ハーモニックドライブ本体のモーションはいかに。
外山電子さんのご協力で減速ギアにハーモニックドライブを使用したモーターを入手しましたので、早速モーター本体のモーションを測定してみました。弊社の測定器による結果が上のグラフになります。青とピンクのラインがハーモニックドライブで、単純にSWATの一周期に合わせて7分間弱を2回分です。実際には30回ほど測定していて、突発的に±30″程度なこともありましたが、 だいたい±15″程度で安定する感じです。グラフは安定したときのモーションです。細かいギザギザのモーションはこの個体特有のものかどうか不明ですが、常時±5″程度のふらつきがあります。このモーターに直接カメラを載せるなら、焦点距離100mmくらいは安心してガイドできそうな感じです。細かいギザギザは焦点距離500mmを超えると影響を受ける量ですが、シーイングが悪いと同じくらい動くので星像が多少膨らむ程度かもしれません。オートガイドすれば安心でしょう。以前、噂に聞いていたよりもずっとよい結果でした。このモーターを使えば、簡単に±15″という高精度が出るのですから、なかなか立派なものです。問題はお値段で、テストに使ったこのモデル(モーターはオリエンタル製)は、一個75,000円もします。このモーターが使えると赤道儀を作るのがとても簡単になるんですが、赤道儀自体も相当高価になってしまいますね。それから周期性のない大きなモーションと細かいギザギザのモーションの補正をどうするか考えないといけないですね。もう少し低価格なハーモニックモーターが出ることを期待しましょう。ちなみにグラフの黄色と紫色のラインはまもなく発売のSWAT-350V-specのPモーションです。この個体は±4″ほど出ています。こちらにもぜひご期待ください。
※ハーモニックドライブの測定結果(回転方向はCCW)はこの個体一個を測定しただけですので、すべてが同じくらいとは保証できません。また計測は無負荷で行っております。負荷をかけた場合にモーションがどう変化するかは試してません。
https://www.unitec.jp.net/
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