SWAT-330+ボーグ71FLノータッチで馬頭星雲付近。
●馬頭星雲付近
2021年12月4日22時23分~/2017年10月27日1時49分~ ボーグ 71FL+レデューサー0.72× 合成焦点距離 288mm/F4.1 IDAS HEUIB-IIフィルター キヤノン EOS 6D(HKIR改) ISO3200 90秒露出×158枚/120秒露出×66枚コンポジット(総露出6時間9分) SWAT-330にてノータッチ追尾(2021年)/SWAT-350+M-GENにて一軸オートガイド(2017年) ステライメージ9、Photoshopで画像処理 千葉県大多喜町
4日の遠征で、もう一台の方のSWAT-330にはボーグ71FL+レデューサーを搭載。これでも、3年前に同じ構成で撮った「馬頭星雲付近」を撮り増しして、さらに高画質を目指しました。比較すると暗部のノイズ低減と分子雲描出に効果てきめんなのがわかります。炙り出し耐性がアップするので、かなり強引な処理でも破綻せずに処理できます。今回の撮影は、SWATの末弟「SWAT-330」です。SWAT-350より若干追尾精度は劣ります。それでも露出を90秒に抑えたことで、160枚撮影してロスは2枚でした。
約4時間にわたる撮影の最終盤(撮影終了20分前)に荷重移行が起きました。自分のブログでは、撮影終了予定時間まで「東側偏荷重が維持されていることを確認」なんて書いておきながら、このときは適当にバランスを崩して撮影してました。左右方向が赤経で左が東です。途中、左(東)方向にピョンと飛んでます。東側偏荷重だったのが、極軸の回転に伴って、徐々にバランスが合い、ついには西側偏荷重に移行する瞬間です。ですので、ウォームギアの反対の面に向かってスッと動いて、レンズがバックラッシュの量だけ、西に向いたわけです。流れているのは2コマですから、1コマ1.5分露出なので、今回は2~3分程度(ロスタイム?)で荷重移行が完了してます。移行時間は赤道儀のそのときのコンディションによって異なります。長いときは10~20分にわたって安定しないこともありますので、やはり撮影前に東側偏荷重が維持されていることを確認してから撮影に入る方がいいです。ちなみに荷重移行が起きた時間は2時20分。このときのオリオン座は南中を約2時間経過してます。小刻みに左右に動いているがピリオディックモーションです。今回はちょっとしたテストのためPECを効かせてないので、素のギアの精度が出てます。東側偏荷重の時が±9″、西側偏荷重で±14″です。この精度でもSWAT-330の公称値(±14″前後)をクリアしてますが、製品は東西偏荷重の差が少なくなるようにプログラムされています。一般的に赤道儀は東西偏荷重時で追尾精度が異なります。通常は東側偏荷重を重視して作られています。お持ちの赤道儀がどちらが精度がよいか調べてみるのも面白いかもしれません。メーカーとしては東側偏荷重でのご使用を推奨しております。
SWAT-330/350にはボーグ71FLのような6~8cmクラスの短焦点鏡筒がベストマッチです。
11日5時(東京)薄明開始直前のレナード彗星の位置。地平高度10°ですから、真東の低空が開けた場所が条件です。薄明開始後でも充分撮影は可能です。ぜひ狙ってください。
※当初掲載した天体情報の座標に誤りがあったため、10日14時50分に更新しました。申し訳ありませんでした。星図内の位置表示は正しいです。
https://www.unitec.jp.net/
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