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2020年11月

2020年11月17日 (火)

クリスマスツリー星団付近(V-spec Premiumノータッチ)。

横浜市にお住まいの渡辺潤様より、三浦半島先端の城ヶ島で撮影した「クリスマスツリー星団付近」をお送りいただきましたのでご紹介します。

Christmas
●クリスマスツリー星団付近
2020年11月15日 3時22分~4時56分 コーワ PROMINAR 500mm F5.6 FL+TX07-T (350mm F4.0)  ZWO ASI2600MC Pro(GAIN=100) サイトロンジャパン LPR-Nフィルタ 180秒露出×30枚コンポジット SWAT-350 V-spec Premium(ノータッチ追尾) PixInsight, Photoshop, Neat Imageにて画像処理 撮影地 神奈川県三浦市城ヶ島
 
■コメント
入手したてのSWAT-350 V-spec Premium(モニター仕様)のシェイクダウンと言う事で、城ヶ島で撮影してきました。クリスマスツリー星団は天の赤道近くのため条件はより厳しく、また海辺で比較的風がある事も考慮し、露出時間は3分に切り詰めて撮影しています。結果は31枚中明らかに風で流れた1枚を除いた30枚を使用する事ができました。厳しめに見ても31枚中26枚は使用でき、80%を超えていますので、充分な成功率です。風さえ穏やかであれば、5分程度には伸ばせそうでした。
今回他の対象を撮影した結果を見ても、Premiumでこの程度の焦点距離、露出時間であれば、もはや追尾精度は気にする必要が無く感じられます。それよりも極軸合わせの精度、機材のたわみ、バランスの取り方などの影響が大きく、この点はそれなりに使いこなしの能力が求められるところでしょうか。
ちなみに、城ヶ島は首都圏から近い割にはそこそこ撮影できます。と言っても、北、東側は光害が酷く、南から西側の対象に限られますが。ただ、かなり強い画像処理を行うため、今回の対象では90分程度の総露出時間では不十分で、できれば3時間程度の露出時間は確保したかったところです。
 
■係より
開発中のV-spec Premium(モニター版)での初撮影です。モニター版は予定している製品版と同様のスペックで、β版に比べ、南半球回転でのPEC精度を大きく改善した仕様です。北半球回転はβ仕様と変わりません。今回、焦点距離500mmで3分間のノータッチ追尾を敢行していただき、厳しく判断して80%超の歩留まりとのことです。それでも風に煽られた一枚以外は、すべてコンポジットに使えたそうなので、パーフェクトに近い追尾といえましょう。デジタル時代になって、星像を拡大すれば数ピクセルの流れも簡単に検出できるようになり、鑑賞基準の許容精度では満足できなくなってきたのは、赤道儀メーカーとして、非常に厳しい時代がやってきたと感じています。追尾精度だけでなく、機材の剛性、大気差、極軸誤差などがありますので、1ピクセルも流れないというのは、なかなか難しいですが、ユーザー様にご満足いただける製品作りを続けていきたいと思っています。
さて、クリスマスツリー星団付近は、画像の左の星団です。周囲は赤い散光星雲に大きく覆われていて、西に赤っぽい星団や青いカタツムリ星雲があって、賑やかなエリアとなっています。有名なハッブル変光星雲も写っています。露出不足と謙遜されてますが、充分満足な出来栄えではないでしょうか。ピントはもちろん、画像処理も上等で、素晴らしい作品に仕上がっています。これからも、V-spec Premiumでお気軽ノータッチ撮影をお楽しみください。
 
Swat350
渡辺様の撮影システム。格好いいです。

2020年11月 6日 (金)

おうし座超新星残骸。

天文リフレクションズの山口編集長より、「おうし座超新星残骸」をお送りいただきましたので、ご紹介します。
 
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●おうし座超新星残骸
2020年10月24日24時46分~26時54分 キヤノン EF300mm F2.8 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4) Optolong L-eNhanceフィルター ISO12800 3分露出×38枚コンポジット ダークなし、フラット30枚 SWA-310V-spec Premium(β-version) DeepSkyStackerでコンポジット、Photoshopで調整 撮影地 福岡県東峰村
 
■コメント
お世話になります、天リフ山口です。Premium(βバージョン)に改造いただいた後のファーストライトです。ナローバンドではどうしても光量が不足するので、明るいレンズを使っても短秒多数枚には限界があります。SWATの安定追尾頼みで、これまでより長めの3分露出で撮影しました。追尾精度には全く問題はなく、安心して撮影することができました。次回は露出を5分に延ばして確認します。
 
■係より
Premium仕様のβテストをかねて、とても淡いおうし座レムナント(sh2-240)をナローで撮影してもらいました。レンズはキヤノンのサンニッパにOptolong L-eNhanceフィルター(Hα、H-β/O-IIIを透過) をつけて、3分間のノータッチです。Premiumの追尾精度をもってすれば、焦点距離300mm、露出3分でも完全な点像とのことでした。仕上がりはさすが編集長といった感じで、素晴らしいです。この星雲はおうし座β(右端の輝星)の東に大きく広がっていますが、あまりにも淡いのでとても難しい対象です。次回は露出を5分に延ばしてチャレンジしていただけるそうです。結果を楽しみに待ちましょう。
  
Dsc00921
撮影風景。マルチ赤緯ブラケットでエルボータイプのドイツ式に構成してます。扱いやすさ抜群です。

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