コンポジット

M8486

M84861c

●マルカリアンの鎖
2015年3月12日20時58分~ キヤノン EOS6D ISO1600 90秒×8枚コンポジット

Photo_3

今回ご紹介した銀河団は上の図の青丸のエリアです。いずれの撮影ポイントも赤緯が同じなのにお気づきでしょうか。こういった同じ赤緯で隣り合ったエリアの撮影は赤経方向の回転だけで次々に撮影ポイントを変えられるので、極軸粗動ができるSWATシリーズポータブル赤道儀が威力を発揮します。さらに、SWAT-350には赤経時角目盛環が標準装備されていますので、あっという間に次の撮影ポイントに向けられます。自由雲台で作業していたら、けっこう大変ですね。

Photo_2

今回は、まずしし座の一等星レグルスを捉えて、目盛りを見ながら東に約40分振れば最初の撮影ポイント。次はさらに約30分回してM65のエリア、続いて約70分ほど東へ回せばおとめ座のマルカリアンチェーンにたどり着きます。探しにくい天体を導入するときやモザイク処理などの際に、ぜひ役立ててください。私も目盛環を使って効率よく撮影してササッと撤収。午後11時には帰宅して、翌日の仕事に備えました。こんなウィークデーも楽しいですね。

http://www.unitec.jp.net/

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