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2016年3月 2日 (水)

オリオン座。

愛知県春日井市のHUQ様より、SWAT-200のノータッチガイドによるオリオン座をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
Orion_3

●オリオン座
2016年2月3~4日 ニッコール AF-S 58mm F/1.4G ソニー α7S(天体改造) HEUIB-IIフィルター ISO6400 露出30秒×125枚コンポジット(3σクリップ加算平均) SWAT-200によるノータッチガイド 撮影地 南知多桜公園
 
■コメント
ここは人工衛星の通過が非常に多い領域です。また場所柄、中部国際空港のすぐ側であるため、ひっきりなしに飛行機の軌跡が入ります。ここでは飛行機人工衛星の軌跡を消すため、σクリップ加算平均を使いました。各ピクセルにおいて、コンポジットする母数に対して3σの範囲のデータだけを使って加算平均する仕組みです。飛行機や人工衛星の軌跡は明るいので、3σの範囲から除外されます。よって加算平均の計算結果には含まれず、炙り出し処理を行ったときに軌跡が浮かび上がってしまうことがありません。

今回はオリオン座の主立った散光星雲が一望できる画角で撮ってみました。エンゼルフィッシュの口元にある、青と赤の勾玉のような星雲が綺麗です。エンゼルフィッシュ星雲の左上の小さな赤い星雲は、sh2-261、小さなバラ星雲のような姿です。明るいので、この画角でもしっかり写ります。

天体改造したα7S は、F1.4 のレンズを開放で使って ISO10万の設定にすると、主立った散光星雲が全て背面液晶で確認できます。エンゼルフィッシュやバーナードループも、リアルタイムに見えるのです。これは、構図合わせに絶大な威力があります。↓に動画を掲載しましたので、よろしければご覧ください。

https://vimeo.com/154472135

現状、α7S はバルブで撮影すると微光星が消えてしまう問題があるため、汎用的な天体スチル撮影カメラとしてはあまりお勧めできませんが、それでも30秒露出を活かして大量コンポジットすれば、この程度の画像は得ることができます。彗星の尾の構造や流星痕など、長時間露出を掛けると微細構造が消えてしまう対象には絶大な威力を発揮します。また、これをファインダーとして用いれば、自動導入を持たないポタ赤でも、被写体の導入が格段に効率アップします。

今年のCP+に出品されていた Nikon D5 は、ISO10万を標準感度としてサポートしていました。実際に展示されている D5 を ISO10万で使ってみましたが、アンプノイズが無く、α7S より更に少ノイズと感じました。この世代の映像素子がメインストリームに降りてくれば、ポタ赤望遠撮影において一番時間が掛かる「被写体導入」が、格段に楽になることでしょう。
 
■係より
いつもご投稿、ありがとうございます。ソニーα7Sによる作品です。ISO6400という高感度に設定して、露出はわずか30秒。それでも125枚コンポジットすれば、これだけの作品が得られるということで、大いに参考になります。エンゼルフィッシュやバーナードループ、M42付近の分子雲、魔女の横顔星雲まで、とてもコントラスト良く表現できていてお見事です。σ(シグマ)クリッピングについては、こちらをご覧ください。それにしても、Hα領域をリアルタイムで液晶表示してまうなんて、聞いたことがなかったです。それをファインダー代わりに使うというアイデアも思いつきませんでした。時代が変わっているのを実感しました。
 Orions

三つ星から下の部分を切り出してみました。

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