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2018年5月 7日 (月)

PixInsightで画像処理を始めよう ~ 第3.5回 【補足】 Histogram と HistogramTransformation

【目次】

3.5-1. ヒストグラム
3.5-2. HistogramTransformation(HT)での変換


3.5-1. ヒストグラム

画像処理をする上で、まず知っておかなければならないものの一つとして、histogram(ヒストグラム)があります。ヒストグラムは「度数分布図」と和訳されることがありますが、その名の通り、その画像の中にどの明るさのピクセルがどのくらいあるか、その分布をグラフにしたものです。

35_01_histogramex
図3.5-1. HistogramTransformationで見たヒストグラムの例
 
上図がそのヒストグラムの例で、R/G/Bの3つの色ごとにグラフとして表示されています。このグラフの横軸がピクセルの明るさを表し、0 から 1 までの値で表現されています。一方、縦軸はその明るさのピクセルの数を表しています。

ヒストグラムは一つの統計情報なので、ヒストグラムを見ても、具体的に何が写っている画像なのかはわかりませんが、これを見れば、どの明るさのピクセルが多い画像なのか(全体としてどのくらいの明るさの画像なのか)、あるいはコントラストが高いのか低いのか等、その画像に対する様々な情報が得られます。

この情報が画像処理においては非常に重要なので、画像を見たら、まずヒストグラムを調べる癖をつけておくと良いでしょう。

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3.5-2. HistogramTransformation(HT)での変換

HistogramTransformation の Transformation とは「変換」のことです。HT は、ヒストグラムを参照しながら、画像の各ピクセルの明るさを変換して、画像全体の明るさやコントラストを変えるためのツールです。下図を見てください。

35_02_smh
図3.5-2. Shadows/Midtones/Highlights
 
まず、ヒストグラムを左下から右上に斜めに走っている一本の直線が目に付くと思います。さらによく見ると、ヒストグラムの下に白い三角マークが3つありますよね。左から、シャドウ、ミッドトーン、ハイライトと呼びます。これらの位置を適当に変えてみましょう。

35_03_transcurve
図3.5-3. 変換曲線
 
すると、上図のように、それまで斜めに走っていた直線が曲線になります。この曲線が変換曲線です。変換曲線を見るときには、横軸が変換前のピクセルの明るさ、縦軸が変換後のピクセルの明るさを表していると考えます。

例えば図3.5-3の A の明るさのピクセルであれば、A' の明るさに変換される、ということを意味しているわけです。

シャドウポイントよりも左側にある B の明るさだったピクセルは、変換後に 0 の明るさ(真っ暗)になります。反対に、ハイライトポイントよりも右側にある C の明るさだったピクセルは、変換後に 1 の明るさになることがわかりますね。

シャドウポイントやハイライトポイントを動かして変換することをクリッピング(clipping)とも言います。シャドウクリッピングであれば、それ以下の明るさのピクセルは、全て 0(真っ暗)になりますし、ハイライトクリッピングであれば、それ以上の明るさのピクセルは、全て 1(飽和)になってしまいます。

クリッピングは、ピクセルが持っていた情報を捨てることを意味します。一度捨てられた情報はもう戻ってこないので、慎重にやる必要があります。天体写真の画像処理においては、とくにハイライトクリッピングはほとんどしません。HT を使った明るさ調整は、ミッドトーンを左右に動かすことを基本とし、それに加えて、クリップされるピクセル数があまり多くならない程度にシャドウクリッピングをして行うもの、と覚えておいてください。

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<つづく>

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