超光害地で超お気軽撮影。
●バラ星雲
2017年2月17日19時15分~ ボーグ 71FL+レデューサー0.72×(合成焦点距離 288mm F4.1) IDAS LPS-D1フィルター キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO200 90秒露出×71枚+ISO400 90秒露出×60枚 合計131枚コンポジット ステライメージ7でダーク&フラット補正、コンポジット処理 さらにフラットエイドで追加補正 仕上げはPhotoshopで画像処理 SWAT-350によるノータッチ追尾 撮影地 東京都目黒区
前回のブログの続きです。今回も渋谷駅から1.5キロほどの超光害地の南向きベランダで、スマホだけで極軸調整して撮影しています。光害カットフィルターのIDAS LPS-D1フィルターを使いたくて、ボーグ71FL+レデューサーを選択しました。131枚ものコンポジットで、何とか炙り出したのが上の画像です。それでも、ノイズで荒れてますね。参考のため撮って出しを下に掲載します。
元天文ガイド編集長で株式会社輝星の高槻さんは、「分子雲まで出すつもりの作法を行なえば、光害地での撮影も充分可能」とおっしゃっています。また、「星空は光害の海に沈むことなく浮かんでいる」という合い言葉の下、光害地撮影ファンの有志の人達と試行錯誤しているそうです。フィルムのように、光害が星の像を押しのけて沈めてしまうことはないのでデジカメなら光害地でも使える理屈ですね。
前回の極軸調整の補足ですが、座標変換で計算すると極軸設置精度は、300mmで30秒露出の場合、高度/方位が1度くらい狂っていても問題はありません。60秒なら0.5度狂っても大丈夫です。今回は90秒露出して点像を得てますので、20分程度で収まっていることになりますね。なかなかの設置精度です。
スマホの傾斜計は非常に正確で、SWAT-300/350の削り出し筐体の工作精度を活かせます。コンパスアプリは偏角も補正してくれるようですが、ただしスマホの精度は5度ほど狂うことがあるので、普通のマップコンパスの方がお勧めです。その時は偏角を調整してください。南中時に影響があるのは、高度でなくて方位です。高度は追尾速度に影響します。いずれにしろ短時間露出なら無問題。コンパスはカメラの電池や赤道儀のベアリングのほか内蔵のモーターなどで狂うので、ポタ赤から少し離した位置で針を確認して、そーっと近づけて「どのくらい狂うか」見極めてから読むと正確です(重要!)。
超光害地の北極星が見えない南向きベランダでも、簡単セッティングで、作例くらいの画質が得られます。都市にお住まいの方も気軽に星野撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。ただし、空の暗いところで撮影したときよりも画像処理がかなり大変です。(笑) オマケ画像はフラットエイドで使用した補正用のマスクです。色カブリがひどいです。(汗)
フラットエイドは、ぴんたんさんが作成されたフリーソフトで、天体の画像処理を行う上で、とても役立つ優れたツールです。これをフリーで提供していただけるこは、ありがたいことです。ぴんたんさんに感謝します。
ダウンロードは↓のページから。「Software」をクリックしてください。使い方もあります。
http://figomura.ddo.jp/shinyadoraku/
シェーディング画像作成で上手くいかなかった場合は、私の環境では「シェーディング画像ビニング倍率」を「2」にすると大丈夫でした。
http://www.unitec.jp.net/
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