« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »

2021年2月

2021年2月18日 (木)

天リフのお題「魔女の横顔星雲」を撮る。

Photo_20210218162301
●魔女の横顔星雲
2021年2月16日19時35分48秒~ キヤノン EF300mm F2.8L IS II USM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 1分露出×78枚コンポジット ステライメージ9、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium βによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
16日の房総半島は風が強くて厳しい感じでしたが、内陸部は21時から0時くらいまでは収まる予報でした。それを信じて出撃しました。18時半前に現地に到着、月没が12時半ですから、それまでは諸々の実験をするつもりで、機材の組み立てに入りました。時々強い風が吹くもののピタッとやむこともあって、もう少し収まればそこそこいけそうな感じでした。最初は天文リフレクションズさんのお題「魔女の横顔星雲」から撮影を開始。月があるので、それなりに仕上がればいいかなぁという程度で挑みました。当初、300mmで5分露出を予定してましたが、時々強い風に煽られるため、1分露出、高感度多枚数撮影に切り替えました。結果90枚撮って12枚がボツ。90%近い歩留まり確保でまずまずの結果でした。こんな日は「高感度短時間露出多枚数撮影法」が一番です。
月も沈み、「さぁこれからだぞ~」という期待がグンと高まってきました。ところが風が収まる気配がありません。それどころか突風混じりに変わってきて、周辺の森がゴーゴー唸っています。試しにトリオ銀河を30枚撮ってみましたが、使えるのは半分程度。なんだかやる気がなくなって、帰りたくなってきました。一応、風が収まらないことを想定して、40mmレンズも準備してましたが、すっかり意気消沈したので早く帰ってとっとと寝ることにしました。この日は強風のため、私が通過した後でアクアラインが通行止めになったようです。早々に切り上げてラッキーでした。 おしまい。(笑)
 
Photo_20210218164801
●トリオ銀河
2021年2月16日21時50分20秒~ キヤノン EF300mm F2.8L IS II USM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 1分露出×14枚コンポジット ステライメージ9、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premium βによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
コンポジットなどの初期処理用のソフトをステライメージ7から9にアップグレードしました。8も購入していたのですが7とほとんど変わってなくて、まったく使わず、内心忸怩たる思い(笑)でした。9はファイル表示やコンポジットがかなり高速化されていて快適です。私のように8で悔しい思いをした方も、9のスピードアップには納得できると思います。
※一部機能はアップデートを適用しないと遅いままらしいので、最新版をダウンロードしてください。
 
https://www.unitec.jp.net/

2021年2月11日 (木)

600mm4分露出ノータッチ追尾によるかもめ星雲。

Photo_20210211102701
●かもめ星雲
2020年2月9日20時55分40秒~ シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | C 600mm 絞りF6.3開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 240秒露出×25枚コンポジット ステライメージ9、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
9日は平日でしたが、Premium仕様の動作確認など、もろもろ試したいことがあったので、近場の房総へ出かけました。 V-Spec Premiumのノータッチ撮影は前回420mm、4分露出(こちらこちら)でしたが、今回、600mm、4分露出にハードルを上げてチャレンジしました。対象は「かもめ星雲」。焦点距離600mmともなると迫力も増してきます。V-Spec Premiumのピリオディックモーションは、±2.5″前後と超高性能ですが、極軸設置誤差、大気差などを考えると、ノータッチ撮影もこのあたりで限界がみえくるようです。もちろん星像の流れをどこまで許容するかや、高感度短時間露出多枚数撮影などで限界も変わってきます。参考に今回撮影のピクセル等倍画像を掲載します。
 
Photo_20210211105801
600mm 4分露出のピクセル等倍画像、横が赤経方向です。25枚中、左が追尾良好なコマ、右が標準的なコマです。EOS 6Dに600mmだと、1ピクセル2.25″になります。左の良好なコマが1ピクセルのズレ、右の標準的なコマが2ピクセルのズレです。V-Spec PremiumのPモーション(1周期約6分50秒)は±2.5″前後ですから、4分露出でこの結果は性能通りということになります。左は合格としても右はどうでしょうか。ちょっと流れすぎと感じる場合は、高感度短時間露出やオートガイドが必要になってきますね。2~3分露出ならほぼ1ピクセル以内のズレに入ると思います。焦点距離600mmのノータッチでこここまで露出ができるポタ赤はSWAT以外にないと思います。

ガイドエラーの原因にはPモーション以外にも極軸設置誤差や機材の剛性不足、大気差、風、軟弱な地盤などいろいろあります。極軸設置については、南中前後の南天の星を撮影して徐々に赤緯方向にズレていくときは極軸の方位誤差が疑われます。赤経方向では、一定速度で東か西にズレていくときは、追尾速度が合ってないか、極軸の高度誤差が考えらえます。たとえばこのかもめ星雲を導入して試写したときは、星が徐々に東にズレいきました。追尾がちょっと速いのですが、赤道より南の天体が南中前後にいるなら、極軸が少し上を向きすぎている状態です。このときは少しだけ極軸を下げてピッタリ追尾することを確認しました。電子極望で合わせたとしても、若干の誤差はあります。長焦点でノータッチ撮影するときには注意が必要です。
 
Photo_20210211121301
焦点距離600mmでノータッチ4分露出のテスト撮影をしていた23時35分過ぎ頃に、流星が飛び込んで来ました。600mmの視野にこれだけ大きな流星が写ったのは初めてです。このとき、クルマの中にいたのですが、サイドミラーがパッと明るくなったので、どなたかのヘッドライトが差し込んだのかと思ったのですが、通過車両もなく、流星だったのかもと思いそのまま忘れてしまいました。翌朝、撮影した画像をチェックしていたら、ドバッと光跡が横切るカットがあったので、最初は派手な飛行機だなぁと思ったんですが、真っ白けの元画像を軽く処理したら、流星でした。まさかあの時のフラッシュが写っていたとは。何かいいことありそうです。(笑)

平塚市博物館の藤井大地さんのTwitterに同じ時刻の火球の情報がありました。
https://twitter.com/dfuji1/status/1359160739244756994
 
https://www.unitec.jp.net/ 

2021年2月 1日 (月)

SWAT-350/310スタンダードモデルにスペシャルモード(PEC)搭載。

Swat350pmotion

SWAT-350/310スタンダードモデルの追尾精度が20%以上向上!
ピリオディックモーション±7″前後を誇るSWAT-350/310のスタンダードモデルに追尾精度をさらに向上させるスペシャルモード(PEC)を搭載します。ユニテックではV-Specで培ったPEC補正技術をSWAT-350/310のスタンダードモデルにも惜しみなく投入。東側偏荷重時のモーションを不揮発メモリに記憶して、その逆位相で駆動を制御するパーマネントPECによって、Pモーションを20%以上向上させます。その結果、追尾精度はなんと±5.5″前後を達成。ノータッチ撮影の幅が大きく広がります。上のグラフはその一例で約4周期分(約30分間)が記録されています。ノーマルモード(青ライン)では±7″程度ですが、スペシャルモード(緑ライン)では±5″以下まで改善しています。最終追尾試験を室内測定とすることで、検査コストが下げられたため、価格は据え置きです。
※スペシャルモードは北半球の東側偏荷重限定です。南半球ではノーマルモードでご使用ください。

■SWAT-350/310スタンダードモデルへのスペシャルモード追加改造について
SWAT-350/310にスペシャルモード(PEC)を追加するサービスを承ります。改造費は以下の通りです。お申し込みは、タイトルを「スペシャルモード改造」としてメールでお願いします。ユニテックWEBサイト、トップページ右上のお問合せからも送れます。
(1)SWAT-350(DEC搭載モデル) 12,000円(税別)
(2)SWAT-350/310(2018年後期モデル~) 18,000円(税別)
(3)SWAT-350/310(2013年~2018年前期モデル) 28,000円(税別)
(4)SWAT-300(2013年~2017年) 28,000円(税別)
※2013~2018年前期モデルは、側面パネルのモードLEDが四角です。2018年後期モデルからは、モードLEDが丸いです。
※2021年1月にSWAT-350/310スタンダードモデルをお買い求めのユーザー様は特価6,000円(税別)にてアップグレード対応します。お買い求めの日付がわかる領収書または納品書(コピー可)をご提示ください。
※(3)2013年~2018年前期モデルと(4)SWAT-300はオーバーホールを含みます。異常が見つかった場合はご連絡します。
※SWAT-300につきましては、筐体が青(アルマイトまたは塗装)のモデルに限ります。赤いモデルは対象外です。
※お預かり期間は約1週間です。

■V-spec改造との違い
V-spec改造はスペシャルモードの追尾精度がさらに高精度な±4.5″前後で、東西両偏荷重に対応したPECデータを搭載します。ノーマルモード(東側偏荷重時)も±5.5″前後と高性能です。また南半球回転も考慮した設定を施します。改造費は49,000円(税別)です。
 
https://www.unitec.jp.net/

« 2021年1月 | トップページ | 2021年3月 »