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2024年8月19日 (月)

SWATで自動導入やディザリング撮影が可能に

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ほしぞloveログ」で有益な情報を発信中のSAMさんより、SWATを使った自動導入&ディザリング撮影に成功したとのメッセージをいただきました。自動導入は一年前のブログで実現していたのですが、今回は上級者の必須テクニック「ディザリング撮影」まで実現したとのことです。
SAMさんのこのシステムは、追尾精度が異様に高いけど自動導入できないSWATと安価で自動導入できるけれど追尾精度が劣るAZ-GTiを組み合わせて、両方のいいとこ取りをしようという発想で生まれたシステムです。SAMさんは愛着を込めて SWAgTi (gは発音せず、スワッティ)と呼んでいます。このシステムの何が便利かというと、目的天体を自動導入できて、SWATのグレードにもよりますが、焦点距離300mm(露出時間を調節すれば500mmクラスでも)くらいまでなら、なにかと面倒くさくて失敗の原因にもなりがちなオートガイドをしなくても安定して星を点像に写せることです。今回ディザリングまで可能になったことで、上級者の高度な撮影テクニックにも対応できるようになり、SWAgTi 単体でのお気軽な撮影はもちろん、サブ機としてのほったらかし撮影でもものすごい高品位な元画像を得られるので貴重な晴れの時間を無駄にしないですみます。
ディザリングは任意の枚数を撮影した後、構図をわずかにずらしながら撮影を継続する方法で、カメラに固有の様々なノイズを低減する効果があり、上級者の必須テクニックになっています。ノイズの低減効果は劇的でダーク減算を省いても問題ないほど。忌まわしいシマシマノイズともおさらばです。
興味のある方はSAMさんのブログをぜひご覧ください。こちらで→ https://hoshizolove.blog.jp/archives/52348766.html

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SAMさんがSWAgTiでテスト撮影したM27亜鈴星雲。FS-60CB、3分露出×40枚(2時間露光)
ダーク補正、バイアス補正を省いてもノイズ感がないこの結果を得られました。光学系によってはフラット補正も必要ないかもしれません。(上の画像もフラット補正してない)

以下、SAMさんのブログよりまとめのコメントです。
「ここまで使えるようになると、このSWAgTiで色々試したいことが出てきます。軽くて、コンパクトで、設置も楽。精度も出るし、機能的にも十分。5kg以下の機材は全てSWAgTiまかせにしてよさそうです。CGX-LもしくはCGEM IIとSWAgTiの2台体制でも、時間的にも精神的にも十分余裕が出そうです。使用頻度が大幅に増える予感しかありません。」

SAMさんのご厚意により、9月15日に京都で開催の「星をもとめて2024」でデモ予定です。
(ユニテックは今年の胎内星まつりには参加しません)

https://www.unitec.jp.net/

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