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2017年4月17日 (月)

拡大撮影のための新兵器導入。

Qhy5iii290c

シーイングの良いときの月面拡大撮影用にCMOSカメラとノートパソコンを導入しました。これまで、月全体の撮影ではデジタル一眼で満足いく結果を得ていたのですが、シーイングの良い時の部分拡大撮影では、テレプラス2段重ねといった、正直お勧めできない方法で撮ってました。それでも拡大率が足りず、コンポジット用に撮影枚数を稼ぐのにも時間がかかり、効率の悪さを感じていました。そこで、協栄産業大阪店のSさんに相談したところ、「加曽利さん、いいのありまっせ~、QHY5III290Cなんてどうでっしゃろか~」(加曽利さん、QHY5III290Cがお勧めですよ。)とおっしゃるので、「ほな、それもろうときまひょ!」(じゃぁ、それください!)と二つ返事したところ、品揃え豊富な協栄さん、速攻で送っていただけました。このカメラにはソニー製の裏面照射タイプ1/2.8型CMOSセンサー「IMX290」が採用されていて、ピクセルサイズが2.9μmと小さく、低ノイズで月面や惑星の拡大撮影に好適なスペックです。さすがはSさん、いいカメラを推奨しますね。モノクロタイプも用意されているので、LRGBの本格的な撮影を目指す方は、そちらも選択肢となります。そのほか、カメラ以外にもベランダで撮影するのにノートパソコンが必要です。これはDELLの安いのを購入。両方で約10万円の出費となりました。

カメラが届いたのが14日。QHY社の正規代理店でもある協栄さんならではの心の行き届いたサービスとして、日本語のセットアップマニュアルに加え、各種ドライバ、キャプチャ-、オートガイド用のソフトウェアが入ったCDが添付されていました。マニュアルの手順でドライバとキャプチャーソフトをインストール。動作確認のため、手元にあったKOWAのズームレンズをカメラに装着して、ノートのUSB端子にカメラを接続してみます。キャプチャーソフトを立ち上げると、すんなりライブビュー画像が表示されました。こうなると、すぐにでもテスト撮影したいところです。夜を待って、ボーグ107FLをベランダに持ち出し、ワクワクしながら、カメラをセッティングしました。あいにく、その夜のシーイングが悪く、ゆらゆらの月面をちょっとだけ撮影して撤収しました。一応、問題なく撮れているようです。無事に動作確認を終えて、次はちゃんと撮影してしてみたいところですが、都合良くシーイングの良い日と巡り会えるわけもないですね。それでも昨晩は、14日の夜よりかなりマシな感じだったので、ちょうど南中していた木星でチャレンジしました。月が昇ってくる頃には曇りそうな予報なので木星でテスト撮影です。
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■撮影データ
2017年4月16日20時44分~ ボーグ107FL+1.4×テレコン+PL15mm QHY5III290C 1/30秒露出で5分間撮影 AutoStakkert2で約1200枚スタック Registax6 Photoshopで画像処理 SWAT-350にて自動追尾 撮影地 東京都目黒区
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■撮影データ
2017年4月16日23時18分~ ボーグ107FL+1.4×テレコン+PL15mm QHY5III290C 1/30秒露出で3分間撮影 AutoStakkert2で約430枚スタック Registax6 Photoshopで画像処理 SWAT-350にて自動追尾 撮影地 東京都目黒区
 
上が最初の撮影。ちょっと像が甘い感じだったので、もう少し撮影時間を短くしてスタック枚数を減らしたのが下の画像です。惑星の動画撮影をPCカメラでするのは初めてで、1フレームの露出時間やゲインの設定も手探りです。撮影時間も一枚で撮った方がいいのか、短時間で分けた方がいいのか、よくわかりません。まずは体験することが大事と判断して、細かいことは気にせず気軽にやってみました。引き伸ばしレンズは15mmのプローセルアイピースを使用。拡大率も適当な「超いい加減撮影」ですが、初めての撮影でも口径107mmで上の画像くらいの解像度を得られました。シーイングが良ければもっと拡大しても大丈夫そうです。木星は自転が速く、短時間で撮影しないと模様がズレてしまいます。そのあたりの最適値も煮詰めていかないと口径の能力をフルに発揮させられないです。フィルム時代からすれば大満足な仕上がりですけど、上手な方の作品を見ると、口径の違いはあるとはいえ、とんでもなく微細な模様まで写し出されているので、もっと高画質を目指せそうです。惑星撮影に詳しい方、ぜひご指導ください。ただ本格的に惑星撮影するには10cm級では厳しいですね。せめて15cm、出来れば25cmは欲しいです。本来の目的は月面の拡大撮影です。シーイングの良い日が訪れるのを待つことにします。

最近のCMOSカメラは製品のバリエーションが豊富で選択肢も増えてきました。カラー、モノクロの他、撮像素子のサイズやピクセルサイズなど様々で、さらに星雲・星団の撮影に適した冷却タイプまで10万円前後で登場しています。ご購入の際には、協栄産業さんのような知識が豊富なお店で、撮影目的をよく相談してからの方がよさそうです。
 
http://www.unitec.jp.net/

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