« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »

2014年11月

2014年11月30日 (日)

SWAT-200によるオリオン座中心部

和歌山市にお住まいの福田将之様より、SWAT-200による作例をお送りいただきましたのでご紹介します。

Orion ●オリオン座中心部
2014年11月23~24日 キヤノン EOS KissX6i改(フィルターレス) + IDAS HEUIB-Ⅱ EOS MFA EF 100mm F2.8 MACRO F3.5 ISO1600 150sec.×97 + 15sec.×12(Total 245.5min.) SWAT-200による自動追尾 紀美野町のかみふれあい公園

■コメント
極軸微動ユニットを追加購入して、極軸調整がとてもやりやすくなりました。さて、今回は旧々世代のUSMのない100㎜マクロでオリオン座の中心部を撮ってみました。23~24日に撮影した二日分の画像を重ねて総露光時間4時間になります。トラペジウム付近はオーバーで飛んでしまっているので、15秒露光の画像をレイヤーマスクで重ねて処理しています。下の画像は撮影中に撮った機材写真なので判りにくいかもしれませんが、テーパーキャッチャーにアルカスイス規格のクランプを取り付け、L型プレートを使いカメラごと90度に動かせるようにしています。これにより縦・横構図以外の回転が加わりませんので、フレーミングさえ微調整すれば、違う日に違う場所で撮影した画像でも重ねて総露光時間を伸ばすことができます。このような使い方が出来ると、もう本格的な赤道儀と変わりませんね。冬はまだまだこれからですので、さらに露光を伸ばしてみたいと思います。

■係より
いつもご投稿、ありがとうございます。Hαを強調するIDAS HEUIB-Ⅱフィルターを使用しているとはいえ、これだけ見事にバーナードループを描画できるのは、空の条件がとても良いことが想像されますね。旧型の100mmマクロレンズとのことですが、非常にシャープな星像です。SWAT-200での追尾も完璧で、見事な点像で写せました。トラペジウム付近は露出オーバーで飛んでしまっているのを別画像を加えて、描画するという合成テクニックも使われています。結果、とても見応えのある作品に仕上がりました。またのご投稿、お待ちしております。

Kizai 福田様の撮影機材近景。SWATオプションを使いこなされています。

2014年11月27日 (木)

冬の多彩な星雲と星団

東京都目黒区にお住まいの峰村建二様より、SWAT-350と高橋FS-60CBによる作品をお送りいただきましたのでご紹介します。この60mmフローライトアポクロマートは、とてもシャープな星像で人気のある鏡筒です。今回、冬のハイライトともいえる星雲や星団を一気に撮影されました。

●共通データ
2014年11月20日 タカハシFS-60CB+レデューサーRD-C0.72× 合成焦点距離255mm キヤノン EOS 60Da SWAT-350による自動追尾

Ic2118 ●IC2118(魔女の横顔星雲)
ISO3200 露出150秒 10枚コンポジット

M42 ●M42(オリオン大星雲)
ISO3200 露出120秒 3枚、ISO2000 露出120秒 3枚、ISO1600 露出60秒 3枚、ISO1600 露出30秒 3枚、計12枚コンポジット

M45 ●M45(プレアデス星団)
ISO2000 露出120秒 9枚コンポジット

Ngc281 ●NGC281
ISO3200 露出120秒 10枚コンポジット

Ngc1499 ●NGC1499(カリフォルニア星雲)
ISO3200 露出120秒 9枚コンポジット

Ngc2174ic443m35 ●NGC2174、IC443、M35
ISO2000 露出130秒 8枚コンポジット

J ●IC2174(モンキー星雲)
ISO3200 露出120秒 9枚コンポジット

■コメント
11月20日、いつもの清里へ遠征しました。当日は甲府まで雨模様で、小淵沢から小海線に乗り、清里へ着いたときは、曇り空でした。半分、撮影もあきらめていましたが、20時頃から急速に雲が切れ、21時より撮影開始となりました。透明度は、微かに天の川が確認できるものの、シンチレーションの状態は悪く、星像は安定しません。そこで、今回はISO感度を高く設定し、露光時間を120秒ほどに抑えての撮影としました。撮影中、6時間ほどの間に10個の流星を確認しました。12月はふたご座、こぐま座流星群がありますので、カメラレンズで狙ってみたいと思っています。

■係より
怒濤の7作品です。清里に到着した時は生憎の曇り空、それがにわかに回復して、一晩でこれだけの撮影ができれば、満足度も大きいですね。焦点距離255mmでの作品となりますが、冬はこれくらいの焦点距離に適した撮影対象も多くて、一晩中楽しめます。ただ、一晩でこれだけ対象をこなすのは、短時間露出でも充分に写せるデジカメの進歩のおかげもありまりが、あらかじめ綿密に撮影計画を立てていた賜物と思います。SWAT-350によるノータッチ追尾ですが、どの作品もガイドミスもなく完全な点像になっています。SWATの追尾精度の高さからすれば当然ですが、三脚や雲台などの強度不足で流れてしまうことも多く、峰村様はこのあたりの不安要因も完全に排除できているようです。またのご応募、お待ちしております。ありがとうございました。

2014年11月26日 (水)

SWAT-200によるバラ星雲とバーナードループ

愛知県春日井市のHUQ様より、「ワンオフ赤緯微動」を使った作例をお送りいただきました。赤緯微動のテストを兼ねて、SWAT-200でバラ星雲とバーナードループを撮影していただきました。

Photo ●バラ星雲
Nikkor AF-S 70-200 f/2.8G VR2 + FUJIFILM X-E1、オートガイダー:V.S.Technology SV-10028H + QHY-5L-II、SWAT-200 にて1軸オートガイド ISO3200 露出3分 32枚 16枚1セットで加算コンポジットを2枚作成。2枚をモノクロ化して暗部炙り出したものを加算平均したものを L画像、同じ2枚をカラーのまま加算平均したものをRGB画像として、自家受粉的 LRGB 合成。

■コメント
事前の背景カブリ除去処理で画面下部の光害が除去しきれず、下に凸の弧状の薄青いカブリが残っていますが、画面上部の左側から右がへ生えているうねりは分子雲です。今回は赤緯微動の所感テストだったのでたった32枚しか撮っていませんが、L画像をもっと沢山コンポジットし滑らかなものにすれば、この処理手順で我が家からバーナードループやエンゼルフィッシュ星雲も撮れる気がしてきたので、チャレンジしてみたのが下の画像です。

Photo_2 ●バーナードループ
Carl Zeiss Apo-Sonnar T* 2/135 ZF.2 + 天体改造済 FUJIFILM X-PRo1(LPS-D1) SWAT-200 にて赤経1軸オートガイド F2.0 開放にて、ISO800 露出2分×96枚コンポジット 16枚1セットで加算コンポジット後、輝度データと色データを別々にトーン調整後、LRGB合成。

■コメント
バーナードループはもう少し色鮮やかに発色させたいところですが、流石に少々厳しいものがありますね。構造が写っただけでも良しという感じです。燃木星雲が馬頭星雲の背景の散光星雲並に赤いのは、光害カットフィルタ LPS-D1 の影響です。天体改造したカメラで撮影しており、散光星雲の炙り出しに伴い現れる輝星の周りの赤ハロを、充分に除去し切れませんでした。コンポジット時に写野が重なっていない領域を僅かにトリミングしていますが、Carl Zeiss Apo-Sonnar T* 2/135、開放で四隅まで極めてシャープな星像です。恐るべきレンズです。

■係より
このたびは、ワンオフ赤緯微動の製作ご依頼いただきまして、ありがとうございました。早速、テストを兼ねて撮影していただきました。光害の残る、自宅ベランダからの撮影ですが、光害カットフィルターとIR改造を施したカメラにより、Hα領域を含む赤い星雲を見事に捉えています。「炙り出す」と表現されていますが、まさにそんな感じの画像です。撮影機材はカメラとレンズで2キロ、トータルと9キロとのことです。なんとか担いで移動できる重さでしょうか。星像がとてもシャープなレンズですし、好条件の星空の下での撮影が楽しみですね。ぜひ、またお送りください。

Photo_3
2 ●撮影システム

2014年11月14日 (金)

光害地で撮るオリオン大星雲

愛知県春日井市にお住まいのHUQ様より、「光害地で撮るオリオン大星雲」と題した作品をお送りいただきました。今回もSWAT-350にコーワプロミナー500mmを搭載しての撮影です。

Photo ■コメント
ただいま、SWAT-350 にて f=500mm を長時間露出するテストを行っております。長時間露出でどうしても発生する赤緯方向のズレを、三脚の北端脚下に置いた三脚アジャスターで手動補正するという手法です。天の子午線付近以外では、この修正では当然赤経方向にもズレを生じますが、この赤経方向のズレ修正は、赤経1軸オートガイドに任せます。

写真左は、KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FL + 天体改造済 X-Pro1 (LPS-D1)にて、ISO200 にて 32分もの露出を掛けて撮影した画像です。右は、ISO6400 露出30秒 にて 300枚を撮影し、これらをコンポジットしたものです。色彩の豊かさはISO200の写真に劣るものの、星雲の微細構造は非常に良く出ています。そこで、前者の低感度写真を RGB とし、後者の高感度多枚数コンポジット写真
をL画像として合成し、整えてみたのが下の画像です。こんな写真が光害溢れる市街地から撮影できるんですね。撮影機材とデジタル写真の進化には驚かされます。

M42 ●オリオン大星雲

■係より
いつもありがとうございます。今回のM42は「光害地」ということで、お送りいただきましたが、ものすごい迫力の画像に仕上がりました。最初はバックにムラが多いと思ったのですが、これはムラではなくて「分子雲=レムナント」ですね! 光害のない夜空でないと撮影できないとされていた分子雲を、多数枚コンポジットとLRGB合成であぶりだした素晴らしい作品と思います。
500mmで32分もの長時間露出は、極軸を完璧に合わせられたとしても大気差などの要因により一軸で完全に追尾するのは困難です。どうしても発生する赤緯方向のズレを、HUQさんが独自に工夫した三脚アジャスターで手動補正する技で克服しています。三脚アジャスターの調整ネジは高精度ではないので、上下に動かしたつもりが左右にも少し動きますし、そもそも南中付近以外では赤経方向にも動いてしまいますが、その修正は1軸オートガイダーに任せるという手法ですね。
得られた画像は完全な点像になっています。すごい技術だと感心しています。今後もSWAT-350を使いこなして、ぜひまた素敵な作品をお送りください。

Photo_2 ●HUQさんの撮影機材。

« 2014年10月 | トップページ | 2014年12月 »