« SWAT-350/310スタンダードモデルにスペシャルモード(PEC)搭載。 | トップページ | 天リフのお題「魔女の横顔星雲」を撮る。 »

2021年2月11日 (木)

600mm4分露出ノータッチ追尾によるかもめ星雲。

Photo_20210211102701
●かもめ星雲
2020年2月9日20時55分40秒~ シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | C 600mm 絞りF6.3開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 240秒露出×25枚コンポジット ステライメージ9、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-350V-spec Premiumノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
9日は平日でしたが、Premium仕様の動作確認など、もろもろ試したいことがあったので、近場の房総へ出かけました。 V-Spec Premiumのノータッチ撮影は前回420mm、4分露出(こちらこちら)でしたが、今回、600mm、4分露出にハードルを上げてチャレンジしました。対象は「かもめ星雲」。焦点距離600mmともなると迫力も増してきます。V-Spec Premiumのピリオディックモーションは、±2.5″前後と超高性能ですが、極軸設置誤差、大気差などを考えると、ノータッチ撮影もこのあたりで限界がみえくるようです。もちろん星像の流れをどこまで許容するかや、高感度短時間露出多枚数撮影などで限界も変わってきます。参考に今回撮影のピクセル等倍画像を掲載します。
 
Photo_20210211105801
600mm 4分露出のピクセル等倍画像、横が赤経方向です。25枚中、左が追尾良好なコマ、右が標準的なコマです。EOS 6Dに600mmだと、1ピクセル2.25″になります。左の良好なコマが1ピクセルのズレ、右の標準的なコマが2ピクセルのズレです。V-Spec PremiumのPモーション(1周期約6分50秒)は±2.5″前後ですから、4分露出でこの結果は性能通りということになります。左は合格としても右はどうでしょうか。ちょっと流れすぎと感じる場合は、高感度短時間露出やオートガイドが必要になってきますね。2~3分露出ならほぼ1ピクセル以内のズレに入ると思います。焦点距離600mmのノータッチでこここまで露出ができるポタ赤はSWAT以外にないと思います。

ガイドエラーの原因にはPモーション以外にも極軸設置誤差や機材の剛性不足、大気差、風、軟弱な地盤などいろいろあります。極軸設置については、南中前後の南天の星を撮影して徐々に赤緯方向にズレていくときは極軸の方位誤差が疑われます。赤経方向では、一定速度で東か西にズレていくときは、追尾速度が合ってないか、極軸の高度誤差が考えらえます。たとえばこのかもめ星雲を導入して試写したときは、星が徐々に東にズレいきました。追尾がちょっと速いのですが、赤道より南の天体が南中前後にいるなら、極軸が少し上を向きすぎている状態です。このときは少しだけ極軸を下げてピッタリ追尾することを確認しました。電子極望で合わせたとしても、若干の誤差はあります。長焦点でノータッチ撮影するときには注意が必要です。
 
Photo_20210211121301
焦点距離600mmでノータッチ4分露出のテスト撮影をしていた23時35分過ぎ頃に、流星が飛び込んで来ました。600mmの視野にこれだけ大きな流星が写ったのは初めてです。このとき、クルマの中にいたのですが、サイドミラーがパッと明るくなったので、どなたかのヘッドライトが差し込んだのかと思ったのですが、通過車両もなく、流星だったのかもと思いそのまま忘れてしまいました。翌朝、撮影した画像をチェックしていたら、ドバッと光跡が横切るカットがあったので、最初は派手な飛行機だなぁと思ったんですが、真っ白けの元画像を軽く処理したら、流星でした。まさかあの時のフラッシュが写っていたとは。何かいいことありそうです。(笑)

平塚市博物館の藤井大地さんのTwitterに同じ時刻の火球の情報がありました。
https://twitter.com/dfuji1/status/1359160739244756994
 
https://www.unitec.jp.net/ 

« SWAT-350/310スタンダードモデルにスペシャルモード(PEC)搭載。 | トップページ | 天リフのお題「魔女の横顔星雲」を撮る。 »

天体写真」カテゴリの記事