伊豆大仁での紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
●紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
2024年10月14日18時10分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO400 4秒露出×26枚コンポジット(彗星核基準) SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 静岡県伊豆の国市大仁
昨日の関東付近の天気予報で晴れる可能性が高そうだったのが伊豆半島でした。実は別件でこの地へ行く用事があったので、そのついでといっては何ですが、せっかくなので晴れたら紫金山・アトラス彗星を撮るつもりで105mmレンズとカメラ、赤道儀関係を積み込みました。本当に久しぶりの撮影で一年以上撮ってなかったと思います。あまりに間隔が空いたので、何かやらかしそうで心配でしたが、無事に機材を組み上げてスタンバイ完了しました。仲間内からの情報で肉眼で見えるということでしたが、金星以外なかなか見えません。やきもきしているとアークトゥールスが見え始めました。金星とアークトゥールスの真ん中あたりと聞いていたので、そのあたりに目を凝らすとなにやら怪しい光芒を感じました。その付近にカメラを向けてシャッターを切ると見事な尾を引いた彗星が写っていました。時間の経過とともにはっきり尾を引く彗星が見えてきました。「こりゃ大彗星だわ」と思いながら撮影を始めました。
撮影中、彗星の方向に動きの遅い雲が出て、写野に居座ってしまいました。残念ですが仕方ないです。これだけ撮れれば充分です。上の画像は彗星核基準でコンポジットしたものです。地上部分は地上のみ数枚コンポジットしたものを最後のコマの地上に合わせて貼り付けました。それで流れてない画像になっています。彗星らしい姿は一枚でも見事に写せましたが、一枚ではまったく確認できないアンチテイルがコンポジット後に炙り出すことで描出できました。
今回、撮影しながら地元の方や同じホテルに宿泊の星好きなお客さんに声を掛けてもらって、彗星が沈むまでの小一時間、天文談義に花が咲きました。趣味を通してこういったコミュニケーションがとれるのも楽しいものですね。
SWATは終始安定していて無事に撮影終了。片付けも三脚ごとクルマの脇まで運び、バラしてトランクに詰め込み終わるまでわずか10分程度です。このお気軽さはポータブル赤道儀ならではですね。
現地到着時に富士山を望む。いい天気です。
こんな感じに組み上げて、極軸をだいたい北に向けただけです。105mm程度で短時間露光の場合、この程度のセッティングで充分です。
今回はアリミゾキャッチャーにアルカスイスアタッチメントを介してシンプルフォークDX2を装着して2軸運用としていますが、シグマ105mm Artは三脚座でレンズを回せるので3軸となります。赤経赤緯で彗星導入後にレンズを回して地上を水平にしました。
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)はまだまだ楽しめます。来週は薄明終了後の月明かりのない時間帯がチャンスです。露出をかけて尾の淡い部分まで写った壮大な彗星の姿をものにできるかも。私も狙います!
色調整しただけのJPEG撮って出し。
https://www.unitec.jp.net/
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