レポート

2022年5月15日 (日)

SWAT-330レビュー動画のご紹介。

Swat330_20220515090701
SWAT-350V-spec Premiumの紹介ビデオを制作いただいた蒼月様に、今回はSWAT-330のレビュー動画を作っていただきました。意外なほどの高性能と評価いただいております。SWATを選択する上での参考になると思いますので、ご購入を検討されている方はぜひご覧いただければと思います。動画はこちらからどうぞ。(https://www.youtube.com/watch?v=mLfxG3Hh4mk
 
■動画のコメントより
今回は、ユニテック製ポータブル赤道儀 SWAT-330 のレビューです。SWATシリーズのエントリーモデルと言える機種ですが、使ってみると予想以上に高い性能であることがわかり、驚かされました。ポ○リエやスカ○メモでは性能的に不十分だけど Premium ほど高価で高性能なモデルはちょっと…という方や、これからポータブル赤道儀を買いたいけどどの製品にしようか迷っている方など、是非ご覧ください。

※お詫びと訂正
傾斜ブロックについての説明で、
16:58頃に角度を示している部分がありますが、図で示された部分の角度なら 90°-35°=55°です。お詫びして訂正いたします。

■本動画の主な内容は次の通り
0:00 op
1:36 今回のお話の内容
1:57 Chap.1 SWAT-330とは
8:19 Chap.2 開封の儀
9:26 Chap.3 撮影システム例 ①電源周り
11:10 Chap.3 撮影システム例 ②架台部
14:36 Chap.3 撮影システム例 ③搭載システム
18:04 Chap.4 撮影画像と精度検証 ①ノーマルモード精度検証
19:55 Chap.4 撮影画像と精度検証 ②東側偏荷重SPモードの精度
21:27 Chap.4 撮影画像と精度検証 ③SWAT-330を一言で言うと
22:46 Chap.4 撮影画像と精度検証 ④東側偏荷重SPモードでの作例
24:17 Chap.4 撮影画像と精度検証 ⑤2軸オートガイドでの作例
25:27 Chap.5 結局どんな人におすすめか

■ SWAT-330
https://www.unitec.jp.net/products.htm#SW33
 
Sh273
SWAT-330東側偏荷重スペシャルモードで撮影した Sh2-73。焦点距離288mm、EOS 6D、4分露出×28枚、ノータッチ。 詳細はこちらをご覧ください。
 
https://www.unitec.jp.net/

2021年11月17日 (水)

SWAT-350V-spec Premiumレビュー動画のご紹介。

Youtube
SWAT-200からのユーザーであり、「天体画像処理入門」でPixInsightの連載を執筆していただいた蒼月様渾身のSWAT-350V-spec Premiumレビュー動画が完成しました。ハイレベルなユーザー様の視点で、SWAT-350V-spec Premiumの良いところはもちろん、イマイチな部分も正直に語っていただきました。お使いになるときのコツにも触れていますので、お時間のあるときにぜひご覧いただければと思います。動画はこちらからどうぞ。(https://www.youtube.com/watch?v=Se3USw5viFU

■動画のコメントより
長年SWATユーザだった私から見た Premium の印象のほか、高い追尾精度を最大限に発揮させるための注意点や、追尾精度の検証、改善要望など、この製品に関する様々なことを話しています。情報満載なので、これから Premium を導入しようか迷っている方はもちろん、既に Premium をお持ちの方も是非ご覧ください。

■本動画の主な内容は次の通り
0:00 op
1:42 今回のお話の内容
2:22 Chapter1 ちょっとひと言
5:32 Chapter2 開封の儀
8:10 アクセサリーについて
9:50 Chapter3 主な仕様・特徴
12:46 駆動モードが11種類
16:01 Chapter4 使用方法概要
18:21 荷重方向限定スペシャルモードの選択方法
21:03 追尾性能を最大限に発揮させるために
26:16 Chapter5 追尾精度検証
33:12 Chapter6 雑感あれこれ
36:12 改善要望
41:26 精度検証用の画像を処理してみた
 
M45_71fl_14xtele_6d_premium_11x120s_2048
SWAT-350V-spec Premiumでテスト撮影したすばる。焦点距離560mm、2分露出ノータッチ。蒼月様のコメントはこちらをどうぞ。
 
https://www.unitec.jp.net/ 

2021年8月17日 (火)

SWAT-350V-specPremiumモニターレポート。

久しぶりのブログ更新です。今回はSWAT-350V-specPremiumモニターユーザーのKY様より作例を含めて使用レポートをお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
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●はくちょう座 北アメリカ星雲
コーワ プロミナー 焦点距離 350mm キヤノン EOS 6D(IR改造) SWAT-350V-specPremiumによるノータッチガイドで撮影

●SWAT-350 V-spec Premiumを選んだ理由
これまで様々なスタイルの赤道儀を使ってきましたが、満足いく星像を出すにはオートガイドが必要であったりそれなりの労力が必要で持ち出すのが億劫になっていました。そこで可能な限り気楽に撮影できるシステムを目指してSWAT-350 V-spec Premiumを選ばせて頂きました。
決め手になったのは下記の通り。
・ノータッチガイドで6D+350mm(1ピクセルあたりの画角FOVpp=3.84")を追尾する精度がある。
・剛性が高く、多少重い機材でも載せられる。
・フォーク式にすれば子午線越えを気にすることなく撮影できる。
 
Photo_2_20210817082701
アリミゾレールをL型に組み合わせてフォーク式に組み、コーワ プロミナーを搭載しています。
 
●機材構成
アリミゾレール2を2本L字に結合し、フォーク式としました。少し長めのアリミゾレール2でフォークとしたことで、EOS 6D + プロミナーを載せた際に北極まで干渉なくフリーに構図をとれます。(※アリミゾレール2をAS補強ブラケットでL字につなぐ際は1mmの隙間が出来るのでスペーサが必要になります。ワッシャーで可)なぜ北極まで向けるようにしているかというと、DPPA(Digital Photographic Polar Alignment)で極軸合わせをするためです。DPPAとは望遠鏡を極軸方向に向けて赤道儀を高速駆動させながら撮影して、撮影した画像から赤道儀の軸と極軸のズレを測って補正するものです。極望で極軸合わせをするだけでは6D+350mm(FOVpp=3.84")をガイドするには極軸精度が不十分であり、満足のいく星像を得ることが出来ませんでした。さらに極軸精度を上げるならPoleMasterを使うのが一般的だと思いますが、PCレスで運用できるようにしたかったため、DPPAでの極軸追い込みを採用しました。

●感想
何度かテスト撮影を重ねた結果、3分程度の露光であれば問題なく点像を保つことが出来るようになりました。1分露光で安定運用できればいいだろうと想定していたので、大満足の結果でした。スペシャルモードで追尾していれば、6D+350mm(FOVpp=3.84")の単写ではピリオディックモーションによる星像の伸びが気になることはありませんでした。
 
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↑のような写真を撮影して、赤道儀の極軸がどこを向いているか確認して、極軸を補正しています。
 
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↑透明な下敷きに真の北極付近の星を書いたスケールを作って、極軸合わせの補助に使っています。
 
●要望事項
①アリミゾレール2とAS補強ブラケットをスペーサ無しで組めるようにしてほしい。僅か1mmだけ隙間ができて組めないというなんともむずがゆい作りだったため、できれば改善してほしいと思いました。
②アリミゾキャッチャーの噛みこみを改善してほしい。東側偏荷重を作るためのバランス取りの際にアリミゾキャッチャーが噛みこんで外れなくなることがあったので、スムーズに外れるようにしておいてほしかった。アリミゾの噛みこみを外すためにせっかく合わせた極軸がズレてしまうことがしばしばありました。
 
■係より
このたびは、モニターレポートをお送りいただきまして、誠にありがとうございました。SWAT-350V-specPremiumは、スペシャルモードの追尾精度が±2.8″という、市販赤道儀で最高クラスの性能を持ったポータブル赤道儀です。天体撮影用に人気のキヤノンEOS 6D(画素サイズ6.5μm)と組み合わせた場合、赤道付近の天体で2ピクセルまでのズレを許容すると焦点距離480mmまで追尾できる精度です。ただし極軸設置誤差(極軸望遠鏡の設置精度は10′ほどなので、3分露出で約5″程度のズレが生じる )、大気差、機材の剛性などを考慮しない理論的な値ですので、実際には2~3分が実用範囲と思います。フィルム時代は±7″で300mmは余裕だったのですが、デジカメになってその精度ではまったく歯が立たなくなりました。作例画像は北アメリカ星雲ですが、完璧な星像でPremium仕様の性能を引き出した見事な作品になっています。
要望事項のアリミゾレール2を2枚、ASブラケットで組み合わせたときの隙間は次回ロットで改善いたします。(現仕様で組み合わせるときは1mm厚のワッシャー等のスペーサーをご使用ください。)なお、アリミゾレール2にアルカスイスレールLを組み合わせるときはピッタリ適合します。アリミゾキャッチャーで機材を搭載したままスライドさせてバランスを微調整すのは、軽量機材でしたらそこそこ機能しますが、重たくなるとなかなかスムーズにいかないです。だいたいの位置でしっかり固定して、支柱になるレールにカウンターウェイトを取り付け、それでバランス調整するのがストレスがなくおすすめです。運搬機材が重たくなって心苦しい限りですが、ご検討いただければ幸いです。
今後もPremium仕様の追尾精度を活かして、素晴らしい作品をものにしてください。よろしければ、作例コーナーにお送りください。お待ちしております。
 
https://www.unitec.jp.net/ 

2021年5月25日 (火)

SWAT-330モニターレポート。

SWAT-330ユーザーのSH様よりモニターレポートを送りいただきましたのでご紹介します。ご購入の際の参考にしていただければと思います。
 
6_20210525091901
7_20210525091901
●さそり座 カラフルタウン
2021年3月14日 SWAT-330ノータッチガイド BORG71FL+レデューサー Canon EOS 6D-HKIR ISO4000、120秒×60コマ 下は撮影中に流星が飛び込んだ記念のひとコマです。
 
■SWAT-330モニターレポート
SWAT-330、想像以上に高性能で使いやすくとても満足しています。モニターレポートと言って良いかどうかのレベルかと思いますが、それらしいものを纏めましたので送らせていたきます。写真は初心者レベルのものですが、初めて追尾撮影に挑戦してみたい方々には参考になるかもしれません。

●第一印象
初めて現物を目にして、インターネットなどで眺めた画像から想像していたよりも、一回り大きく&そして重いことに驚きました。無垢削り出しならではの剛性感と高品質感に性能への期待も高まります。全体の質感が高い中で唯一気になるのがプラスチッキーな極軸クランプです。あと本体にテーパーアダプターを取り付ける際、金属同士が触れ合うので美しいSWATに傷がつかないかなと心配になり養生用のテープを貼り付けて使っています。飾りにもなりそうなほど、工業製品としての美しさを兼ね備えているのでそう思ってしまいます。(笑)

●操作系について
シンプルで誤操作の起きにくいものだと思います。欲を言えばスペシャルモード起動の方法が小さく記載されていれば久しぶりに使う時に思い出せるので良いのでは。(説明書を忘れて一瞬不安になったので。)

●電源に関して
乾電池ボックスが付属されていますが、現代主流の電源はモバイルバッテリーだと思うので、以前紹介されていた5V-USB→12V-昇圧電源コードが標準付属またはオプションだったら良いかも。また、本体背面にモバイルバッテリー用ホルダーなどのオプションが欲しいです。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08J2NN73P/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_6SG80CPXV5YWCW3S077T

●私のシステム構成について
ビクセンの APP-TL130三脚にアダプターを介して直付。極軸ターンテーブルにスコープテック製ゼロ経緯台を装着。フリーストップのフォーク式赤道儀として実戦投入してみました。耐荷重15kgということで観望用に大きめな望遠鏡を載せることもできますが、撮影には小さめな望遠鏡の方が、ゆとりがある分だけ安心や信頼性につながります。三脚の脚の長さで極軸の調整はできますがやりづらく、やはり極軸微動ユニットは必須アイテムだと感じました。ぜひ追加購入したいです。
今回極軸ターンテーブルの1/4カメラネジに3/8インチカメラネジアダプターを介してゼロ経緯台を取り付けましたが、たった一本の細いネジで経緯台&鏡筒&カメラを支えていると思うと、とても不安です。色々なアダプターを介するほど高さ方向のモーメント荷重が増えてしまうので、出来ればターンテーブルが簡単に脱着できて取り付けネジが1/4インチと3/8インチを付け替えられるようになっていると嬉しいです。

●実際に使用して
今回は焦点距離265mmの直焦点ということでもちろん東側偏荷重スペシャルモードの使用です。剛性感があるので、構図の決定やピントの調整などもやりやすいです。追尾精度に関しては、添付のさそり座一枚もの写真にあるように星はほぼ点像でガイドエラーの確率も少なく、ノータッチ撮影に十分な精度を有していると思います。
 
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●SWAT330の存在意義
初めて手にする高性能ポータブル赤道儀ということであれば、性能&満足度の観点から、無理してでもSWAT-350、出来ればV-specが欲しいと思います。今までいろいろなポータブル赤道儀を使ってきました。(ナノトラッカー、初代ポラリエ、初代ポラリエ+テレスコ工作工房EQ3、スカイメモT、スカイメモNS、Jilva-170)それぞれに、軽くて小さいけど耐久性&信頼性が無かったり、充分に頑丈だけれど形状が使いづらかったり&極軸微動雲台周りの強度が不足したり、ハイテクだけれど機械的工作精度の悪さを感じたり、古くて頑丈で重かったりなど... 一長一短がありました。その中でJilva170をドイツ式へ改造し、極軸にはポールマスター、SWATのリモートコントローラーを使って赤経オートガイドなど、考えられるいろいろな改良を行いましたが、三脚や各軸等のたわみや大気差、極軸設定のズレなどにより高精度追尾をする究極的手段は2軸オートガイドとの結論に至り、SS-Oneで2軸駆動改造して使っていました。ふと、気づいたこと…、それでは普通の赤道儀と何ら変わらないかも(笑)また、パソコンも必要でフィッティング調整にかなりの手間暇がかかります。
そこで〜 SWAT-330! オートガイドをするには当然、星が出ている必要があり、昨今の地球温暖化による曇りがちの天気では常にオートガイドができるというものでもありません。であるならば、2分程度の短時間露光&多枚数コンポジットを前提に必要十分な精度の赤道儀でノータッチ放置ガイド撮影をして、出来たゆとり時間にのんびりと星空を楽しみたい。或いは星景写真にも取り組めます。
そういった観点で捉えれば、強度と耐荷重が高く、必要にして十分なノーマルモードでの追尾精度といざという時には東側偏心荷重スペシャルモードを備えた SWAT-330は「価格と性能のバランスが取れたとても良い選択肢」であると感じています。

どっぷり浸かって本気の撮影も楽しいですが、「のんびりお気軽に美しい星空写真撮影&リアル星見」。多様化の時代、そんなスタンスで楽しめるポータブル赤道儀としてオススメです。
 
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●おとめ座銀河団
2021年2月14日 SWAT-330ノータッチガイド BORG71FL+レデューサー Canon EOS 6D-HKIR ISO1600、120秒×16コマ
 
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●オリオン座 中心部
2021年2月14日 SWAT-330ノータッチガイド BORG71FL+レデューサー Canon EOS 6D-HKIR ISO1600、120秒×16コマ

●参考写真について
撮影した写真の編集になかなか時間をかけられないので、フラットやダーク、サブスクリプションの Lightroom を使わない「簡単手抜き処理」をテーマに画像編集を行っています。具体的にはsequatorでコンポジットの後、スマホのアプリPhotoshop & Lightroom の無料で使用できる機能の範囲で編集しています。ちょっと昔の天体写真みたいで、インスタ映えするような派手さはないですが...(笑) 画像処理も「時間を掛けず、お金も掛けず、お気軽に!」がテーマです。
 
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春の天の川とホワイトデー大火球
2021年3月14日 SONY α7c 固定撮影 名匠光学 11 mm f3.5位 ISO5000、20秒×30コマ
ボーグ71FL+SWAT-330でさそり座カラフルタウンをノータッチ撮影中に飛び込んできた流星は、広角固定撮影でも捉えていました。
 
■係より
このたびは、SWAT-330のモニターレポートお送りいただきまして、ありがとうございました。SWAT-330は性能的に充分ご満足いただけるレベルを確保して、価格をできる限り抑えたSWATのエントリークラスに位置するモデルです。必要に応じて上級機と同等性能へのアップグレード改造も可能にしています。今回のレポートでもスペシャルモード(東側偏荷重限定で±6.5″)を駆使してボーグ71FL+レデューサー(焦点距離265mm)の直焦点をノータッチ追尾で2分露出されていますが、ほとんどロスもなく上出来だったとのことです。レポートにもありますが、現行のSWATシリーズはすべてアルミ削り出し筐体に大型ベアリグを複数採用してるので、本体重量が2.5kg近くにもなってしまいます。気軽にカバンに入れてというわけにはいかないですが、重さも性能のうちということで、たいへん心苦しいですが辛抱していただければと思います。また撮影されましたら、作例コーナー用にぜひお送りください。お待ちしております。
 
https://www.unitec.jp.net/

2021年4月16日 (金)

SWAT-350V-spec Premium 312mm 5分ノータッチ撮影。

Premiumslmodetest
●テスト撮影(アンタレス付近)
ビクセンFL55SS(焦点距離312mm) ニコン D810A 5分露出 SWAT-350V-Spec Premium β仕様 ノータッチ追尾 拡大トリミング
 
Premium仕様のβテストをお願いしている吉田隆行様より実写結果をお送りいただきました。ビクセンFL55SS(焦点距離312mm)に高精細なニコンD810Aを組み合わせて、テスト的に5分露出×10枚のノータッチ追尾を行ったところ、全コマほぼ真円を保ったとのご報告をいただきました。追尾精度的(±2.8″前後)には1~2ピクセルほどのズレになると思いますが、実際にはシーイングの揺らぎなどもあって、実用上充分な星像が得られることが多いです。
今回はPremium仕様の新機能「低空モード」のテストもかねています。低空モードはアンタレスやM8干潟星雲、M83、などの南天低い天体に合わせた追尾速度で、恒星時より極軸一回転で約1分遅い速度になっています。上の画像は撮って出しの中心部を拡大トリミングしたもので、微恒星も点像を保っておりほぼ完璧に追尾できています。吉田さんをはじめとする超ベテランの方は大型メイン機材での撮影に集中しながらも、サブ機も稼働させることが多く、SWAT-350V-spec Premiumのような超高精度な赤道儀であれば、ノータッチほったらかし追尾でも高品位な元画像が得られるので、とても重宝していただけます。追尾精度が高いということは、焦点距離や露出時間を長くできるメリットがありますので、F値の暗いレンズでも性能を引き出せますし、高感度短時間露出で使えば歩留まりが格段に向上します。つまり撮影手法が広がることを意味します。
SWAT-350V-spec Premiumはもう少しテストを重ねて発売したいと思います。近日中にこのブログでモニターを数名募集しますので、興味のある方はよろしくお願いします。

●吉田隆行様のPremiumについてのブログ記事はこちらhttp://blog.ryutao.main.jp/?eid=1040134
  
Photo_20210416112401
吉田さんの撮影システム。とてもスッキリしたお手軽セットですが、鏡筒、赤道儀とも秘めた性能は一級品です。
 
https://www.unitec.jp.net/

2019年8月26日 (月)

SWAT-310V-spec(β版)レビュー。

Swat310
胎内星まつり2019ではじめて姿を現した「V-spec」(β版)のレビュー記事が天文リフレクションズさんのページに掲載されました。多くのページの割いていただき、超充実のレビューとなってます。どうもありがとうございます。SWAT-310はこれまでも天リフ山口さんの主力機として活躍してましたが、V-spec発表を前に一足早くアップグレードさせていただき、早速ご使用くださいました。SWAT-310V-specを使っての感想や作例、オプション群の紹介など盛りだくさんの内容になっています。ぜひご覧ください。こちらからどうぞ。(http://reflexions.jp/tenref/orig/2019/08/23/9283/

「V-spec」はSWAT-310/350のスペシャル版となります。スタンダード版との違いは、ずばり追尾精度です。スタンダード版のピリオディックモーションは±7″前後で充分過ぎるほど高精度ですが、V-specにはPEC(Periodic Error Correctionの略 )を搭載して、約20%精度アップし、なんと±5.5″前後まで向上させています。しかも東西どちらの偏荷重時でもこの精度を保証(スタンダード版は東側偏荷重時のみ±7″前後の保証で西側偏荷重は未測定)します。さらに、電源投入時に偏荷重方向を選択するモードを搭載。この場合は±4~5″程度まで向上します。焦点距離400~500mmクラスのノータッチ撮影も視野に入ります。この追尾精度は、現在市場に出回っている赤道儀の中でもトップクラスとなり、「ポータブル赤道儀は精度の悪い広角レンズ用のおもちゃ」という一般的な概念を変える画期的な製品になると思います。どうぞご期待ください。
現在、βユーザーさまによるテストが行われております。問題がなければこの秋頃に発売、価格はスタンダード版の3~4万円高を予定しています。なお、スタンダード版のSWAT-300S/300/310/350からV-specへのバージョンアップにも対応予定(価格未定)です。詳細は後日、発表いたします。
 
NormalSpecial
V-spec試作機にて測定。焦点距離900mmm、2周期分(約14分間)撮影。
ノーマル起動で±5″以下が出た個体については、荷重方向限定モードで追尾精度が向上しない場合があります。
 
https://www.unitec.jp.net/ 

2019年6月 3日 (月)

SWAT-350をご紹介いただきました。

Hp

天体写真や撮影機材の情報を収集しようと検索すると、必ずといっていいほど上位に出てくるサイトが吉田隆行さんの「天体写真の世界」です。美しい天体写真はもちろん、最新機材や撮影テクニックも紹介されていて、お役立ち情報満載のサイトです。そのサイトにSWATも掲載されてますので、ぜひご覧いただければと思います。吉田さん自身もSWAT-200とSWAT-350のユーザーで、実際にご使用いただいてのレポートですから、これからポタ赤をご検討の方の参考になるのではないでしょうか。こちらからどうぞ→http://ryutao.main.jp/equip_swat-350.html

それからSWATご購入の際に参考になるのが、協栄産業大阪店さんが運営してるサイトの「SWATご購入ガイド」です。システム拡張するときのチャートなどが丁寧に表示されていて親切です。ご注文のときにお役立てください。こういったことは、本来メーカーがやらなきゃいけないことですね(反省)

Photo_8

ユーザーさんや販売店さんあってのSWATです。どうもありがとうございます。いよいよ梅雨入りが近づいてきてしまいました。夏に向けての充電期間です。機材の見直しや撮影計画を入念に立てておきましょう。SWATも夏のイベントに向けてさらにステップアップしたいと思います。
 
https://www.unitec.jp.net/

2019年1月12日 (土)

シグマ 105mm F1.4 ART レビュー。

シグマのArtシリーズの中で昨年発売されたばかりの「105mm F1.4 DG HSM ART」を入手しましたので、その天体適性をご紹介します。
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今回も70mm Macro ART40mm F1.4 ARTのレビューにならって、同様に検証しました。以下、撮影画像を交えて簡単に記しますので、ご参考にしていただければ幸いです。キヤノン EOS 6D(SEO-SP4)にて、絞りを F1.4(20秒)、F2.0(40秒)、F2.8(80秒)、F4.0(160秒)と段階的に変えて撮影し、周辺減光や四隅の星像等を検証しました。
 105art

●周辺減光
各F値での周辺減光の様子です。前玉が大きいだけあってF1.4開放でもかなりの光量が確保さていて、最周辺で1.5段ほどの落ち込みです。F2.0で充分実用になる感じ。F2.8まで絞れば天体撮影で文句なしのレベル。F4.0だとF2.8と比べて最周辺がわずかに持ち上がるだけです。
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●四隅の星像
周辺減光の写真の中央と四隅をピクセル等倍で並べたものです。F1.4からF4.0までピント位置は触らず連続して撮影しています。F1.4開放では周辺星像に鳥が羽を広げたようなサジタルコマが出ますが、F1.4という明るさを考えれば優秀なものです。色収差はよく補正されていてとてもシャープ。F2.0で中心星像がグッと引き締まり、恐ろしいほどシャープな星像になり、周辺部もやや改善。 F2.8では周辺星像も大きく改善して鋭い星像が全面を埋め尽くし、天体撮影におすすめの絞り値はこのあたりか。F4.0はF2.8とほとんど変わらず、暗くなるだけ損で絞る意味がない感じ。私が購入した個体は左より右側の崩れがやや大きいですが、この程度は許容範囲でしょう。
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●隅の輝星
今回、輝星を隅に入れてなくて、あまり参考になりませんが、ちょっと明るめの星を切り出しました。前回の40mmと同じ傾向で、開放だと光芒が大きく二つに割れますが、F2.0で目立たなくなり、F2.8まで絞るとトゲトゲの光条をともなった真円になります。
 
●総評
シグマのArtシリーズレンズとしては比較的新しい「105mm F1.4 DG HSM」は、105mmでF1.4の明るさを実現したシグマの意欲作です。周辺光量の確保のため巨大なレンズ群を採用していて、フローライト相当が3枚、SDが2枚、非球面が1枚と、Artのこだわりを感じる最新設計となっています。また防塵防滴機能が施され、天体撮影時の夜露にも安心なのが嬉しいです。これだけの高性能ですから、やはりこのレンズもとても重く、なんと1,645gもあり、105mmとしては珍しい三脚座が標準装備です。これも天体撮影で役立つアイテムですね。周辺まで明るくシャープな星像は素晴らしいもので、歪曲もほとんどないですから、モザイク撮影でも威力を発揮しそうです。後日、このレンズの作例をブログでご紹介していきます。どうぞお楽しみに。なお、このレンズを設計したシグマのO氏自身も天文ファンで、天体撮影を意識して設計したとのことです。
 
https://www.unitec.jp.net/

2018年12月18日 (火)

シグマ 40mm F1.4 ART レビュー。

シグマの最新Artレンズ「40mm F1.4 DG HSM ART」を入手しましたので、その性能を一端をご紹介します。

Photo
蒼月様の70mm Macro ARTのレビュー記事にならって、同様に検証しました。以下、撮影画像を交えて簡単に記しますので、ご参考にしていただければ幸いです。キヤノン EOS 6D(SEO-SP4)にて、絞りを F1.4(30秒)、F2.0(60秒)、F2.8(120秒)と段階的に変えて撮影し、周辺減光や四隅の星像等を検証しました。
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●周辺減光
各F値での周辺減光の様子です。さすがにF1.4開放だとかなり大きく、最周辺で約2段分のアンダーです。F2.0まで絞れば1段分くらいまで改善され、実用できる画質。F2.8で文句なし。
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●四隅の星像
周辺減光の写真の中央と四隅をピクセル等倍で並べたものです。F1.4からF2.8までピント位置は触らず連続して撮影しています。結果はご覧の通り、神レンズと呼んでも差し支えないパーフェクトな星像といえるでしょう。特筆すべきは開放の四隅の星像で、F1.4でここまでシャープなレンズはこれまで見たことないレベルです。中心星像は一段絞るとキュッと引き締まり、文句のつけようがないほどシャープ。 F2.0とF2.8では、星像にほとんど変化はなく、周辺減光の違いで絞りを選ぶ感じです。色収差や非点収差、歪曲収差などもまったく気にならないレベルで恐ろしいほどの性能です。いや~、シグマさん、凄いレンズを作ってくれます。
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●隅の輝星
左上のシリウスのピクセル等倍画像です。開放だと光芒が大きく二つに割れますが、F2.0で目立たなくなり、F2.8まで絞るとトゲトゲの光条をともなった真円になります。
 
●総評
シグマの最新ARTレンズ「40mm F1.4 DG HSM」は、フローライトまたはSDレンズ相当の光学ガラス6枚と非球面レンズ1枚を使用し、プロ用シネレンズの要求を満たす水準で設計された最新のARTシリーズレンズです。これだけ贅沢な硝材を惜しみなく投入すれば、悪かろうはずがありません。中心から最周辺まで、期待以上の素晴らしい星像でした。標準レンズカテゴリーで高評価の50mm F1.4 Artを凌駕するといってもいい高性能です。50mm Artも所有してますが、この先、出番が減りそうです。ただ、重さが唯一の欠点で、なんと1.2kgもあります。50mm Artが800gちょっとですから、その重さたるや三脚座が欲しいレベルです。気軽さでは50mmに分がありますね。それから、一般撮影で気になるオートフォーカス速度やボケ味などの評価はまったくしてません。この構図のまま、F2.5にして撮影を続けましたので、処理を終えたら次回ブログで掲載します。

※今回、蒼月様のレビューフォーマットがとても優れていたので、そのまま踏襲させて(パクらせて)いただきました。どうもありがとうございました。(笑)
 
https://www.unitec.jp.net/

2018年5月 3日 (木)

SWAT-310モニターレポート、その2。

Swat310_01front

Swat310_02back

SWATユーザー様のフォトギャラリーにいつもハイレベルな作品をご投稿いただいたり、天体画像処理入門でPixInsightの使い方を連載中の蒼月様が、これまで愛用していたSWAT-200に追加して、SWAT-310を導入されました。今回、そのSWAT-310の使い勝手などをレポートしていただきましたので、ご紹介します。

【SWAT-310ユーザーレポート、その2】

これまで5年以上にわたって、SWAT-200を使ってきましたが、先日新たに購入したSWAT-310を初めて使いましたので、その時の雑感等を報告いたします。

◆外観等について

SWAT-200と比べて、ひと回り以上大きくなっているだけあって、やはり重くもなっていますね。長い間 SWAT-200を愛用している私には、「ずっしり重い」という印象です。ゆえにこれを「延べ棒」と呼ぶことにします。(笑)
極軸微動ユニットと合わせた重量を考えると、個人的には一軸のみの「ポタ赤」として許されるギリギリの線ではないかと思います。こうなると三脚は従来のカメラ三脚ではもはや危険なので、VIXENの APP-TL130に変えました。

組み上がった機材一式は、上の写真(前方からと後方から)の通りで、SWATから上は従来と変わらない構成なのですが、SWATから下は従来のシステムから合計3kg近く重くなりました。おかげで確かに安定感は増しましたが、近所の公園まで5分も歩いて持ち運ぶにはやや大きく重いですね。

私のようなライフスタイルで軽さとフットワークを重視し、それに加えてある程度の追尾精度も欲しいという方には、生産終了になったSWAT-200の方が適していると思います。
 
◆使用雑感

一方、基本的な操作感は SWAT-200とほとんと変わりませんので、新しいものを導入したという緊張感は特になく、ほぼ従来通りの感覚で使えました。

使ってみると、やはり初期の SWAT-200からは改良されている点がいくつもあることに気づきます。まず、極軸望遠鏡用のネジ穴が上部左右2か所についているのは、地味に嬉しいことです。SWAT-200にはこれが真ん中に1つしかなく、機材が邪魔になってしまうことが多々あったのですが、そういうストレスから開放されました。それと、L字型クランプは思った以上に使いやすくて、機材と干渉するかと思いきや、そんなこともなく、極軸合わせの際に暗い中でクランプの位置を見失うこともないので便利だと感じました。

速度設定ダイヤルが大きくて操作しやすいツマミであるということも評価ポイントの一つです。SWAT-200ではこれが小さくて黒いツマミだったので、夜間に厚手の手袋をしていると回しづらい等、操作しづらいうえに見づらかったのですが、これなら設定を間違えることはなさそうです。

極軸合わせの際にクランプを開け締めすることで懸念されるガタツキについては、検証はできていないものの、少なくとも135mm程度の光学系を搭載するうえで、まったく問題になることはありません。普段よく使用する300mm程度でも、問題になることはないだろうという印象です。
 
◆その他

今回搭載したのは135mmの明るいカメラレンズであったこともあって、SWAT-310の目玉機能(?)である恒星時目盛環を使う機会はありませんでしたが、今後は使うことになるかもしれません。自動導入機能の無いポタ赤にとって、対象天体をいかに素早く写野に入れるかというのは、非常に大きな課題ですから、少しでもアシストしてくれるのであればと期待しています。

追尾精度の高さと故障しにくい堅牢さについては、SWAT-200の頃から信用していますが、SWAT-310でもそこを疑う必要はなさそうですね。

それから、SWAT-310に関することではありませんが、極軸微動ユニットのネジのピッチがもう一段細かくなると更に嬉しいと思っています。最近は PoleMaster等のおかげで非常に正確な極軸合わせが可能となってきており、今のネジピッチだとやや粗いと感じることがあります。
 
■係より

このたびは、SWAT-310を買い増ししていただきまして、ありがとうございました。高画質を得るために、じっくり総露光時間を確保すると、撮影中、けっこう手持ち無沙汰になることもありますが、2台体制だと別に短焦点でお気軽撮影ができたりして、遠征がより充実したものになりますね。さて、SWAT-310はアルミ無垢材からの削り出しボディで剛性を確保してるため、アルミダイキャストのSWAT-200と比べると、正直かなり重たくなっています。天体撮影の場合、ある意味「重さも性能のうち」といえないこともないので、安定感が増した分、微風でしたら、ほとんど影響を受けずに撮影できると思います。極軸微動ユニットのネジピッチについては、検討課題とさせていただきます。
 
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