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2019年1月 5日 (土)

Pモーション±7秒角前後を達成するために…

Wormdrive

新年最初のブログは、SWATの高精度を生み出すウォームギアについてです。写真は切削加工したばかりのウォームネジとホイールです。ウォームネジは高精度に加工しやすい真鍮製、ホイールは真鍮ネジと相性がいいジュラルミン製で、ホブ盤によって歯切りしています。ユニテックでは、ピリオディックモーション±7秒角前後を保証するため、ウォームギアの品質チェックを2ステージに分けて行っています。まず最初のステージでは、切削したままの状態で、すべてのウォームネジをチェックします。同じ基準で加工しているのですが、精度は一定の幅の中でばらついていて、そのまま合格のものから、出荷基準に遠く及ばないものもあります。
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上の画像の例は、最初のテストで±6.4秒角を達成しておりストレートで合格です。このまま組み上げ、エイジング処理して出荷されます。すべてがこのようにいけば楽なんですが、そんなに甘くはなく、ストレートで合格するのは2~3割くらいしかありません。
余談ですが、これまでで一番よいものは±4秒角というのがありました。そんなネジは100本に1本もないので、それを手にしたお客様はかなりラッキーですね。(笑)
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次に10秒角前後を達成したウォームネジです。一般的には充分に高精度なのですが、SWATの合格基準には達していません。このレベルのネジは研磨剤を使って入念にラッピング処理して精度アップを狙います。仕上がったウォームを再びテストして、基準をクリアしたものだけ製品として組み上げます。ラッピングしてもすべてが合格になるわけではありません。手間をかけても基準に達しないこともあり、悔しい思いをさせられます。(泣)
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最後は一発不合格の例です。数は少ないですが、時々これくらいのものも出てきます。残念ながら、このレベルではラッピング処理しても±7秒角に持って行くことはできません。不合格品となります。

  このように。SWATは何段階もの検査を経て、±7秒前後という高い追尾精度を保証しています。ユニテックは「追尾精度だけはどこにも負けないぞ」という気持ちで歩んでおります。今後もこの姿勢に変わりはありません。

お手元の赤道儀の追尾精度を確かめたい方は、「追尾精度お気軽チェック!」と「追尾精度を測ってみよう」を参考にしてください。

今年もユニテックのSWATをよろしくお願いいたします。
 
https://www.unitec.jp.net/

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