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2014年5月

2014年5月23日 (金)

去りゆくパンスターズ彗星

愛知県春日井市のHUQ様より「去りゆくパンスターズ彗星」と題した画像をご投稿いただきましたので、早速ご紹介いたします。ゴールデンウィークに撮影した元画像をコンポジットして得られた最終画像です。(画像は係がトリミングしました)

Pansm51 ■データ&コメント
昨年前半の華、パンスターズ彗星(撮影時13等級)とM51のランデブーです。
撮影はいずれもタカハシ FS-60CB+フラットナー(374mm F6.2) にて。
追尾はSWAT-350にて、赤経1軸オートガイドを実施しました。

使用した原画は以下の15枚。
 ISO6400 300sec×1枚
 ISO3200 300sec×4枚
 ISO3200 240sec×1枚
 ISO3200 180sec×9枚
各コマ、「フラットエイド」(http://figomura.ddo.jp/shinyadoraku/)を用いて熱カブリを除去。これらを元に下記の(1)(2)を生成し、撮影時刻 2014.05.02 1:34'08" の原画におけるパンスターズ彗星の核の位置を基準点として加算合成しました。
(1)各コマからパンスターズ彗星を消し、恒星/銀河だけを残したコマを加算合成。 (2)各コマにてパンスターズ彗星だけを残したコマを加算合成。

■係より
いつもご投稿ありがとうございます。今回は昨年話題をさらったパンスターズ彗星とM51を同一視野に収めた一枚です。撮影後の後処理に、かなり苦労されたとのことですが、その甲斐あって見応えのある出来栄えになりました。SWAT-350は赤経一軸駆動なので赤緯の修正ができません。そのため極軸セッティングをドリフト法で徹底的に追い込み、さらにオートガイドも併用したため、星像はまったく流れていません。ここまで使いこなしていただけると製品を作ってる私もとても嬉しく思います。パンスターズ彗星の淡い緑の尾やM51の腕の構造など、とてもよく描写されていますので、係が二つの対象を拡大トリミングして下記にアップします。

Pansm512

2014年5月13日 (火)

SWAT-350、初の実戦投入。

愛知県春日井市にお住まいのHUQ様より、画像をご投稿いただきました。これまでご紹介した画像は光害の影響がある市街地での撮影でしたが、今回はSWAT-350を導入して初めて光害の少ない場所へ遠征しての作例です。
夏の天の川のハイライトともいえる「いて座」「さそり座」のメジャーな星雲・星団、そしてヘルクレス座の球状星団M13、おおぐま座の回転花火銀河M101の画像もご投稿いただきましたので、まとめてご紹介します。(画像は係がトリミングしました)

M8m20 ■三裂星雲、干潟星雲(縮小リサイズ)
 ISO3200 58sec×1枚, 340sec×9枚, 240sec×2枚コンポジット

Photo ■アンタレス付近(縮小リサイズ)
 ISO3200 5分×26枚コンポジット

M13 ■球状星団M13(中央部 等倍トリミング)
 ISO1600 3分×10枚コンポジット

M101 ■回転花火銀河 M101(縮小リサイズ)
 ISO1600 600sec×3枚, ISO3200 340sec×30枚コンポジット

M101_2 ■回転花火銀河 M101(上画像の強拡大)

■共通データ
追尾:SWAT-350にて、ドリフト法で極軸設定を詰めた後、赤経1軸オートガイド
鏡筒:タカハシ FS-60CB + レデューサー0.72x (f=255mm F4.3)
三脚:GITZO GT3840C(センターポール除去&システマティック化) + ユニテック極軸微動ユニット
カメラ:IRカットフィルタ除去済みFUJIFILM X-E1, 赤外・紫外カットフィルタ IDAS UIBAR-III 使用
撮影地:香川県

■コメント
今回、SWAT-350購入後、最初の「実戦投入」でした。サムソナイトの超軽量トランクにSWAT-350、タカハシ FS-60CB、GITZO GT3840C、FUJIFILM X-E1、X-E2、 大容量ポータブルバッテリ、ほかレンズ4本、さらにもう1セット星野撮影用の小型ポタ赤を詰めました。計25kg前後の大荷物となりましたが、最近は殆どの駅にエレベータが設置されているため滞りなく往復できました。

SWAT-350は重量こそポタ赤としてはヘビー級ですが、突起物が少なく体積が小さいため、衣類などと一緒にコンパクトに梱包することができました。片腕フォークとして鏡筒を支えるReally Right Stuff製パノラマ雲台も水平軸・垂直軸を分離できるため非常にコンパクトです。三脚のGITZO 3840Cは、GITZO3型以上の三脚の中では縮長が最も短く(39cm)、機内持ち込み可能トランクにも収めることができます。

撮影した4月30日~5月6日までのうち、一晩は快晴、三晩は薄雲が流れつつも晴れ間もありの天候でした。あちこちの夏の天体に目移りして、なかなかコンポジット用のコマ数が稼げませんでしたが、SWAT-350ではご紹介した4対象の直焦点撮影が得られました。

特にアンタレス付近は色彩豊かで、私が好きな領域の一つですが、淡い散光星雲を炙り出すのはなかなか難しいです。上の画像もISO3200の原画では、少々階調が粗すぎたようです。ダーク処理は行っているのですが、等倍で見ると粗が見えてしまいます。そこで翌日、ISO1600で12分の露出を掛けて再挑戦したのですが、薄雲に阻まれ、僅か2枚しか撮ることが出来ませんでした。しかし赤緯軸でのガイド補正ができないポタ赤でも、ドリフト法で精度良く極軸設定を行い、赤経1軸オートガイドでピリオディックモーションをキャンセルできれば、焦点距離200mm~300mmの望遠で10分超の露出も充分にこなせるというエビデンスとしての作例が下の画像です。

2

■係より
いつもながら素晴らしい画像のご投稿ありがとうございます。今回もポータブル赤道儀の作品とは思えない作例でビックリしてしまいました。これまでお送りいただいた光害が残る場所での作例と比較しても、S/Nがよく条件に恵まれていることが分かります。撮影に使われている高橋6cmフローライトは、星像もシャープでなかなか優れた光学系のようですし、0.72×レデューサーの併用で255mm/F4.3という明るく使いやすい焦点距離が得られるのも魅力ですね。

さて作品ですが、干潟星雲と三裂星雲は前回のご投稿と同じ光学系で撮影されてますが、光害から逃れて天の川の暗黒帯、星雲の描写などコントラストよく捉えられました。見事です。アンタレス付近は淡い散光星雲やM4とNGC6144の二つの球状星団も綺麗に分離しています。HUQさんの技術も上等ですが、これだけ高い描写力の撮影機器にも時代の進歩を感じます。M13はヘルクレス座の有名な球状星団ですが、これも綺麗に分離していますね。M13の少し右上に写っているのが12等級の銀河NGC6207です。回転銀河M101は系外銀河が数多く観察できるエリアです。上の画像の中にも多くの銀河が写っていますので、星図と照らし合わせてみるもの楽しいですね。M101の腕の構造が分離しているので係が強拡大してみました。SWAT-350でこれだけの作品が得られることに、メーカーとしても嬉しく思っています。係は30年以上、天体写真から遠ざかってますが、SWATを担いで再び撮影してみたくなってきました。(笑)

ぜひまたご投稿ください。お待ちしております。

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