SWATで自動導入!? これは画期的アイデア!
「ほしぞloveログ」でいつも有意義な情報を発信中のSAMさんは、SWAT生産でご協力いただいている陣馬写真工業代表の土生さんの後輩でSWAT-200のユーザーさんでもあります。先日の福島のイベントでお会いした際に、ひょんなことからいろいろ遊べるSWAT-350をご購入いただきました。このSWATはデモや貸し出しで長期間使用した中古品でしたが、きっちり再整備してPremiumとしての性能を確保したものです。
そのSAMさんから「面白い使い方を思いついたのでお楽しみに」と連絡あり、ブログをのぞいてみると、なんとSWATとSky‐WatcherのAZ-GTiを組み合わせて、お気軽自動導入という高度?な使い方を発見してしまったという記事でした。これは素晴らしい! SWATは2軸ではないので、自動導入は無理なのですが、安価なAZ-GTiと組み合わせれば、簡単に自動導入が可能になるという夢のある内容でした。
※AZ-GTiは2023年6月末現在、協栄産業東京店様、大阪店様、シュミット様にて特価33,800円(税込)で販売しています。
SAMさんのブログはこちらから→ http://hoshizolove.blog.jp/archives/49459659.html
SAMさんの「ほしぞloveログ」をぜひご覧ください。
SWAT-350にAZ-GTiを組み合わせたときの外観。ジャストフィットといった感じですね。
SAMさんのブログの最後の方に「今回の撮影の失敗点ですが、ノータッチガイドだけありどうしてもわずかなドリフトが出てしまい、数時間という露光時間のオーダーだとゆっくり画角が一方向に流れていきました。これが結果として、縞ノイズとなって出てしまいました。」とあるのは、3分露出の星像が流れたということではなくて、一枚一枚の星像は点像ですが、極軸誤差や大気差、機材の撓みなどの影響で、2時間にわたる撮影時間中に星の位置が一方向に少しずつ動いていくということです。そのときのセッティングによりますが、30分くらいの連続露出を位置合わせしないで比較明合成すると明らかに星像が流れていると思います。星の動きは一定のように思えますが、実際には空の位置によって見かけの移動速度が変わるうえ赤緯方向の成分を含むこともあるので、どんなに精密に一定速度で駆動しても完全に追尾することはできません。大気差の影響についてはこちらをご覧ください。
縞ノイズは画像の背景ノイズが星の移動の分だけ一定方向に流れたように現れる現象で、画像処理で星雲を強度に炙り出す場合はその対処に苦労させられます。縞ノイズを防ぐにはディザリング(赤経赤緯を少しずつずらしながらノイズと星の位置関係を微妙に変えて撮る方法)が効果的ですが、撮影のコマ間に赤経赤緯を微動させる方法は、ギアのかみ合いの安定性が損なわれて撮影結果に悪影響(バックラッシュ内でフラつく)を及ぼすことも考えられるので注意が必要です。
それからAZ-GTiで自動導入後、恒星時運転をSWATに切り替える際に電源を投入するとイニシャル動作で位置がずれてしまいます。SWATもあらかじめ電源を入れてイニシャル動作を終わらせた後に駆動セレクタを「DEC」モードにすれば停止します。AZ-GTiで自動導入後に「STAR」モードにすれば、ズレは最小限に抑えられます。
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