南アルプスの星空。
愛知県春日井市のHUQ様から、南アルプス標高1800m付近にて、SWAT-miniで撮影した天の川をお送りいただきましたので、ご紹介します。
●迫る雲・降り往く天の川
2016年7月2日1時34分~1時41分 ニコンAF-S 24mm f/1.4G(絞りF2)+HEUIB-IIフィルター+ソニーα7S(改造) ISO6400 30秒露出×10枚コンポジット SWAT-mini 撮影地 南アルプス 1800m付近にて
●仰ぎ見る夏の大三角
2016年7月2日1時43分~1時55分 ニコンAF-S 24mm f/1.4G(絞りF2)+HEUIB-IIフィルター+ソニーα7S(改造) ISO6400 30秒露出×20枚コンポジット SWAT-mini 撮影地 南アルプス 1800m付近にて
■コメント
晴れを期待せず、オルゴールにα7Sを載せ、動画モードで天の川、散光星雲観望に徹していたところ、薄雲が掛かっていながらも比較的視界が開けた瞬間があり、急いでスチルモードに切り替えて撮影しました。極軸なんて、北極星が雲の切れ間に見えた瞬間に、ザクッと極望穴に入れただけです。ゼンマイひと巻きで露出30秒、インターバル5秒で約10枚。ISO6400 では、16枚ぐらいはコンポジット枚数が欲しいと感じました。流石に標高が2000m近いと、背景の暗さが素晴らしいですね。F1.4開放、コマ露出1/4secで ISO20万掛けても背景が白飛びせずに天の川を観望できたのは初めてのことでした。空が暗いため、スチルにおいても、いつも撮影している南知多の4倍の感度でヒストグラムの中央にピークが来る状態になりました。雲が無ければ、更にもう少し多く露光することができたことでしょう。このまま晴れ間が続くか?と思い、急いで SWAT-200 + Higlasi-3B + BORG55FL を組み立てましたが、時既に遅し。変わりやすいのは女心と何とやら。あっという間に再び分厚い雲に覆われ、二度と天の川を拝むことはできませんでした。
■係より
電池不要のオルゴール赤道儀SWAT-miniでの作品です。光害とは無縁の南アルプス標高1800m地点とあって、素晴らしい天の川をものにできましたね。画面全面のシャープな星像に加え、コントラスト抜群で天の川の暗黒帯が黒々と表現されています。少し薄雲があったのでしょうか、輝星がほんのりと滲んで、かえって雰囲気がよくなった感じです。雲が多い中、わずかな晴れ間をISO6400、30秒露出でサッと捉えるHUQさんの技もたいしたものです。この空の条件なら、一晩中晴れる日に遠征して、じっくり腰を据えて撮影してみたいですね。
4時前には、すっかり薄明の始まった空に、細い細い月が浮かんでいました。
富士フイルム X-E2 + XF18-55mm F2.8-4.0 開放 ISO6400 1/6sec AF手持ち撮影
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