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2015年9月27日 (日)

月面の画像処理。

月は光量も豊富なので、割と簡単に撮影できる対象です。まずは気軽に撮影してみてください。何度か撮影してみると、階調豊かに写すのが意外と難しいことに気づくと思います。露出不足の欠けぎわとオーバーの日が当たる側が、一枚ではなかなか綺麗に表現できないのです。ラチチュード(ダイナミックレンジ)を広げる方法に、HDR合成というのがありますけど、月はそれに適した対象かもしれませんね。さて今回は、Photoshopによる画像処理で月を階調豊かに表現してみます。といってもごく簡単な処理ですので、ぜひ試してみてください。
 

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まずは、8月7日にボーグ90FLで撮影した下弦の月です。Registaxで50枚スタックしたあとの画像です。これをベースに仕上げていきましょう。
 

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最初の画像を元にレベル補正を使って、欠けぎわが適正(左)、中間部が適正(中)、周縁部が適正(右)の3つの画像をレイヤーに作ります。
 

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作った3枚のレイヤー画像から、欠けぎわ(左)と周縁部(右)のそれぞれ使う部分を切り出します。切り出すときに選択範囲メニューの「境界をぼかす」でグラデーションにします。数値は解像度によって変わりますので、試しながら適宜調整してください。ぼかしてグラデーションになった部分は、上の画像では背景が白ですが、実際のレイヤー上では透明です。それを真ん中の画像の中間部にズレないように重ねます。
 

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重ねた直後の画像。トーンが合ってないですね。中間部と重ねたレイヤーの透明度やトーンカーブを弄って、それぞれが自然になじむような感じに調整します。
 

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レイヤーを統合して一枚にします。最後にトーンを微調整して、アンシャープで仕上げます。これで完成。手動HDR処理みたいな感じですけど、結構いい感じで仕上がります。撮影の時に露出を変えて撮るともっと高画質が期待できます。

印画紙時代の覆い焼きや焼き込み的な方法もデジタルだと簡単で、しかも気に入った作品になるまで、何度でもやり直しができます。印画紙の無駄も出ないし、もうフィルム時代には戻れないですね。(笑)

http://www.unitec.jp.net/

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