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2019年10月

2019年10月24日 (木)

1200mmで撮るオリオン大星雲。

愛知県春日井市のHUQ様から、ご自宅ベランダから1200mmで撮影した「オリオン大星雲」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
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●オリオン大星雲
2019年10月23日23時01分~05時17分 タカハシ FS60Q ニコン D810A+TC-20EIII 合成焦点距離1200mm(F20) ISO1600 露出16分×6枚コンポジット SWAT350V-spec + SWAT350V-spec DECモード搭載試作機による2軸オートガイド 自宅ベランダにて撮影
 
■コメント
久方ぶりの撮影で色々失敗しましたが、とりあえず昇るM42・M43をモノに出来ました。もう少しコンポジット枚数を増やしてノイズ感を減らしたいところですね。f=1200mm コマ露出16分程度では揺るがぬガイド。頼もしいです。途中、頻繁に流れ雲にガイドを邪魔されたようですが、V-specの精度でガイド星自動再検出可能な程度のズレに留まってくれたようです。朝までグッスリ眠ることができました。
 
■係より
HUQさんには以前よりSWATのβテスターとして貴重なフィードバックをしていただいてます。今回は発売直前のV-specと開発中のDEC(赤緯)モードのテストをかねて2軸で1200mmをオートガイドしてもらいました。まったく天候に恵まれないここ半年としては超貴重な昨夜の晴れを活かしての撮影です。ベランダでのほったらかし2軸ガイドですから、撮影中にスヤスヤと睡眠をむさぼっても、ご覧のような素晴らしい結果をものにできました。こういう撮影もいいですね。2軸ならではのメリットは16分もの長時間露出でも星像が流れない(赤緯の補正量が大きいと写野が回転します)ことです。通常これほどの長時間露光ですと、大気差や極軸の設置誤差、機材の剛性不足などで、どうしてもわずかな流れが生じます。デジカメ時代になって長くても5分程度の露出が主流となって、そういった懸念は払拭されましたが、今あえてリスクの高いF20という暗い光学系で長時間露光という撮影法にチャレンジし、こういった結果をものにするHUQさんをリスペクトせずにはいられません。というか呆れますが…(笑) とにかく撮影の幅が大きく広がることは間違いないですね。ということで、SWAT-350を赤緯体にできるDECモードを現在開発中です。今のところ、大きな問題は生じておらず、来年前半には発売できそうです。お手持ちのSWAT-350にDEC機能を追加する改造も行います。超長焦点で2軸ガイドするか、1軸2台体制で撮るか、SWATの使いこなしも術も変わってきます。

2019年10月21日 (月)

夏の天の川。

横浜市にお住まいの渡辺潤様より、シグマ14mm Artによる「夏の天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。
 
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●夏の天の川
2019年6月9日3時50分~ シグマ 14mm F1.8 DG Art 絞りF2.5 LEE ソフトフィルター No.3使用 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 露出 120秒 SWAT-350によるノータッチ追尾 Lightroom, Photoshopで画像処理 撮影地 石垣市川平
 
■コメント
無理に夏の大三角と地上景色を入れようとしたため、中途半端な構図の写真ですが、今年6月に石垣市川平で撮影したものです。梅雨の悪天候が続く中、この日も日が変わる頃までは雲に覆われた空でしたが、夜明けに掛けて回復し、雲の切れ間から撮影する事ができました。ずっと10m/s近い強風が吹く中での撮影でしたが、SWAT-350の抜群の剛性に助けられ、短い焦点距離ではありますが非常に安定した画像を得る事ができました。湿度90%と非常に高く全体的にボンヤリした感じですが、雲のおかげで石垣市中心部の街灯りによるカブリが比較的抑えられたのは幸いでした。一枚撮りでも充分画像処理に耐えるのは、さすが石垣の空という感じでしょうか。
 
■係より
渡辺さんの初投稿作品です。好条件の石垣島での一枚撮りです。よい機材と空があれば、一枚でもこれだけ素晴らしい画像に仕上げられるという見本のような作品で、天の川の写りもすごいですが、いて座付近の中心部分からはくちょう座方向へ走る暗黒帯の描出も見事。ソフトフィルターで輝星を滲ませたのも雰囲気を高めるのに効果的です。作者のコメントにもありますが、14mmの画角だと、地上をとるか北アメリカをとるか悩ましいですね。ご投稿、どうもありがとうございました。次回作もぜひまたお送りください。今後ともよろしくお願いします。

2019年10月16日 (水)

秋の天の川。

横浜市にお住まいの蒼月様より、シグマ135mm Artによる「秋の天の川」をお送りいただきましたのでご紹介します。

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●秋の天の川
2019年10月4日21時10分~ シグマ 135mm F1.8 DG  Art 絞りF2.2 キヤノン EOS 6D(SEO-SP4改造) ISO1600 露出 180秒×15枚コンポジット×5パネルモザイク SWAT-310(PHD2で一軸オートガイド) PixInsight, Astro Pixel Processorで画像処理 撮影地 静岡県朝霧高原
 
■コメント
夏場の天候の悪さにやきもきしていましたが、10月最初の週末に久々の晴天に恵まれそうだったので朝霧高原に遠征し、牧場のかぐわしい香り(笑)に包まれながら撮影してきました。もちろん、久しぶりの星空を待ち焦がれていたのは私だけではなかったようで、当日は大変多くの天文ファンで賑わいました。
今回撮影したのは秋の天の川です。ケフェウス座からカシオペヤ座に至る領域で、5パネルをモザイクして沢山の星雲・星団を一網打尽にすることができました。画角は横方向にだいたい30度くらいです。右上にアイリス星雲、右下に IC1396、左上にクエスチョンマーク星雲、そして左下にはパックマン星雲まで写っています。この領域を撮影したのは初めてだったのですが、思いのほか赤黒いことに驚きました。これは星間物質が広範囲に漂っているからで、朝日や夕日が赤いのと同じ原理で赤くなるわけですが、この辺はそれが天の川の川幅いっぱいに広がっていますね。星間物質が中央部に集中し、グレートリフト(great rift)を形成している夏の天の川とは趣がまるで違います。秋の天の川は青白い清流では決してなく、赤茶色く濁った濁流であると思った方が良さそうです。なお、こちら(https://flic.kr/p/2htn3bk)には2000万画素の高解像JPEGファイルも置いてありますので、お時間があればご覧ください。
 
■係より
この夏もずっと天気が悪くて、ご投稿は久しぶりとなりました。そんな状況ですが、お送りいただいた画像がこれまたすごくて驚きです。秋の天の川ですが、全体に赤茶色が強く表現されている効果もあってか、広範囲に広がるHα星雲の描出が見事で圧倒されますね。有名どころではIC1396、クワガタ星雲、クエスチョンマーク星雲、パックマン星雲が写っています。レンズが明るいこともあるのですが、一晩で30度ものエリアをこのクォリティで撮影できるとは素晴らしいですね。このままハート&ソウルや二重星団まで延伸して欲しいです。貴重なご投稿、ありがとうございました。ぜひまたお送りください。

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