ド~ンと黒光りしてるのはボーグさんからお借りした71FLフローライトアポクロマート鏡筒。最近すっかりボーグさんのブログのようになっちゃってますが、なにせSWATと相性が抜群にいいのは確かなので、いろいろ試させてもらっています。精悍なブラック仕様の71FL鏡筒は、焦点距離400mm/F5.6二枚玉フローライトアポクロマート対物レンズ搭載の超高性能モデルです。最近発売されたレデューサー0.72×を併用して焦点距離288mm/F4でテスト撮影に挑みました。撮影場所はいつもの亀山湖近くの駐車場。前回に続いて北斗七星近くの系外銀河を狙ってみました。20時頃に到着して撮影を開始しましたが、まもなく薄雲が断続的に流れてきて、空のほとんどが薄いベールで覆われたような状態に。結果、ひどいカブリで使えるカットは3分の1くらいでした。それでも、なんとか遠征が無駄にならなくてよかったです。
●M106
2015年5月21日21時30分~ ボーグ 71FL+レデューサー0.72×(288mm F4) キヤノン EOS 6D ISO1600 90秒×5枚コンポジット SWAT-350によるノータッチガイド 千葉県君津市
M106はりょうけん座にある系外銀河です。このあたりもたくさんの銀河が写っていて銀河団を形成していると思われます。近くに子持ち銀河で有名なM51があるので、やや注目度が下がりがちですが、この銀河もなかなかの迫力ある姿を写せて見逃せません。
●M51
2015年5月21日21時56分~ ボーグ 71FL+レデューサー0.72×(288mm F4) キヤノン EOS 6D ISO1600 90秒×8枚コンポジット SWAT-350によるノータッチガイド 千葉県君津市
そしてこちらが有名なM51子持ち銀河ですね。口径71mmですが、フローライトの非常にシャープな光学系のため、なかなかよく写ります。71FLは前回の90FLにくらべて、ひと回り以上軽量コンパクトな感じて、SWAT-350と理想的な組み合わせといっていいでしょう。当然、何の問題もなく搭載でき、合成焦点距離も300mmクラスで扱いやすく、ノータッチ撮影での成功率も高まりました。
前回ブログの星図と同じですが、M106の導入はおおぐま座χ星を使いました。まずカメラのファインダー内に導入した後、赤経目盛環を見ながら約30分回せば簡単に見つけられます。M51は、そこからさらに70分ほど振れば、一発で写野に捉えられます。このあたりの系外銀河は3cmくらいのファインダーではほとんど見えません。星図と目盛環を使って効率よく導入しましょう。
●ボーグ90FL(左)と71FL(右)の比較
中心部分を同比率にてトリミング。いずれも同じレデューサー0.72×を併用、90FLが360mm/F4、71FLが288mm/F4です。キヤノンEOS 6D、ISO1600、90秒露出、90FLが10枚、71FLが4枚コンポジット。おそらく同設計の口径違いなのだと思いますが、いずれもフローライトアポクロマートらしい高性能です。特に71FLは完璧とも思える素晴らしい星像が印象的で、90FLは星雲の淡い部分の描画に深みが出てきて迫力があります。90FLでの撮影時は台風一過の強風だったので、シンチレーションがよい日だともう少し星像が小さくなると思いますので、撮り直して改めてご紹介します。SWAT-350なら、どちらのモデルも余裕で搭載できますので、ボーグシリーズをご検討の方は参考にしてください。
今後、90FLの集光力を活かして、フラットナー併用の540mmF6での撮影にもチャレンジしていく予定です。協栄産業さんから発売されたスタンドアローンタイプのオートガイダーM-GENも手配しましたので、そちらの使い勝手などもレポートできればと思っています。なお、このコーナーでの作例は特に難しいことはしていません。極軸設定も極望で合わせただけですし、適当な明るさの星でピント合わせして、対象に向けてからカメラのリモコンで露出設定後にシャッターを切っているだけです。帰宅後、Photoshopでコンポジットなどの画像処理をしています。初心者の方の参考になるような、機材選定や撮影方法を心が掛けて行くつもりです。今後とも、どうぞよろしくお願いします。
http://www.unitec.jp.net/