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2022年6月

2022年6月15日 (水)

シグマ 105mm Artで撮るバンビの横顔付近。

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●バンビの横顔付近
2022年5月29日23時58分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×31枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 Photoshopにて画像処理 撮影地千葉県大多喜町
 
さそり座尾部を撮り終えた後、バンビの横顔を狙いました。105mmレンズ縦構図だと、バンビの横顔を中心に配置すれば南にM8干潟星雲、M20三裂星雲、北にM16わし星雲、M17オメガ星雲がバランスよく収まります。M8の左には大型球状星団M22が105mmレンズでも明らかに球状星団とわかる姿で写ります。さそり座尾部に比べて、地平高度も高くなり、かなり撮りやすいエリアですので、ぜひ狙っていただければと思います。SWATなら焦点距離105mmを余裕でノータッチできます!
  
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PixInsightで写真星図を作成。
 
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2022年6月13日 (月)

300mmノータッチ追尾によるさそり座のカラフルタウン。

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●アンタレス周辺
2022年5月29日22時34分~/2019年3月9日02時08分~/2018年5月10日23時32分~ シグマ APO 300mm F2.8  絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 120秒露出×130枚 ISO3200 60秒露出×145枚+短時間露光をHDR合成 Photoshopで画像処理 SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
  
さそり座の一等星アンタレス付近はいつの頃からは知らないですが、「カラフルタウン」と呼ばれるようになりました。その名の通り、赤、黄、青のとても美しい星雲と暗黒帯、おまけに巨大球状星団のM4と、いくつもの天体が構図いっぱいにひろがり、まるでネオン街のような感じです。画像は毎年少しずつ撮影枚数を稼いで、トータルの総露出は6時間45分となりました。最初の頃の作例(総露出約3時間)と比べると淡い部分の描出が優れていることがわかります。同じ対象(構図)を同じ光学系で撮り増していけば、楽な加算合成で画質の向上が見込めます。このように少しずつ画質を高めていく楽しみができるのもデジタルの恩恵ですね。SWAT-350なら300mmクラスのノータッチ撮影が可能です。オートガイドの煩わしさから解放されて、星空を楽しみながらのお気軽な撮影でも、高品位な天体写真をものにできます。
 
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2022年6月11日 (土)

シグマ105mm F1.4 Artで撮るさそり座尾部。

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●さそり座頭部
2022年5月29日22時56分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×31枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 Photoshopにて画像処理 撮影地千葉県大多喜町
 
先日ブログにアップしたさそり座頭部に続いて撮影したさそり座の尾部です。さそりの尻尾付近は南の空にとても低く、構図下辺の南中時の地平高度(撮影地)はわずか10°ほどしかありません。しかも比較的好条件で撮影できるのは南中前後1時間半のせいぜい3時間ほどしかなく、街の光害が落ち着く午後10時以降に撮影したいとなればチャンスはおのずと少なくなります。ぜひ春先から狙いを定めて好条件を逃さないようにしたい対象です。さて、画像に華を添える赤い散光星雲は中央上が彼岸花星雲、その下が出目金星雲、ちょっと右に下がってえび星雲です。天の川の暗黒帯が複雑に入り交じったなかなか撮り甲斐のあるエリアです。天の川を配置した広角から、超望遠による個々の天体のクローズアップまで、様々な焦点距離で楽しめますので、ぜひレンズを向けていただければと思います。
 
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PixInsightで天体名を入れてみました。設定はデフォルトのままですが、なかなかいい感じの写真星図になりました。
 
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2022年6月 5日 (日)

第10回「星の村天文台☆星まつり」に参加しました。

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6月3日から5日に福島県で開催された「星の村天文台☆星まつり」に初参加しました。好天に恵まれ、夜は二晩ともほぼ快晴。私がいつも撮影している房総よりもひとクラスうえの星空を堪能できました。ここ数年、台風やらコロナやらで、開催できませんでしたが、今年は多くのお客様が集まって活気あふれるイベントになりました。ユニテックとしては初参加でしたが、来年からはもう少し気合いを入れて、展示していきたいと思います。さて、上は開会式の様子です。田村市長さんや大野台長さんのご挨拶でイベントが始まりました。
 
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多くの天文ファンが集結。隣接した駐車場は満車状態でした。
 
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ユニテックは外山電子さんのブースを間借りして、SWAT-350V-specを展示。

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夜には快晴になって、素晴らしい星空が広がりました。

ご来場のお客様、スタッフの皆様、どうもお疲れ様でした。楽しいイベントでした。また来年もお会いしましょう。
今年は各地のイベントが無事に開催できるといいですね。ユニテックは「胎内星まつり」(2022年8月26日~28日予定)とるり渓の「星をもとめて」(2022年9月18日~19日予定)に参加予定です。開催が決まれば、ブログでご案内します。
 
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2022年6月 2日 (木)

シグマ APO 300mm F2.8で撮る青い馬星雲。

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●青い馬星雲
2022年5月29日20時50分~ シグマ APO 300mm F2.8  絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 2分露出×39枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 Photoshopで画像処理 SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
5月29日の房総遠征で、もう一台のSWATに搭載したのがシグマ APO 300mm F2.8望遠レンズ。露出2分でV-specスペシャルモードでノータッチ追尾としました。対象はさそり座のIC4592「青い馬星雲」です。前回ブログの上の方に写っている星雲で、青い光芒がとても美しい反射星雲です。画像は北を上にしてますが、逆さにすると馬の横顔が想像できると思います。さそり座は低空のため透明度がイマイチなうえ、星雲自体も淡いので、なかなか難しい対象です。光害の少ない場所で、なるべく明るいレンズを使って露出もたっぷりと稼ぎたいところです。今回F2.8で80分弱の総露出ですが、無理に炙って描出したので、かなり荒れてしまいました。もっと撮り増しして画質を高めていきたいと思います。
 
BeforeAfter
上のGIF動画は光学極望で極軸設置直後と微調整後の比較です。JPEG撮って出しをピクセル等倍で切り出しました。上方向が北です。左が最初に撮った10枚ですが、星が南に下がっていきます。ちょっと極軸ズレが大きかったようで、焦点距離300mm 2分露出でも星像が赤緯方向に少し流れてしまいました。ピリオディックモーションならば東西(上のGIFでは左右方向にわずかに確認できます)に行ったり来たりします。今回は星像の流れが主に赤緯方向の一定の動きなので、極軸の設置誤差が強く疑われます。このように星像の流れの方向はエラーの原因究明の判断材料になりますので重要です。また東西の一方向に少しずつ動いていくのは、大気差や極軸の高度誤差で追尾速度が合っていないことが考えられます。そこでドリフト法に則って極軸微動ユニットの水平微動を使って適当に西に振ってから撮り直したのたが右です。まだ補正が足りませんが、明らかに流れが少なくなって星像も良好になりました。ちょっとした技ですが、成功率を高められます。余談ですが、さらに極軸の高度を微調整する(赤道より南のさそり座付近なら極軸を少し下げる)と見かけの追尾速度が遅くなって、赤経方向もより一致させることができます。わざと極軸をずらすこの方法は同じ撮影方向の天体だけを撮るなら有効ですが、撮影エリアを大きく変えたときに合わなくなりますので要注意です。一番手っ取り早いのは、単に露出時間を短くすることです。今回は120秒露出ですが、90秒にすれば、最初のセッティングでも点像になったと思います。ちなみに作例画像には少し流れたコマを含めて、すべてコンポジットに使いました。
 
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色調と露光量を調整しただけの撮って出し画像です。馬の横顔は鼻っ面が心の目で見るとなんとかわかる?程度です。これだけ淡い対象は、やはりそれなりの総露出時間が必要ですね。

■イベントのご案内
 
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3日から福島で開催される「星の村天文台☆星まつり」に参加します。外山電子さん、陣馬写真工業さんと一緒のブースで、追尾精度測定サービスを実施する予定です。赤道儀をお持ちいただければその場で計測いたします。ぜひ遊びにいらしてください。
※悪天候の場合は精度測定を実施しない可能性がございます。※5日(日)は参加しません。
 
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2022年6月 1日 (水)

シグマ105mm F1.4 Artで撮るさそり座頭部。

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●さそり座頭部
2022年5月29日21時20分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×51枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 Photoshopにて画像処理 撮影地千葉県大多喜町

5月29日の遠征では、シグマ 300mm F2.8と 105mm F1.4 Artを2台のSWATでノータッチ撮影しました。まず、105mm Artで撮影したのが「さそり座頭部」です。縦構図の画角の上部に青い馬星雲、中央左にカラフルタウンと呼ばれるアンタレス付近を配置してみました。ちょっと構図的に中途半場ですが、いずれアンタレスの左側を撮り増ししてモザイクで広げたいと思います。今回は試し撮りを含めて51枚撮影しましたが、流れたカットはなしで、すべてコンポジットに使えました。連続撮影した50カットをGIF動画にして掲載します。
 
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JPEG撮って出しピクセル等倍切り出しをGIF動画にしました。インターバル時間を含めて約1時間18分、すべて点像で歩留まり100%です。低空のため見かけの星の動きが遅いのと極軸設置誤差(光学極望にてセッティング)で徐々に南東(左下)方向に動いています。Premiumは低空追尾モードがあるのですが、あるのをすっかり忘れてました。(笑) バックグラウンドの明るさが変化しているのは、夜が更けるにつれて光害の条件がよくなっているためです。地平高度もやや高くなっているからかもしれません。
 
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PixInsightで座標と天体名を入れてみました。ちょっとした写真製図になります。
 
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今回の撮影エリアは赤い枠で囲った部分です。さそり座は地平高度が低いため、好条件で撮影できるチャンスは少ないです。梅雨入り前までの晴れた日に、ぜひ撮っておきたいエリアです。
 
今週末は、福島で開催される「星の村天文台☆星まつり」に参加します。初めての参加なので、まずはどんなイベントなのか様子伺いということで、外山電子さんと陣馬写真工業さんとご一緒させていただく予定です。ブースでは追尾精度測定サービスを実施する予定ですので、ご自分の赤道儀がどれくらいの追尾精度なのか測りたい方は、お持ちいただければその場で計測いたします。ぜひ遊びにいらしてください。
※悪天候の場合は精度測定を実施しない可能性がございます。
 
https://www.unitec.jp.net/

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