« 赤緯対応SWAT-350で2軸オートガイド撮影。 | トップページ | 天文ガイド2020年7月号でV-spec特集。 »

2020年4月18日 (土)

2軸オートガイドで撮るしし座のトリオ銀河。

Trio Trio_20200417110001
●しし座のトリオ銀河
2020年4月14日19時33分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 180秒露出×82枚コンポジット(短時間露光をHDR合成) SI7、Photoshop、DeNoise AIで画像処理 SWAT-350×2+M-GENによる2軸オートガイド 撮影地 千葉県大多喜町 ※下は拡大トリミング
 
2軸オートガイドの動作テストで撮影したしし座のトリオ銀河です。露出時間は無理のない3分に設定して82枚コンポジット、総露出4時間6分です。無風快晴の好条件だったこともあるかもしれませんが、撮影中のトラブルは何もなく、歩留まりはなんと100%。一枚のロスも出さないパーフェクト撮影でした。ただ、2軸に限ったことではないですが、オートガイドしていても、ごくわずかに東方向にズレていく現象が見られました。3分露出では何の影響もありませんが、一定の動きなので、オートガイダーの補正パラメータを追い込めば解決しそうな気がします。それから、撮影途中でピントを合わせ直したり、電池交換の時に機材に触ると、その時点で大きく暴れて構図が少しズレてしまい、手を離すと元の位置まで完全には戻らず、多少ズレた位置のままオートガイドが継続されるようです。いったんオートガイドを停止して、操作が終わったら、再スタートするといった手順が必要なのかもしれません。これも焦点距離650mm程度ではたいして影響ないですが、もっと長焦点になると気になるかもしれません。このあたりは今後の課題とします。さて、撮影したトリオ銀河のカタログナンバーは、上がNGC3628、左下がM66、右下がM65になります。F6.1で4時間露出してNGC3628から左に伸びるしっぽを密かに狙っていたのですが、ほんのわずかに確認できるだけで、まだまだ露出が足りないようです。もっと空の条件がよい撮影地なら、炙り出せたかもしれませんね。ひとまず2軸ガイドはうまく動作したので、今後の楽しみが増えました。ちなみに前回、山梨県上野原町で撮影したトリオ銀河よりは遙かによい出来です。総露出も倍以上ですし、空の条件も房総の方がかなりいいです。
 
Photo_20200417115101  
参考にJPG撮って出しも掲載します。
  
Tail
強引に炙るとNGC3628の左方向にヒョロヒョロと長く伸びるしっぽが確認できます。画像処理が得意な蒼月さんが天城高原で撮影したトリオ銀河は、F6.1で2時間ちょっとの露出ですけど、この尻尾を上手に描出しています。さすがです。画像はこちらをご覧ください。
 
2_20200417114301
3_20200417114601
4_20200417114401
Photo_20200417114401Photo_20200417114501
二段重ねのSWATも見慣れるとけっこう格好いいですね。ただ一軸でも煩雑なケーブル類が二軸ではさらに増えてしまい、もはやケーブル地獄といった感じです。このケーブル、低温で柔軟性を失い、カチカチになるのは困ったものです。もう少しスマートに組み上げられるといいのですが…。
 
https://www.unitec.jp.net/

« 赤緯対応SWAT-350で2軸オートガイド撮影。 | トップページ | 天文ガイド2020年7月号でV-spec特集。 »

新製品」カテゴリの記事

天体写真」カテゴリの記事