天体写真

2023年2月23日 (木)

CP+2023開幕! ユニテック×サイトロンにご期待ください。

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CP+2023が本日23日より開催されます。
サイトロンジャパン社のブースではユニテックと共同開発中の新ポータブル赤道儀(機能試験機)を展示しています。ユニテックは駆動部分を担当し、得意のPEC技術を投入して驚異の追尾精度を実現。このプロトタイプ仕様でノータッチ追尾撮影した作例も展示しています。会場へお越しの際は、ぜひサイトロンジャパンのブースへお立ち寄りください。以下、サイトロンジャパン社の公式発表です。

■UNITEC社SWATの技術と融合することにより、驚くべき高精度追尾性能を実現。
その類い稀なる高精度追尾性能で「ポータブル赤道儀の最高傑作」ともいわれるユニテック社の「SWAT」シリーズ。その驚くべき高精度を誇る「SWAT」のPEC(ピリオディックエラー補正)技術をSJ-M経緯台の回転装置に搭載した機能試作品を製作しました。個別のギア精度のばらつきを測定し、電気的に補正することで高い追尾精度を実現しています。
下にご紹介する3枚の作例は、この試作品により撮影されたものです。焦点距離の長い作品は、180mm F2.8レンズをF3.5まで絞り、キヤノンEOS 6D(IR改造)で1分露出、121枚撮影したものをコンポジットして仕上げています。
撮影開始から2時間10分間、正常にガイド(追尾)できており、少々無理をして180mmで撮影した結果がこれですので、中望遠なら問題なく追尾できるでしょう。
今後 サイトロンジャパンとユニテック社で共同開発を進め、2023年内には製品化の予定です。

サイトロンジャパンとユニテックのコラボレーションにぜひご期待ください!
※ユニテックの担当(加曽利)は24日午後に会場におります。
 
180mm
●オリオン座中心部
2023年1月20日19時57分~ シグマ APO マクロ 180mm F2.8 絞りF3.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 60秒露出×121枚コンポジット(高輝度部に短時間露光をHDR合成) サイトロン 新型ポータブル赤道儀プロトタイプ仕様(ユニテック PEC仕様)によるノータッチ追尾 撮影地千葉県大多喜町

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ちなみに撮影した約2時間(121枚)をピクセル等倍で切り出してGIF動画にしたものです。明るくなるところが撮影開始。左右が赤経方向です。撮影開始直後に機材各部が落ち着くまで、やや動きがありますが、点像は確保してます。安定してからはほとんど静止していて、追尾精度の高さ(オリオン座は赤道上なので精度をみるのに最適)を感じさせます。追尾速度はキングスレートで合致しており、赤緯方向はまったく動いてないので、極軸設置は良好でした。
   
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●バラ星雲付近
2023年1月20日22時21分~ シグマ APO マクロ 180mm F2.8 絞りF3.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 60秒露出×113枚コンポジット サイトロン 新型ポータブル赤道儀プロトタイプ仕様(ユニテック PEC仕様)によるノータッチ追尾 撮影地千葉県大多喜町
 
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●エンゼルフィッシュ星雲
2023年1月20日22時59分~ シグマ 105mm F1.4 Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 60秒露出×56枚コンポジット サイトロン 新型ポータブル赤道儀プロトタイプ仕様(ユニテック PEC仕様)によるノータッチ追尾 撮影地千葉県大多喜町
 
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ボーグ107FLで504分露出のクリスマスツリー星団付近。

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●クリスマスツリー星団付近
2023年2月21日18時58分~/2019年1月3日19時47分~/2018年2月11日18時56分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 3分露出×168枚 ステライメージ9、Photoshop(StarXTerminator等 )、PixInsight(BlurXTerminator)、FlatAideProで画像処理  SWAT-350V-spec+M-GENによる1軸(2018年/2019年)/2軸オートガイド(2023年) 撮影地 千葉県大多喜町/山梨県大月市

21日の東京は風が強く、超望遠撮影は厳しそうな感じでしたが、SCWでは山梨方面の風は弱い予想でしたので、最近よく行くようになった大月の桂川ウェルネスパークへ出かけました。撮影は23時過ぎで終えましたが、その間終始無風快晴の好条件で、650mmの超望遠撮影も問題なしでした。大月の空の暗さは房総より劣りますが、クルマで1時間半かからないのは房総とともにお気楽な撮影地としてとても貴重です。これからも利用していきたいと思います。
さて画像は季節外れのクリスマスツリー星団付近です。今シーズン最後と思い撮影してみました。過去に撮りためたデータに加算して総露出504分(8時間24分)として再処理しました。F6でもこれくらいの露出があればかなり高画質な天体写真が得られます。もう少し空の暗いところだとさらによいのですが、贅沢は言えませんね。
本日(2月23日)から、久しぶりのCP+が開催されます。SWATはサイトロン様のブースに展示していますので、お時間のある方は、ぜひ足をお運びいただければと思います。加曽利は24日の午後に会場に行く予定です。よろしくお願いします。
 
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クリスマスツリーに見えるように逆さ(北を下)にして拡大してみました。どうでしょうか?
 
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この日は2軸オートガイド(648mm)と1軸ノータッチ追尾(300mm)の3台のSWAT-350で撮影に臨みました。
  
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2023年2月21日 (火)

ボーグ107FLで402分露出の馬頭星雲付近。

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●馬頭星雲付近
2023年2月17日19時14分~/2018年11月15日0時37分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 3分露出×134枚コンポジット 総露出402分(ハイライト部分に短時間露光をHDR合成) ステライメージ9、Photoshop(StarXTerminator等 )、PixInsight(BlurXTerminator)、FlatAideProで画像処理  SWAT-350V-spec+M-GENによる1軸オートガイド 撮影地 千葉県大多喜町
 
2月17日の房総半島は無風快晴で絶好の天体撮影日和になりました。C/2022 E3 ZTF彗星の撮影に平行して、主砲のボーグ107FLで今シーズン最終盤の馬頭星雲を撮りました。前回、大月ではリモコンを忘れるというポカをやらかしたので、今回はそのリベンジでもあります。久しぶりにM-GENを接続して1軸オートガイドとし、3分露出を敢行しました。収穫は2時間42分(54枚)の露出です。2018年撮影の4時間に加算して、トータル6時間42分(402分)として仕上げました。話題のStarXTerminatorBlurXTerminatorなどを導入して、効率よく画像処理できるようになりました。過去画像に加算すれば、より処理耐性のある高画質な元画像になり、最新のソフトウェアで再処理することで、見違えるようか結果が得られることもあります。
 
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星消し画像から馬頭星雲部分を拡大トリミングしてモクモク感を強調しました。
 
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2023年2月19日 (日)

アルデバランとC/2022 E3 ZTF彗星。

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●アルデバランとC/2022 E3 ZTF彗星
2023年2月17日19時24分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP4改造) ISO1600 90秒露出×40枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopにて処理 トリミングあり SWAT-350V-specにてノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
2月17日のC/2022 E3 ZTF彗星です。もうこれで最後の撮影かと思い、房総半島へ出かけました。小さくなってきましたが、望遠ならまだまだ立派な姿で写ります。今回は焦点距離300mmで一時間露光しています。右上の明るい星がアルデバランで、これからゆっくり南に下がっていきます。もうしばらく楽しめそうです。この夜の房総半島は無風快晴で気温も5℃くらいあって、大月に比べるとはるかに快適でした。この日は2台体制で、他にも馬頭星雲付近を撮影してますので、処理が終わったら掲載します。お楽しみに。
 
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2023年2月18日 (土)

648mmノータッチ追尾のシーズン最終盤オリオン大星雲。

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●M42オリオン大星雲
2023年2月15日19時12分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造)ISO3200 1分露出×73枚コンポジット SWAT-350V-specによるノータッチ追尾 撮影地 山梨県大月市
 
ヒヤデス星団をかすめたZTF彗星を撮影しに行ったついでに、シーズン最終盤を迎えたオリオン大星雲を撮影しました。光学系は主砲のボーグ107FLで、フラットナー1.08×を追加して焦点距離648mm F6.1になります。当初3分露出を予定して機材を積み込んだつもりだったのですが、オートガイダーをつなぐリモコンを忘れてしまいました。そんなときもV-specなら慌てなくて大丈夫。露出を短くすればノータッチ追尾でも点像に写せます。今回は安全をみて1分露出とすることで、73枚の完全な点像を画像を得ることができました。実際には107枚撮ったのですが、風にあおられて大きく乱れたのが5枚、雲に邪魔されたのが29枚、合わせて34枚がボツになりました。歩留まり68%ですが、雲に邪魔されなければ95%になります。SWATの最大の敵は風です。小型軽量なため、機材全体に襲いかかる風には弱いです。特に焦点距離が長いときは注意が必要です。
さて、オリオン大星雲はこれまでにも撮りためていて、5年前にブログ掲載した画像と同じ構図で撮ったので、簡単に加算処理できます。今回のも加算して総露出574分になった画像も下に掲載します。

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●M42オリオン大星雲
2023年2月15日19時12分~/2018年12月15日23時06分~/2017年12月22日21時31分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造)ISO3200 露出1分×73枚  3分露出×81枚 ISO1600 3分露出×86枚 総露出574分  高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-310/350/v-specによるノータッチ追尾(1分露出)、M-genオートガイド(3分露出) ステライメージ9、Photoshop(StarXTerminator等 )、PixInsight(BlurXTerminator)、
FlatAideProで画像処理 撮影地 山梨県大月市/ 千葉県大多喜町/山梨県上野原町 ※下は拡大トリミング
 
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2023年1月29日 (日)

C/2022 E3 ZTF彗星。

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●C/2022 E3 ZTF彗星
2023年1月29日2時26分~ シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 90秒露出×26枚(彗星核基準でコンポジット) ステライメージ9、DeepSkyStacker、Photoshopにて処理 トリミングあり SWAT-350V-specにてノータッチ追尾 撮影地 山梨県大月市
 
久しぶりのブログ更新です。昨夜は話題のZTFを撮りに大月の桂川ウェルネスパーク駐車場へ行ってきました。北の空の条件と交通の便がよいところはこのあたりになります。彗星だけ撮って帰ってくるというお気楽な遠征で、自宅22時出発、途中首都高の工事渋滞で20分くらいロスしましたが、23時半過ぎに現地到着しました。車載の温度計は-3.5℃と表示されています。朝霧に行ったSWATユーザーさんの情報では-9℃だったそうなので、寒がりの私はこっちにしてよかったと思いました(笑) 現地は私を含めて5名の天文ファンが集結して、なかなか賑やかなZTF彗星撮影会となりました。
さて今回ZTF彗星の導入には目盛環を使いました。事前にミザールから赤緯を21°北に振ればよいことを調べておきましたので、ミザールでピント合わせして、赤緯を北に21°振って試写したところ、一発で捕らえられました。彗星の導入は目盛環が本当に便利です。ぜひ有効に活用していただければと思います。この日は-5℃近くまで下がりましたが、SWATは粗動回転が多少重たくなった程度で、終始まったく問題なく動作しました。
いろいろやることがあって、ブログ更新もサボってましたが、今年もよろしくお願いします。
 
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色調補正しただけのJPEG撮って出し。

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最近はやりの彗星と恒星をどちらも流れないように処理したパターン。

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30枚をパラパラ動画にしてみました。
 
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2022年10月19日 (水)

カシオペヤ座とペルセウス座。

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●カシオペヤ座
2019年9月26日22時36分~ シグマ 40mm F1.4 Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 120秒露出×61枚コンポジット+高輝度部に短時間露光をHDR合成 SWAT-350(V-spec β版)によるノータッチ追尾 ステライメージ7、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopによる画像処理 撮影地千葉県大多喜町
 
2019年に撮影した「カシオペヤ座」の再処理です。Starnet++で赤い散光星雲をより強調し、FlatAideProのソフトフィルター効果で輝星を強調して星座の形をわかりやすくしてみました。IC1396とクエスチョンマーク星雲の間にある多数の散光星雲は、もう少し露出を稼げばよりきれに描出できそうです。
 
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●ペルセウス座
2017年9月19日0時14分~ シグマ 50mm F1.4 DG Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改) ISO1600 90秒露出×21枚コンポジット SWAT-200でノータッチ追尾 ステライメージ7、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopによる画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
こちらは2017年に撮影した「ペルセウス座」の再処理です。以前の処理より背景の暗黒帯をつぶさないように気をつけましたが、分子雲を強調するには露出が足りないようです。撮り増しして画質アップしたいところですが、40mmレンズだとすばるまで構図に取り込めそうなので、それで取り直した方がよいかなぁなんて別の欲も出てきました。明日は晴れそうなので、都合がつけば近場に撮影に行きたいと思います。
 
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2022年10月17日 (月)

クエスチョンマーク星雲。

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●クエスチョンマーク星雲
2018年11月14日21時15分~ シグマ APO 300mm F2.8 DG HSM 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP4改造) ISO1600 2分露出×49枚コンポジット+短時間露光をHDR合成 ステライメージ9、Starnet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 SWAT-310によるノータッチ追尾 撮影地 千葉県大多喜町
 
今回も2018年に撮影した過去画像の再処理です。Starnet++で星と背景を分離して星雲の淡い部分や暗黒帯の描出を丁寧に行いました。またFlatAideProでより正確なカブリ補正と星像のシャープ処理も加えています。F2.8で総露出1時間半程度ですが、暗部の微妙な濃淡を表現するにはさらにさらに倍の露出を加えて、トータル3時間くらい欲しいところです。この秋に追加撮影できれば、さらに画質アップしたいと思います。

このときの撮影はSWAT-310による2分露出のノータッチ追尾です。SWATは300mmクラスの超望遠レンズでも数分露出なら充分に追尾可能な精度があります。SWAT-300/350発売前の話ですが、開発スタッフには「カメラレンズ(300mmくらいまで)の形をしたものはノータッチ追尾で気軽に撮りたい!」という目標がありました。フィルム時代でしたら、ピリオディックモーション±10″ほどの精度があれば満足な星像が得られたのですが、デジタル時代になって解像度が上がったこともあり、より厳しい±7″程度を目指しました。そして製品化したのがSWAT-300/350です。当時のポータブル赤道儀の多くは、超望遠レンズで数分のノータッチ撮影に挑んでも、強度的、精度的に星を完全な点像に写すのは難しく、数十秒の短時間多枚数撮影が基本とならざるを得ませんでした。もっとも当時の市場ではポタ赤は広角から標準レンズまでカバーすればよく、望遠レンズで点像を確保するほどの精度は求めてられていないというのが共通認識でした。SWATはそんな状況に一石を投じるべく、超望遠撮影にも対応できる高精度を、全品、実測によって保証するという販売方針をとってデビューしました。現在は各モデルに荷重方向を限定したスペシャルモードを追加搭載して、さらに追尾精度を上げ、撮像素子の高解像化に対応しております。かげさまで多くのユーザー様にご支持をいただき、「ホントに追尾精度が出てる!」「星が流れない!」という驚きの声も多くいただいたいております。追尾精度と剛性の高さがSWATの真髄です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
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2022年10月15日 (土)

ケフェウス座(再処理)。

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●ケフェウス座
2017年9月18日21時53分~ シグマ 50mm F1.4 DG Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改) ISO1600 90秒露出×20枚コンポジット(総露出30分) SWAT-200でノータッチ追尾 ステライメージ、Starnet++FlatAidePro、、Photoshopで画像処理 千葉県大多喜町
 
2017年に撮ったケフェウス座を再処理してみました。今はStarnet++で恒星を消したスターレス画像を短時間で容易に作成できるようになったことで、背景に埋もれるHα星雲の強調処理がとても楽になりました。しかもなかなか高精度なスターレス画像(デフォルトでも)なので、それを流用すれば、FlatAideProでフラット(周辺減光やカブリ)補正の精度も上がり、2017年当時と比べるとトータルでかなり画質を高められたと思います。しかし総露出30分では淡い星雲を強調するには物足りないため、そのうちに追加撮影してみたいと思います。

さて、ケフェウス座付近は赤い散光星雲が豊富で、なんといってもガーネットスター付近に大きく広がるIC1396クエスチョンマーク星雲は大型ですから200mmクラスの望遠レンズでも迫力ある姿で写せます。IC1396の右上(北西約3°の位置)にSh2-129という散光星雲があります。これも大型ですが、IC1396に比べるとかなり暗いので F2.8クラス以上の明るい望遠レンズでたっぷり露出をかけたいです。300mmクラスともなると青く美しいアイリス星雲もお勧めです。M52のすぐ近くも赤い星雲(バブル星雲)が広がっていて、これも望遠レンズで狙いたい対象です。

 
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JPEG撮って出し。左が地上、右が天頂方向。この時、ケフェウス座は北の空、北極星と天頂の中間付近(IC1396は67°付近)にあって、撮影には好条件なのですが、東京方向の光害のため大きな傾斜カブリが見られます。この条件では、たっぷり露出時間を確保して画像処理でカバーしないと厳しいです。ちなみにケフェウス座の5角形は北極星の近くをまわっているため、北緯約32°以北なら一年中沈みません。カシオペヤのWは北緯約34°、北斗七星は約41°以北で沈まなくなります。一年中沈まない星を周極星といいます。北海道の宗谷岬でははくちょう座のデネブが周極星になります。北の空の条件がよいところでは、北極星の下方通過を狙うのも面白いかもしれません。
  
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2022年10月13日 (木)

秋に狙いたい天の川沿いの天体。

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●秋の天の川
2017年9月18日23時30分~ シグマ 20mm F1.4 DG Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改) ISO1600 90秒露出×21枚(総露出31分30秒)コンポジット SWAT-200でノータッチ追尾 ステライメージ9、StarNet++、FlatAidePro、Photoshopで画像処理 千葉県大多喜町
 
5年前に撮影した「秋の天の川」のコンポジット終了後のデータを再処理してみました。Starnet++やFlatAideProなど、当時使ってなかったソフトウェアの処理も加えて、より見栄えのする天の川を目指しました。過去のデータを今の自分の画像処理技術で復活させると、果たしてどこまで画質アップできるのでしょうか。仕上がりを比べてみると、そこそこ違っていて、赤い星雲がより強調され、天の川の階調が豊富になりました。バックグラウンドの黒をやや明るくすることで天の川の暗黒帯も強調できた思います。トータル30分露出なので、あまり無理はできません。自分としては、これで満足です。右上隅の真っ黒くつぶれた部分は低空の樹木が入り込んでしまったためで、前回はトリミングしてましたが、今回はそのまま掲載します。
 
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秋の天の川沿いにある有名な天体です。四角い枠はフルサイズ200mm望遠で撮ったときのだいたいの画角です。ピッタリの天体もあれば、M33などはもう少し長い焦点距離が欲しいですね。どうぞ参考にしてみてください。
 
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