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2018年11月

2018年11月28日 (水)

ボーグ107FLによる馬頭星雲付近。

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●馬頭星雲付近
2018年11月15日0時37分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 3分露出×80枚コンポジット(ハイライト部分に短時間露光をHDR合成) Photoshopで画像処理 SWAT-350+M-GENによる1軸オートガイド 撮影地 千葉県大多喜町
 
14日の房総遠征のメインはボーグ107FL+フラットナーでした。SWAT-350にセットアップしてM-GENでお気楽オートガイド。最初に撮影したのがM45プレアデス星団です。続いてレンズを向けたのは、適当な高度に達したオリオン座の馬頭星雲でした。F6.1と暗め?ですから、たっぷり露光を稼ぎたいので、この日は、もうこれだけにして放置プレイを決め込みました。薄明開始まで約4時間、無風快晴の好条件で、撮影を続けることが出来ました。馬頭星雲を取り巻く分子雲など、かなり描出できたかと思います。画像処理しながら、美しい領域だと改めて感じました。
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レベル補正しただけの撮って出し一枚物。この程度写っていれば、コンポジットして炙ると充分に細部が出てきます。
  
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2018年11月24日 (土)

シグマ APO 300mm F2.8による魔女の横顔星雲。

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●魔女の横顔星雲
2018年11月15日2時41分~ シグマ APO 300mm F2.8 DG HSM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 2分露出×51枚コンポジット+短時間露光をHDR合成+昨年の44分間露出を20%で合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-310によるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
14日の房総遠征最後の対象は、オリオン座のリゲルのすぐ横(西)に位置する魔女の横顔星雲を狙いました。これとまったく同じ構図で昨年も撮っていまして、その時のデータもまとめて合成しています。昨年は44分露出で仕上げましたが、周辺の散光星雲までは描出できませんでしたが、今回の2時間近い露出と併せるとこで、リゲル(左の明るい星)周辺に淡く拡がる赤い星雲が浮かび上がり、魔女の横顔星雲の下の方の微妙な色の違いも現れてきました。あまり色彩を感じなかったエリアですが、けっこう華やかだなぁと思いました。かなり淡いので、なるべく暗い空でたっぷり露出して撮りたい対象です。撮って出し画像も掲載します。
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撮って出し画像です。魔女の横顔星雲の明るい部分がうっすらと分かる程度しか写りません。なめてかかると手痛いしっぺ返しを食らいます。(笑)
 
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2018年11月22日 (木)

シグマ APO 300mm F2.8によるヒヤデス星団。

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●ヒヤデス星団
2018年11月14日23時32分~ シグマ APO 300mm F2.8 DG HSM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 2分露出×73枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-310ノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
14日の夜、メインのSWAT-350+ボーグ107FLと平行して、サブのSWAT-310でノータッチ撮影していました。サブで最初に撮ったのがクエスチョンマーク星雲でした。次に狙ったのがおうし座のヒヤデス星団です。大きな散開星団で300mmだと画角一杯に星団が拡がり、大迫力となります。フィルムの時代なら、星がばらけてつまらない絵になるところですが、デジタルになって、分子雲が写せますので、とても賑やかで美しい星団の姿に仕上げられます。このヒヤデス星団からすばる、カリフォルニア星雲の広い領域には、濃い分子雲が大きく拡がっていますので、ぜひ狙っていただければと思います。
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撮って出し画像。一枚ではこの程度ですが、コンポジット枚数を稼いで画像処理すれば、分子雲がモクモク現れてきます。
  
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2018年11月20日 (火)

シグマ APO 300mm F2.8によるクエスチョンマーク星雲。

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●クエスチョンマーク星雲
2018年11月14日21時15分~ シグマ APO 300mm F2.8 DG HSM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP4改造) ISO1600 2分露出×49枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 SWAT-310によるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
14日夜の房総遠征、SWAT-350オートガイド撮影と平行して、SWAT-310にシグマ APO 300mm F2.8望遠レンズを搭載し、ノータッチ追尾による撮影もしました。すかっり2台体制が定着しましたが、気軽に設置、撮影できる小型軽量のSWATなら楽々です。メインは長焦点でオートガイド、サブは短焦点でノータッチ追尾、数時間を要する撮影時間を有効利用するには、こういった複数台の運用で効率が高まります。高精度なサブ赤道儀があると、そこそこの望遠までノータッチ追尾ができて、さらに撮影の幅が拡がります。そんな撮影スタイルにSWATはうってつけです。さて、そのサブ機SWAT-310で最初にノータッチ撮影したのが、クエスチョンマーク星雲です。実は昨年の撮影では構図を失敗していて、今回はそのリベンジでもあります。失敗作はこちら。ちょうど一年ぶりでした。?マークをバランスよく構図に収められてよかったです。
 
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2018年11月18日 (日)

蒼月様のシグマ 70mm F2.8 MACRO ART レビュー。

フォトギャラリーや画像処理入門でお世話になっている蒼月様より、シグマの新マクロレンズ「70mm F2.8 MACRO ART」のレビューをお送りいただきましたので、ご紹介します。
 70mmart

この秋に新規導入したSIGMA 70mm Art ですが、期待通りの性能と言って良いかと思います。以下、簡単にレビューを記載しますので、ご参考にしていただければ幸いです。絞りを F2.8(20秒)、F3.5(30秒)、F4.0(40秒)、F5.6(80秒)と段階的に変えて撮影し、周辺減光や四隅の星像等を検証しました。
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●周辺減光
各F値での周辺減光の様子です。やはり開放(F2.8)だと周辺減光がかなり大きいですが、それでも、同じ露出時間で得られる周辺部の絶対的な光量を比較すると、例えばF4.0よりは開放の方が多いでしょう。

Fig3_corners_3

●四隅の星像
周辺減光の写真の中央と四隅を 2:1 に拡大して並べたものです。色収差をわかりやすくするために、彩度をかなり上げています。写っているのは微光星ばかりですが、四隅ではさすがに星像がやや乱れます。倍率色収差もわずかにあります。しかし、いずれも等倍以上に拡大しなければほとんどわからないレベルです。その星像の乱れは、開放からF4.0まで目立った改善は見られません。一方、F5.6まで絞ると少し改善します。F8まで絞ればさらに改善するかもしれません。おそらく、光学性能は、F5.6からF8あたりでピークになるように設計されているものと思われます。

Fig4_brightstar_2

●隅の輝星
プロキオンを左下隅に配置して撮影した等倍(1:1)画像です。開放だと光条が大きく二つに割れますが、絞るほどに改善し、F5.6まで絞ると中心の星像はほぼ真円になります。ただし、はっきりとした光条が現れるので、それを嫌う人はいるかもしれません。
 
●総評
SIGMAのレンズにしては比較的小さくて軽いですし、焦点距離も短いのでポタ赤に載せるには最適です。極軸をきっちり合わせたSWATなら、オートガイドも不要でしょう。開放でも十分使えるレンズですし、絞ってもF4.0までは四隅の星像がほとんど変わらない(輝星を除く)ので、F2.8を常用し、星などの高輝度部分をF5.6で補完するのが良いかもしれません。
このレンズによる作例がフォトギャラリーにも掲載されてますので、ぜひご覧ください。こちらからどうぞ。

※係より シグマ 70mm F2.8 DG MACRO Art は、ピント合わせにバイワイヤ方式(ピントリングがスイッチで電気的にモーター駆動する方法)を採用しているため、一般のレンズと比べて多少癖があり、慣れが必要です。ジャスピンを色収差で追い込むようなときに、ストレスを感じる場合がございますのでご注意ください。なお、蒼月様のように、AFに設定したうえでPCからBackyardEOSなどのソフト経由でレンズのモーターを使ってピント合わせをするよういな場合は、まったく問題ありません。
 
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2018年11月16日 (金)

M45プレアデス星団。

M452

●M45 プレアデス星団
2018年11月14日21時29分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 3分露出×45枚コンポジット(ハイライト部分に短時間露光をHDR合成) Photoshopで画像処理 SWAT-350+M-GENによる1軸オートガイド 撮影地 千葉県大多喜町
 
一昨日の14日の夜はよく晴れてくれました。今月最後の好条件と思い、平日でしたが、いつもの房総へ出かけてきました。平日とはいえ、いつものダム湖周辺は大賑わいで点在する駐車場やダム堤体の上は、天文ファンがそれぞれ自慢の愛機を並べて天体撮影を楽しんでいらっしゃいました。翌日の薄明開始まで、透明度も高く、無風快晴の好条件で、冬の天の川もよく見えていました。さて、まず撮影を始めたのがM45プレアデス星団(すばる)です。月没が22時ちょうどでしたが、30分前から撮影開始して2時間15分露出して得られたデータを処理しました。F6.1ですと暗部の分子雲を派手に炙り出すには少し露出不足で、無理すると荒れてしまうので、控えめに処理しました。今回はSWAT-350とSWAT-310の2台体制で、他にも有名どころを撮影してます。処理が終わりましたら順次ご紹介します。
撮影中の気温は10℃を少し切ったところでしたが、まだ寒さに慣れてないせいかけっこう冷えが厳しく感じました。明け方には4℃まで下がりましたので、これからの撮影には防寒対策を忘れずに臨みたいところです。
 
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2018年11月11日 (日)

M42オリオン大星雲中心部。

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●M42オリオン大星雲中心部
2018年11月10日23時24分~ 宇治天体精機 60cm 準リッチークレチアン 焦点距離 5,400mm キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 30秒露出×27枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、Photoshopで画像処理 宇治天体精機スカイマックス60cmドイツ式赤道儀 ノータッチ追尾 撮影地 宇治天体精機敷地内
 
今年の夏前からSWATのウォームギアまわりの生産で提携した宇治天体精機さんにお伺いしてきました。昨夜は天気もよく、運良く在庫している60cm準リッチークレチアン反射赤道儀で撮影するチャンスに恵まれました。わずか15分弱の露出ですが、シーイングもまずまず良好で、この口径にしては微恒星もシャープですし、オリオン大星雲中心部の複雑な構造が怖いほど描写されてます。低倍率で眼視するとトラベジウム周辺は青緑色に見え、羽の部分は明らかに赤っぽく見えます。また星雲の微妙な濃淡もよく観察できて、口径の威力はすさまじいばかりです。村下社長が自ら研磨した素晴らしくシャープな光学系と使いやすいドイツ式架台は公開天文台におすすめの組み合わせといえます。価格は3,500万円とのことです。お問い合わせはこちらまでどうぞ。
 Img_4322

撮影に使用した60cm準リッチークレチアン反射赤道儀。搭載された副望遠鏡は15cm ED屈折(接眼部だけ見えている左上の方)です。大きさを感じていただくために外山電子の外山さんに入っていただきました。外山さんにはSWATの駆動系を担当していただいてます。
 
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2018年11月 3日 (土)

富士フイルム X-T3によるM31アンドロメダ銀河。

M312

●M31アンドロメダ銀河
2018年11月2日20時頃~ フジノン XF100-400mm F4.5-5.6 焦点距離400mm 絞りF5.6開放 フジフイルム X-T3 ISO3200 2分露出×52枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ7、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350によるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
ようやく秋らしい青空が拡がるようになってきました。この週末は遠征にいくぞと張り切っていたところ、どうも週末の天気が怪しそう…。このところ、新月期の週末は壊滅的に晴れてくれませんね。なんとか昨夜までは晴れてくれそうだったので、仕事を早めに切り上げて、急遽出かけることにしました。といっても、近場の房総なので、クルマで1時間半ほどです。現地には6時前に到着。秋らしい澄んだ快晴で、薄明終了から天の川が見えて、久しぶりの高コントラストな星空でした。22時頃に1時間ほど雲が広がる時間帯がありましたが、それ以外はずっと快晴でした。
さて、撮影したのは秋の定番、M31アンドロメダ銀河です。今回、富士フイルムさんから、新製品のX-T3を試してみて欲しいとのご依頼があり、早速撮影してみました。このカメラ、ノーマルでも赤に感度があるので、赤い散光星雲とも思ったのですが、今期まだ撮ってなかったアンドロメダ銀河にしました。X-T3になって液晶の拡大率が10倍と高くなったので、ピント合わせが楽になりました。それ以外の操作はX-T2の時とほぼ一緒でした。レンズは純正の100-400ズーム。EDレンズ5枚とスーパーED1枚を使用して色収差を完璧に補正したとのことで、色滲みを感じないスッキリした画像が得られました。ちょっとした問題点は、撮影中にレンズの重みでズームの焦点距離リングが勝手に動いてしまい、応急処置でリングをテープで固定しました。
望遠レンズにポタ赤の軽量な組み合わせ、しかもお気軽ノータッチでこれだけ迫力あるM31が簡単に撮れるのですから、時代は変わったものですね。
 
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