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2017年3月 1日 (水)

光害地で撮るバラ星雲。

愛知県春日井市のHUQ様から、光害下のご自宅で撮影した「バラ星雲」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo

●バラ星雲
2017年2月28日22時43分~ タカハシ FS-60Q(f=600mm F10.0) + IDAS HEUIB-IIフィルター ニコン Df(クリアフィルター改造) ISO800 露出6分×27枚コンポジット ガイダー ASI185MC + KOWA 100mm F2.8 SWAT-350+ SS-one mini 2軸ガイド ケラレの大きい四隅をトリミング 撮影地 愛知県春日井市
 
■コメント
もう季節を逸しつつありますが、晴れ間をみては自宅ベランダにて、ポタ赤2軸オートガイドを色々試しています。ここ最近の被写体はバラ星雲ばかりです。撮影時からフラットを撮るまでの間に映像素子上のゴミが動いてしまったようで、黒点と白斑が出てしまいました。今回はチョイと赤緯方向にハンチングが出て失敗…したものの、50%縮小リサイズなら何とか見られますね。これまで、1コマの露出時間が6分以上になると赤経方向に微妙に流れる現象に頭を悩ませていましたが、ガイドソフトに MaxImDL を使い、ガイド制御周期を1秒弱として「こまめに修正をかける」という手法により、赤経方向の流れはクリアすることができました。現状、赤経方向の流れはだいたい±3秒角以下に納まっています。
カメラはクリアフィルタ改造 Df を使っています。昨今当地の光害は劇的に酷くなっており、 D810A では光害の迷光を拾って青と赤に同心円の干渉縞風のカブリが出てしまうようになりました。クリアフィルタ改造Dfはこの現象が出ないため、今後自宅撮りでは Df がメインとなりそうです。
最近ガイダーを取っ替え引っ替えしていますが、しばらくは ZWO ASI185MC に落ち着きそうです。これは QHY5L-II や ASI120MM と同じくピクセルピッチ 3.75um のガイダーなので、QHY5L-II をガイダーとして使う場合と同じ焦点距離のCマウントレンズを使って、同じ精度でガイドできます。一方、画素サイズが 1/1.9inch と大きいため、f=16mm のCマウントレンズを付けると、フルサイズ換算で f=80mm 相当の視野を得られます。しし座が丁度入るぐらいの写野で、街中でもしし座銀河群やおとめ座銀河群の特定の領域を意図して狙えることが判りました。またこれは、型番の "MC" が表す通りベイヤータイプのカラーカメラです。Cマウントレンズと ASI185MC の間に光害カットフィイルター LPS-P1 を入れることで、街中でもバラ星雲をうっすら赤く視認することができました。電視ファインダーとして、α7S + F2.0 レンズ級のポテンシャルがあります。やはり色着きで天体が"観える"というのは良いですね。ピクセルピッチがもっと細かい(2.4um) QHY5III-178M も試してみましたが、画素数が多すぎて、現状の QHYCCD製 ASCOM ドライバでは、天体の導入に使えるほどの画面更新速度を得られませんでした。SharpCapでネイティブドライバを使えば滑らかに画面が更新されるのですが、PHD2やMaxImDLでは ASCOM ドライバしか使えないため、ソフトウェアのアップデート待ちの状態です。
 
■係より
HUQさんから、久しぶりに「光害地シリーズ」をお送りいただきました。オートガイドで腐心されているようですが、ようやくMaxImDLで細かく補正を入れることで、ひとまず満足いく結果を得られたようですね。私もM-GENの最適なパラメータを見つけるのに試行錯誤してします。オートガイドする場合でも、追尾精度がもともとよい赤道儀の方が、安定して好結果が得られるとの情報もあり、なかなか奥深いです。さて、お送りいただいたバラ星雲は、とても光害地で撮影したとは思えないような、細部の描写ですね。星雲の階調や周辺部のごく淡い部分まで炙り出せています。光害地でも星野撮影が楽しめるようになったのも、デジタルカメラのおかげですね。電視ファインダーやポタ赤での2軸ガイドなど、HUQさんの旺盛なチャレンジ精神には敬服しています。ご投稿ありがとうございました。ぜひまたお送りください。

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