2019年12月 7日 (土)

M45周辺。

東京都八王子市の上村裕様より、「M45周辺」をお送りいただきましたので、早速ご紹介します。
 
M45
●M45周辺
2019年11月29日22時10分~ BORG 55FL+レデューサー0.8xDGQ 合成焦点距離 200mm F3.6 キヤノン EOS 6D(HKIR) ISO3200 露出 60秒×179枚コンポジット SWAT-350 V-spec ノータッチ追尾 PixInsight、Photoshopで画像処理 撮影地 静岡県富士宮市
  
■コメント
ご無沙汰しております。最後に撮影したのは5月なので、なんと半年ぶりです。(笑) 新月期に好天に恵まれることが少なくなっているように感じます。そんな中、先月末は久しぶりの快晴予報でしたので遠征しました。今回は、お気軽ノータッチで撮影したM45周辺です。Borg55FL+レデューサーでは200mmとなり、すばる周辺の分子雲の広がりを一度に捉えることができます。SWAT-350V-specでのノータッチ撮影ですが、この程度の焦点距離と露出時間ではノーマルでも十分な精度でしょうか。撮影には、まもなく発売となるマルチ赤緯ブラケットをテストで使用しています。赤緯側の荷重を極軸に寄せられるため、従来のドイツ式に比べてウェイトも少なくて済みます。写真で見る以上の剛性感があり今後メインの撮影スタイルになりそうです。
 
■係より
どうも天候不順が長引いていて、なかなかスカッと晴れてくれませんね。そんな中、先月末には久しぶりの新月期の快晴となって、どこも賑わったようです。私も出かけたいところだったんですが、V-specの生産とアップグレード改造をこなすのに精一杯で撮影どころではなくなってしまいました。今はこうしてユーザーさんのご投稿を待っていることが多くなりました。さて、上村さんからのご投稿も久しぶりです。今回はV-specアップグレード改造したSWAT-350によるノータッチ追尾ですばるを撮影していただきました。200mmで1分露出はスタンダードモデルでも余裕ですが、V-specなら安心感がさらにアップですね。3時間もの総露出ですばる周辺の分子雲を豊かな階調で表現してます。微妙な色彩の違いも判って、見応え抜群の作品に仕上がりました。この冬こそ、一晩中快晴のもとで、腰を据えて撮影したものです。また、お送りください。よろしくお願いします。
 
Swat
新発売の「マルチ赤緯ブラケット」で組み上げた上村さんのSWAT-350V-spec。見た目以上に剛性が高く、今後はこのスタイルがメインになるそうです。

2019年11月22日 (金)

1200mmで撮る迫力のバラ星雲。

愛知県春日井市のHUQ様から、ご自宅ベランダから1200mmで撮影した「バラ星雲」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Bara
●バラ星雲
2019年11月20日夜半から明け方にかけて タカハシ FS60Q + ニコンTC-20EIII + QHY367C(-10℃) 合成焦点距離1200mm(F20) 露出16分×15枚コンポジット(総露出時間4時間) SWAT350V-spec + SWAT350V-spec DECモード搭載試作機による2軸オートガイド 自宅ベランダにて撮影
 
■コメント
テスト中の低緯度ブロックを赤緯体に転用して撮影した街撮り薔薇星雲です。満月を過ぎてから、まるで晴れないまま新月期に突入してしまいましたが、久方ぶりの晴れ間は一晩中、透明度バッチリな吉日でした。街中でも宝石箱を引っ繰り返したような色とりどりの恒星が撮れるのは、焦点距離の長さの成せるわざです。マルチ赤緯ブラケットの強度も文句無しでしたが、低緯度ブロックの強度は見た目の安心感がたまりません。今後はマルチ赤緯ブラケットは弟分のSWAT-200用にして、SWAT-350は低緯度ブロックで赤緯体を組むことにします。取り付けは六角穴付きボルト2本で簡単ですが、頻繁に脱着するのはちょっと面倒なのが欠点かもしれませんが、逆にSWAT-350を赤緯体だけに使うなら一番スマートな搭載方法と思います。
 
■係より
HUQさんからのご投稿は、これがちょうど50回目の記念作品です。初めてのご投稿はこちらのオリオン大星雲です。5年の歳月が過ぎて、撮影機材もテクニックも大きく変わってますが、撮影場所の自宅バルコニーからは同じです。お送りいただいたバラ星雲はわずか?に4時間の露出とはいえ、なかなかの大迫力で、赤いバラの花とカラフルな恒星たちの美しさをよく引き出しています。光害地とは思えないような仕上がりでびっくりです。現在の機材でオリオン星雲も狙っていただいて、5年前と比べてみたいですね。さて、コメントにありますように今回、試作の低緯度ブロックをテストしていただきました。低緯度ブロックはSWATの底面の35°傾斜をキャンセルするパーツで低緯度地域へ行くときには大いに役立ちます。それを赤緯体搭載に流用した形でお使いいただいてます。実際に取り付けたときの機材一式が下の画像です。この低緯度ブロックの需要はそんなにないと思いますので、量産するかどうかまだ決めかねてます。もし欲しい方がいらっしゃるようならメールでリクエストいただければ、少量生産になっても前向きに検討します。よろしくお願いします。
 
Dp2m0023
赤緯体として搭載しているSWAT-350の35°傾斜をキャンセルするアルミ削り出しのパーツが「低緯度ブロック(価格未定)」です。本来は、赤道に近い低緯度地域でSWAT-350/310をご使用になる時に、充分な剛性を確保したまま35°傾斜を除去するために設計したものですが、画像のように赤緯体としてお使いのときにも役立ちます。アリミゾキャッチャーに固定する際のプレートは「マルチ赤緯ブラケット」のベースプレートを流用しています。このプレートまたは同じ機能の新型プレートも開発予定です。どうぞご期待ください。

2019年11月14日 (木)

SWAT-350V-spec、590mmノータッチによるアンドロメダ銀河。

兵庫県宝塚市にお住まいの吉田隆行様から、発売直前のSWAT-350V-specでノータッチ撮影していただいた「アンドロメダ銀河」をお送りいただきました。
 
Image01 Image02
●M31アンドロメダ銀河
2019年10月31日 タカハシ FC-76DC+FC/FSマルチフラットナー1.04x使用 合成焦点距離 590mm F7.8 ニコンD810A ISO3200 300秒露出×12枚コンポジット SWAT-350V-specによるノータッチガイド 岡山県備前市吉永町にて撮影 ※下画像はガイド精度確認のための中央部拡大
  
■コメント
SWAT-350V-specにタカハシFC-76DCを載せて、アンドロメダ大銀河を狙いました。FC/FSマルチフラットナー1.04xを取り付けたFC-76DCの焦点距離は、約590ミリにもなります。V-specと言えども、約590ミリを300秒露光は難しいかなと思いましたが、東側偏荷重スペシャルモードで実際に撮影してみると、16枚中、12枚の画像はピクセル等倍にしても真円を保っていました(中央部の拡大画像も載せましたのでご確認ください)。
撮影当日は、季節はずれの黄砂やPM2.5の影響もあり、星空の透明度が悪くてやる気が失せ気味でしたが、約600ミリをノータッチガイド撮影できるV-specの追尾性能に驚かされ、一気に気合が入りました。今までは、SWAT-350と200ミリ前後のレンズで天体撮影を楽しんでいましたが、V-spec改造によって、今まで以上にSWAT-350の活躍の場が広がると感じています。
 
■係より
吉田様にはV-spec発売よりひと足早く、β版のテスト撮影をお願いしていました。その成果がこのアンドロメダ銀河です。590mmで5分露出して、ここまで点像を保てたのはびっくりです。もちろんノータッチでです。 V-specの開発当初はPECを搭載して500mmクラスで2~3分露出のノータッチができる追尾精度を想定してましたので、開発者も驚くほどの精度を発揮してくれたようです。ただし、アンドロメダ銀河の緯度が高いことを考慮すると赤道付近では時間調整が必要かもしれません。次回、オリオン座あたりで試していただければと思います。さて、吉田様のアンドロメダ銀河ですが、さすがに関西のレジェンド、申し分ない美しい仕上がりでお見事というほかありません。シャープなピント、豊かな階調、無理に炙らないナチュラルな仕上げ、どれも素晴らしいです。V-specがこれからも吉田様の片腕として、活躍してくれることを祈っております。吉田様の充実のサイト「天体写真の世界」もぜひご覧ください。ブログはこちらです。

2019年11月11日 (月)

1200mmで撮るNGC253。

愛知県春日井市のHUQ様から、ご自宅ベランダから1200mmで撮影した「NGC253」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Ngc2532
●NGC253
2019年10月26日~11月9日 タカハシ FS60Q + ニコンTC-20EIII + QHY367C 合成焦点距離1200mm(F20) 露出12分×6枚+16分×170枚コンポジット(総露出時間46.5時間) SWAT350V-spec + SWAT350V-spec DECモード搭載試作機による2軸オートガイド 自宅ベランダにて撮影
 
■コメント
SWAT-350 DEC モード試作機に対する秋の課題です。2週間ほど毎晩追い続けてみました。ガイドは上々。基本的に片側にしか動かない赤緯に対して、赤経は±の両側に振れるため、星像は赤経方向に伸びがちです。しかし赤経もだいたい±2~4"の範囲内に納まっているので、コンポジットした映像はご覧のようにほぼ真円です。(上が北)
新商品のマルチ赤緯ブラケットの強度は特筆モノで、ガイド中に赤緯体に振れたぐらいではガイドは揺らぎませんでした。幅広なため薄いように見えますが、アームの厚みは12mmあり、ネジ穴以外の肉抜きは無いため、ごく普通の2軸のドイツ式小型赤道儀並の強度があります。カメラ・ガイダー込みで5~7kgの鏡筒までは運用できそうです。ドイツ式に比べて、赤緯体が北にオフセットされているため、被写体が南中越えしても切り返すことなく一晩中追尾できます。片持ち式フォーク式赤道儀と比べると、赤経軸に垂直に伸びる腕の長さが極端に短いため、強度に不安がありません。両持ち式フォーク赤道儀と比べるとカメラが赤経軸上に無いため、M81/M82等の天の北極に近い被写体にも楽々鏡筒を向けることができます。来年は是非、星祭り会場等で実機に触って、頑丈さを体感していただきたいです。
 
■係より
新製品「マルチ赤緯ブラケット」の宣伝をしていただきまして、ありがとうございます。12mm厚で充分な剛性が得られることは、これまでの経験で判っていましたが、実際に実用してみないと安心できません。試作品をβユーザーのHUQさんにお願いしてテストしていただきました。DEC対応SWAT-350も何の問題もなく、1200mmもの2軸オートガイドを見事に成功させています。2軸対応であれば、低ノイズ化が可能なディザリング撮影など、高度なテクニックにも挑戦できます。今後のSWATの歩みに、ぜひご期待ください。さて、本題のNGC253はご覧の通りの迫力で、ガイドも完璧。申し分ありません。光害のひどい春日井市内の街中で46.5時間分の露出を重ねた結果は上々ではないでしょうか。空が暗い場所ならどんな作品になるんだろうと想像されますが、対象に向けててシャッターを切り、あとは朝までほったらかしで寝てしまうという撮影スタイルのため身体に負担がかからず、1コマ16分ですから枚数も増えない?ので、こういった楽しみ方もありでしょう。ウィークデーに露出を稼ぎ、週末に画像処理という人生も悪くないかも…(笑)
 
Photo_20191110134001
電源や夜露の心配がないのもベランダ撮影ならではといったところでしょうか。温度変化によるピント位置の移動はF20と暗いため、気にならないそうです。

2019年11月 9日 (土)

RedCat51によるM31アンドロメダ銀河。

神奈川県川崎市にお住まいの原田裕美様より、今話題のRedCat51で撮影した「M31アンドロメダ銀河」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
M31 M31_20191107092501
●M31アンドロメダ銀河
2019年11月1日22時55分~ RedCat51 口径51mm 焦点距離250mm F4.9 キヤノン EOS 6D(ノーマル)  90秒露出×87枚コンポジット SWAT-310ノータッチ追尾 撮影地 朝霧高原
 
■コメント
ご無沙汰しております。前回写真を投稿させていただいてから、もう3年も経ってしまいました。今まで広角レンズだけで撮影していましたが、今回初めて望遠レンズを使ってみました。4月に購入したRedCat51ですが、天候やら何やらでなかなか使う機会がなく、ようやくじっくりと撮影することが出来ました。低価格の望遠鏡ですが星像は大変シャープです。スクエアリング不良により周辺星像が悪化する個体があるらしいですが、幸い私の手に入れたものは周辺まで充分きれいな星像でした。これだけシャープな星像ですと赤道儀のガイド不良が目立つものですが、今回のアンドロメダ、90秒露出で90枚、2時間15分すべて完璧な追尾でした。90枚中、飛行機と人工衛星で3枚ロスしただけでした。SWATとRedCat51、大変相性が良さそうですので、楽しく使っていきたいと思います。
 
■係より
ようやく秋の長雨シーズンも終わって、これからは天体撮影が大いに楽しめそうですね。原田さんからはカシオペヤ座以来、3年ぶりのご投稿となります。いま人気のRedCat51をSWAT-310に搭載してのノータッチ追尾撮影となります。250mmで90秒露出で90枚中87枚が点像とのことで、この歩留まりの良さが、SWATの追尾精度の高さを示していますね。お送りいただいた秋の代表的天体「アンドロメダ銀河」ですが、上のノートリ画像では最周辺までシャープな星像で光学性能も高そうなことがうかがわれます。下の拡大トリミングではアンドロメダ銀河の暗黒帯や周辺の淡い部分の描出すばらしく、全体としてとてもバラスのよい美しい姿を捉えました。黄色みがかった中心部と青みがかった周辺部の色彩もナチュラルです。さすが長時間露出という感じです。Hαが通れば、ポツポツとピンクの星雲が写ったかもしれないですね。よい空で2時間超えの大作、ありがとうございました。この組み合わせで、いろいろな天体を狙ってみてください。次回作もぜひお送りください。期待しおります。

2019年11月 7日 (木)

ビクセンFL55SSによるオリオン座中心部。

横浜市にお住まいの渡辺潤様より、ビクセンFF55SSによる「オリオン座中心部」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Orion
●オリオン座中心部
2019年11月2日0時52分~ ビクセン FL55SS+フラットナーHD 312mm F5.7+IDAS LPS-D1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 露出 180秒×34枚コンポジット SWAT-350+M-GENによる一軸オートガイド PixInsight, ステライメージ8, FlatAidePro, Photoshop CC 2019で画像処理 撮影地 神奈川県三浦市城ヶ島で撮影
 
■コメント
3連休入りの11月1日の夜、GPVの予報は快晴だったものの、日中はひどく霞んだ空だったので撮影に行くかどうか悩んだ末、近場の三浦市城ヶ島で撮影してきました。夜中少し透明度が上がったのか、思ったよりもよく撮れていて、分子雲をある程度あぶり出す事ができました。ただ、3時間程度撮影する予定が途中から雲が広がり始め、2時間しか撮影できず、HDR合成用の短時間露光も撮影できなかったのは残念です。また、1軸ガイドの影響でしょうか、東西方向にスジが入っていますが、まだまだ画像処理技術が未熟でうまく消し切れておりません。この日は終始5m/sec強の風が吹く状況だったため、オートガイドを使用していてもどの程度使える画像が撮れているのか心配でしたが、結果37枚中34枚はほぼ流れておらず、残る3枚も明らかに雲が掛かった影響だったため、実質100%の結果を結果を残してくれたSWATの安定度には、改めて驚かされました。蛇足ですが、ステライメージ8で現像した際、どうしても色が出てこなかったため、PixInsightを初めて使ってみたのですが、一発で期待する色が出てきました。ちょっと本気でPixInsightに取り組もうと思います。
 
■係より
神奈川県の三浦半島の先端にある城ヶ島での撮影です。光害の少なかった頃は城ヶ島でもものすごい星空が広がったのですが、いまは東京、横浜、横須賀など都市光害の影響で当時の星空は望むぺくもありません。しかし南方向には何もないので条件はよく、赤道付近のオリオン座なら、分子雲まで写し出せることがわかります。第三京浜、首都高神奈川線、横浜横須賀道路に便のよい方は、お気軽な撮影地としてよいかもしれません。とにかく首都圏近郊には撮影に適した場所が少ないので、貴重な情報です。さて、ビクセンFL55によるオリオン座中心部です。300mmクラスのきわめてシャープな光学系のため、一軸オートガイドして3分露出でもロスをほとんど出さずにすみました。なお、オートガイドでも東側偏荷重にしてお使いいただいた方が成功率が高まります。画像は仕上げまで丁寧に処理されて、分子雲の描出、星雲の色彩など、すべてが上等で、見応えのある作品なりました。ご投稿ありがとうございました。ぜひまたお送りください。

2019年10月24日 (木)

1200mmで撮るオリオン大星雲。

愛知県春日井市のHUQ様から、ご自宅ベランダから1200mmで撮影した「オリオン大星雲」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Lightbinning_2_half
●オリオン大星雲
2019年10月23日23時01分~05時17分 タカハシ FS60Q ニコン D810A+TC-20EIII 合成焦点距離1200mm(F20) ISO1600 露出16分×6枚コンポジット SWAT350V-spec + SWAT350V-spec DECモード搭載試作機による2軸オートガイド 自宅ベランダにて撮影
 
■コメント
久方ぶりの撮影で色々失敗しましたが、とりあえず昇るM42・M43をモノに出来ました。もう少しコンポジット枚数を増やしてノイズ感を減らしたいところですね。f=1200mm コマ露出16分程度では揺るがぬガイド。頼もしいです。途中、頻繁に流れ雲にガイドを邪魔されたようですが、V-specの精度でガイド星自動再検出可能な程度のズレに留まってくれたようです。朝までグッスリ眠ることができました。
 
■係より
HUQさんには以前よりSWATのβテスターとして貴重なフィードバックをしていただいてます。今回は発売直前のV-specと開発中のDEC(赤緯)モードのテストをかねて2軸で1200mmをオートガイドしてもらいました。まったく天候に恵まれないここ半年としては超貴重な昨夜の晴れを活かしての撮影です。ベランダでのほったらかし2軸ガイドですから、撮影中にスヤスヤと睡眠をむさぼっても、ご覧のような素晴らしい結果をものにできました。こういう撮影もいいですね。2軸ならではのメリットは16分もの長時間露出でも星像が流れない(赤緯の補正量が大きいと写野が回転します)ことです。通常これほどの長時間露光ですと、大気差や極軸の設置誤差、機材の剛性不足などで、どうしてもわずかな流れが生じます。デジカメ時代になって長くても5分程度の露出が主流となって、そういった懸念は払拭されましたが、今あえてリスクの高いF20という暗い光学系で長時間露光という撮影法にチャレンジし、こういった結果をものにするHUQさんをリスペクトせずにはいられません。というか呆れますが…(笑) とにかく撮影の幅が大きく広がることは間違いないですね。ということで、SWAT-350を赤緯体にできるDECモードを現在開発中です。今のところ、大きな問題は生じておらず、来年前半には発売できそうです。お手持ちのSWAT-350にDEC機能を追加する改造も行います。超長焦点で2軸ガイドするか、1軸2台体制で撮るか、SWATの使いこなしも術も変わってきます。

2019年10月21日 (月)

夏の天の川。

横浜市にお住まいの渡辺潤様より、シグマ14mm Artによる「夏の天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_20191021083601
●夏の天の川
2019年6月9日3時50分~ シグマ 14mm F1.8 DG Art 絞りF2.5 LEE ソフトフィルター No.3使用 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 露出 120秒 SWAT-350によるノータッチ追尾 Lightroom, Photoshopで画像処理 撮影地 石垣市川平
 
■コメント
無理に夏の大三角と地上景色を入れようとしたため、中途半端な構図の写真ですが、今年6月に石垣市川平で撮影したものです。梅雨の悪天候が続く中、この日も日が変わる頃までは雲に覆われた空でしたが、夜明けに掛けて回復し、雲の切れ間から撮影する事ができました。ずっと10m/s近い強風が吹く中での撮影でしたが、SWAT-350の抜群の剛性に助けられ、短い焦点距離ではありますが非常に安定した画像を得る事ができました。湿度90%と非常に高く全体的にボンヤリした感じですが、雲のおかげで石垣市中心部の街灯りによるカブリが比較的抑えられたのは幸いでした。一枚撮りでも充分画像処理に耐えるのは、さすが石垣の空という感じでしょうか。
 
■係より
渡辺さんの初投稿作品です。好条件の石垣島での一枚撮りです。よい機材と空があれば、一枚でもこれだけ素晴らしい画像に仕上げられるという見本のような作品で、天の川の写りもすごいですが、いて座付近の中心部分からはくちょう座方向へ走る暗黒帯の描出も見事。ソフトフィルターで輝星を滲ませたのも雰囲気を高めるのに効果的です。作者のコメントにもありますが、14mmの画角だと、地上をとるか北アメリカをとるか悩ましいですね。ご投稿、どうもありがとうございました。次回作もぜひまたお送りください。今後ともよろしくお願いします。

2019年10月16日 (水)

秋の天の川。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ135mm Artによる「秋の天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。

cepheus2cassiopeia_mosaic
●秋の天の川
2019年10月4日21時10分~ シグマ 135mm F1.8 DG  Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 露出 180秒×15枚コンポジット×5パネルモザイク SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsight, Astro Pixel Processorで画像処理 撮影地 静岡県朝霧高原
 
■コメント
夏場の天候の悪さにやきもきしていましたが、10月最初の週末に久々の晴天に恵まれそうだったので朝霧高原に遠征し、牧場のかぐわしい香り(笑)に包まれながら撮影してきました。もちろん、久しぶりの星空を待ち焦がれていたのは私だけではなかったようで、当日は大変多くの天文ファンで賑わいました。
今回撮影したのは秋の天の川です。ケフェウス座からカシオペヤ座に至る領域で、5パネルをモザイクして沢山の星雲・星団を一網打尽にすることができました。画角は横方向にだいたい30度くらいです。右上にアイリス星雲、右下に IC1396、左上にクエスチョンマーク星雲、そして左下にはパックマン星雲まで写っています。この領域を撮影したのは初めてだったのですが、思いのほか赤黒いことに驚きました。これは星間物質が広範囲に漂っているからで、朝日や夕日が赤いのと同じ原理で赤くなるわけですが、この辺はそれが天の川の川幅いっぱいに広がっていますね。星間物質が中央部に集中し、グレートリフト(great rift)を形成している夏の天の川とは趣がまるで違います。秋の天の川は青白い清流では決してなく、赤茶色く濁った濁流であると思った方が良さそうです。なお、こちら(https://flic.kr/p/2htn3bk)には2000万画素の高解像JPEGファイルも置いてありますので、お時間があればご覧ください。
 
■係より
この夏もずっと天気が悪くて、ご投稿は久しぶりとなりました。そんな状況ですが、お送りいただいた画像がこれまたすごくて驚きです。秋の天の川ですが、全体に赤茶色が強く表現されている効果もあってか、広範囲に広がるHα星雲の描出が見事で圧倒されますね。有名どころではIC1396、クワガタ星雲、クエスチョンマーク星雲、パックマン星雲が写っています。レンズが明るいこともあるのですが、一晩で30度ものエリアをこのクォリティで撮影できるとは素晴らしいですね。このままハート&ソウルや二重星団まで延伸して欲しいです。貴重なご投稿、ありがとうございました。ぜひまたお送りください。

2019年9月 1日 (日)

フジGFX100による昇るアンドロメダ銀河。

千葉県市川市の外山保廣(外山電子)様より、フジGFX100で撮影した「昇るアンドロメダ銀河 」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_20190901112801

●昇るアンドロメダ銀河
2019年8月4日22時43分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F3.2 GFX100 ISO6400 30秒露出×11枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■係より
いよいよアンドロメダ銀河の撮り頃となってきました。巨大な銀河ですから、わずか110mm(35mm判換算で約90mm)の画角でもご覧の通りの迫力で写せます。東の山の稜線から昇ったばかりの姿ですが、樹木の影を構図に取り込んで、なかなか面白い仕上がりになりました。このあたりは、さすがベテランの外山さんといった感じですね。1億画素のカメラと最新の高解像レンズで、渦構造も写っています。この組み合わせで、引き続き秋から冬の天の川沿いを狙っていただければと思います。GFX100シリーズにご期待してます。

2019年8月29日 (木)

フジGFX100によるアルタイル付近。

千葉県市川市の外山保廣(外山電子)様より、フジGFX100で撮影した「アルタイル付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_20190829085101

●アルタイル付近
2019年8月4日21時46分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F3.2 GFX100 ISO6400 30秒露出×12枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■係より
わし座のアルタイル付近の暗黒星雲を狙った作品です。画像中心の明るい星がアルタイル、その右上のCの形をした暗黒星雲がB142、そのすぐ下がB143です。いて座付近の天の川は濃いうえに赤い星雲があってとても華やかですし、はくちょう座も散光星雲の宝庫で、それに挟まれたアルタイル付近はやや寂しい感じはありますが、天の川も立派ですし、暗黒帯の濃淡が楽しめて、とても面白いと思います。撮影しておきたいエリアのひとつです。

2019年8月22日 (木)

フジGFX100によるスモールスタークラウド付近。

千葉県市川市の外山保廣(外山電子)様より、フジGFX100で撮影した「スモールスタークラウド付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_20190822093701
●スモールスタークラウド付近
2019年8月4日22時24分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F3.2 GFX100 ISO6400 30秒露出×12枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■係より
いて座の巨大な(ビッグ)スタークラウドに対して、たて座の散開星団M11付近にある天の川の明るい部分のことをスモールスタークラウドと呼びます。画像の中央やや下の部分がそれにあたります。双眼鏡で天の川を流しながら確認したい対象です。M11は密集度の高い散開星団で、まるで球状星団のように見える散開星団です。背景の天の川の星に対して、星団を構成する明るく青白い星との対比が非常に美しいです。部分拡大はこちらをどうぞ。

2019年8月21日 (水)

はくちょう座の散光星雲。

茨城県つくば市の鈴木様より、初投稿いただきました。シグマ135mm Artで撮影した「はくちょう座の散光星雲」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_20190821103701
●はくちょう座の散光星雲
2019年8月5日1時30分~ シグマ 135mm F1.8 DG  Art 絞りF3.2 キヤノン EOS 6D2(HKIR改造) ISO3200 露出 60秒×10枚+30秒×6枚コンポジット SWAT-310にてノータッチガイド ステライメージにて画像処理 撮影地 北八ケ岳
 
■コメント
先日、北八ヶ岳で初めてペリカン星雲付近を撮影してみました。SWAT310の精度にはびっくりでした。ご笑覧下されば幸いです。まだまだ先が長そうです。
 
■係より
鈴木様、このたびは初投稿ありがとうございます。北八ケ岳で撮影されたはくちょう座の散光星雲ですが、空の条件が良かったのでしょう、Hα散光星雲が素晴らしいコントラストで写せました。サドルの北側の細かい星雲もよく出ていて、なかなかのものですね。近場の房総でも撮影されたいとのことですが、北八ケ岳の空には到底かないませんが、短時間で行けるのが一番の魅力です。ぜひ気軽に出かけていただければと思います。また撮影されましたら、お気軽にご投稿ください。お待ちしております。

2019年8月20日 (火)

Sh2-245。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ135mm Artによる「Sh2-245」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Sh2245
●Sh2-245
2018年11月11日1時35分~ シグマ 135mm F1.8 DG  Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO3200 露出 120秒×40枚コンポジット SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 長野県諏訪郡富士見町
 
■コメント
少々ご無沙汰しておりました。夏季に入ってなかなかすっきりと晴れないので、昨年の秋に撮影した蔵出し画像で恐縮ですが投稿いたします。
オリオン座の西側、すばるの南側に、ちょうど平仮名の「し」の字を描く赤い星雲があります。オリオン-エリダヌス・スーパーバブル(Sh2-245)と呼ばれるこの天体は、135mmの画角ではとても全景は写せないほどに巨大で、この写真はその「し」の字の左側の直線部分だけを写したものです。この星雲を写すのはこのときが2回目でしたが、非常に淡い対象で、上手く写せたと言えるのはこれが初めてです。実際に写してみると、周囲に分子雲らしき星雲も広範囲に広がっており、こちらもまた写しきれていません。宇宙には、意外と星間物質があちこちに漂っているんですね。思えば、この天体も夜半過ぎには東の空に昇ってくる季節になりました。シーズンインと言って良いでしょう。この星雲がいったいどこまで広がっているのか興味はありますが、とりあえず今シーズンはモザイクでもう少し広い範囲を撮影できればと思っています。また、いつもの通り高解像度版(https://flic.kr/p/2eetL9M)もご覧いただけますので、お時間があればご覧ください。
まだまだ残暑厳しい日が続きますが、皆様どうぞご自愛専一にてご精励くださいますよう。
 
■係より

いつもご投稿いただき、ありがとうございます。今回はこれまたずいぶん難物ですが、素晴らしくよく写ってますね。Sh2-245はオリオン座の右(西)側にある超巨大な散光星雲で、50mm標準レンズの画角いっぱいに広がるくらいの大きさがあります。釣り針のような「し」の字形をしていますが、淡いので写すのはなかなか難しいです。蒼月さんの作品は、まわりの分子雲までも強調してあって、すごい迫力になっています。Sh2-245はヒヤデス星団に近いですが、あのあたりはかなり濃い分子雲が漂っているので、それと繋がってるのかもしれません。是非モザイクで広げていただいて、全貌を見てみたいですね。またのご投稿、楽しみにしております。

2019年8月18日 (日)

北アメリカ星雲、ペリカン星雲付近。

愛媛県にお住まいの山田浩之様より、「北アメリカ星雲、ペリカン星雲付近」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Photo_20190818081701
●北アメリカ星雲、ペリカン星雲付近
2019年8月9日01時29分~ ニコン Ai-S 180/F2.8 ED 絞りF4 ニコン D7000(ノーマル) ISO3200 露出240秒×23枚コンポジット SWAT-310によるノータッチ追尾 ダーク、フラット処理 RAP2 スタック DeepSkyStacker 調整 CaptureNX2等 撮影地 愛媛県砥部町
 
■コメント
梅雨明けの7月後半以降、夏バテと眠気で数回あった撮影機会を逸していました。8月8日から9日にかけてはWindyの予報が良かったので、いつもの場所に出かけ撮影を行いました。月没から薄明までの時間を考慮すると、明るい対象の方が良いだろうと思い、北アメリカ・ペリカン周辺を対象としました。残念ながら3時過ぎには雲が出てきたため、予定していた露出時間を稼ぐことはできませんでした。ちなみに今回もStarnet++で恒星の除去を行いました。ここは微恒星が密集した領域ですので、ばっさり恒星を消してしまうと違和感が生じてしまいます。個人的な基準ですが、それなりに恒星を残す方向で処理しました。
 
■係より
ようやく長い梅雨が明けたと思ったら、台風やらなにやらで、安定しない天候が続いてます。少ないチャンスをものにしての作品です。F4で総露出1時間半、細部もよく写っています。星雲の強調処理も抑えめなので、階調豊かな仕上がりがとても自然で好感が持てますね。Starnet++で恒星と背景を分けて処理したそうですが、そのおかげで恒星がうるさく感じられず丁度いい感じです。ご投稿ありがとうございました。また撮れたらお送りください。お待ちしております。

2019年8月17日 (土)

フジGFX100によるS字状暗黒星雲付近。

千葉県市川市の外山保廣(外山電子)様より、フジGFX100で撮影した「S字状暗黒星雲」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
S
●S字状暗黒星雲付近
2019年8月4日20時47分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F4 GFX100 ISO6400 30秒露出×11枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■係より
このところ、1億画素を誇るフジGFX100と純正GF110mm F2による作品を連続でご紹介してます。今回は「S字状暗黒星雲付近」です。どこだか判りますか? 焦点距離が短いので、かわいらしく写ってます。探してみてください。答えは右端の輝星(木星)とM8干潟星雲の中間くらいのところです。GFX100の作例を何枚もみてきたので、だいぶ慣れてきましたが、やっぱり星像がシャープで、背景のぬか星がまるで銀砂を撒いたように埋め尽くしています。左にM16、M17、バンビの横顔、M20、M8の主役たちを配し、木星を取り込んだ構図は斬新です。ノーマルでも赤い星雲がよく写るのはフジのカメラの特徴です。

2019年8月14日 (水)

フジGFX100による天の川中心部。

千葉県市川市の外山保廣(外山電子)様より、フジGFX100でこれまで撮影した天の川まわりをモザイク合成した「天の川中心部」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
3
●天の川中心部
2019年7月5日/8月4日 フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り開放~F4 GFX100 ISO6400 30秒露出×7枚~15枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 アタカマ高原(チリ)/千葉県大多喜町
 
■係より
外山さんがフジのGFX100を使ってチリのアタカマ高原や房総で撮影した天の川中心部付近の画像にアンタレス付近を追加してモザイク合成した作品です。アタカマ高原の素晴らしいコントラストの作品と比べると房総はワンランク落ちてしまいますが、モザイク合成で縮小されるので、違和感はさほど感じませんね。見所はなんといってもこの暗黒帯でしょうか。恐ろしいほどの迫力で迫ってきます。この画質でどんどん広げていきたいですね。

2019年8月10日 (土)

フジGFX100によるバンビの横顔付近。

千葉県市川市の外山保廣(外山電子)様より、フジGFX100で撮影した「バンビの横顔付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_20190810082501
●バンビの横顔付近
2019年8月4日20時35分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F4 GFX100 ISO6400 30秒露出×9枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■係より
前回作品の南斗六星のすぐ北側に位置するバンビの横顔付近の天の川です。画角が一部重なってますので下にモザイク合成した画像を掲載します。房総の空の下、F4でわずかに4.5分での作品です。これだけ短時間で写せると、夏から秋にかけての天の川沿いを一晩で撮影してモザイク合成することも可能ですね。一億画素のGFX100ですから、縮小リサイズで画質アップが期待できますので、チャレンジしてもおもしろいかもしれません。
 
2_20190810082601 

2019年8月 6日 (火)

フジGFX100による南斗六星。

千葉県市川市の外山保廣様(外山電子)より、フジGFX100で撮影した「いて座の南斗六星付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_20190806183301
●南斗六星
2019年8月4日20時23分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F4 GFX100 ISO6400 30秒露出×7枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■係より
チリ、アタカマ高原の見事な天の川に続いて、千葉県大多喜町で撮影した天の川をお送りいただきました。総露出はわずかに3.5分ですが、房総半島で、こんなにすごい天の川が撮れるなんて、素晴らしいです。さすが一億画素、さすが富士フイルム、といった感じです。もちろん外山さんの撮影技術が秀でていることは間違いないです。ちょっと昔の話になりますが、月面撮影に使われたPOTA現像液を天文の世界にはじめて持ち込んで大ヒットさせたのが、外山さんです。もともと天体写真の大御所でもありますが、モータードライブ以外にも天文界に貢献してきた方なんです。POTAは超微粒子なミニコピーやテクニカルパンといったコピーフィルムを使って低感度撮影し、高階調を出すための超軟調現像液です。この組み合わせのおかげで、月面写真の画質が大幅に向上しました。わたしもお世話になった現像液です。

2019年7月30日 (火)

ハート星雲とソウル星雲(Starnet++再処理)。

愛媛県にお住まいの山田浩之様より、「IC1848(ソウル星雲)、IC1805(ハート星雲)」(Starnet++再処理)をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Photo_20190730200901
●IC1848(ソウル星雲)、IC1805(ハート星雲)
2018年11月10日23時38分~ ニコン Ai-S 180/F2.8 ED 絞りF4 ニコン D7000(ノーマル) ISO1600 露出360秒×32枚コンポジット SWAT-310によるノータッチ追尾 ダーク、フラット処理 RAP2 スタック DeepSkyStacker 調整 CaptureNX2等 撮影地 愛媛県砥部町
 
■コメント

お世話になります。
2018年12月13日(木)に掲載していただいた『ハート星雲とソウル星雲』を、最近話題になっている「Starnet++」で再処理してみましたのでお送りいたします。再処理する上でのポイントはマスクの品質と恒星の制御でしたが、個人的には概ね許容できる結果となりました。
マスクは従来方法よりも高品位なものが作成できます。今まではミニマムフィルターとダスト&スクラッチで恒星を消去していたのですが、それに比べてStarnetで処理したものは、より質感の高いものが生成されます。また今回の処理ではリンギング(恒星廻りの黒縁)回避のための、手作業での修正は不要でした。恒星の制御についてはスタック後の状態(強調処理する前の状態)を維持可能です。つまり肥大していない星像を抽出することができます。方法は一番上のレイヤーグループにスタック後の画像を置き、レベル調整で黒レベルをシフトして、グループのブレンドモードを比較明にしました。他の方法もあるのですが、調整結果がリアルタイムでわかるので、とりあえずこの方法を使いました。下層のレイヤーで星有りと星無しの画像をブレンドすると、恒星がグレーになりますがこの処理で回避できます。個人的には星像抽出用途で、星マスクはもう必要ないのではと思いました。

【参考】
  ▼恒星抽出レイヤーグループ(比較明)
    ■レベル調整 → 黒レベルを調整して恒星制御
    ■背景(スタック後の画像)

Starnetは処理画像がプログラムフォルダー内に収められている必要があるので、移動やコピーの手間を省くため、簡単なバッチファイルを作って処理しました。STRIDEを64(デフォルト値)にしていますが、128でも出力画像に明確な違いはありませんでした。[…]の部分を環境に合わせて修正後、ファイル名を例えば「starless.bat」としてPathの通ったフォルダに入れて、コマンドプロンプトで"starless FileName"として実行します。プログラムとファイルの検索のボックスに打ち込んでも実行できます。

【サンプル】
@echo off
cd /d [Working Folder Path]
move %1 [StarNet++ Install Path]~%1 >nul
cd /d [StarNet++ Install Path]
rgb_starnet++.exe ~%1 [OutputFileName].tif 64
move ~%1 [Working Folder Path]%1 >nul
move [OutputFileName].tif [Working Folder Path] >nul
pause

それとTIFFファイルのフォーマットによっては、読み込みエラーが発生することがあります。たいていはそのまま放置しておいても処理は完走しますが、気になる場合はImageMagickで再コンバートすれば解消します。
 
■係より
話題の「Starnet++ 」の使用レポートをお送りいただきました。再処理前の画像に比べて、明らかに恒星が抑制され、星雲が引き立って見えますね。普通に強調処理をすると星雲と恒星の両方とも影響を受けますが、Starnet++で恒星を除いた星雲のみの画像を作成して、それを強調処理し、恒星ありの元画像と合成することで恒星像には強調処理がかからず、グッと抑えた表現が可能になります。結果、星雲がより引き立つ画像が得られます。このStarnet++は、私は使ったことがないですが、コマンドラインで操作するらしいです。DOSの頃からパソコンを弄っていた人にはどってことないと思いますが、最近の人にはちょっと面倒かもしれませんね。でも昔のプログラムを動かしてる感が味わえます。(笑)

2019年7月22日 (月)

フジGFX100によるさそり座尾部。

1億画素のフジGFX100による作例、第3弾は「さそり座尾部」。撮影は千葉県市川市の外山保廣様です。
 
Photo_20190722114401
●さそり座尾部
2019年7月5日22時09分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F2.8 フジ GFX100 ISO6400 30秒露出×9枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 チリ アタカマ高原
  
■係より
1億画像のフジGFX100による作例、第3弾です。今回の総露出は驚きの4.5分です。5分足らずの露出で、こんなすごい画質が得られるとは、恐るべしです。構図は前回の天の川中心部から、南に下がって一部重なっています。点在する赤い星雲は、上から彼岸花星雲、出目金星雲、中央やや右(西)がえび星雲です。日本からだと南の空に低いため、透明度がよくないときれに写せない領域です。ちなみに東京からだとえび星雲の地平高度は15度弱、画像の下端がちょうど地平線あたりになります。それにしてもため息が出るほど素晴らしい仕上がりです。係が前回の作例とモザイク合成したものを下に掲載します。2枚の総露出がたったの12分! それでこのクォリティ! すごい時代になりましたね。モザイク画像は複雑に入り組んだ暗黒帯が恐ろしいほどです。外山さん、ありがとうございました。ぜひまたお送りください。
 
Photo_20190722120401 

2019年7月19日 (金)

フジGFX100による天の川中心部。

前回に続いて、チリで撮影した「天の川中心部」です。撮影は千葉県市川市の外山保廣様です。
 
Photo_20190719112501

●天の川中心部
2019年7月5日21時40分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F2.0開放~F2.8 フジ GFX100 ISO6400 30秒露出×15枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 チリ アタカマ高原

 
■係より
1億画像GFX100による作例、第2弾は天の川中心部です。総露出はわずかに7.5分ですが、こんなに素晴らしい画像が得られます。M8干潟星雲から彼岸花星雲にかけての濃い天の川と複雑に入り組む暗黒帯の対比があまりにも見事で、思わず引き込まれそうな感じです。1億画素では掲載できないため、上の画像は約200万画素まで1/50に縮小してます。参考のため撮って出しのピクセル等倍切り出しを下に掲載します。GFX100と純正110mmレンズの解像度をご覧ください。無公害の地ということもありますが、ISO6400、30秒露出でここまで写ります。
 
Photo_20190719114801 

2019年7月16日 (火)

フジGFX100によるみなみじゅうじ座。

千葉県市川市の外山保廣様より、チリで撮影した「みなみじゅうじ座」をお送りいただきましたので、早速ご紹介します。
 
Photo_20190716111101
●みなみじゅうじ座
2019年7月5日21時05分~ フジ GF110mm F2 R LM WR 絞り F2.0開放~F2.8 フジ GFX100 ISO6400 30秒(F2) 60秒(F2.8)露出×16枚コンポジット SWAT-310(V-spec β版)でノータッチ追尾 Photoshop CCで画像処理 撮影地 チリ アタカマ高原
 
■係より
SWATの駆動回路でお世話になっている外山電子の外山保廣さんからお送りいただいた南天で撮影したみなみじゅうじ座です。機材がすごいです。発売されたばかりの1億画素GFX100に110mm F2レンズを組み合わせてます。いったいお幾らなんでしょう…(汗) 35mm判だと90mm相当の画角になるのでしょうか。ISO6400と高感度に設定、30秒~1分露出でノータッチ撮影しています。さすがに光害とは無縁のチリの空、素晴らしいコントラストで南十字付近の銀河を捉えています。入り組んだ暗黒帯や赤い星雲が美しいです。フジのカメラはノーマルでも赤い星雲が写ることで有名ですが、GFX100もバッチリ写ってますね。 南十字星の左下がコールサック(石炭袋)と呼ばれる暗黒星雲、右の赤い星雲がバット星雲(IC2944)です。

2019年7月14日 (日)

デネブ付近。

東京都八王子市の上村裕様より、はくちょう座の「デネブ付近」をお送りいただきましたので、早速ご紹介します。
 
Sadr

Sadr_nostar
●デネブ付近
2018年11月10日21時36分~ シグマ 105mm F1.4 DG HSM Art 絞り F2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 60秒露出×85枚コンポジット SWAT-350 M-GENによる1軸オートガイド PixInsightで画像処理 撮影地 長野県諏訪郡
 
■コメント
梅雨入りしてしばらく経ちますが、なかなか晴れ間が少ない関東地方です。平年通りであれば今月20日前後に梅雨明けでしょうか、待ち遠しいですね。今回は、デネブ付近を105mmで撮影したものをお送りします。とは言っても最近のものではなく、昨年11月に撮影していた在庫です。(笑) シーズン終盤に撮影したもので、季節感がずれていたこともありそのままにしていました。デネブのすぐそばには、定番の北アメリカ星雲やペリカン星雲、少し離れてサドル付近にも散光星雲が広範に分布しています。天の川の中で星が非常に多い領域ですが、その中に広がる暗黒帯の濃淡も見所のひとつです。微光星を除いた画像(下)をご覧いただければ、淡くうねる様に分布するHa輝線領域がお分かりいただけると思います。ここ最近は、PixInsightに実装されている測光的手法で色合わせをするプロセス(PCC)を使用しています。この画像もそのプロセスを使用してカラーキャリブレーションしたものです。この作例の場合、全体的に赤みを帯びているようなイメージになりますが星間赤化の影響でしょうか。属人的でないこのプロセスは、撮影対象に依存せず、再現性の高い結果が得られるので気に入っています。当然ながらルールがあるわけではありませんので、選択肢の一つとしてこのような手法があるという程度にとどめていただければ幸いです。詳しくお知りになりたい方は、この作例ページでもおなじみの蒼月さんがYouTubeで公開されているTipsがおすすめです。
 
■係より
さすがに梅雨本番とあって、ご投稿もぱったりと途絶えてしまいました。在庫画像とのことですが、そんなこと言ってられない状況で、とてもありがたいです。(笑) さて、天文用に開発されたといってもいいほどのシャープなレンズ、シグマ105mm F1.4 Artによるはくちょう座のデネブ付近です。F2.5の明るさに、コンポジット枚数も85枚(総露出1時間25分)と充分過ぎるほどで、ノイズが少なく階調も豊かです。北アメリカ星雲からサドル付近にかけてのHα星雲が滑らかに描出されています。なるほど、微恒星を消した画像だと星雲の広がりがよくわかりますね。今年の関東地方は梅雨の中休みもなく、ずっと曇りか雨で、梅雨らしいといえばそれまでですが、そろそろ星空が見たくなってきました。次の新月期はぜひとも晴れて欲しいですね。貴重なご投稿、ありがとうございました。他にも蔵出し画像があったら送ってください。(笑) よろしくお願いします。

2019年6月11日 (火)

しし座の三つ子銀河。

東京都八王子市の上村裕様よりボーグ107FL+SWAT-350で撮影した「しし座の三つ子銀河」をお送りいただきましたので、早速ご紹介します。
 
Leotriplet

 

Leotriplet_annotated
●しし座の三つ子銀河
2019年3月8日22時20分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08× 合成焦点距離 648mm F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 180秒露出×80枚 SWAT-350+M-GENによる1軸オートガイド PixInsight、Photoshopで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■コメント
今年も梅雨がやってきましたね。関東の梅雨入りは平年並みとのことですが、ここ数年は特に晴れ間が少なく、なかなか撮影することができません。新月期前後で好天に恵まれると良いですね。今回は、3月に撮影したしし座の三つ子銀河をお送りします。春は、ポタ赤で狙うには厳しい対象ばかりですが、いくつかの天体は500mm前後でもそこそこ見栄えのするものがあります。そのひとつがこの三つ子銀河です。撮影当日はシーイングが良く、それぞれの銀河の構造がよく出てくれました。
 
■係より
梅雨入りしてしてしまいましたが、ありがたいことに投稿コーナーには素晴らしい作品が届いています。ユーザー様のおかげで、この時期でも天体を楽しめます。さて、上村さんから「しし座の三つ子銀河」をお送りいただきました。画像は北が左になってますが、左の銀河がNGC3628、右上がM65、右下がM66です。総露出時間4時間ですからノイズも抑えられ、 シーイングがよかったことで、銀河の細部がとてもよく写ってますね。彩度も効いてますし、とても口径10cmとは思えない出来です。下の写真星図も参考になります。三つ子の周りに20等級?クラスのPGC天体がいっぱい写ってますね。この時期の貴重なご投稿、ありがとうございます。ぜひまたお送りください。

2019年6月 8日 (土)

青い馬星雲。

愛媛県にお住まいの山田浩之様より、さそり座の「青い馬星雲」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Photo_9
●さそり座アンタレス周辺 
2019年3月8日04:02~ 2019年3月9日03:19~ 2019年3月15日03:27~ ニコン Ai-S 180/F2.8 ED 焦点距離 180mm 絞り F4 ニコン D7000(ノーマル) ISO800 露出360秒×40枚コンポジット SWAT-310によるノータッチ追尾 DNG変換 Adobe DNG Converter  ダーク、フラット処理 RAP2 スタック DeepSkyStacker 調整 CaptureNX2等 撮影地 愛媛県東温市
 
■コメント
3月に撮影したものですが、とりあえず夏物ということで投稿いたします。一晩では撮影時間不足であったため、三夜に渡って撮影しました。副観望地で撮影したのですが、ここは北から西にかけて大きな光害のドームがあるため、どうなることか心配だったのですが、出来栄えはともかく何とか形にすることはできました。ちなみに撮影地の天頂部の等級は21.32mag/arcsec^2(ATLAS2015)であり、いわゆる軽度の光害地といったところです。私のサイトの以下のページに「光害マップの活用方法」をまとめていますが、机上ロケハンをすれば、意外と身近に良い場所が見つかるかもしれません。
 
■係より
さそり座のアンタレスの北にある「青い馬星雲」です。明るい光学系で総露出時間4時間ですから、淡い部分もとても滑らかに描出できました。東に延びる暗黒帯の微妙な濃淡も見事です。全体の仕上げもナチュラルでいい感じで、お手本のような作品です。リンク先の「光害マップの活用方法」も役に立ちますね。梅雨時の貴重なご投稿、どうもありがとうございました。ぜひまたお送りください。

2019年5月28日 (火)

昇ってくる天の川。

東京都八王子市の関原謙介様より、「昇ってくる天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Tsumekizaki1
●昇ってくる天の川
2019年4月4日 ニコン 14-24mm F2.8 14mm 絞りF4 ニコン D810A ISO3200 露出時間 120秒×15枚 トータル露光時間30分 SWAT-350によるノータッチ追尾 PixInsightでスターアラインメントと加算処理 地上画像は露光時間120秒×3枚(固定撮影)をフォトショップCS6による比較暗合成で作成 星画像と地上画像はフォトショップCS6により合成 撮影地 伊豆半島爪木崎
 
■コメント
以前に掲載いただいた「さそり座上部」を撮影した次の日の4月4日の撮影です。この日の西伊豆は快晴でしたが風が強かったため、西伊豆での撮影を諦め、夜半に昇ってくる夏の天の川を撮影すべく、東伊豆の爪木崎海岸へ遠征しました。海からまさに昇ってくるところを狙ったのですが、やはり処理が難しく
あきらめかけて中断していました。今回、再挑戦してなんとか処理してみました。さすが首都圏に近い東伊豆では夜中でも明かりをこうこうとつけた漁船が何隻も沖をうろうろとしていて、それによる醜い光跡が写り込んでしまい「困ったな」と思っていたのですが、地上画像も複数枚撮影し、比較暗合成を行うことで光跡を全て消し去ることができました。
 
■係より
いつもご投稿いただきまして、ありがとうございます。今回は南東の水平線から昇る天の川です。超低空までコントラストよく写ったのは、透明度もよかったのでしょう。横たわる天の川、灯台の光芒、手前のゴツゴツした岩肌の景色、全体の雰囲気も申し分ありません。 見応えのある素晴らしい作品に仕上がりましたね。関原さんの真骨頂といった感じです。いよいよ梅雨入りが近づいてきましたが、それまでにもうワンチャンスあるといいですね。また撮れたらお送りください。お待ちしております。

2019年5月24日 (金)

夏の訪れ。

東京都八王子市の上村裕様より14mm超広角レンズによる「夏の天の川」をお送りいただきましたので、早速ご紹介します。
 
Milkyway_s2

●夏の訪れ
2019年5月4日3時41分~ シグマ 14mm F1.8 DG HSM Art 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(HKIR) ISO1600 露出 90秒×19枚(天の川)、90秒×5枚(地上)をそれぞれコンポジット後、合成 SWAT-350ノータッチ追尾 PixInsight、Photoshopで画像処理 撮影地 大分県日田市
 
■コメント
今年のゴールデンウィークは新月期と重なり撮影に出かけられた方も多いのではないでしょうか。天候に恵まれた後半の1日だけ撮影に出かけましたのでお送りします。今回は、14mmの超広角での撮影です。菜の花が広がる高台から、熊本県小国町〜阿蘇五岳を望み、南北を縦断するように夏の天の川が聳えます。空の状態が良く、1枚撮りでも天の川をコントラスト良く撮影できますが、ここはSWATを使ってじっくり撮影します。そうすることで、天の川の濃淡や、暗黒帯のディティールをより鮮明に捉えることができます。超広角のため、当然ノータッチで撮影可能です。どうしても地上の景色は流れますので別撮りして合成しています。久しぶりに超お気軽な撮影となりましたが、これこそがSWATの魅力であり、初心者でも気軽に始められる撮影スタイルですね。
 
■係より
いつもご投稿いただきまして、ありがとうございます。今回はGWの里帰りをいかして、大分からの撮影ですね。それにしても素晴らしい天の川です。無理のない画像処理でナチュラルな仕上げがいい感じです。関原さんの作品も自然な仕上がりですが、全体的な雰囲気に作者の個性の違いが出て面白いです。上村さんは手前の菜の花畑や青く幻想的な山並みを上手に構図に取り込んでいます。このように地上を水平にしたい場合は、自由雲台を使うのがおすすめです。撮影条件に恵まれて、Hα星雲が連なっているのがよくわかりますね。M16わし星雲、M17オメガ星雲、M20三裂星雲、M8干潟星雲、彼岸花に出目金、エビ星雲までよく写っています。この週末は月がまだ大きいですが、夜半までは撮影できそうなので、晴れたら出かけたいですね。梅雨入り前の貴重なチャンスかもしれません。ぜひまた、よろしくお願いいたします。

2019年5月20日 (月)

さそり座頭部。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ135mm Artによる「さそり座頭部」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_7

●さそり座頭部
2019年5月8日1時30分~ シグマ 135mm F1.8 DG  Art 絞りF2.5 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO3200 露出 150秒×27枚+45秒×15枚+20秒×13枚 各コンポジット SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 静岡県天城高原
 
■コメント
こんにちは。満月期には投稿がないと油断されているのではないかと思います(笑)が、投稿が寂しい頃を見計らって賑やかしに投稿いたします。
ゴールデンウィーク中は残念ながらどこにも遠征に行けなかったので、その代わりとばかりに連休明けに天城高原に強行してきました。この日、当初は夜8時か9時頃には晴れる予報だったのですが、その後も静岡から房総にかけて筋状の雲が東西にしつこく残ってしまい、ようやく晴れたのは日付が変わって1時半頃になってからでした。それから薄明までわずか1時間半ほどしかありませんでしたが、ややノイジーながらも短時間でそれなりに写せる明るい光学系はやはり重宝します。
なお、写真はこの時期の最も美味しい具材を全部乗せといった構図ですが、135mmの画角で横構図だと流石にやや窮屈な感がありますね。ここを撮るなら、余裕をもって105mm程度で狙うか2パネル撮ってモザイクするか、どちらかをお勧めします。また、いつもの通り高解像度版もこちら(https://flic.kr/p/2fMnmDu)でご覧いただけますので、お時間があればご覧ください。
来月はもう梅雨季に突入ですが、次の新月期まではお天気に恵まれますように。
 
■係より
満月と長雨の時期のご投稿はとてもありがたいです。ユーザーのみなさまのご投稿だけが頼りです。さて、お送りいただいたのはシグマの135mm Artによるアンタレス周辺です。デジタル機材の進歩もあって、アマチュアでも簡単にカラフルな画像が得られるようになったため、すっかり人気が定着した領域です。蒼月さんのこの作品は、高性能な撮影機材と卓越した画像処理技術によって表現されており、とてもハイレベルに仕上がっています。赤、黄、青の美しい散光星雲と反射星雲はもちろん、東に延びる暗黒帯まで立体的に描出されていて、お見事としかいいようがありません。 確かに135mmの画角では、若干窮屈さが否めませんが、デジタル時代はモザイクという技が気軽に使えますので、ぜひチャレンジしていただければと思います。ただし、ハイライト部分以外のエリアは、イマイチ気合いが入りませんが…(笑) 梅雨入り前にもうワンチャンス期待したいですね。またのご投稿、お待ちしております。
 
  105sample_2
ご参考にフルサイズ135mm(白枠)と105mmの画角の比較。レベル補正しただけの撮って出し一枚物です。画像処理しないと何も写ってない感じです。

2019年5月13日 (月)

山村からの天の川。

東京都八王子市の関原謙介様より、「山村からの天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。

Photo_6
●山村からの天の川
2019年5月7日 シグマ 14-24mm F2.8 DG HSM Art  絞りF4 ニコン D810A ISO3200 露出時間 80秒×23枚 トータル露光時間30.5分 SWAT-350によるノータッチ追尾 PixInsightでスターアラインメントと加算処理 地上画像は露光時間80秒X3枚(固定撮影)をフォトショップCS6による比較暗合成で作成 星画像と地上画像はフォトショップCS6により合成 撮影地 長野県長野市中条
  
■コメント
先週は新緑と残雪の山々を楽しむつもりで長野県北部を旅行したのですが、7日の夜は好天が期待できそうとわかり、急遽SWATも持って行くことに。7日の夜に泊まった中条という長野県北部の山村は、周囲はほとんど明かりのないところですが、南に上田、安曇野から松本など信州の「大都会」があるためか、南天は意外に明るく少々がっかりでした。とは言ってもたっぷり30分の露光時間でかなりコントラストのいい天の川を撮ることができました。次の日は睡眠時間3時間ほどでしたが、水芭蕉や残雪の山々を見ながらハイキングを楽しみました。ところで、今まで使っていたNikkor 14-24mmを売却してシグマ 14-24mm F2.8 Artを購入し、今回初使用です。
 
■係より
いつもご投稿いただき、ありがとうございます。関原さん調のナチュラルな仕上げの天の川をお送りいただきました。長野といえども光害の影響から逃れられなかったとのことですが、仕上がった画像を見ると彼岸花や出目金はおろか、それより低空のエビ星雲もよく写っており、なかなかの空だったようです。今回、ニコンの14-24からシグマ14-24mm F2.8 Artに乗り換えられての初撮影だったそうですが、最新設計のArtシリーズだけあって、全面シャープな星像でヌケもよく、その高性能ぶりが伝わります。梅雨入りが迫ってきました。さそり座付近は次の新月期が最後のチャンスかもしません。またのご投稿、お待ちしております。

2019年5月11日 (土)

カラフルタウン。

千葉県にお住まいの梨本閑琉様より「カラフルタウン」を初投稿いただきましたので、早速ご紹介します。

Photo_5
●カラフルタウン
撮影日時不明 サムヤン135mm F2 絞りF2.8 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 240秒露出×11枚コンポジット SWAT-350にてノータッチ追尾 DSS、FlatAidePro、Photoshop CCにて画像処理(Dark,Flat処理含む) 撮影地 千葉県

■コメント
撮影場所は千葉県。明け方の3時を過ぎてから透明度が急に回復してきたので、慌ててSWATを設置。こんな時でも簡単設定で助かります。また、海辺での撮影ですので、万一の大地震で津波が予想されるときでも数分で撤収できます。5月に撮り増し予定でしたが、天候に私の予定が合わせられず、荒れてきている部分もありますが投稿させていただきます。この画像は135mmなのでSWAT-350なら充分ノータッチで撮影できる焦点距離です。もちろん捨てファイルはありませんでした。総露出時間44分と短いですがF2.8という明るいレンズにも助けられています。
 
■係より
梨本さんからの初投稿です。どうもありがとうございます。サムヤンの135mm F2でさそり座アンタレス付近の「カラフルタウン」と呼ばれるエリアを撮影されました。南の天体なので、房総からだと光害の影響が少なく、透明度さえよければ、けっこう良く写ります。135mmレンズの画角だと青い馬星雲まできれいに取り込めてちょうどいい感じですね。また撮れましたら、ぜひお気軽にご投稿ください。お待ちしております。

2019年4月28日 (日)

600mm望遠レンズによるM104ソンブレロ銀河。

大分県佐伯市にお住まいの志賀本昌様より、「M104ソンブレロ銀河」をお送りいただきましたのでご紹介します。

M104

●M104ソンブレロ銀河
2019年4月27日21時08分~22時30 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG 600mm 絞り F7.1 キヤノン EOS X7i(IR改造) ISO3200 露出150秒×29枚をステライメージ8でコンポジット SWAT-350+M-GENによる一軸オートガイド 撮影地 大分県佐伯市
 
■コメント
最近、南にある苺栽培ハウスの照明が消えましたので 昨夜M104ソンブレロ銀河を撮影しました。自分としてはたぶん平成最後の撮影になると思います。M104の周囲に目印になる明るい星が無いので透過型ファインダーでは見えず、視野に入れるまで時間がかかりました。結局スピカから西に動かして見つけました。自宅ベランダからの撮影ですが寒くて冬に戻った気温でした。
 
■係より
春の銀河は小さいものが多くて、メートル級の焦点距離でないとなかなか迫力ある姿を捉えるのが難しいですが、一部のメシエ天体の中にはポータブル赤道儀のSWATで狙っても楽しい対象があります。その中のひとつがこのM104ソンブレロ銀河です。志賀さんは600mm望遠レンズで、一直線に暗黒帯が横切る特徴ある姿を見事に捉えました。導入に苦労されたとのことですが、SWATには目盛環が装備されていますので、コメントの通りスピカから赤経軸を45′ほど西に回せば 写野のどこかに入ってきます。赤緯は約0.5°のズレしかないので、あとは試写しながら微調整すれば効率よく導入できます。毎年悩まされる苺ハウスの照明も一段落したようで、これから南天の天体撮影が存分に楽しめますね。是非またご投稿ください。お待ちしております。

2019年4月24日 (水)

さそり座アンタレス周辺。

愛媛県にお住まいの山田浩之様より、「さそり座アンタレス周辺」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Photo_3

●さそり座アンタレス周辺
2019年4月4日2時12分~(気温1℃) ニコン Ai-S 180/F2.8 ED 焦点距離 180mm 絞り F4 ニコン D7000(ノーマル) ISO1600 露出240秒×14枚コンポジット SWAT-310によるノータッチ追尾 DNG変換 Adobe DNG Converter  ダーク、フラット処理 RAP2 スタック DeepSkyStacker 調整 CaptureNX2等 撮影地 愛媛県砥部町
 
■コメント 
当日は複数の対象を撮影すべく予定していたのですが、間欠的に雲が流れ予定は消化不良となりました。この対象のみ何とか撮影できたのですが、約2時間の撮影のうち、比較的影響の少ないものが、14枚しか残りませんでした。残ったフレームもベールに覆われたような感じで残念でした。次の新月期で雪辱できたらと思っているところです。
 
■係より
GW以降、夜半頃から撮影可能になるアンタレス周辺をご投稿いただきました。このエリアはとてもカラフルで、短い焦点距離でも充分に迫力ある作品に仕上げられます。今回は180mm F2.8望遠レンズをSWAT-310に搭載してのノータッチ撮影。当日は透明度がとても悪かったそうですが、画像処理でカバーして、淡い星雲を見事に描出しました。アンタレス付近は南中高度が低く、なかなか好条件で撮影できるチャンスが少なく、梅雨入り前までの透明度のよい日が狙い目です。ご投稿ありがとうございました。次回作もお待ちしております。

2019年4月11日 (木)

さそり座上部。

東京都八王子市の関原謙介様より、「さそり座上部」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Sasori
●さそり座上部
2019年4月2日~3日 Samyang 135mm F2.0 ED,F2.8(4/2)、F4(4/3) オプトロン・クリアスカイフィルター使用  ニコン D810A ISO3200 露出時間 90秒×29枚 80秒×86枚コンポジット トータル露光時間158分 SWAT-350によるノータッチ追尾 PixInsightで加算処理 ステライメージ8 Nikon Captute2による追加の画像調整処理 撮影地 静岡県松崎町
 
■コメント
先週は天候に恵まれて星空の撮影を楽しまれた方も多かったと思います。4月2日と3日の2日間かけて撮影したさそり座上部です。撮影場所は南側が木立で遮られるため、露出時間を確保できず苦肉の策です。2日と3日で撮影条件(絞り値)が若干異なるのですが、かまわず加算処理をしてみました。4月3日は西伊豆ではめったにない「風のない晴天」でしたが、気温は氷点下3度まで下がりました。
 
■係より
ご投稿ありがとうございます。今回は美しい色彩のさそり座上部をSWAT-350ノータッチ追尾で狙っていただきました。カラフルなアンタレス周辺を中央付近に配し、上部に青い馬星雲、左に暗黒帯、右に淡いHα領域とフルサイズ135mmの画角全面に星雲が広がっています。いつもながらですが関原さんお得意のナチュラルな仕上げは好感が持てます。サムヤンレンズもなかなかシャープで切れ味がいいですね。これから、夏の天体が撮影好機を迎えます。撮影されましたら、ぜひまたお送りください。お待ちしております。

2019年4月 8日 (月)

M101回転花火銀河。

北海道にお住まいの斎藤雅也様より「M101回転花火銀河」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
M101

●M101回転花火銀河
2019年4月4日00時15分~ ビクセンED80sf+レデューサー 焦点距離 510mm F6.4 キヤノン EOS 6D ISO6400 60秒露出×60枚コンポジット SWAT-350にてノータッチ追尾 撮影地 北海道伊達市
 
■コメント
久しぶりの星空! 普段はComet ばかり追いかけているのですが、月撮影専用に使っている鏡筒にレデュサーを組んで、M101銀河を露出60秒60枚連続でSWAT-350の放置追尾にチャレンジしてみました。結果、60枚すべてのコマがOK!!でした。自作極望でコンスタントに極軸合わせが出来るようになりました。相変わらず画像処理はPhotoshopのチョコット(下手糞!)処理で申し訳ありません。
 
■係より
SWAT-350にビクセン8cm ED屈折を搭載してのお手軽ノータッチ追尾による作品です。ISO6400の高感度に設定して1分を60枚、全コマ流れなしの完璧なガイドとのことです。SWATの追尾精度なら、露出時間を調節すれば500mmクラスでも点像に写せます。天の赤道付近が一番厳しく北極星に近づくほどPモーションの影響が小さくなるので、露出時間の調節の参考にしていただければと思います。今回はM101回転花火銀河ですが、総露出1時間で淡い部分や暗黒帯もよく描出できていて、なかかなの迫力ですね。素晴らしいです。ご投稿どうもありがとうございました。また撮れたら送ってください。

2019年3月28日 (木)

カモメ星雲、トールズヘルメット。

横浜市にお住まいの蒼月様より、ボーグ71FLによる「カモメ星雲、トールズヘルメット」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo_1 

Photo_2

●カモメ星雲、トールズヘルメット
2019年3月8日19時40分~ ボーグ 71FL+レデューサー0.72× 合成焦点距離 288mm F4.1 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO3200 露出 270秒×36+55秒×12枚+15秒×12枚 コンポジット SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 天城高原
 
■コメント
少々遅くなってしまいましたが、半月ほど前に天城高原で撮影してきたものを投稿いたします。
冬の星雲のアンカーとして登場するカモメ星雲(IC2177)は、500mmや 600mmで撮ると画角いっぱいに写って大迫力ですが、300mmくらいで撮るとその左下(南東)にトールズヘルメット(NGC2359)まで写って、これはこれでなかなか良い画角です。トールズヘルメットは直訳して「トールの兜」とも言われる通り、反時計回りに90度ほど回転して見ると、なるほど2本の角のある兜っぽく見えますね。上手く名付けるものです。日本からは南の低空にしか見えない対象ということもあって、恥ずかしながらここを撮るのは初めてだったのですが、この領域も様々な色があふれていて非常に美しいですね。今シーズンのラストチャンスをモノにできて良かったと思います。今回も高解像度版をこちら(https://flic.kr/p/TaiNK5)からご覧いただけますので、お時間があればご覧ください。
次の新月期には、いよいよ夏の天の川がターゲットになってきますね。お天気に恵まれますように。
 
■係より
カモメ星雲(わし星雲)をやや右寄りに配して左下にトールズヘルメット(トールの兜星雲)を構図に取り込んだ300mmクラスの作品です。 上村さんの650mmによる大迫力のカモメ星雲とはまた違った趣となりますね。撮影機材のボーグ71FL+0.72×レデューサーはSWAT-310/350と相性がよく、無理なく搭載できて便利です。星像も周辺までシャープでおすすめできる組み合わせです。今回はF4.1でトータル2時間42分の露光と天城の暗い空で、とても階調豊かに仕上がっています。トールの兜星雲の青緑色とカモメ星雲の赤との対比が美しいです。いつも見事な作品をありがとうございます。いよいよ夏の天体撮影が始まりますね。ぜひまたお送りください。

2019年3月24日 (日)

マルカリアンの銀河鎖。

東京都八王子市の関原謙介様より、「マルカリアン銀河鎖」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
Photo
●マルカリアンの銀河鎖
2019年3月9日0時29分~4時11分 コーワプロミナー500焦点距離500mm,f5.6) ニコン D810A ISO3200 露出時間 2分×84枚コンポジット トータル露光時間168分 SWAT-350+M-GENによる一軸オートガイド PixInsightで加算処理 ステライメージ8 Nikon Captute2による追加の画像調整処理 撮影地 静岡県松崎町
 
■コメント
この季節の定番のターゲット、おとめ座の銀河クラスターです。レデューサーを使わずに500mmで撮ってみました。銀河鎖の西側の銀河が大きく弧を描いて連なっている部分も入れて、M87も入れる構図にしました。全体をうまく視野に入れるのに若干手間取りました。また、途中2回ほどレグルスでフォーカスをチェックをしましたが、赤経目盛りを用いても全く同じ位置には戻らず、その都度ほぼ同じ構図に戻すのに苦労しました。こんな時、皆さんはどのようにしてフォーカスをチェックするのでしょうか? ところで、最近SWAT-350は好調です。今回も88枚撮影したのですが、はじいたのは4枚のみで、84枚を加算に使うことができました。
 
■係より
いつもご投稿ありがとうございます。今回は春の銀河の中でも人気の高いマルカリアンの銀河鎖です。マルカリアンチェーンとも呼ばれるおとめ座からかみのけ座に連なる銀河です。それぞれの銀河のカタログナンバーはこちらでご覧ください。撮影中に気温が変化して、途中でピントを合わせ直すことはよくありますが、視野に明るい星がないときは本当に困ってしまいますね。私はコンポジットの時に自動で位置調整するのでだいたい戻ればOKとしてます。リモコンで早送りした時間を計っておいて、同じだけ戻すという手もあります。考え方によっては少しズレた方がダークノイズの処理で有利になるかも…。さて、この銀河の連なりを見ると春が来たなぁと思いますね。春の銀河はどれも小さく、ポタ赤でクローズアップするのは難しいですが、こういった銀河団は充分に美しく撮影できます。薄明開始前には夏の天の川の昇ってきますので、広角での星景撮影も楽しいです。また撮れたらお送りください。お待ちしております。 

2019年3月21日 (木)

IC2177 カモメ星雲。

東京都八王子市の上村裕様よりの「IC2177カモメ星雲」をお送りいただきましたので、早速ご紹介します。
 
Ic2177
●馬頭星雲
2019年3月8日19時25分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08× 合成焦点距離 648mm F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 180秒露出×30枚 SWAT-350 M-GENによる1軸オートガイド PixInsight、Photoshopで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■コメント
今月の新月期、久しぶりに遠征しましたのでお送りします。3月は、冬の対象を撮影できるギリギリの時期ですね。夜半前まで撮れそうなIC2177、カモメ星雲を狙いました。Borg 107FLだとご覧の通り画面からはみ出すほどの画角になります。(笑) カモメ星雲は、冬の天の川の中に位置するので非常に多くの星が写ります。その中でもなかなかの存在感ですね。赤一辺倒ではなく青い成分も広がっているのですが、比較的淡いのでもう少し露出が必要です。この日は快晴無風と、ポタ赤ユーザーにとっては非常に好条件での撮影となりました。
 
■係より
薄明終了直後はちょうど冬の天体が撮影しやすい高度になっていますね。作例のカモメ星雲やバラ星雲などが、撮影好機最終盤といえるでしょうか。今回のカモメ星雲は650mmの長焦点ですから、フルサイズの画角いっぱいに広がって、大迫力となりました。冬の天の川の中なので、背景は微光星がびっしりですが、上等な画像処理で煩くならない程度に微光星を抑えています。F6でトータル90分露出で、ここまで描出できるのは、房総の南天も捨てたものではないですね。ご投稿、ありがとうございました。三つ子も期待してます。(謎)

2019年2月20日 (水)

オリオン座バーナードループ。

前回に続いて東京都八王子市の関原謙介様より、オリオン座バーナードループをお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo_2

●オリオン座バーナードループ
2019年1月29日20時59分~0時03分 シグマ 105mm F2.8 マクロ 絞りF4 アイダス LPSD1フィルター ニコン D810A ISO3200 露出時間 1分20秒×108枚コンポジット トータル露光時間144分 SWAT-350によるノータッチ追尾 PixInsightで加算処理 ステライメージ8 ニコンCaptute2による追加の画像調整処理 撮影地 静岡県富士宮市

■コメント
数ヶ月前のきまぐれブログで、シグマ105mmマクロレンズの紹介がありました。私は、Nikkor105mm f2.8Gというマクロレンズを持っていて、通常の使用では文句の無いレンズなのですが、星の撮影に使うと若干色収差が目立ち、使うのをやめていました。このブログの記事で買い替えを決意し、マップカメラの下取り買い替えで入手した直後のテスト撮影画像です。Nikkorの105mmよりも設計が10年近く新しいので結果も良好のようです。ただ、マニュアルフォーカスが(フォーカスリングの動きが硬く微妙で)やりづらいのと、どんなわけか、Nikkorの105mmで見えていたバーチノフマスクからの光条が、全く見えないのです。光学系の何かの違いでしょうか? これを除けば、このレンズ概ね満足です。ところで、マップカメラでは差額分の支払いのみで買い換えることができます。Nikkorレンズは下取り価格がもともと高いので、ほとんど新たな負担なしで買い換えることができました。ただ、車では「マツダ地獄」という話を聞いたことがありますが、レンズでも「シグマ地獄」にはまりそうで心配(?)です。
 
■係より
シグマの105mm F2.8マクロによる対光害フィルターを使っての撮影です。現行の105mmマクロはArtシリーズが出る前のモデルで、ちょっと古いですが、SDレンズを2枚使用した光学系は収差がよく補正されとてもシャープな星像を結びます。150mmと180mmマクロはAPOが冠されていて、より高性能なのですが、この105mmも勝るとも劣らぬ性能です。さて、今回はオリオン座のバーナードループをF4まで絞って撮影されました。オリオン座中心部の主な星雲を一網打尽で、大迫力ですね。星像もシャープですし、対光害フィルターを併用した効果でしょうか、赤い散光星雲の描出も見事です。ご投稿、ありがとうございました。また撮れたら、ぜひお送りください。

2019年2月13日 (水)

魔女の横顔星雲。

東京都八王子市の関原謙介様より、魔女の横顔星雲をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo

●魔女の横顔星雲
2019年1月9日22時23分~1時59分 コーワプロミナー500+TX07 合成焦点距離 350mm F4 アイダスHEUIB-IIフィルター ニコン D810A ISO3200 露出時間 1分×148枚コンポジット トータル露光時間148分 SWAT-35+M-GENによる一軸オートガイド PixInsightで加算処理 ステライメージ8 ニコンCaptute2およびPhotoshopCS6による追加の画像調整処理 撮影地 静岡県富士宮市

■コメント
少々時間がたってしまいましたが、1月9日に撮影した魔女の横顔星雲です。撮り始めた時に背景の光害がひどく、飽和しないように1分露光で多数枚を撮って加算することにしました。(今から思うと、ISO感度を下げて2分露光でも良かったかと思いますが。)148枚の32Mピクセルの画像の処理は結構大変でした。このレンズは明るい星に楔形の回折パターンが入ります。それを光条を入れて隠しました。このくらい加算すれば、もう少しコントラストがつくかと思ったのですが。背景の光害は画質に直接影響するので、もう少し暗い撮影地で再挑戦したいと思います。
 
■係より
いつもご投稿ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、今回はオリオン座の一等星リゲルのすぐ西にある「魔女の横顔星雲」です。大きな星雲ですが、なかり淡いので、たっぷり露出しないと、なかなか滑らかに描出できない対象です。フローライトレンズを搭載したコーワプロミナー500にTX07レデューサーを併用することで、350mm F4まで明るくワイドにして撮影しています。作品を見ると350mmでちょうどいい画角ですね。充分な露出で魔女の横顔星雲本体と周辺の淡い分子雲が素晴らしい階調で表現されてます。輝星から伸びるスパイダーの回折のような光芒は、後からソフトで付けたそうです。一瞬、反射望遠鏡で撮ったのかと勘違いしそうです。関原さんから、もう一枚お送りいただいてますので、次回ご紹介します。

2019年1月30日 (水)

M64黒目銀河付近。

昨日に続いて、横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ 135mm F1.8 Artによる「M64黒目銀河付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M64

 

M64_2

●M64黒目銀河付近
2019年1月4日2時30分~4時15分 シグマ 135mm F1.8 DG  Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO3200 露出 180秒×30枚コンポジット SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■コメント
昨日に引き続き、3日夜のオペレーションでの作例をお送りいたします。季節はまだ冬ですが、今回は「春の銀河祭り」の先取りです。と言っても、おとめ座の銀河団ではありません。その隣の「かみのけ座」を写しました。写真中央やや左に小さく楕円形に写っているのが M64 です。M64は「黒眼銀河」の別名でも知られていて、長焦点派の人達には格好のターゲットですね。でも、135mmだとさすがに小さく、それ自体は全く面白味がありません。しかし、そのすぐ近くには、この通り淡い星雲が筋状に広がっています。かみのけ座周辺は全天で星間物質が最も希薄な領域として知られていますが、その中にあってこの星雲は異質です。かなり無理な処理をしているので、ノイズまみれでやや汚い画像ですが、房総でも撮影できる対象だということを確認しました。400~500mm程度の焦点距離の光学系ならかなり迫力のある様子が写せるでしょう。
春は銀河狙いの長焦点派しか楽しめないと思われがちですが、意外に単焦点でも楽しめる対象もあります。春になってしまうと空が霞んでしまい、こうした淡い対象は写しにくくなるので、冬のうちに皆さんも狙ってみてはいかがでしょうか。
今回も高解像度版はこちら(https://flic.kr/p/QiJ4nZ)からご覧いただけますので、お時間があればご覧ください。
 
■係より
いつもありがとうございます。春は小さい銀河がメインでポータブル赤道儀には厳しい季節かと思っていましたが、意外とこんな天体があるんですね。でもかなり淡そうで、ちょっと気合いを入れないと写せませんね。このエリアはどこを撮っても銀河が写ってきます。ナンバーを振った天体以外にもまだたくさん写っています。何等級まで写っているか探っていくのも楽しいものですね。
他にもポタ赤に向いたおすすめ天体がありましたら、ぜひご紹介ください。よろしくお願いします。

2019年1月29日 (火)

天の川とオリオン座。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ 40mm F1.4 Artによる「天の川とオリオン座」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo

●天の川とオリオン座
2019年1月3日21時40分~23時25分 シグマ 40mm F1.4 DG  Art 絞りF2.0 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO3200 露出 120秒×35枚 40秒×10枚 15秒×10枚 各コンポジット SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■コメント
既にブログや Photo Galleryで触れられている通り、1月3日に房総のダム湖で行われたSWAT部隊(強そう)のオペレーション(え?)に私も参加してきましたので、少々遅くなってしまいましたが投稿させていただきます。当日は加曽利代表から噂の SIGMA 40mm Art をお借りできたので、それで撮影した写真を一枚お送りします。
冬の天の川とオリオン座の全景です。この画角でこれだけ淡く暗い対象まで描出したリファレンス画像は、私の知る限り無いのでちょっと苦労しましたが、処理してみると、この辺りにはほぼ全面にわたって暗い星雲が広がっていることがわかります。中でも密度の高い部分は、その背後に明るい天の川があれば、朝日や夕日が赤いのと同じ原理で赤黒く写ります。赤い輝線星雲はもちろん、淡い反射星雲もあって非常にカラフルですし、明るい星の数の多さも加味すると、夏の天の川に全く引けを取らない光景ではないかと思います。今回も高解像度版はこちら(https://flic.kr/p/23DU5Kt)からご覧いただけますので、お時間があればご覧ください。また、実はこのときは東西にさらにもう1パネルずつ撮影しましたので、それらのモザイクができたら改めて投稿したいと思います。
さて、SIGMA 40mm Art ですが、ブログの記事にもある通り、素晴らしいレンズですね。非常にシャープな星像を結んでくれます。ただ、あまりにもシャープすぎて、最微光星が緑色に偏ります。このレンズに限らず、高性能なレンズだと多かれ少なかれこういうことが起きるのですが、2千万画素の EOS 6D ではもはや力不足といった感があります。より高画素な機種で撮るか、あるいは枚数を多く撮って bayer drizzle するかした方が良いかもしれません。色収差は非常に小さく、特に軸上色収差は皆無と言って良いレベルでしょう。周辺部には倍率色収差が僅かに見受けられますが、これも等倍以上に拡大しなければ気づけないレベルなので、まず問題にはならないでしょう。一方、このときは短時間で3パネル分撮影する都合上、F値を2.0にまで明るくして撮影しましたが、それだと最周辺は星がやや流れてしまうので、もう少し絞った方が良かったかもしれません。
この日は天気も良く、他に沢山の対象を撮影できました。今年は天候に恵まれる一年であってほしいものです。
 
■係より
新年早々、SWAT部隊の作戦に参加していただきましてありがとございました。今回は、現地でお貸ししたシグマ40mm F1.4 Artでの撮影ですが、見事にその性能を引き出してますね。ピントや炙り出しも申し分ありません。さすが蒼月さんといった仕上がりです。房総の南の空は光害源が少ないので、透明度がよければ好条件になりますが、40mmの画角ですと多少光害の影響も受けます。それをうまく画像処理で補正しています。最高の星空とはいえませんが、首都圏からわずかに1時間半で行けることを考えると、貴重な撮影地ですね。ご投稿、ありがとうございました。今年も素晴らしい作品を期待しております。よろしくお願いいたします。
 Fig2_faintstars

5倍拡大の参考星像。シグマ40mm F1.4 Artは、星像があまりにもシャープすぎて、6Dの画素サイズだと最微光星が緑に傾いてしまいます。高性能すぎるが故の悩みですね。

2019年1月16日 (水)

600mm望遠レンズによる馬頭星雲。

大分県佐伯市にお住まいの志賀本昌様より、「馬頭星雲」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo

●馬頭星雲
2019年1月13日19時01分~21時51分 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG 600mm 絞り F7.1 キヤノン EOS X7i(IR改造) ISO3200 露出165秒×61枚をステライメージ8でコンポジット SWAT-350+M-GENによる一軸オートガイド 撮影地 大分県佐伯市
 
■コメント
圧倒される上村様の「馬頭星雲」は素晴らしいし、加曽利さんの昨年の「馬頭星雲」にもびっくりします。ボーグ107FLの解像力はすごいです。
お恥ずかしい限りですが、自分のシグマ望遠ズームレンズ150-600で、13日夜 試しにこの「馬頭星雲」を撮影してみました。撮影場所は自宅ベランダです。前には苺ハウスの照明がずうっと点灯しているうえ、月齢7.3の月明かりの中での撮影でしたが結構写るものです。
 
■係より
大分県佐伯市でリタイヤ後にマイペースで天体撮影を楽しまれている志賀様の作品です。ご自宅ベランダでの撮影ですが、これだけ写れば立派な観測所ですね。苺ハウスの照明と月明かりの中での撮影とのことですが、透明度が高かったのでしょう、その影響を感じさせないほどよく撮れてます。シグマの150-600mmズームは性能も一級ですし、ズームの便利さも備えています。メイン機材として充分な性能でしょう。今回3時間近い総露出ですので、暗部のノイズが抑えられ、星雲の描出も上出来です。
ご投稿ありがとうございました。今年もドシドシお送りください。お待ちしております。

2019年1月13日 (日)

馬頭星雲。

2019年、作例コーナー最初の作品は、東京都八王子市の上村裕様撮影の「馬頭星雲」です。ボーグ107FLでたっぷり露出、まさに圧巻の作例です。
 Photo

●馬頭星雲
2019年1月3日19時42分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08× 合成焦点距離 648mm F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 180秒露出×86枚、30秒×30枚をHDR合成 SWAT-350 M-GENによる1軸オートガイド PixInsightで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町
 
■コメント
年末年始、好天に恵まれた東京ですが、新月前後の天気はイマイチの予報。そんなこともあり、急遽前倒しで3日に遠征しました。新年一発目の対象は、撮影好期を迎えている馬頭星雲周辺です。この付近は分子雲が広範に分布しており、馬頭星雲の西側にもHα領域が淡く広がっています。長焦点撮影では高い追尾精度が要求されますが、SWATの高精度追尾に1軸オートガイドを
組み合わせることで、高い撮影歩留まりを実現できます。
 
■係より
正月気分真っ盛りの3日に出撃することになると予想もしてませんでしたが、ご一緒していただき、ありがとうございました。当日は温暖な房総としては珍しく-5℃まで気温が下がって、低ノイズ冷却C-MOS状態で撮影できました。(笑)
さて、お送りいただいた「馬頭星雲」ですが、言葉も出ないほど見事な作品に仕上がりました。4時間もの総露出で高品位な元画像になったうえ、作者の秀でた画像処理でとても美しい馬頭星雲になりました。
今年は上村さんでスタートした作例コーナー。SWATユーザーのみなさまの作品を広く募集しております。長辺2000ピクセル程度(だいたいでかまいません)の画像にして、参考になるように撮影データと簡単なコメントを添えて、お気軽にメールしてください。イニシャルやハンドルネームもOKです。どうぞよろしくお願いします。

2018年12月31日 (月)

シグマ105mm F1.4 Artによるオリオン座南部。

今年の作例ページの締めは、東京都八王子市の上村裕様撮影の「オリオン座南部」です。シグマの最新レンズ105mm F1.4 Artによる階調豊かな作品です。
 Orion_105_

●オリオン座南部
2018年11月11日02時46分~ シグマ 105mm F1.4 DG HSM Art 絞り F2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 120秒露出×58枚、20秒×20枚、10秒×20枚をHDR合成 SWAT-350+M-GENによる1軸オートガイド PixInsight、Photoshopで画像処理 撮影地 長野県諏訪郡
 
■コメント
あっという間に大晦日となってしまいました。例年通り?好天に恵まれることは少なかったように感じます。少し間が空いてしまいましたが、11月の遠征で撮影したオリオン座南部をお送りします。前回お送りしたカリフォルニア~すばる周辺を撮影後に、同じくシグマ 105mmで撮影したものです。実は画像処理の過程で悩ましい問題に直面してしまい、あれこれ試している途中ですがまだ原因を特定できずにいます。それらが表面化しないように処理したので、シャドー部の表現はあまり納得していませんが、今年最後ということでご容赦ください。(笑)
 
■係より
作例ページの今年の締めは、上村さんのオリオン座南部となりました。明るくシャープな105mmレンズでたっぷり露出して、見事なまでにモクモクを炙り出しています。しかし凄いですね。ため息が出ます。暗部が納得いかないとコメントにありますが、どこが気に入らないでしょう、素晴らしい出来栄えです。このまま北部も撮ってモザイクしたくなりますね。
今年も一年、ありがとうございました。来年もこのコーナーが盛り上がるよう、どうぞよろしくお願いします。

2018年12月26日 (水)

2018年、ふたご座流星群。

東京都八王子市の関原謙介様より今年のふたご座流星群をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Futagozasmall

●ふたご座流星群
2018年12月14日02時33分~04時13分 ニコン Nikkor 14–24mm f/2.8G ED  16mm 絞り開放 ソフトフォーカスフィルター(Lee No.1)使用 ニコン D810A ISO3200 15秒露出で318枚撮影 前半の173枚をスターアラインメント、加算平均し背景の星画像とする 流星の軌跡の写っている8枚と背景画像を(軌跡部分以外をマスクして)比較明合成 SWAT-350によるノータッチ追尾 PixInsightでスターアラインメントと加算処理 Photoshop CS6で星画像と流星画像および地上画像の合成処理 撮影地 静岡県富士宮市
 
■コメント
この写真は流星群が極大となる前日の12月13日夜に撮影したものです。昨年の反省から露出時間を短くして撮影コマ数を増やせば、流星の軌跡の写り込むコマ数が増えると思ったのですが、1時間40分に300枚以上を撮影して軌跡の写り込んだコマは10枚程度でした。その上写り込んだ軌跡はどれも短く、そのせいで見栄えのしない写真になってしまいました。この画像を作るのに、写真の選別、加算処理、流星画像や地上画像との合成など、半日以上を費やしたのですが、やはり、素材が悪いとどうにもなりません。それにしても写り込む流星の軌跡の長さは、撮影条件(ISO、露出時間、レンズの明るさ)と関係があるのでしょうか。14日も極大となる流星群を撮影すべく伊豆半島の南端まで行き、午前3時まで粘って待ったのですが、雨まで降り出し、あきらめました。
 
■係より
今年のふたご座流星群はずいぶんたくさん流れたようで、流星群好きな方の間ではけっこう盛り上がっていたようです。関原さんの画像からも多くの流星が飛び交ったことがうかがわれます。いつもながらのナチュラルな仕上げがいいですね。冬の天の川がダイナミックに拡がり、ソフトフィルター効果で冬のダイヤモンドを構成する一等星などの輝星が適度に滲み、カラフルな色彩と輝きが強調されて、とても美しい仕上がりとなりました。超広角ですと流星を捉えられる確率は高くなりますが、写った流星は小さくて迫力がイマイチとなり、逆に標準レンズに近づくとその逆になり、どちらがいいかは考え方次第です。24~35mmくらいが画角の広さと流星が写ったときの迫力のバランスがいいかもしれません。できるだけ明るいレンズで高感度短時間露出を基本として、余裕があればですが、アリミゾレールやダブル雲台ベースなどにカメラを複数台搭載して挑むがよい方法です。今年も残すところわずかとなりました。来年もご投稿、よろしくお願いします。

2018年12月22日 (土)

シグマ135mm F1.8 Artによるオリオン座中心部。

兵庫県宝塚市にお住まいの吉田隆行様から、シグマ135mm F1.8 Artによる「オリオン座中心部」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 Sigma135mm

●オリオン座中心部
2018年11月10日 シグマ 135mm F1.8 DG HSM (F2.5で撮影) キヤノン EOS 6D(フィルター換装・冷却改造) ISO1600 2分露出×16枚コンポジット SWAT-350によるノータッチガイド 岡山県備前市吉永町にて撮影
 
■コメント
シグマ135mm F1.8 DG HSMを使用して撮影した、バーナードループとオリオン大星雲付近の写真です。若干、構図が上に寄りすぎてしまいましたが、オリオン座の主要な星雲を捉えることができました。オリオン大星雲や馬頭星雲と比べると、バーナードループの大きさがよくわかります。
シグマ135mm F1.8 DG HSMレンズは、天体撮影にも定評があるレンズだけあって、色収差は感じられず、星像もシャープでした。周辺像を良くするためにF2.5まで絞りましたが、ISO1600の設定で、1枚あたり僅か2分の露光時間で淡い星雲まで写り、雲が通過する夜でも撮影することができました。明るいレンズとSWATの組み合わせは、僅かな時間でも撮影を楽しめるのが利点ですね。
 
■係より
前回はシグマ105mm F1.4 Art+ノーマル5Dによるオリオン座でしたが、今回はシグマ135mm F1.8 Art+冷却改造6Dによるオリオン座です。比較してみると赤の写りが段違いですね。冷却の効果もあるのか、雲間をぬっての30分あまりの総露出でもノイズ感がないのはお見事としかいいようがありません。バーナードループの落ち着いた赤と三つ星の青い輝き、馬頭星雲やオリオン大星雲を取り囲む分子雲の表現など、さすが吉田さんと思わせる仕上がりです。いつもありがとうございます。またよろしくお願いします。

2018年12月13日 (木)

IC1848(ソウル星雲)、IC1805(ハート星雲)。

愛媛県にお住まいの山田浩之様より、「IC1848(ソウル星雲)、IC1805(ハート星雲)」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 1

●IC1848(ソウル星雲)、IC1805(ハート星雲)
2018年11月10日23時38分~ ニコン Ai-S 180/F2.8 ED 絞りF4 ニコン D7000(ノーマル) ISO1600 露出360秒×32枚コンポジット SWAT-310によるノータッチ追尾 ダーク、フラット処理 RAP2 スタック DeepSkyStacker 調整 CaptureNX2等 撮影地 愛媛県砥部町
 
■コメント
さて11月に撮影した写真をお送りいたします。非改造カメラで撮影していますので、Hα域はしっかりカットされており、朱色に転んだ星雲となっています。D7000というかD810A以外のノーマルのニコン機については、Hα域の感度が良いのかどうか、実のところよくわかりません。ちなみに撮影時に同時記録したJPEGには殆ど写っていません。ダーク/フラット後にスタックしたTIFF画像を分析してみると、データとしては記録されていますが殆ど見えていません。ここでデータが記録されているようなら、後は画像処理だけの問題です。画像処理の詳細は割愛しますが、ポイントはチャンネル減算マスクで、赤い部分
のみを強調処理しています。その際にレンジの切り詰めをすると荒れるので基本的に行いません。仮運用中のブログに他の画像もありますので、よろしければご笑覧下さい。
http://photorec.asablo.jp/blog/
 
■係より
SWAT-310のモニターレポートをお願いした山田浩之様より秋の天の川に浮かぶ「胎児星雲とハート星雲」をお送りいただきました。二つの散光星雲が並んで大きく拡がっているので、焦点距離200mmクラスの格好の対象です。赤い散光星雲のため天体改造したカメラが有利ですが、D7000でも画像処理を駆使すれば、それなりに描出できるようです。下に処理前のスタック直後の画像も掲載します。ノータッチで6分間の露出でもガイドは成功しています。コメント欄にある仮運用のブログに山田さんが撮影された他の画像も掲載されてますので、ぜひご覧ください。ご投稿、ありがとうございました。ぜひまたお送りいただければと思います。よろしくお願いします。
 Ref_2

山田さんからスタック後と強調に使用したマスク画像を送っていただきました。スタック直後でもも赤い星雲がうっすらと写っていますが、これをそのまま画像処理するのではなく、下のようなマスクを作り、赤い星雲の部分を選択して強調しています。上級者はみなさん似たようなテクニックを駆使して処理しています。

2018年12月 5日 (水)

M31アンドロメダ銀河とM42オリオン大星雲。

東京都八王子市の関原謙介様より冷却CMOSモノクロカメラで撮影したM31アンドロメダ銀河とM42オリオン大星雲をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M31r

●M31アンドロメダ銀河
2018年11月30日 コーワプロミナー500+レデューサーTX07使用(合成焦点距離350mm)F4 LPSD1フィルター ZWO ASI1600MMpro L画像 60秒×32枚 R画像 60秒×10枚 G画像 60秒×10枚 B画像 60秒×10枚 トータル露光時間 62分 撮影ソフト APT(Astro Photography Tool) 冷却温度−15℃ SWAT-350による追尾撮影 PixInsightによるキャリブレーションおよび加算処理 SI8によるLRGB合成 Nikon Capture2とPhotoshop CS6にて追加の画像処理 撮影地 山梨県甲州市
 M42r

●M42オリオン大星雲
2018年11月30日 コーワプロミナー500+レデューサーTX07使用(合成焦点距離350mm)F4 LPSD1フィルター ZWO ASI1600MMpro L画像 60秒×32枚 R画像 80秒×8枚 G画像 80秒×8枚 B画像 80秒×8枚 トータル露光時間 64分 撮影ソフト APT(Astro Photography Tool) 冷却温度−15℃ SWAT-350による追尾撮影 PixInsightによるキャリブレーションおよび加算処理 SI8によるLRGB合成 Nikon Capture2とPhotoshop CS6にて追加の画像処理 撮影地 山梨県甲州市

■コメント
SWAT-350に冷却モノクロCMOSカメラと電動フィルターホイールを搭載して撮影したアンドロメダとオリオンです。最近何かと話題になるCMOSカメラですが、それほど問題なく使いこなせるだろうと、購入前には(漠然と)考えていました。しかし実際には、予想できた事、できなかった事等いろいろな問題が起こり、この考えが甘かった事にすぐ気づかされました。今回、なんとかアンドロメダとオリオンが撮影でき、やっとここまで来たといった感慨があります。と言っても、画質的には満足できるものではなく、例えば両画像とも明るさが飽和気味です。パソコンのモニターの見え方に引きずられゲインを高くしすぎたためと思います。これも含め経験して初めて分かる事がたくさんあり、まだまだ使いこなすには先が長いような気がしますが、星雲のナローバンド撮影によるハッブルパレット合成なども今後は試みたいと思っています。なお、撮影システムの写真も送ります。こんなシステムで人が寝静まった頃、パソコンに向かって毒づきながら苦闘しています。

■係より
いつもご投稿いただき、ありがとうございます。モノクロ冷却CMOSカメラを導入されたそうですが、すごいですねぇ。私もいつかチャレンジしたいと思っていますが、パソコンや電源などの装備が大変そうで、なかなかハードルが高いです。ASI1600MMはセンサーがフォーサーズサイズで大きく、画角も広いので、星雲の撮影に適しています。今回はノーフィルターでL画像を撮って、色情報はRGBのカラーフィルターで得てます。冷却だけあって、低ノイズで階調豊かに仕上がっているのではないでしょうか。ぜひ使いこなしてください。またのご投稿お待ちしております。
 

Kizai

関原さんが新規導入した冷却CMOSカメラ。新たなチャレンジに燃えています。

2018年11月25日 (日)

カリフォルニア星雲からすばる付近。

東京都八王子市の上村裕様より、シグマの最新レンズ105mm F1.4 Artによるカリフォルニア星雲からすばる付近をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Hdr_dbe

●カリフォルニア星雲からすばる付近
2018年11月10日23時31分~ シグマ 105mm F1.4 DG HSM Art 絞り F2.5 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 120秒露出×60枚、15秒×30枚をHDR合成 SWAT-350 M-GENによる1軸オートガイド PixInsight、Photoshopで画像処理 撮影地 長野県諏訪郡
 
■コメント
少し時間が経ってしまいましたが、今月10日に撮影した、カリフォルニア星雲~すばる周辺をお送りします。シグマ 105mm F1.4 Artのファーストライトとして見栄えのするこの組み合わせを選びました。本当は、夏の天体を撮りたかったのですが、悪天候で気づけば撮影好機が終わっていました。笑
この日は、久しぶりに長野方面へ遠征しました。新月期に一晩中快晴が期待できる休日とあって、最終的には15名を超える皆さんがお見えでした。いくつか確認したいこともあり、オートガイドを使用していますが、SWAT-350なら、105mmで2分の露出はノータッチで問題ありません。この領域は分子雲が広範に分布しており、処理が難しい領域です。もう撮るまいと思っても、毎年狙ってしまうくらい魅力的な対象です。
 
■係より
シグマの最新レンズ、105mm F1.4 Artによる作品です。F2.5まで絞って、周辺星像と光量を改善して、じっくり2時間の露出で、なんといってもこの分子雲の
炙り出しが素晴らしく、その濃淡が立体感を感じさせます。すばるの青とカリフォルニア星雲の赤の対比も美しく、仕上げも見事です。前回掲載した蒼月さんの70mmによる作品と重なっていますので、分子雲や暗黒帯の広がりが参考になります。ご投稿、ありがとうございました。いよいよ冬の対象が撮影好機を迎えます。ぜひまたお送りください。
 _t0a6922_s

大賑わいの撮影地駐車場。みなさん、待ちに待った満天の星空だったんでしょうね。

2018年11月18日 (日)

すばるから勾玉星雲まで。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ 70mm Macro Artによる「すばるから勾玉星雲まで」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Fig1_m45ic410

●すばるから勾玉星雲まで
2018年11月10日22時10分~11日0時20分 シグマ 70mm F2.8 DG MACRO Art キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO3200 露出 150秒×25枚(絞りF2.8開放) 150秒×15枚(F5.6) 30秒×15枚(F5.6)  各コンポジット SWAT-310(ノータッチ追尾) PixInsightで画像処理 撮影地 富士見高原
 
■コメント
夏季の間なかなか天気に恵まれず、先月も富士見高原まで行って一晩中曇られるという不運もあってフラストレーションが溜まっていましたが、ようやく晩秋の好天に恵まれて富士見高原に遠征することができました。
今回お送りするのは、先日購入した SIGMA 70mm Art レンズのファーストライトの作例です。ただ、相変わらずの構図センスの無さを今回もいかんなく発揮してしまいまして(笑)、「もうちょっと左(東)だろ」というツッコミを受けそうですが、ご容赦ください。また、6時頃から3時間ほど撮影地が雲の中に入ってしまったため、撮影プランが押してしまい、特にすばる周辺の淡い星雲をあぶり出すには露光不足となってしまいましたが、それは次の機会にリベンジできればと思っています。
今回も高解像度版はこちら(https://flic.kr/p/QPNMRj)からご覧いただけますので、お時間があればご覧ください。
 
■係より
蒼月さんより、今年シグマから発売された新カミソリマクロ「70mm F2.8 Macro Art」による作品をお送りいただきました。先代70mmがカミソリマクロの愛称をつけられるほど、切れ味のよい画質で高評価でしたが、新作も最周辺まで鋭い星像を結ぶ、高性能を実現しているようです。ぜひ高解像版の四隅をご覧ください。対象は分子雲モクモクの領域です。85mmですと、すばるとカリフォルニア星雲が縦構図でピッタリですが、今回の構図は斬新で、70mmで横構図にして勾玉星雲まで構図に取り込みました。50mmだとヒヤデス星団まで入ってきそうですね。シャープな星像と上等な画像処理でカラフルな星雲と暗黒星雲を表現しています。なお、蒼月さんから70mm Macro Artのレビューもいただきましたので、ブログの方でご紹介します。

2018年11月12日 (月)

大迫力のM31アンドロメダ銀河。

東京都八王子市の上村裕様より、ボーグ107FLでたっぷり露出したアンドロメダ銀河をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M312

 

Crop2

●M31アンドロメダ銀河
2018年11月2日18時46分~ ボーグ 107FL+フラットナー1.08× 合成焦点距離 648mm F6.1 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO3200 180秒露出×60枚、25秒×30枚をHDR合成 SWAT-350 M-GENによる1軸オートガイド PixInsight、Photoshopで画像処理 撮影地 千葉県大多喜町 ※下の画像は部分拡大
 
■コメント
今月も新月期がやってきましたが、なかなか思うように晴れないものです。3日の土曜に撮影しようと思っていましたが、予報をみると下り坂。急遽、前日の金曜夜に出撃しました。対象は、撮影好期を迎えたアンドロメダ銀河です。昨年も撮影したのですが、通り雨に泣かされたので、そのリベンジでもあります。当日は無風で透明度の高い好条件でした。途中、1時間ほど雲が出ましたが、それ以外は安定していました。3時間分のデータから処理しましたが、腕の部分の星も分解しており、シーイングも良好だったようです。ぜひ部分拡大画像をご覧ください。
 
■係より
上村さんの久しぶりのご投稿で、決定版と呼べるようなアンドロメダ銀河です。F6で3時間というたっぷり露出と丁寧な画像処理で見事な作品になっています。全体的に海外風?の彩度の高い色調に仕上げてあります。今はみなさん、こういった感じがお好みのようですね。ポツリポツリとHαも写っています。下の画像は部分拡大(等倍)ですが、撮影日のシーイングがよかったのか、スタークラウドが分解してます。口径107mmとは思えない細部の写りです。この作品も天文誌入選レベルの仕上がりと思います。投稿コーナーの作品レベルがかなり高くなってしまい、嬉しい限りですが、初心者の皆さまのお気軽なご投稿もお待ちしています。ユーザーの皆さんで、このコーナーを盛り上げていきましょう。

2018年11月 5日 (月)

64P/スイフト・ゲーレルス彗星。

北海道にお住まいの斎藤雅也様より「64P/スイフト・ゲーレルス彗星」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 64p

●64P/スイフト・ゲーレルス彗星
2018年11月3日21時44分~ オリンパス ED150mm F2.0 絞りF2.2 オリンパス PEN E-PL6 ISO1600 露出30秒×16枚コンポジット SWAT-350にてノータッチ追尾 撮影地 北海道伊達市
 
■コメント
昨夜は久しぶりの快晴で気合を入れて近くの峠へ行こうか(comet 46p狙い)と準備していたところ、ヒグマ出没注意の情報が入り、急きょ自宅前撮影になってしまいました。で、ターゲットをComet 46pから64pへ変更したのですが、隣家の照明や道路を行き交う車のヘッドライト…、30秒露出と雨傘の影で回避でした。笑
現在使用しているオリンパスED150mmF2.0のクセが、最近になってやっと分かってきましたが、チョットしたピントのズレでオレンジ色のハロー?が出現します(絞り値2.0~2.5の間)。これからの季節は気温変化をチェックする温度計が必需品になりそうです。
SWAT-350は快調に働いてくれます。先日PMを測定してみましたが±5~6秒程でした。SWAT-350を導入後に月撮影専門の役目に回ったSP-DXとほぼ同じくらいの追尾精度ですが、何と言ってもSWAT-350は重量が軽い!気軽に持ち出せるのが良いですね。
 
■係より
アンドロメダ銀河と64P/スイフト・ゲーレルス周期彗星のツーショットです。ちょうど近日点を迎えたところです。彗星らしい緑色に輝く姿が美しいです。それにしても「ヒグマ出没注意」とは、北海道ならではの恐怖ですね。命の危険がありますから、決して無理は出来ません。私がメインで撮影している房総は、熊はいないので安心ですが、大型の野生動物としてはイノシシと鹿と猿が出ます。撮影中の深夜に近くの山でガサガサと大きな音がすると、一瞬背筋が凍ります。天体ファンが野生動物に襲われたという話は聞かないですけど、ちょっと怖いですね。SWAT-350は追尾精度もよく、とても快調なようで安心しました。ぜひこれからも活用していただき、素晴らしい写真をものにしてください。また撮れたらお送りください。お待ちしています。

2018年10月29日 (月)

M31アンドロメダ銀河。

北海道にお住まいの斎藤雅也様より「M31アンドロメダ銀河」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M31

●M31アンドロメダ銀河
2018年10月20日00時45分~ オリンパス ED150mm F2.0 絞りF2.8 オリンパス PEN E-PL6 ISO800 露出60秒×20枚コンポジット SWAT-350にてノータッチ追尾
 
■コメント
北海道の斎藤です。月が地平線に沈んだ直後に撮影を始めましたが、月明かりの残光の影響か?色彩の無い不思議なM31になってしまいました。宇宙空間にポッカリ浮かぶM31の姿を20数年振りに撮影してみましたが、SWAT-350は焦点距離150mmのレンズとはいえ、20枚連続ノーミスで追尾してくれました。長焦点レンズで使用しているMS-5と同様な安心感をあたえてくれる赤道儀です。
 
■係より
天気がよくなってきたせいか、このところご投稿が増えてきて、とてもありがたいです。さて今回は、秋の王様、アンドロメダ銀河です。超巨大銀河だけあって150mmでもこれだけ見事な渦構造が写ってくれます。斎藤さんは「色彩感がない不思議なM31」と表現されてますが、かえってナチュラルですっきり見えていい感じではないでしょうか。これくらいの構図だと宇宙の広がりも感じられますね。MS-5とSWAT-350、カテゴリーはまったく異なりますが、どちらも高精度追尾が共通点ですね。(笑) ぜひまたご投稿ください。お待ちしております。

2018年10月24日 (水)

シグマ105mm F1.4 Artによるオリオン座。

兵庫県宝塚市にお住まいの吉田隆行様から、久しぶりにご投稿いただきました。話題のシグマ105mm F1.4 Artよる「オリオン座」です。
 Orion

●オリオン座
2018年10月13日 シグマ 105mm F1.4 DG HSM (F2.5で撮影) キヤノン EOS 5D MarkII(ノーマル) ISO1600 2分露出×24枚コンポジット SWAT-350によるノータッチガイド 岡山県備前市吉永町にて撮影
 
■コメント
シグマ105mm F1.4 DG HSMを使用して撮影したオリオン座の写真です。ベテルギウスからリゲルまで、フルサイズの画角いっぱいに写りました。天体用フィルターに換装していないデジタル一眼を使用したため、赤い星雲の写りは弱いですが、逆にナチュラルな仕上がりになりました。周辺まで点像に保つためにF2.5まで絞りましたが、ISO1600の設定で、1枚あたり僅か2分の露光時間でこれだけ写るのは魅力的です。最近、なかなか晴れませんが、この組み合わせなら、僅かな晴れ間を狙って写せそうです。
 
■係より
最新シグマレンズ105mm Artでの作例です。周辺星像の改善を狙って、F2.5と2段近く絞っての撮影ですが、そのおかげで全面シャープな星像が埋め尽くしました。また作例のように分子雲がモクモクのエリアだと、全体の画質のバランスを考えると周辺光量の確保も大変重要で、F2.5まで絞ることで充分均一な画質を得ています。ノーマルカメラとはいえ、ナチュラルな仕上げのなかに、赤い散光星雲も落ち着いた感じで表現されていて、とても美しく鑑賞できます。さすが吉田さんといった作品ですね。吉田さんは、多くのアマチュアの目標となる作品を多数発表されています。こちらのページも是非ご覧ください。いつもありがとうございます。次回作にも期待しております。
 Swat350

吉田さんのSWAT-350撮影システム。シグマ105mm F1.4 Artは重量級?レンズなので、ドイツ式に組んで運用されました。もちろんノータッチ追尾でまったく問題ありません。

2018年10月21日 (日)

はくちょう座γ星サドル付近。

東京都八王子市の関原謙介様より「はくちょう座γ星サドル付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo●はくちょう座γ星サドル付近
2018年10月9日21時50分~ コーワプロミナー500+レデューサーTX07使用(合成焦点距離350mm)F4 ニコン D810A ISO1600 3分露出×45枚 総露出時間135分 SWAT-350による追尾撮影 MGENによる1軸オートガイ PixInsightによるキャリブレーションおよび加算処理 ステライメージ8とNikon Capture2にて追加画像処理 撮影地 西伊豆松崎町
 
■コメント
先週前半、西伊豆は好天に恵まれやっと撮影ができました。とは言っても、撮りたかった夏の被写体は早々と西へ沈み、夜半過ぎにはオリオンも昇ってきて、あらためて季節の変化の早さを感じました。送付した写真は白鳥座のサドル付近です。もう1時間ほど露光時間を稼ぎたかったのですが、西伊豆の西の空は、駿河湾添いの都市の光害がひどく、途中であきらめました。でき上がった画像はちょっと物足りないので、画像処理で星に光条を入れてみました。ところで、最近スカイクオーリティメーターを購入しました。撮影地の夜空の質を客観的に計ってみるつもりです。西伊豆では、天頂から南の空は暗く21.4が出ました。これはかなりいい値のようです。
 
■係より
いつもご投稿いただきまして、ありがとうございます。関原さんの最新作はサドル付近です。2時間を超える露出時間と丁寧な画像処理で素晴らしい階調に仕上がっていますね。ピント合わせも申し分ありません。一瞬イプシロンで撮影されたのかと勘違いするよいうな光条とシャープな星像です。この光条、画像処理で入れたそうです。サドル付近は単調な赤一色になりがちですが、微妙なトーンが表現されていて、お見事としかいいようがありません。サドルの北に小さな青い反射星雲?もあるんですね。知りませんでした。この作品も雑誌のコンテストに応募すれば入選レベルと思います。この夏は壊滅的な状況でしたが、晩秋からの天気に期待したいですね。ぜひまたお送りください。お待ちしております。

2018年10月19日 (金)

21P/ジャコビニ-ツィナー彗星。

北海道にお住まいの斎藤雅也様より「21P/ジャコビニ-ツィナー彗星」をお送りいただきましたので、早速ご紹介いたします。
 21p1
21p

●21P/ジャコビニツィナー彗星
2018年8月18日00時26分~ オリンパス ED150mm F2 絞りF2.8 オリンパス PEN E-PL6 ISO800 露出60秒×2枚コンポジット SWAT-350にてノータッチ追尾 ※下の文字入りは係が作成
 
■コメント
初めまして!斎藤と申します。SWAT-350を購入後、8月頃からやっと稼動できる状態になり早速comet 21pを撮影してみました。撮影地に到着して10分以内に撮影が開始出来るフットワークの良さには大変助かっております。(SWAT-mini では5分ですが、、) 私のようなSWAT-350を車から降ろし、4~5分でセッティングを終了し撮影開始!と言うような使い方には最適の機材です。追尾性能の方も今のところ安定して300~400mm望遠レンズで3分間をこなしてくれております。
 
■係より
初投稿、どうもありがとうございます。彗星のご投稿は、かなり久しぶりです。そこそこ明るくなった21P/ジャコビニツィナー彗星の勇姿ですね。撮影の頃は、まだカシオペヤ座で胎児、ハート星雲の近くでしたが、その後、冬の天の川の中を移動して、先日かもめ星雲と重なるというイベントがありました。作品では、きれいな緑色と尾を見事に捉えてますね。オリンパスのレンズとカメラによる撮影ですが、オリンパスもフジやペンタックスのよに、無改造で赤い星雲が写ります。作品の下の方に赤い散光星雲が写っています。これから冬の大型天体が目白押しですので、ぜひ赤い散光星雲を狙ってみてください。また撮影されましたら、お気軽にご投稿ください。お待ちしております。

2018年10月15日 (月)

M42オリオン大星雲。

大分県佐伯市にお住まいの志賀本昌様より、「M42オリオン大星雲」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M42

●M42オリオン大星雲
2018年10月13日02時~ シグマ 150-600mm F5-6.3 DG 600mm 絞り F7.1 キヤノン EOS 6D(IR改造) ISO3200 露出240秒×13枚+露出90秒×20枚+露出30秒×20枚+露出15秒をステライメージ8でコンポジット SWAT-350+M-GENによる一軸オートガイド 撮影地 大分県佐伯市
 
■コメント
10月13日午前2時からM42を撮影してみました。皆様が露出を何段階かに分けてコンポジットするらしいので、自分も挑戦しましたが、どうするのかよくわかりません。赤道儀はSWAT-350、カメラは改造済のEOS6D、レンズはシグマ望遠ズーム150-600を使い600ミリで撮影、ISO感度は3200です。4段階の露出で撮った画像をコンポジットしました。まだHDR処理というのが、理解できてないので、今後の課題です。
 
■係より
今季初のM42です。もう冬の王様が登場する季節なんですね。関東地方では、この秋、いまだにすっきり晴れてくれなくて、ぜんぜん写真が撮れません。九州では晴れた日が多いのでしょうか? 羨ましい限りです。さて、通常の露出に短時間露光を合成するにはHDR処理がおすすめです。グッと階調が豊かな作品になりますので、ぜひマスターしていただければと思います。ただ、白飛びしてる部分をすべて描出しようとすると、ちょっと気味の悪い画像になりますので、適度に飛ばしてしまった方がよいと思います。下に参考画像をお掲載します。ご投稿。ありがとうございました。ぜひまたお気軽にお送りください。
 Hdr_2

何段階かに分けて撮った画像をPhotoshopでHDR合成した例です。飽和したオリオン星雲中心部に短時間露光を乗せて白飛びを抑えています。恒星の白飛びにも効果的です。

2018年10月 7日 (日)

M33とバブル星雲付近。

大分県佐伯市にお住まいの志賀本昌様より、「M33」と「バブル星雲付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M33r

●M33
2018年10月1日、10月6日 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG 600mm 絞り F7.1  キヤノン EOS X7i(IR改造) ISO3200 露出5分×12枚+露出4分×21枚 合計33枚(総露出144分)をステライメージ8でコンポジット SWAT-350+M-GENによる一軸オートガイド 撮影地 大分県佐伯市
 M52ngc7635r

●バブル星雲付近
2018年10月7日19時56分~21時06分 シグマ 150-600mm F5-6.3 DG 600mm 絞り F7.1  キヤノン EOS X7i(IR改造) ISO3200 露出4分×18枚(総露出72分)をステライメージ8でコンポジット SWAT-350+M-GENによる一軸オートガイド 撮影地 大分県佐伯市
 
■コメント
今年の春から何故か所有しているオートガイダーM-GENの調子が悪く、販売店で交換してもらって無事に解決しました。自分の使っていたM-GENのどこかに悪い個所があったと思いますが、その原因がわからず、悩んでいたので、解決できて嬉しいです。さて、作例ですが、広い範囲の撮影では光害を拾いやすいので、最近はシグマ望遠ズーム150-600で撮影しています。使用赤道儀はSWAT-350、カメラはX7i、600mmの焦点だと35mmフルサイズに換算するとノートリで960mmの画角となり、かなりの長焦点です。今月に入り、昨夜(10月7日)までに撮影した二つの対象をお送りします。
 
■係より
いつもご投稿いただき、ありがとうございます。結局、今年も昨年並みに天気が悪くて、作例コーナーも閑古鳥でした。ようやく晴れ間も出るようになってきましたので、これからのご投稿に期待したいところです。今回お送りいただいたのは600mmによるM33とバブル星雲付近です。M33はトータル2時間半近い露出で淡く拡がる腕や暗黒帯を見事に捉えています。改造カメラなので、Hαもよく出ていますね。バルブ星雲付近も赤い散光星雲の拡がりがよく写ってます。星雲の左上の散開星団はM52ですが、けっこう密集していて600mmくらいでないときれいに分解しないかもしれません。どちらもたっぷり露出してよい出来です。また撮れましたら、お気軽にご投稿ください。お待ちしております。

2018年9月19日 (水)

網状星雲。

愛知県春日井市のHUQ様から、香川で撮影した「網状星雲」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 Photo

●網状星雲
2018年8月18日~20日 ボーグ 55FL+レデューサー (f=200mm F3.6) ニコン D810A ISO1600 露出3分×176枚コンポジット SWAT-350(赤経体)+ SS-one mini(赤緯体)2軸ガイド(PHD2) 撮影地 香川県

■コメント
前回お送りした「M16わし星雲とM17オメガ星雲」に続いて撮影したはくちょう座の網状星雲です。今回の撮影に使った機材(写真下)をご紹介します。光学極望と電子極望が両方ついてますが、2軸ガイド中は極軸の設定精度はさほど要らないため、光学極望を用いてサクッと極軸設定を終わらせています。今回電源をモバイルバッテリーからカメラの電源を取るアダプターが使えることが分かったため、12V出力の電源が不要になり、全体重量が10kgを切りました。3本ある 26800mAh モバイルバッテリーのうち1本はデジカメ、1本はガイド/電視ファインダー用スティックPC、残る1本でSWAT-350、SS-one mini、鏡筒用ヒーターを使っています。
  
■係より
トータル9時間近い露出で、大きく拡がる網状星雲全体を捉えた作品です。天の川の近くなので、微光星で埋め尽くされますね。網状星雲の位置はこちらを参考にしてください。
 Swat35055fl

撮影に使った機材。アルカスイスのパーツを組み合わせてエルボー式に赤緯体を搭載し、バッテリーをカウンターウェイト代わりに使用する無駄のない構成です。

2018年9月 8日 (土)

火星への回廊と天の川。

東京都八王子市の関原謙介様より石垣島で撮影した火星と天の川をお送りいただきましたのでご紹介します。なお、この作品は天文ガイド10月号入選作です。
 Hosi10smallr

●火星への回廊と天の川
撮影日 2018年7月13日21時53分~22時23分 ニコン 14-24mm F/2.8G ED 14mm, F3.5で使用 ニコン D810A ISO1600 星画像 60秒露出×20枚コンポジット+地上画像(固定) 60秒×3枚コンポジット 総露出時間20分 PixInsightで加算処理 PhotoshopCS6で星画像と地上画像の合成処理 Nikon Capture2にて追加の画像処理 SWAT-350によるノータッチ追尾撮影 撮影地 石垣島伊原間地区
 
■コメント
石垣島で「本気の」台風を体験した3日後にようやく天候に恵まれ撮影した火星と天の川です。水平線近くにある月に向かって水面の反射が帯状に続いている様子を「月への道」などと表現しますが、この夏の夜空の主役、火星が水面に作る光の道を天の川とともに撮影する事ができました。最初からねらっていたわけではないのですが、試し撮りのコマにこの光の帯が写っていたため、これを主役にして撮影する事にしました。この日も雲の飛来する不安定な天候で、トータル20分の露光を確保するのがやっとでしたが、良質な夜空に助けられました。この写真は今月号の天文ガイド、ビギナーの部で入選作品に選ばれました。日頃、このサイトへ投稿する写真を「巧みに」ほめていただいき、勇気づけていただいているお陰と感謝しております。
 
■係より
天文ガイド10月号ご入選、おめでとうございます。SWATユーザー様の作品が入選するのは、我がことのように嬉しいです。今回はその入選作をお送りいただきました。最優秀候補に残っただけあって、とても美しい星景写真に仕上がってます。「火星への回廊…」というタイトルも秀逸で大接近の火星の明るさがあれば、これだけ立派な「回廊」が写せるのにはびっくりしました。そして石垣島の濃い天の川が自然に描写されて、なんとも芸術的な作品となりました。ご投稿、ありがとうございます。そろそろ秋の長雨シーズンですが、また撮れたらお送りください。お待ちしております。

2018年9月 1日 (土)

ラ・パルマからの天の川と大流星。

チェコのアマチュア天文学者、Zdenek Bardonさんから、カナリア諸島ラ・パルマにて、SWAT-300で撮影した星景写真をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Magic_mw_bardon18

●MAGIC望遠鏡の上の天の川
2018年8月10日 Zeiss Otus 28mm F1.4 ニコン D810A ISO3200 露出60秒×15枚+60秒固定×1枚 SWAT-300にて自動追尾 撮影地 スペイン領ラ・パルマ島
 Fireball_lapalma_bardon18_08

●火球
2018年3月15日 Zeiss Milvus 18mm F1.4 ニコン D810A ISO3200 露出60秒×1枚+60秒固定×1枚 SWAT-300にて自動追尾 撮影地 スペイン領ラ・パルマ島
 
■コメント
私はチェコのアマチュア天文学者です。最近はヨーロッパ南天文台のESO Photo Ambassadorと呼ばれています。私はSWAT-300にとても満足しています。
数週間前ですが、私はスペイン領ラ・パルマ島(カナリア諸島)のロケ・デ・ロス・ムチャチョス天文台から帰国しました。私はペルセウス座流星群を捉えるために、そこで数日を過ごしました。撮影した画像から2枚を送ります。
The mount SWAT-300 is a fantastic and precise piece of equipment! Great work!
 
■係より
チェコのZdenek Bardonさんから4ヶ月ぶりのご投稿です。今回はカナリア諸島ラ・パルマからの天の川になります。沖縄とほぼ同じくらいの緯度になります。透明度がよいのか、低空までコントラストの良く仕上がっています。M16からえび星雲まで点在するHα散光星雲がよくわかりますね。2枚目の流星は放射点が異なるのでペルセ群がどうかはわかりませんが、とにかく痕を伴う大流星が写ったのはラッキーでした。秋の銀河に見事な華を添えてくれましたね。撮影に使われたツアイスのレンズも星像がとてもシャープでいいですね。最後に、SWAT-300にとても満足されているようで、生産者としても嬉しい限りです。ご投稿、ありがとうございました。ぜひまたお送りください。

2018年8月30日 (木)

M16わし星雲とM17オメガ星雲。

愛知県春日井市のHUQ様から、一年ぶりの投稿です。今回は「M16わし星雲とM17オメガ星雲」をお送りいただきました。
 M16m17

●M16わし星雲とM17オメガ星雲
2018年8月17日~18日 ボーグ 55FL+レデューサー (f=200mm F3.6) ニコン D810A ISO800 露出0.5分×1枚+1分×3枚+2分×111枚+3分×24枚コンポジット SWAT-350(赤経体)+ SS-one mini(赤緯体)2軸ガイド(PHD2) 撮影地 香川県
 
■コメント
この夏、8月17日から20日にかけて、ターゲットをM16、M17 と 網状星雲に絞り、空の許す限りひたすら撮り重ねました。まず処理の終わったM16、M17を送ります。透明度はそこそこ良かったものの薄雲の通過が多く、クリアな写真は殆ど得られませんでしたが、程度の酷くないコマは全部コンポジットに混ぜ込んで処理しました。全体の色調、全体の中での淡い星雲と微光星の調和に気を遣って処理しました。
 
■係より
久しぶりのご投稿、ありがとうございます。この夏の天気はイマイチだったようで、作例画像の投稿がパタッと止まってしまいました。私自身も3ヶ月以上も撮影に出かけてないので、そろそろ星空の下に行きたくてウズウズしています。さて、お送りいただいたのはボーグ55FL+レデューサーで撮影されたM16、M17付近です。55FLはシャープな星像で定評がありますね。さすがに最周辺では星像が崩れますが、中心から広い範囲で鋭い星像が敷き詰められてます。明るい散光星雲がタイトルのM16(上)とM17(下)です。200mmですと周辺の淡い星雲も構図にちょうど良く取り込めますね。ちなみにM16の上(北)の赤い散光星雲はシャープレスカタログでSh2-54の番号が振られています。

2018年8月16日 (木)

M27亜鈴状星雲。

神奈川県横須賀市の関謙一郎様より、SWAT-350ノータッチ追尾で撮影したM27亜鈴状星雲を初投稿いただきましたので、ご紹介します
 M27

2018年8月14日 ペンタックス75EDHFII 500mm F6.7 ニコン D810A ISO2500 60秒露出×2枚コンポジット SWAT-350にてノータッチ追尾 撮影地 乗鞍高原
 
■コメント
ただ今、乗鞍高原に来ております。オールドテレスコープですが、果たして500mmのノータッチガイドはどうなるやら…。試してみたくなり、急遽回転ユニットを追加購入して馳せ参じました。なにせ星像が甘くて光軸もピントも? 更に夕立後の薄モヤの中でしたが、無事テスト出来ました! ゆくゆくはボーグ107FLにてチャレンジしたく、色々練習して行きますのでコメントなど頂けましたら幸いです。今までの架台はEM-1でしたが、SWATでも何の問題もなく追尾できてしまうなんて素晴らしいですね。まだまだ歩留まりが悪いので、バランスなども今後追い込んで行きます。
 
■係より
このたびは、ご投稿いただきまして誠にありがとうございます。SWAT-350で500mmノータッチ追尾による惑星状星雲M27です。ポータブル赤道儀で500mmクラスをガイドしようとすると通常はオートガイドが必要ですが、SWAT-350の追尾精度なら、露出を1~2分に切り詰めることで充分に追尾可能です。ペンタックスの75EDHFIIはかなり懐かしいですね。このレンズ、フラットナー内蔵なので周辺までなかなか良好な星像のようです。SWAT-350にぴったりのサイズですし、この組み合わせで個々の天体をクローズアップするのも練習にちょうどいいと思います。今回、北が斜め右上方向になっていますが、北を真上にした方がよいでしょう。これからもSWAT-350で撮影をお楽しみください。またよい写真が撮れたら、ぜひお送りください。
 15342278583120_noexif

関さんの撮影システム。三脚の足の一本が北に向くようにして、極軸微動ユニットの上下微動ハンドルがだいたい南北になるように設置すると安定して便利ですよ。ポールマスターSWATで極軸設置もバッチリですね。

2018年7月31日 (火)

土星と火星。

東京都八王子市の上村裕様より、大接近を迎えた火星と土星のツーショットをお送りいただきましたのでご紹介します。
 Saturnmars

●土星と火星
(土星)2018年7月29日22時18分~ 1/28秒露出 (火星)2018年7月29日23時23分~ 1/500秒露出 共通データ ボーグ107FL+Or6mm QHY5III178M AutoStakkert!3で500枚スタック Registax6 Photoshopで画像処理 SWAT-350ノータッチ追尾 東京都八王子市
 
■コメント
台風一過の29日、関東は好天に恵まれましたが、満月直後の月が煌々と輝いています。なかなか新月期に快晴というのは難しいですね。そんな中、久しぶりにCMOSカメラで惑星を撮影しました。今年は、間も無く火星の大接近を迎えますね。Windyを確認すると、上空の風も穏やかな予報でしたので好シーイングが期待できました。まず、南中を迎えた土星を撮影です。眼視したところ、予想通り気流は安定しており、カッシーニの空隙がくっきり見えます。撮影した動画をスタックしても、昨年より構造が出てくれました。この口径では、これくらいが限界なのでしょうか。続いて、火星です。見た目の大きさは土星より大きく明るいのですが、はっきりとした模様はプレビューでは確認できません。ダメもとでRegistaxで強調処理したところ、それらしい構造が出てきてくれましたが、なんとも微妙です。画像は、2惑星の視直径の違いがわかるように、同じ条件(拡大率)で撮影しています。去年同様、モノクロCMOSカメラにフィルターレスという乱暴な撮影ですが、機会があればカラーで撮影したいですね。
 
■係より
いや~、これはビックリの土星と火星です。口径10cmとは思えないほど模様が描出されており、驚かされました。シーイングもピント合わせも上等で、QHY5III178Mの性能もよいのでしょうが、まるで30cmクラスで撮影した画像を見ているようです。素晴らしい作品に仕上がりました。
さて、ただいま大接近を迎えているのが火星です。砂嵐で一時は模様が見えなくなってしまい、どうなるかと心配されましたが、ここに来て模様もよく写るようになってきました。小口径でも充分に楽しめますので、この夏、ぜひ観察していただきたいと思います。
上村さん、どうもありがとうございました。またの投稿、お待ちしております。

2018年7月27日 (金)

デネブ、サドル周辺。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ 135mm Artによる「デネブ、サドル周辺」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Cygnus2

●デネブ、サドル周辺
2018年7月15日0時15分~2時58分 シグマ 135mm F1.8 DG HSM Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 240秒露出×41枚、70秒×12枚(F2.8)、15秒×15枚(F2.8) 各コンポジット SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 天城山登山口駐車場
 
■コメント
先日掲載していただいた「バンビの横顔周辺」を取り終えた後、やや予想外の快晴が続いたことで、もう1対象、夏の定番領域を撮影することができました。こちらは広大な赤い輝線星雲が目立ちますね。さすがは天の川。星がボンボン爆発したであろう領域だということがわかります。有名な北アメリカ星雲はその一部に過ぎないんですよね。135mmくらいの画角だと、その辺りがよくわかります。
ただ、こちらを撮影中、レンズが曇ったのか、それとも上層雲が薄くかかったのかは不明ですが、デネブなどの輝星の周りに光芒が大きく写ってしまいました。そのため、全体的になんとなく滲んだようにぼやけた画像になってしまったのが残念です。
 
■係より
バンビの横顔に続いて、蒼月さんの素晴らしい作品をもうひとつ。はくちょう座の中心部をシグマの神?レンズ135mm Artで狙いました。中央やや上が一等星のデネブ、その左(東)に拡がる北アメリカ星雲とペリカン星雲は昔から超有名な大型のHα散光星雲です。画面右下の恒星が二等星のサドルで、この星のまわりにも明るい散光星雲があります。135mmだと、それらをまとめて構図に収められ、F2.2という明るさで、3時間近い総露出とすることで、周辺に大きく拡がる散光星雲の全貌を捉えることができました。単調な赤一色になりがちですが、青い成分を残すことで星雲の微妙な階調を維持してます。夜露か薄雲で輝星が滲んだとのことですが、かえって味が出てよい雰囲気だと思います。ご投稿、ありがとうございます。8月の作品も期待しております。(笑)

2018年7月23日 (月)

石垣島北部で撮影した天の川中心部。

東京都八王子市の関原謙介様より「石垣島北部で撮影した天の川中心部」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Ishigaki_

●石垣島北部で撮影した天の川中心部
撮影日 2018年7月9日23時35分~0時05分 サムヤン 35mm F1.4D 絞りF3.5 ニコン D810A ISO1600 80秒露出×21枚コンポジット 総露出時間28分 PixInsightで加算処理 PhotoshopCS6およびNikon Capture2にて追加の画像処理 SWAT-350によるノータッチ追尾撮影 撮影地 石垣島久宇良地区
 
■コメント
7月9日に石垣島の北部にある久宇良と呼ばれる部落のさとうきび畑で撮影した天の川中心部です。この日は910ヘクトパスカルにまで発達した強力な台風8号の来る前日で、天候も安定せず、晴れたと思えばすぐに雲がわいて来るといった夜でした。(そもそも台風の前日に撮影ができたのがめっけものでしたが。)そこで、露出時間を短めにしてなるべく多数コマを撮影し、雲の入ったコマを除外する作戦で行きましたが、なんとかトータル30分程度の露出時間を確保するのが精一杯でした。次の日は、沖縄に来る「本気の台風」を体験する事になりました。
石垣島北端に近い久宇良地区はおそらく日本では光害最小の場所かと思います。素晴らしい星空でした。
 
■係より
石垣島が猛烈な台風に襲われる前日の夜に撮影した天の川中心部です。さそり座といて座がコントラストよく仕上がっています。なんと言っても本土では好条件で撮影するのが困難な南天低くまで、これだけよく写っているのがとても印象的。えび星雲のさらに南のNGC6193付近の赤い散光星雲まで構図に捉えました。サムヤンの35mmレンズもF3.5まで絞って、周辺までシャープな星像と均一な光量を確保しています。撮影地の条件もよいと思いますが、素晴らしい天の川です。どうもありがとうございました。ぜひまたお送りください。

2018年7月20日 (金)

バンビの横顔周辺。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ135mm Artによる「バンビの横顔周辺」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Bambi

●バンビの横顔周辺
2018年7月15日20時55分~23時35分 シグマ 135mm F1.8 DG HSM Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 150秒露出×48枚、60秒×15枚(F2.8)、15秒×15枚(F2.8) 各コンポジット SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsightで画像処理 撮影地 天城山登山口駐車場
 
■コメント
先日の日曜日に、猛暑の下界から天城高原に逃避して撮影してきました。新月期の連休中日ということで、大勢の天文ファンでごった返すかと思いましたが、事前の天気予報がイマイチだったからか、集まった天文ファンは意外と少なく、私を含めて8名でした。しかし、夕方こそ予報通りやや曇りがちだったものの、夜8時を過ぎた頃にはまさかの快晴に恵まれまして、明るい光学系で十分な時間をかけて定番の領域を撮影することができました。いわゆるバンビの横顔を中心に、左上の Sh2-54 から右下の干潟星雲(M8)まで、「美味しいもの全部乗せ」です。しかも、土星のトッピング付き。贅沢です。

スタック枚数が多いためノイズが少なく、とくにノイズリダクション処理はしていないのですが、十分滑らかな画像に仕上がりました。高解像度版(https://flic.kr/p/27SST6R)で見てもそれがお分かりいただけるかと思います。
 
■係より
いつもありがとうございます。最近、すっかり定番の構図になったバンビの横顔周辺です。恒星の色を飛ばさないように短時間露出を合成するテクニックも駆使し、いつもながらのお見事な仕上げで、とても美しい作品となりました。フルサイズ135mmの画角がピッタリと思える構図で、周辺に拡がる主な赤い星雲もすべて捉えています。シグマの135mm F1.8 Artレンズの星像は全面シャープで非の打ち所がありません。F2.2まで絞ってトータル2時間という短時間(?)露光ですが、これだけ階調豊かに仕上げられるのは、やはり明るさは正義でしょうか。気温が高い夏はノイズ的に不利ですが、コンポジット枚数を稼げばノイズは気にならないそうです。

2018年7月16日 (月)

渋峠からの天の川。

神奈川県にお住まいのBoyackies様からの初投稿で、「渋峠からの天の川」です。
 _s

●渋峠からの天の川
撮影日 2018年7月14日23時頃 AF-S Nikkor 14-24mm F2.8G ED 14mm 絞り開放 ニコン D5 ISO1000 130秒露出 SWAT-350によるノータッチ追尾撮影 撮影地 志賀高原渋峠
 
■コメント
14日の夜、ようやく新月と晴れが重なって始めて赤道儀を使用いたしました。最初は北極星がなかなか見つける事ができず使用を断念いたしました。しかし、くじけず翌日も挑戦し、北の方角を5分露出して撮影し、星が線になった写真の中で動かない星を見つけると言う方法で、ようやく極軸合わせに成功し天の川の写真を撮ることができました。雲海も出始めてきたので山と雲海と天の川がうまく撮れました。
 
■係より
Boyackies様の初投稿になります。SWAT-350を使っての初撮影で、これだけ美しい天の川が撮れたのはラッキーでした。コントラストのよい天の川中心部と下界に拡がった雲海が、幻想的な雰囲気を醸し出していて、素晴らしい作品に仕上がりました。ニコン純正の14-24 F2.8ズームを広角側14mm開放で使いましたが、このサイズでは星像に不満はありませんし、周辺減光も星景写真としては味が出てよい感じです。左の輝星は大接近中の火星です。14mm超広角での撮影でしたら、厳密な極軸合わせは必要なく、極端に言えば、だいたい北に向ければ大丈夫です。ご投稿、ありがとうございました。ぜひまたお送りください。お待ちしております。

2018年6月 3日 (日)

富士山と天の川。

東京都八王子市の関原謙介様より「富士山と天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo

●富士山と天の川
撮影日 2018年5月15日1時00分~2時30分 AF-S Nikkor 14-24mm F2.8G ED 16mm 絞りF3.5 ニコン D810A ISO1600 60秒露出×24枚コンポジット 総露出時間24分 地上画像は固定にて40秒露出×15枚コンポジット PixInsightで加算処理 PhotoshopCS6で画像合成 SWAT-350によるノータッチ追尾撮影 撮影地 山梨県甲州市
 
■コメント
5月15日の未明に撮った天の川です。山梨県側から富士山と天の川を狙いましたが、太平洋側の都市からの光害で天の川にコントラストがつきませんでした。どなたかも言ってましたが、まさに「富士山は光の海に浮いている」です。光害を少々甘く見ていました。露出時間が少なかったようです。コントラストの良い結果を得るためには天の川でも1時間を超える露出時間が必要かもしれません。
 
■係より
この時期の貴重なご投稿です。いつもながらの関原さん調の美しい星景写真です。富士山にかかる夏の天の川を16mm超広角で狙いました。折り重なる山々のシルエットの向こうに富士山が浮かび、夏の天の川の中心部が自然な感じで配されています。構図、仕上げとも申し分ありません。こういう作品を見ると、本当に星空の下に出かけたくなりますね。ギトギトの天の川もいいですが、それとは異なる優しい雰囲気がステキです。いよいよ梅雨入りが迫りました。夏本番前の充電期間と思って、しばしの辛抱ですね。ぜひまた、お送りください。お待ちしております。

«アンタレス付近。