シグマ 105mm F1.4 Artでアンタレス付近
●アンタレス付近
2025年4月29日23時16分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×101枚コンポジット(総露出2時間31.5分) SWAT-350V-spec Premiumによるノータッチ追尾 Photoshopによる画像処理 撮影地 千葉県南房総市(白浜海岸駐車場)
4月29日の房総半島遠征で一番気合いを入れて撮ったのが、カラフルタウンと呼ばれて人気の高いさそり座のアンタレス周辺です。お気に入りのシグマ 105mm F1.4 Artで約2時間半の露出を得ました。この焦点距離だとカラフルタウンの他に青い馬星雲(IC4592)も一緒に構図に入ります。天の川方向に伸びる暗黒帯やさそりのハサミ付近の淡い星雲もまとめて撮れるので、なんともちょうどよいレンズです。
写真中央やや下に写っているオレンジ色の星が一等星アンタレス。そのすぐ右に大型の球状星団M4があります。このエリアはとてもカラフルで画像処理できれいに表現するのがとても難しいです。さそり座は真夏の星座のイメージがありますが、撮影に関しては春の星座に入れてしまってもよいくらいで、梅雨に入る前までが撮影好機といえます。もちろん夏休みに入ってからも撮れますが、薄明が終わる頃に南中していてすぐに西に傾いてしまいます。意外と撮影時間が少なく、条件もよくないことが多いです。月末の新月期が好条件で撮れるチャンスです。ぜひ狙ってみてください。
この撮影に使ったシグマの105mm F1.4 Artも神レンズの一本で天体撮影に最適な性能です。それもそのはず、設計者のO氏は生粋の天文ファンで、おそらく天体撮影に適した贅沢な設計をしてくれたんだと思います。余談ですが、彼はSWAT-350のユーザーでもあります。
PixInsightで天体名を貼り付け。ちょっとした写真星図になっていい感じです。
上は試写を含めて撮影した101枚のJPGをピクセル等倍で切り出してGIF動画(1コマ0.1秒/トータル約10秒)にしたものです。全画像ガイドエラーなしのパーフェクト、歩留まり100%でした。左右が東西方向になります。約2時間半にわたる露出で約23回のピリオディックモーションが記録さているはずですが、SWAT-350は追尾精度が高いので、105mmレンズでは検出不可能でした。ちなみに105mmレンズの6Dでの解像度は1ピクセル12.8″です。極軸設置誤差のため、徐々に南に下がっていきます。極軸が少し東を向いていたようです。ピクセル等倍なので大きく動いて見えますが、実際には2時間半で13.5′くらいのわずかなズレです。低空のため大気差で見掛けの速度が遅くなり、キングスレート追尾で東に4.5′ほどズレました。画像処理しながらPremiumには低空追尾モードを搭載しているのを思い出しました。次回は忘れずに使いたいと思います。追尾速度のズレは極軸高度の設置誤差の可能性もあります。それから背景の暗さの違いもわかります。撮影終了時がアンタレスがほぼ南中した時刻で、地平高度が約30°、開始の時は20°ですから条件がよくなるとともに空の暗さが増していきます。加えて光害が落ち着くのもあると思います。
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