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2017年4月

2017年4月30日 (日)

さそり座。

大阪府富田林市にお住まいのSI様より、「さそり座」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Dsc_4524b

●さそり座
ニコンAF-S NIKKOR 58mm F1.4 絞りF2 ソフトフィルター使用 ニコン D810A ISO800 150秒露出 SWAT-200によるノータッチ追尾
 
■コメント
ひさしぶりに星空を撮りに出かけました。東の空に昇ったばかりのさそり座を撮影しました。星の明るさ強調するため、少し明るめに仕上げてみました。低空が光害でスッキリしませんでしたが、これから日に日に夏の天の川が見やすくなりますね。

■係より
いつもご投稿いただき、ありがとうございます。さそり座もオリオン座のように標準レンズでピッタリ収まり、絵になる対象ですね。ソフトフィルターを使用して、星座の形がよくわかります。あえてハイキーに仕上げています。いよいよ、夏の天体の季節ですね。次回作も期待しております。

2017年4月28日 (金)

光害地で撮るM83銀河。

愛知県春日井市のHUQ様から、光害地で撮るシリーズの「M83銀河」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M83
Drizzle_integrationflatten4k_dc

●M83銀河
2017年4月19日~25日 タカハシ FS-60Q(f=600mm F10.0) + IDAS LPS-D1フィルター ニコン Df(クリアフィルター改造) ISO800 露出3分×1枚+4分×34枚+5分×153枚+8分×22枚 合計210枚中190枚をPixInsight の StarAlinement にて自動セレクトしてコンポジット SWAT-200+ SS-one mini MaxImDLにて2軸ガイド ガイダー:f=100mm F2.8 + LPS-D1(FF) + ASI185MC 撮影地 愛知県春日井市 下は拡大トリミング
 
■コメント
M83 は、NGC番号を含めた銀河の中でも、私が好きな銀河の中で5本の指に入ります。視直径も満月の40%程度と大きく、大口径ドブゾニアンを使えば腕もハッキリ見ることができます。しかし南緯-30°付近にあるため、当地では南中高度が25°程度しかありません。住宅地で南中高度が25°というのは、地上光の散乱が目立つ領域から出ることがない、ということを意味します。
色々実験してみたところ、自宅からでは透明度が良い日で、F10 ISO800 で露出5分が限界、ということが判りました。これ以上露出を掛けると、写野中央部に置いたM83付近全体が白飛びするようです。これは星野撮影でよく使われる F4 ISO1600 に換算すると、露出48秒に相当します。
そこで、複数日に渡って撮影を続け、コンポジット枚数を増やす作戦としました。ISO800 と少し感度を落とし気味にすることで1コマあたりのグラデーションの滑らかさを確保し、1コマあたりの露出はヒストグラムのピークが3/4あたり(+1ev前後)になるよう露出時間を調整し、日を分けて大量に撮ってコンポジットしたのです。
宵の口や、透明度が悪い日は露出4分、透明度の良い日は深夜過ぎから露出8分、というように露出時間コントロールしました。露出時間のスケジューリングや、1コマ毎のディザリングは、最初数枚撮った後、MaxImDL のオートスケジュールを使って制御しました。
毎日、晴れていればベランダにポタ赤を出し、(マンションベランダなので北極星が見えないため)PHD2 のドリフトアライメントを使って極軸を微調整。ユニテックさんにワンオフ作成していただいたCマウントレンズ用テーパーアダプター&キャッチャーを介して、ガイダーZWOASI185MC に f=16mm F1.8 のCマウントレンズを付け、SharpCap2 を使ってカラー画面でターゲットを導入。その後 f=100mm F2.8 のCマウントレンズに付け替えて「いつもの位置」付近にガイド星があることを確認し、MaxImDL でオートガイドを開始。
それが済んだらゆっくり風呂に入って Web 徘徊、と。ガイドはポタ赤にくっつけた Windows StickPC 上で行い、5GHz帯の wifi 経由で Windows リモートデスクトップ を使って StickPC の画面を監視します。リビングで、Web や メールを眺めながらついでに問題(主に雲が来た、とかですが…)が無いか確認するのです。
一番注意せねばならないのは、ネットを徘徊し過ぎて翌朝寝坊しないこと。…妻より早く起きてベランダの一式を撤去し洗濯物干しに備えておかないと、朝からご機嫌斜めにさせてしまいますから…。と、まぁそんなお気楽撮影です。自宅撮りならではの気楽さです。
とりあえず4月19日~25日までの5日間で撮り溜めた画像を処理しました。今宵からまた晴れそうですが、引き続き梅雨入りするまで撮り増ししようと思っています。
 
■係より
絶望的な光害地で5日間に渡る長時間撮影を敢行。HUQさんの命を削った力作です。(笑) 低空のM83がここまで写るとは、なんとも言いようがありません。ほのかに青みがかった淡い腕を炙り出し、点在するHα領域まで見事に写し出しています。しかも口径わずかに6cmです。仕上げも素晴らしく、深宇宙の魅力が伝わります。光害地の自宅ベランダから口径6cm+ポタ赤でこの作品ですから、なんとも凄い時代になったものですね。ホントにびっくりしました。この周辺には小さい銀河が点在してます。下に係が作った名称入りの反転画像を掲載します。明日からしばらく晴れそうなので、さらに撮り増しできそうですね。ぜひまたお送りください。お待ちしております。
 M83_2

15.5等級の銀河まで写っています。

2017年4月10日 (月)

彼岸花星雲と出目金星雲付近。

兵庫県宝塚市にお住まいの吉田隆行様から、SWAT-350ノータッチによる「彼岸花星雲と出目金星雲付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Photo

●彼岸花星雲と出目金星雲付近
2017年4月4日3時35分~ シグマ APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM 絞りF3.5 IDAS HEUIB-IIフィルター キヤノン EOS 6D改(Astro6D) ISO1600 180秒露出×6枚コンポジット SWAT-350ノータッチガイド 奈良県十津川村にて撮影
 
■コメント
さそり座の尻尾付近で輝く二つの星雲を、シグマの明るい望遠レンズとSWAT-350を使って撮影しました。この夜は春霞の影響か、少し白っぽい空でしたが、HEUIB-IIフィルターのおかげで、周囲の淡い星雲も写ってくれました。この二つの天体は南中高度が低く、撮影場所にはいつも悩まされます。今回の撮影地でも、南方向に木立があったのですが、SWAT-350は軽量なので、機材全部を持って視界の開けた場所まで移動できて、助かりました。これから夜の時間がますます短くなってきますので、素早く設置、撤収できるSWATと明るいカメラレンズの組み合わせは重宝しそうです。
 
■係より
さそりの毒針付近にある散光星雲です。東京だと南中高度20度ほどと、かなり低空なため、好条件で撮影するのが難しい対象ですが、吉田さんはシグマの180mmマクロを使って、素晴らしくシャープで階調豊かな作品に仕上げています。彼岸花星雲の左上や出目金星雲の下に広がるの赤い散光星雲はかなり淡いです。それを見事に炙り出していますね。星像も最周辺まで針の先で突いたような鋭さです。このたびはご投稿ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
 Photo_2

ゴールデンウィーク中にこの領域が南中するのは午前3時頃です。次のGWでは、連休半ばまで、この時間帯は月に邪魔されないので、天気がよければ好条件で撮影できるかもしれません。もちろん夏の天の川を狙う絶好のチャンスでもあります。

2017年4月 5日 (水)

昇る夏の天の川。

東京都八王子市の上村裕様より、2種類の魚眼レンズで撮影した「昇る夏の天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 Milkyway●昇る夏の天の川
2017年4月4日3時53分~ キヤノン EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM 焦点距離15mm(絞り開放) LEE ソフトフィルター No.3 キヤノン EOS 5D MarkIV ISO1600 120秒露出 SWAT-350ノータッチ追尾 撮影地 山梨県南都留郡
 
■コメント
春霞の影響か、すっきりと晴れることが少ないですが、4日早朝に撮影した天の川の画像をお送りします。東から昇ってくる天の川と富士山を対角線魚眼で1枚におさめました。富士山頂付近は、雨上がりだったこともあり断続的に雲が現れます。そんな中、わずかな時間雲が切れるところがあり、そこを狙って撮影しています。15mmの超広角とはいえ、2分の露出では明らかに星が流れます。焦点距離的にはかなりオーバースペックではありますが(笑)、SWAT-350でノータッチ追尾しました。このくらいの焦点距離なら、どのSWATでも快適に撮影できそうですね。地上部分は別撮りしていたのですが、無理に合成しなくても十分と考えて1枚もので仕上げました。おまけは、全周魚眼で撮影した撮って出しです。西側はそこそこ暗いようですが、それ以外は光害の影響が見られます。それでも関東より空の状態が良いのは言うまでもないですね。
 
■係より
焦点距離15mm超広角の天の川です。もう日の出前には夏の天の川も撮影に充分な高度なんですね。富士山を中央に据えて、横たわる夏の天の川を美しい色彩とともにコントラストよく捉えました。さそり座から夏の大三角まで、超広角ならではの素晴らしい雰囲気で表現しています。一枚撮りの星景写真には星に重点を置いた0.66×速、星と地上を均等に割り振った0.5倍速駆動がお勧めです。全周魚眼のおまけ画像もお送りいただきましたので、下に掲載します。撮って出しでしたが、せっかくなので、私が上の画像に合わせて調整しました。ご投稿ありがとうございました。ぜひまた送りください。
 Photo作例コーナー初の全周魚眼の作品です。こちらもSWAT-350に搭載してのノータッチガイドです。雲ひとつない快晴の星空には夏の天の川や北斗七星が絶妙な構図で収まっていますね。輝星もちょうどよく滲んでいて星座の形がわかりやすいです。魚眼レンズの魅力が伝わる作品です。

2017年4月 4日 (火)

光害地で撮るM17オメガ星雲。

愛知県春日井市のHUQ様から、光害地で撮るシリーズの「M17オメガ星雲」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M17
M17_2

●M17 オメガ星雲
2017年4月3日2時24分~ タカハシ FS-60Q(f=600mm F10.0) + IDAS LPS-D1フィルター ニコン Df(クリアフィルター改造) ISO800 露出8分×9枚 10分×5枚 合計14枚コンポジット SWAT-200+ SS-one mini MaxImDLにて2軸ガイド X-Yディザリング 撮影地 愛知県春日井市 下は拡大トリミング
 
■コメント
4月2日の晩はこの春初めて自宅から4等星が肉眼で見えるほど、透明度の良い夜でした。本来なら南知多へ遠征したいところでしたが、こんな日に限って妻が風邪引いてダウンし、放置するわけにもいかず、やむなく自宅ベランダ撮りに甘んじました。夜明け前には再び霞がうっすら掛かってきたようですが、それでも FS-60Q(f=600mm F10) + LPS-D1 + クリアフィルタ改造 Nikon Df にて、ISO800 で1コマ露出10分を掛けられるほど良い空でした。とはいえ、星野写真でよく使われる F4 ISO1600 に換算すると、僅か48秒の露光となります。それでも夏の天の川の中の淡い散光星雲が方々に写ってくれたので、ド派手に炙り上げてみました。
 
■係より
M17オメガ星雲は白鳥星雲とも呼ばれる大型の散光星雲で、前回投稿いただいたM16ワシ星雲から南に2°ほどの位置にあります。200~300mm望遠レンズくらいなら両方を構図にピッタリと収めることができます。今回のHUQさんの作品は、透明度が良かったこともあると思いますが、本当に光害地 !? と思うほど良く撮れていて、口径60mmの能力をフルに発揮した作品といえるのではないでしょうか。散光星雲の濃淡が描写されていて驚きました。周囲に広がる淡い散光星雲もよく写っていますね。ノイズも少なく、階調も豊かで、光害地としては納得いく作品になったのではないでしょうか。このたびは、ご投稿、ありがとうございました。次回作、期待しております。

2017年4月 1日 (土)

M78付近としし座トリオ銀河。

東京都八王子市の関原謙介様より、「M78付近」と「しし座トリオ銀河」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 M78l

●バーナードループとM78
2017年2月26日 コーワプロミナー500+TX07(合成焦点距離350mm/F4) ニコン D810A IDAS HEUIB-IIフィルター使用 ISO1100 100秒露出×12枚をStellaImage7でコンポジット ニコンキャプチャーNX2およびNeat Imageにて画像処理 SWAT-350にてノータッチガイド 撮影地 静岡県松崎町
 Leotripletl

●レオ・トリプレット
2017年3月29日 コーワプロミナー500+TX10(焦点距離500mm/F5.6) ニコン D810A IDAS HEUIB-IIフィルター使用 ISO1600 90秒露出×39枚をStellaImage7でコンポジット ニコンキャプチャーNX2にて画像処理 SWAT-350にてノータッチガイド 撮影地 静岡県松崎町
 
■コメント
「バーナードループとM78」は2月下旬の新月の週、以前に掲載していただいた「アンタレス周辺」を撮影したのと同じ晩に撮影したものです。この日は、とにかく風が強く、どうにか使えるコマが12枚で、トータル20分程度の露光時間での画像です。M78やバーナードループ周辺の散光星雲の濃淡をもっと写し込みたかったのですが、来年の楽しみにとっておきます。「レオ・トリプレット」はコーワプロミナーにレデューサーを付けず、焦点距離500mmでの撮影です。風はなかったのですが、今度は雲にじゃまされ、トータル1時間程度の露光時間を確保するのがやっとでした。この春はいい条件で撮影できず、もやもやがたまっています。
 
■係より
3月は天候に恵まれず、みなさん鬱憤が溜まってしまったようです。関原さんも約1ヶ月ぶりのご投稿となりました。オリオン座のM78星雲は、付近に広がる暗黒星雲を近くの恒星が照らして反射したものです。暗黒帯が複雑に入り組んでいて、作例でもその一端が分かります。ちょうどバーナードループの濃い部分も一緒に写せますので、人気のある構図となっています。しし座のトリオ銀河も人気の撮影ポイントで、三つ子銀河とも呼ばれます。上がNGC3628、左下がM66、右下がM65です。しし座、おとめ座、かみのけ座付近は銀河の宝庫で、このあたりならどこを向けて撮っても、何かしらの銀河が写っていることが多いです。コーワプロミーナーの星像はシャープですから、撮っていて楽しいですね。このたびは、ご投稿ありがとうございました。4月の新月期に期待しましょう。

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