« SWAT-200で焦点距離1000mmを10分間ノータッチ! | トップページ | SWAT-350、初の実戦投入。 »

2014年4月 8日 (火)

夏の気配

愛知県春日井市にお住まいのHUQ様より、画像をご投稿いただきましたのでご紹介します。4月7日の朝にいて座のM8干潟星雲とM20三裂星雲を撮影しました。上の赤と青の対比が美しい星雲がM20三裂星雲、その左上が散開星団のM21です。下の赤い大きな星雲がM8干潟星雲で、その左下に球状星団のNGC6544が写っています。天の川の中心に近く、星雲・星団の宝庫のようなエリアですが、地平高度が意外と低いため、透明度の良い日を逃さないようにしたいですね。

M8m20 ■撮影データ/2014年4月7日/鏡筒 タカハシFS-60CB + 0.72×レデューサーにて、焦点距離255mm F4.3/カメラ IRカットフィルタ除去済み FUJIFILM X-E1/ISO1600 2分露出 34枚コンポジット/ユニテック SWAT-350 Cマウント100mm F2.8レンズ+3倍エクステンダー+QHY-5L IIにて、赤経1軸オートガイド/係でトリミングさせていただきました

■コメント
 寒気が押し寄せてきて急激に花冷えしている昨今ですが、久々に月齢が小さい折に黄砂もPMも少なかったため、4月7日の朝方、撮影の機会を得ました。とはいえ月曜の早朝ですから遠征もできず、相も変わらず自宅ベランダからの撮影です。

 三裂星雲の青を出したかったので、今回光害カットフィルタは使用しませんでした。F4.3 ISO3200で2分も露出すると、raw上でも完全に白飛びしてしまうような「夜空」ですが、明るめの散光星雲なら、なんとかこの程度までは現像処理で持っていけます。今回、南天のターゲットですので、南向きのベランダへの設置となるため、北極星が見えず、ドリフト法で極軸調整する必要がありました。

 赤経1軸オートガイドすることで、ガイド鏡の焦点距離をある程度長めに取っておくと(今回は300mm)、ガイド画面上でガイド星が上下(=北南)どちらにズレ始めるのか、即座に判ります。ズレの方向を元に、南中方向で「南下西」、東北東方向で「東北下高」に則り、それぞれ方位と高度を設定します。

 今回、三脚の水平をキチンと出してからゴニオ式マウントで調整することで、僅か20分程で、135版換算で383mmの画角に相当する望遠でも、赤経1軸オートガイドで星を点像に写すのに十分な精度まで追い込むことができました。約1時間20分の追尾誤差を比較明合成すると、次のようになります。
Drift ISO800 5分露出でも、赤緯方向のズレはほぼ判らないレベルでした。2軸オートガイドができるようになるまでは、この方法で極軸設定を追い込みます。

■係より
いつもご投稿ありがとうございます。もう夜明け前にはさそり座も南中する季節ですね。光害カットフィルターを使用してないとのことですが、なかなかコントラストよく星雲を浮かび上がらせることができました。見事な画像です。このあたりは短焦点から長焦点まで、それぞれ適した対象がたくさんありますから、まだまだ狙いたい対象はつきないですね。下は係がトリミングした三裂星雲です。赤と青の対比がホントに美しいです。さて、北極星が見えない南向きのベランダで、ドリフト法による極軸調整を行っていらっしゃいます。この方法は極望のない赤道儀が主流だった頃の昔ながらの方法ですが、撮影する付近のガイド星で行なうと、大気差の微妙なズレも修正できるため、極軸設置精度は非常に高いです。ドリフト法は極軸の上下と左右を別々に調整するので、ボールヘッドの架台や3点調整の極軸微動は使えません。弊社のゴニオ式極軸微動ユニットとガイドマウントは上下左右の調整ネジが独立していて、頑丈な構造であるため左右を調整すると上下も少し動いてしまうような不具合はありません。「軸外し式のゴニオ」なので、上下を調整しても重心の変化はわずかです。精密な極軸合わせにはX-Y微動が必須条件といえましょう。
M20

« SWAT-200で焦点距離1000mmを10分間ノータッチ! | トップページ | SWAT-350、初の実戦投入。 »

作例写真」カテゴリの記事